東方太陽史   作:ほくまる

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再会

 里の入り口は人でごった返していた。そのため、人をかき分けて進まないと入り口どころか里の一番外側の塀すらも見えない。

 

「はぐれるなよ、陽明!」

 

「分かってるって!」

 

 二人で声をかけながらはぐれないようにしたが、それでもすぐに人の波が視界を遮ろうとするので瞬く間に魔理沙の姿は見えなくなった。まあどうせあいつも見ることはできるだろうと思い、また人をかき分けて里の門へと進んでいくことにした。

 

 しかし、あと少しのところで突然門の方から女性の悲鳴が聞こえた。何事かと思ったが、状況はすぐに分かった。人がみるみるうちに横へよけていったのである。

 

 そして全部がはっきりと見えた時、自分も思わずその場に立ちつくしてしまった。

 

 そこには赤い装束を着た巫女が立っていた。荷車に「何か」を乗せた状態で引っ張りながら。

 

 よく見ると、赤い装束ではなく、白色も紛れているのが分かる。それに顔も返り血で真っ赤に染まっていた。あまりにも装束に血が付きすぎたために全部赤色にしか見えない。

 

 それだけでも身の毛のよだつような雰囲気を出していたが、何よりもその眼が恐ろしかった。少しでも外せばその場で殺されるような、狩人のような、殺人鬼のような目をしていた。

 

「……そこにいては私が通れない。通して」

 

 彼女がそう口を開いたところで我に返った。いつの間にか彼女は目の前に立っていた。よく見ると先ほどの怖い表情はしておらず、少し人間味のある穏やかな表情になっていた。その表情を見ると同時に自分はある記憶を思い出した。

 

「君は……博麗霊夢?」

 

 その言葉に対して彼女は反応を見せることなく自分の横を通って里の中へ入って行った。彼女が道を通ろうとすると、周りにいた人間は磁石のように彼女から離れる。

 

 僕はそこに立ったままだった。彼女との再会を喜ぶと同時に、あることを思った。

 

 先ほど見せたあの恐ろしい表情は前も見た覚えがある。あの時にも見た気がするが、なぜかもっともっと昔に一回見たような感じがした。なぜそう思うのかは分からない。記憶の隅から隅までつついても、絶対に出てこないような気がする。

 

 ふと、彼女にそのことを聞いてみたくなった。それが聞けなかったとしても、あの時の男の子だともう一回思い出してくれるだろうか。

 

「ちょっと待ってくれ!」

 

 そこにさっきはぐれた魔理沙が走ってきた。

 

「はあ、はあ、ようやく見つけたよ。まったく、なんで、はぐれるなって、いったそばからはぐれるんだよ」

 

 息荒く言った。さっきまで走っていたのだろうか、彼女は少し汗をかいていた。

 

「これじゃあさっきと逆の立場だな」

 

 ちょっと得意げになりながら言った。そしてこう続けた。

 

「ごめん、先に帰ってていいよ。彼女と話したいことあるから」

 

 そう魔理沙に言い残して彼女を追いかけた。

 

「おい!ただでさえ私、疲れてるのに……待ってくれ……」

 

 後ろを少し振り返るとその場で座り込んでいるのが見えた。彼女があんなに弱っているのを見るのも珍しいから、ちょっと見ようかとも思った。

 

 しかし、そんなことをするとまた霊夢に会えなくなるかもとも思い、そちらを優先した。どんなことを質問しようか悩んでいると、いつの間にか足が速くなる。

 

 あまり時間が経たないうちに、「何か」が乗った荷車が遠くに見えた。

 




ちょっと短くしました。これくらいの長さでいこうかなと考えております。
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