僕と幻想郷と過去日記   作:只今更新凍結中

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自身の力

萃香との戦いから数日・・・

 

「じゃあ今日はここまで、気をつけて帰るんだよ?」

 

「「「「「またね~お兄ちゃん!!」」」」」

 

僕は慧音の生徒の子供達と裏で鬼ごっこをしていた。

 

「ん?」

 

部屋には赤い髪の少し年下の女の子が本を読んでいて、

この子は皆が遊んでいる時も本を読んでおり、なんだか距離を置いているような感じだった。

 

「いつも本を読んでいるね」

 

「!!なんですか?」

 

左目を隠すように伸びた長髪、そして右腕を覆う包帯と札。

 

「いや、皆と混じらないのかなって・・・」

 

「何言ってるんですか。化け物が子供の中に入れるわけないじゃないですか」

 

「え?」

 

「・・・私は半妖です。だかr「誰がそんなこと決めたんだい?」え?」

 

「だから、妖怪だから、半妖だから遊べないって誰が決めたんだい?」

 

「それは・・・」

 

「何事もやってみなきゃ」

 

しかし彼女はさびしそうに、

 

「・・・無理ですよ、私は・・・傷つけることしか出来ない」

 

彼女は立ち上がると、

 

「では、さよなら」

 

そう言って出て行った。

 

「どうしたものかな・・・」

 

「どうしたんだ?明久」

 

「あ、慧音」

 

 

 

___________

 

 

 

「あ~智理か・・・あの子は昔ちょっと問題があってな」

 

「問題?」

 

「あの子はね火蜥蜴との半妖でね、能力が制御できていないんだ」

 

「あの包帯と札は・・・」

 

「そう、封印だ」

 

それほど強力なのか・・・

 

「あの子の能力はね、『葬炎を操る程度の能力』。

生命力にすら影響を与える炎だ」

 

「葬炎・・・」

 

「昔それが暴走してな・・・子供を・・・人を傷つけてしまって以来、距離を取っていてな・・・」

 

・・・

 

 

ほって・・・おける訳ないよね!!

 

 

____________

 

 

 

 

数日・・・あの人はよく私に話しかけてくる。

なんで、傷つけることしか出来ない私に話しかけてくるのだろうか・・・

害でしかない私になぜ構うのだろうか・・・

 

わからない・・・

 

「何であの人は・・・」

 

彼・・・吉井明久は有名だ。人気者と言ってもいい。

そんな彼が・・・

 

「大変だ!!妖怪が攻めてきたぞ!!」

 

思案していると村の入り口まで来てしまいそんな声が聞える。

 

「早く巫女か先生に連絡を!!」

 

「ほかは早く逃げるんだ!!」

 

いけない、逃げなky

 

「わあぁ!?」

 

あの子達は!?

私の目に映ったのは一緒に授業を受ける子供達。

逃げ遅れたのか妖怪は眼前まで迫っており、

 

「逃げて!!」

 

「あ・・・」

 

恐怖で動けないんだ・・・どうしたら・・・

私は右腕を見つめ・・・

ダメだ・・・この腕は・・・自身がない・・・

あの子達を傷つけるかもしれない。

そんな思いが心を覆い尽くそうとした時、

 

『何事もやってみなきゃ』

 

思い出したのはその一言。

あの人が言った言葉・・・でも・・・私に出来るだろうか・・・

 

 

 

 

 

いや、やらきゃ・・・!!

あの人が言ったように、やらなきゃ何も始まらない・・・

何もしないであの子達が傷つくのは・・・嫌だ!!!!!

 

私は札と包帯を剥がし、走る。

そして・・・

 

「やぁぁぁあっ!!!!」

 

子供達に迫る妖怪を炎の纏った拳で殴り飛ばした。

炎は妖怪だけを燃やし、周りにはうつらず消えていった。

できた・・・

 

「お姉ちゃん・・・」

 

「大丈夫?」

 

「う、うん・・・」

 

「皆!!!」

 

この声は・・・明久さん・・・

 

「お姉ちゃん!!」

 

あ、そうだ、ここは妖怪が・・・

後には腕を振り上げる妖怪・・・ここで避けたら後の子達に当たる・・・

私は庇うように腕を広げ、

 

『ズバッ!!』

 

妖怪の爪は肩からわき腹に向かって引き裂く。

あ~あ・・・最後の最後で気を抜いちゃったな・・・

 

「智理!!!!!」

 

私は明久さんの声を聞く・・・あの人でも叫ぶ時があるんだな・・・

 

 

 

_______________

 

 

 

僕は妖怪を殴り飛ばす。妖怪はひしゃげたように吹き飛んでいくが関係ない!!

 

「智理・・・」

 

僕は倒れかけた智理を受け止める。

傷は・・・深すぎる・・・

 

「明久・・・さん・・・」

 

「待ってて、今、治療するから」

 

「意外と・・・出来ましたよ・・・守ること・・・ゴホッ!!」

 

口から血を吐き出す智理・・・爪は肺を傷つけていた。

 

「喋らないで!!傷が・・・」

 

「最後の・・・ケホッ・・・最後で・・・失敗したな・・・」

 

「智理・・・」

 

「私ね・・・嬉しかったんだ・・・明久さんに・・・話しかけてもらえて・・・」

 

「・・・」

 

彼女は笑い・・・

 

「お兄さんみたいで・・・兄弟はいないけど・・・いたらこんな感じなのかな・・・って・・・」

 

「・・・うん」

 

下は血だまりが広がっていく・・・いくら半妖であろうと危険だ・・・

でも・・・治す術がない・・・

 

「やっと・・・進めたのに・・・やっと・・・向き合えたのに・・・

嫌だな・・・死にたくないよ・・・まだ・・・まだ皆と・・・遊びたいよ・・・」

 

涙ながら呟く彼女・・・

 

 

僕は無力だ・・・

何が絶対子供達と仲良くさせるさ・・・

何がやらなきゃ始まらないだよ・・・

今ここで泣いてる少女も守れない・・・助けられない・・・

この眼も、ここでは役に立たない。映るのは『死』が広がって行く彼女だけ・・・

 

「いやだ・・・」

 

何が・・・神さえ超える力さ・・・今悲しんでる目の前の少女すら救えてないじゃないか!!

 

何が超越者さ・・・僕は・・・一人の少女すら・・・救えない・・・

 

神様がいるってなら応えてくれよ・・・

僕は・・・この子を・・・助けたい・・・

 

『君は絆を力に出来る。それは君を導く光になる』

 

絆・・・つながり・・・

僕は・・・其処へと・・・底へと・・・落ちていく・・・

そう・・・僕は繋がりを持つほどに力を手に入れてきた・・・

そう・・・人と心を通わせることで・・・強くなっていった。

空回っていた歯車がかみ合うように、歯車が噛み合ったことで時が動き始めたかのように、

鎖は解けて行く。

 

そう、それは・・・みんなと共感し、共有し、そして、それを受け継ぎ、昇華し、手に入れた・・・

最後のピースがはまる様に・・・謎は解けた・・・

そうか・・・僕の力は・・・

 

僕は彼女を抱きしめ、願う。

命が削れても構わない・・・この子を・・・死なせたくない!!

 

それに応えるかのように白銀の光が彼女の傷を覆い始めた。

それは、霊力、彼女は妖力しか使えないから・・・僕の力。

命を表す輝き・・・その光は傷をゆっくりと塞ぎ、癒していく。

 

「・・・明久・・・さん・・・」

 

彼女は驚いたようにふさがっていく傷・・・胸元と僕を交互に見つめる。

そうだったんだ・・・僕の力は・・・

 

『力を共有し昇華させる程度の能力』

 

頭の中で浮かび上がった文字・・・

僕は走ってくる慧音を見て・・・気を失った。

 

 

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