ある少女は全てを持っていた
人々が羨む財、人々がひれ伏す美貌、人々が恐れ慄く力
しかし、少女は総てを持っていながらも少女は貪欲に求める物があった。それは目に視えず、触れられず、しかし確かに存在するモノ
―――すなわち愛である
少女には到底理解し得ないモノであり、誰一人として与えてはくれなかったモノ。
故に追い求めるのである、手に入れ、実感するために
―――夢を見た
暖かいひだまりの中無邪気に笑う銀髪の少女
その姿を見て微笑む同じ銀髪の女、そんな二人に寄り添う優しげな男
きっと彼等は「家族」と言うモノだろう
幸せな一時の光景
そんな光景に混ざりたくて手を伸ばした
しかし触れたとたん脆く、儚く壊れてゆく
そんな光景をぼうっと視ていて再度実感する
これは、夢であり願望だと
ピピピピピピ
――カチ
耳障りな電子音を聞き目が覚める
覚めたとたん目の前に広がるはなんの代わり映えの無い自分の部屋
(また懐かしい夢を見た気がする、、、)
夢の内容は良く覚えてはいらずとも懐かしい感覚が残っていた。名残惜しくとも起きなくてはならない
私は髪をとかしながら夢の内容を思い出そうとしていた暖かい感触を少しでもまた味わえるように。しかし余り思いだせはしなかった、あったのは空虚な気持ち
まぁいいかと考えながら食事を済ませ身だしなみを整え毎朝の日課である両親の墓参りをしに家をでる。
両親の墓は毎朝掃除しているためか汚れ一つと無い
昨日供えた萎れかけの花を捨て新しい花を供える
「行ってきます」
返事が帰ってくるわけがない言葉を放ち言って虚しくなる。が、寂しくはならないし寧ろ清々としている。
両親はエルヴァンス家という魔術師のなかでは最高峰の一族で私はそれを継ぐ娘という存在だ
両親は一族の誇り等というどうでもいいモノを守るため娘という私には一般的に与えられる愛情は注がれず魔術の扱い方や一族に恥じない振る舞い方を叩き込まれた。上手く出来なかった日には暴言、暴行、出来たとしても小言を言われる。そんな毎日だった
そのせいもあってか私は暖かい家族とやらに憧れを抱いた。一生くるはずもない幸せを、誇りの為に娘を罵倒する両親を憎く思いながら
しかし、神は私を見捨てなかった
ある時両親は私を家に置いていき二人で出掛けて行ったそして運悪く交通事故に会い呆気なく死んだ
葬式に参列しても涙は出なかった、死とはなんと簡単に訪れるのだろうと思いながら両親だったものを見ていた
「……い…おい、おいってば!」
誰かが後ろから話しかけてきて我に戻る。通学している途中で物思いなんかするんじゃなかった
「大丈夫か?アトリ、顔色悪いぞ?変な物でも食ったか?」
後ろから話しかけてきたのは同級生であり私に普通に話かけてくる数少ない人の一人、一条葉月だった
「大丈夫よ一条君、悪い物なんて食べてないし。言うならば物思いにふけっていただけよ」
ニコリと愛想笑いを浮かべる。こいつは入学したときからずっと話掛けてくる厄介で苦手な奴だ。
「そ、そっか!良かったよ気分が悪いとかじゃなくて!いやー良かった良かった!…」
顔を赤らめながら何か言ってるが気持ちが悪いだけだ
気持ち悪いなんて言っているが彼は校内では断トツの美形男子でありファンクラブなんかが存在している。興味なんて微塵も沸かないが
「えぇ、心配掛けてごめんなさい。でも早く学校へ行かなくては遅刻してしまいますわよ?」
「え?あぁ!ヤバい!!って置いて行くなよアトリ!」
誰がお前なんか待っていてやるもんかバーカ
これでも体力には自信があるので走って行く。遅刻は避けたいし、アイツと一緒に登校してファンクラブやら何やらの奴等に目をつけられるのは面倒だからスピードを上げた
結果遅刻せずには済んだのだがまた嫌な奴に絡まるはめになった。
「あぁ~らアトリさん、汗なんかかいてどういたしましたの?自慢の銀髪が汗まみれでしてよ?」
…零条院明子、高飛車で魔術師の一族の後継者。こいつも何かと絡んでくる奴で普通に話しかけてくる。簡単に言えば、一条以上に嫌いだ
「ほんっと身だしなみに気を付けなさいよぉわたくしの友が汗臭いなんて考えられませんものぉ」
いつお前を友人だと言った
なんて言えないが。
「ごめんなさいね、明子さん。少し走って来たから…」
「そうでしたの!だったらわたくしの香水を貸してさしあげても「結構です」そう、、友としての証しと思ったのですけどぉ」
知るか、あと残念そうな顔すんな
そんなこんなで学校は始まる。
つまらない毎日を過ごして行く。
まず、自分は何を書いてんだ、マジで
読んで下さった方々ありがとうございます
こんなぐだぐだ小説ですがゆっくりゆっくり進んでいきたいと思います、どうか暖かく見守ってください!