さつばつぐらし!   作:備品猫

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第10話

 バリケードの点検や彼等が侵入していないかの確認など、日が沈んでいる時間帯は慈と足立で見回りをする事が常だった。

 今までは一通り見回ると足立一人で徹夜していたが、彼等に動きもないため最近では足立も慈と同じ頃に眠るようになった。一番の理由は、悠里が昼夜逆転した生活を送る足立を心配していたからであるが。

 

「佐倉先生。おやすみなさい」

「ええ、おやすみなさい」

 

 足立が小さく頭を下げながら生徒指導室に入る。

 それを見送ると慈も学園生活部部室に入った。学園生活部の部室として模様替えをしたその部屋は元は生徒会室として使われていたのだが、当時の物は殆ど撤去されて無くなっている。

 

 机の上に置かれたランプのスイッチをいれると、暖かな光がゆっくりと周りの闇を押し退けていく。

 彼等の気を引かない様に、電力の節約も考えて明かり自体は強く設定していないため部屋全体には届かない。

 そのまま電気ケトルの電源を入れ、湯が沸く間に戸棚から目的の物を取り出す。

 表紙に『部活動日誌』と書かれたそれは、三階を制圧した後から慈が書き始めたものだ。当初は、あの日起こった出来事を書いた手記、誰かに宛てた手紙、今の事態への告発文、もしくは慈達の遺書として書いていたノートだった。

 

「ふう……」

 

 淹れたてのお茶を少し飲んでから、慈は部活動日誌を開いた。眠気がお茶の苦味で払われ、覚めた頭で今日あった事を思い出していく。

 

(今日は何があったかしら……)

 *

 学園生活部が作られて数日。

 慈達の雰囲気は次第に良い方向へと向かっていった。

 まず、悠里の顔付きが変わった。

 いつも深刻そうで思い詰めていた顔は、全員を見守る優しさに溢れた穏やかな顔になった。

 食料、電気や水道、慈達の健康といった生活基盤は全て悠里の管理によって上手く保たれている。

 胡桃は今まで無理に元気を見せていたが、余裕を持った元気を見せるようになった。

 目を離すと相変わらず無茶をしてしまうが、その頻度は確実に減っている。やはり足立の存在が大きいと慈は感じた。

 足立は学園生活部が作られると頼りに出来る存在になった。胡桃との危険な仕事を殆ど一人でこなすようになったからだ。仕事を奪われた胡桃は不満を示していたが、その分は悠里が菜園の力仕事をさせている。

 そして何より、由紀が笑顔になった。

 最初はぎこちなかった笑顔が、すぐに昔のような屈託のない笑顔が見せるようになった。

 元気さも合わさって、由紀は学園生活部を一気に明るくしてくれる。

 一人一人が歯車として上手く噛み合い、そしてさらに由紀は拍車を掛ける。今の学園生活部はエネルギーに満ち溢れていた。

 先日も、『学園生活部心得』なるものを作るために一日中白熱した議論を繰り広げていたのだ。

 前向きに生きていく姿。

 そんな由紀達を見ていると、慈は昔に戻ったような気がした。

 まるで、あの日が無かったように感じてしまう程に。

 そんな穏やかな日々が続いている。

 *

 一通り日誌を書き終えた慈は一旦筆を止めた。

 最初は今の状況に不安を覚え、辛い気持ちで近況などを書いていた。

 だが、部活が始まってからは慈にとって嬉しい出来事が増え、それと同時に、由紀達が不安な思いをしていないだろうかと考え始めていた。

 慈でさえ未だ寝る時は不安に押しつぶされそうになる。

 生徒達がどんな思いをして生活しているのか。辛い思いをしているなら、なるべく相談になり、心の支えとなりたい。そう慈は思っていた。

 

(そうだ、進路懇談なら生徒達と一対一で話すにはうってつけの学校行事だわ)

 

 授業や部活をするようになってから、何かをするにも行事に絡めて考えるようになった。

 そんな昔の習慣に倣おうとする考えが可笑しく思えて、慈は少し笑ってしまった。

 だが――

 

「……雨」

 

 ヒビの入ったガラス窓から、真っ暗な空間の中で雨粒が窓を打つ音が聞こえてくる。

 夕方から降り始めた雨は、強くなる事も弱くなる事もなく今も降り続けている。

 太陽光も発電できず、洗濯物は部屋干ししてもなかなか乾燥しない。日中が暗いのも、気分が上がらない原因になるだろう。

 

(さて、もう寝ましょうか)

 

 慈は悩みを払うように日誌を閉じると、ランプの灯りを消して生徒会室から出て行った。

 *

 潰した頭から得物を抜いて、動かなくなった体から足を退ける。

 原型の無くなった頭から、ゆっくりと紅い泥濘が広がる。それは止まる事なく足元を浸し、何処までも続いていく。

 

「……ぁ……あぁ……」

 

 呻き声で反射的に振り返る。手を伸ばせば触れられそうな所に一人の生徒がいた。

 

「あ……ああぁ……」

 

 女子生徒だ。あの日、一緒に逃げていた。

 

(一緒に逃げて……?)

 

 その後、どうなっただろう。

 何かがあった筈なのだ。だが、足立にはどうしてか思い出せない。

 

「助けて」

 

 ゆっくりと近づくそれは、血に濡れた手で足立の服の袖を掴んだ。

 その手は小指が無くなっていて、肌も血が通っていないと思える程に白い。

 

「お願い。助けて」

 

 悲痛な、それでいて真摯な程の懇願だ。

 だが、その顔は皮膚が裂け血に濡れていて、正常な人間には見えない。

 

「殺さないで」

 

 この女生徒にみえる化物も、彼等であり、生存を脅かす存在なのだ。

 掴んでいた腕を振り払い、得物を掲げる。

 

「お願い。殺さないで」

 

 その口が言葉を話そうと、何も考えない。ただ手に持った得物を振るうだけだ。彼等は脅威であり、殺さなければ自分が殺されるのだ。

 

(いつも通りだ)

 

 頭を潰す。

 それはもはや作業として固定化し、快や不快、高揚感も嫌悪感は何処にもありはしなかった。

 それは当たり前の行動であり、何も感じる必要はないのだから。

 

「助け」

 

 振り下ろした棒に鈍い手応えを感じながら、また振り下ろす。腐った皮膚を潰して、その頭蓋を粉砕する感触を感じながら、それでも振り続ける。

 そうやって、いつも通り頭を潰して、また次の頭を潰す。延々と続く処刑を、飽きもせずに続ける。まるで自分が機械になったように感じる。

 

「忘れるの?」

 

 だが、いつのまにか、割れていた頭が綺麗に戻っていた。さっきまでの彼等の顔ではない。いたって普通の健康的な人間の顔。彼等になって、足立によって止めを刺された生徒の顔。

 その生気を感じさせる口が、歌うように何重にも言葉を紡むいでいく。

 

「何を憶えているんだ」「逃げるのか」「一人で楽になろうとして」「俺たちの事なんて」「あいつらと同じだって」

 

 その顔が、敵意を持った胡桃の顔に変わる。まるで初めて踊り場で会った時のような表情。

 

「お前も、あいつらと同じだ」

 

 悲しそうな悠里の顔に変わる。

 

「何も考えずに」

 

 辛そうな由紀の顔。

 

「殺すの」

 

 慈の顔。

 

「貴方も同じ」

 

 全てが、足立を責める。

 何も感じない足立を。何も考えない足立を。

 その口を黙らせるように、足立はまた腕を振り下ろした。

 *

「……はぁ」

 

 鏡に映る隈の出来た顔を眺めて、足立は溜息を吐いた。

 

(何が現実を見ろだよ。俺が最初にまいってるじゃないか)

 

 彼等を葬る自分。

 足立が三階で生活するようになってから、よくみるようになった夢の内容だ。

 基本的には彼等の頭を潰すだけの夢だ。たまに彼等の顔が普通の人間の顔になったり話し出したりするが、その根本は変わらない。

 彼等を転ばせて、押さえつけて、頭を潰す。

 どうしてそんな夢をみるのか、何となくだが足立は理解していた。

 日常が崩壊したあの日から、学校の一階で生活するようになって足立は何処か昔の感覚を無くした。

 死体を見ても、彼等を殺しても、特に何も感じない。それらの顔が見知ったものであれば感傷にも浸るが、長く続くものでは無かった。

 生きる為に、正気を保つ為に、昔の感覚は足枷になってしまう。

 それは一階で生きていく上で不必要なものだから。いちいち涙を流して悲しむ暇を彼等は与えてくれないのだから。

 

(だからって、ただの高校生に、出来るわけがないか)

 

 昔を忘れられない自分がいて、人間味を失いかけている自分を戻そうとしている。

 家族と一緒に暮らして、友人と無駄に時間を過ごして、喜んだり悲しんだりする日常に戻ろうとする自分が。

 そんなものは、もう何処にも無いと分かっているのに。

 おかげで目覚めも悪く、眠れば必ずと言っていい程にそんな夢を見るため、足立は慢性的な睡眠不足に陥ってしまったのだ。

 

(部長には寝不足ってすぐにバレそうだなぁ……)

 

 何かと小言や世話を焼く悠里を想像して、足立はさらに情けない気分になる。学園生活部設立からというもの、活気付いている悠里達を心配させるのは気がひけるからだ。

 

「……はあ」

 

 もう一度溜息を吐くと、足立は顔を洗い始めた。

 *

「いやぁ、読んでた本の結末が気になってさ。すいませんでした」

「足立君。しっかり寝ないと体調を崩すのよ?」

「すいませんでした」

「ていうか、この頃居眠りも多いけど……もしかして前から……」

「すいませんでした」

「……ねえ足立君?なんだか空返事に聞こえるのだけど?」

「なんだか、二人とも夫婦みたいだね」

 

 狭い室内で繰り広げられる会話を眺めながら、笑顔で由紀は胡桃に言った。

 

「ゆき……あの場面で夫婦にみえるって可笑しくないか?」

「そうかなぁ」

「普通は『足立は馬鹿だなぁ』とか、『りーさんはやっぱり怒ると怖いなぁ』とかだろ」

「うーん……二人とも優しいからねえ」

「……ん?」

 困惑する胡桃に、至極当然といった笑顔の由紀。

 どうして由紀はそんなに嬉しそうなのか。胡桃にはよくわからなかったが、由紀の笑顔を見ていると、不思議と二人の遣り取りが面白く感じてしまう。

 

「まぁ、心配性の奥さんと不真面目な旦那、と思えなくはないな」

 

 悠里に平謝りし始めた足立から目を逸らして、胡桃は皿洗いを再開する。

 本来は悠里がしている仕事なのだが、当の悠里は朝食終了から足立の顔を見てから当人と『お話し』をしている。

 

「本当に分かってるの? あ、だ、ち、く、ん?」

「いや……あの……部長?」

 

 鼻先が触れ合いそうな程に顔を近付けて静かに怒鳴る悠里に、いつの間にか土下座した状態で狼狽する足立。きちんとした返事をするまで動かない、足立にはそう見えて仕方なかった。

 

「……」

「あの……」

「……」

「……これからはちゃんと気を付けます。申し訳ありませんでした」

「……はあ、分かればいいの。分かれば」

 

 足立の返事に納得しきらない様子ではあるが、悠里は溜息を吐くとそのまま椅子に座った。

 

「……まったく、体調崩して辛いのは足立なんだからな?」

「……分かってはいるんだがなあ」

 

 悠里と交代するように、洗い物を終えた胡桃が手を拭きながら正座している足立に向かって言った。

 何とも意地の悪そうな笑みの胡桃に口答えしたかった足立だが、何とかそれを飲み込むと苦笑で返した。

 

「そうだよー足立君。学校は休んでも、部活は休んじゃ駄目なんだから」

「いやいや、ゆき。それは普通逆だ」

「まぁ、ずっと学校いるんだけどな」

「あ! それもそうか!」

「ま、これからはちゃんと気を付ける事だな」

 

 そんな他愛の無い話をしていると、慈が部室へ入ってきた。

 

「あれ、どうしたの? めぐねえ?」

「由紀さん。めぐねえ、じゃなくて佐倉先生」

「はーい」

 

 朝から2回目のやり取りをすると、部室を見回して全員いる事を確認して、国語教師兼学園生活部顧問は笑顔で宣言するように言った。

 

「突然だけど、今日は進路懇談をします」

 一番手の悠里との懇談を終え、次に呼ばれた足立は慈が懇談場所とした放送機器室に入った。

 放送用の機械が置かれたそこも比較的汚れが少なかったが、簡単に掃除するとそれからは物置代わりとして使われていたため、今では部屋の隅に食料や飲料水を入れたダンボールが山積みにされている。

 慈と足立は机を挟んで、それぞれ向かい合うように椅子に座った。

 

「進路懇談と言っても、話す事は違うんだけどね」

「ええ、そんなの分かってますよ」

 

 慈の少しバツの悪そうな顔で取り繕うような言葉に、足立は苦笑して返す。

 今更卒業後の進路なんてものは考える意味もない。

 

「悠里さんから聞いたわ。最近体調が悪いようだけど、大丈夫?」

「……まぁ多分、大丈夫です」

「……理由を聞いても?」

 

 慈から目を離した足立が束の間、思案する。

 言うべきか、言わないべきか。

 現状で、三階での共同生活で一番問題があるとすれば、足立の体調不良くらいしかない。

 だが、慈に相談したところで、足立は自身で対処しなければいけない問題だと思っている。

 

(若狭から頼まれているんだろうなぁ……)

 

 足立の返答が適当に流すものだったという事は、悠里には分かっているのだろう。だからこそ慈に足立の事を相談して、どうにかしようとしているのだろう。

 なら、いつか話さなければいけなくなるだろう。

 

「……なんかこの頃、悪い夢を見ちゃって……なんか子供っぽいですけど」

「そんな事ないわ。先生も寝る前は不安に押しつぶされそうになるの。……どんな夢か憶えているの?」

「……彼等を殺す夢を見るんです。一階でいた時みたいに、彼等を殺す夢」

「……そう」

 

 慈はふと思い出す。

 惨劇を思い起こさせる一階の廊下を、何事もなく歩く足立の後ろ姿。まるで当たり前のように感じているその表情を。

 

「なんか一階にいた時と今の生活のギャップが大きすぎて、気疲れしちゃって」

「……」

 

 あの日から失いかけていた昔の感覚が、三階で生活する内に足立に戻ってきたのだろう。

 彼等も、残酷で殺伐とした日常もない昔の感覚。

 だが、おかしくなった感覚だからこそ生きられていた時の記憶が、まるで負責のように今の足立を襲った。

 一階の惨状。彼等の殺し方。そういった記憶が思い起こされる度に、足立の中に戻った感覚が拒絶反応を示した。

 

「……だから、一人で彼等の相手をしているの?」

「……」

 

 慈の指摘に、足立は黙り込む。

 学園生活部設立からというもの、足立は胡桃との仕事を一人でこなし始めた。生活圏を拡げる時も、見回りも、自ら率先して危険な事に首を突っ込んでいる。

 一階の頃と同じ様な環境に戻れば、夢に怯える必要もないはずだ。

 慈には、足立がそう思えているようで仕方なかった。

 

「一階での自分がおかしく思えるなら、もう戻らなくてもいいじゃない」

「でもそれじゃあ……苦しいんです。彼等を……人間だった彼等を殺す記憶が、殺しても何も感じなかった自分が、思い出すと怖い」

 

 だから、と足立は続ける。

 

「……忘れるしかなかったんです。そうしないと……生きているのが苦しくなる……」

「……」

「忘れれば……記憶を無くせば……心を無くせば、楽になれると思って……」

 

 慈は立ち上がってその震える体を抱きしめた。身長も肩幅も慈より大きい筈なのに、その体が酷く小さく慈には感じた。

 

「……辛かったわね。よく耐えたと思う」

 

 足立の持つ感情がどれ程辛い事なのかは、慈には分からない。きっとそれは足立にしか分からないものだ。

 

「でもね、辛いからって、悲しいからってあんまり逃げてると、大切な事を忘れちゃうわ」

 

 だが、慈には許せなかった。

 忘れることは、楽な道だっただろう。何も考えなかったことが、生きていくのに有利だったのかもしれない。

 だがそれは、何の解決にもならない。誰の為にも、足立自身の為にさえならない。

 

「誰と関わって、誰と喧嘩して、誰と付き合って、誰を嫌いになって、誰を好きになって。そんな全てを忘れたら、その誰かも足立君も、何処にもいなくなっちゃうわ」

 

 日常は滅茶苦茶に破壊され、そんな人々が居たと言えるのは、生きた者達の記憶の中だけだ。

 自分の存在さえ消えて、それでも生きていく事に何の意味があるというのだろう。

 

「だから、悲しい時は悲しくていいの。大丈夫じゃなくていいのよ。……だから、忘れないであげてね」

「……はい……はい」

「泣き叫んで苦しみもがいて、後悔しても自分が憎くても、貴方の記憶の誰かを忘れないであげて」

「うう……ううぅ……」

 

 それでも、足立は歯を食い縛るように泣いた。

 *

 あの日からずっと求めていた様に思う。

 甘く優しく安全な日常。そして、友達や教師と笑って過ごす日常。

 丈槍由紀にとって、求める物とは即ち『昔の日常』だった。

 だが、辛く残酷で危険な日常の中では、耳と目を閉じて生きているしかなかった。

 自分の中に浸り込む事で不安から逃れられた。不安に押しつぶされそうな心を唯一守れる方法なのだから。

 

(楽しい)

 

 だが――想像もしなかった。

 視点を変えるだけで、心の持ち様で、こんなにも世界が楽しく見えるなんて。

 外の惨状を知っているからこそ分かる。

 難しくて眠たかった授業も、何の魅力も感じなかった部活も、こんなに心を踊らせるものだと。

 

(楽しくて仕方ない)

 

 そして由紀は気付いた。

 昔の記憶と今目にしているものが、血に濡れた廊下や教室も、全て同じものだと云うことに。

 悪い事と同じくらい良い事があり、嫌いな物と好きな物が沢山あった学校。

 そして、部室に行けば楽しいことや面白いことがあって。優しい友達と優しい先生がいて。

 

(この学校が、好き)

 

 そう思う度に、楽しい記憶が浮き上がってきて、由紀はさらに胸が高鳴った。

 

(私は、この楽しい学校が好きだ)

 

 だから――

「ゆきー? 次だぞー」

「はーい! くるみちゃん」

「由紀の事だから、勉強の事でこっ酷く怒られるだろうなあ」

「うう……やっぱり行きたくないないよお……」

「そうねえ……ゆきちゃんの為に授業数を増やしてもらいましょうか」

「わあああ! やめてりーさん!」

「ほらほら丈槍、先生が待ってるぞ。部活は休んでも、学校行事は休んだら駄目だからな」

「もう! 足立君まで! みんなの意地悪!」

 

雨雲で暗い空に似合わず、由紀の足取りは軽く、笑顔のまま放送機器室へと向かった。




作中に何となく出しましたけど、電気ケトルって凄い電気食うんですね。サバイバルは何処へ……
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