プロローグ?
俺はめんどくさい奴らが嫌いだ。
正直、恋愛だのなんだので騒ぎ立てられるこいつらを理解できない。
「またラブレター貰ってやがるぜ、こいつ」
「ちょっと顔がいいからって調子ノンなよ!」
「そう言ってやんなよ毎日女フルだけが生きがいの気違いなんだからよー」
本当にこのバカ達も毎日飽きないものだ。
確かに連日ラブレターを貰っているが、それに合わせてこいつらが冷やかしに来る。
暇なら勉強してろと言いたい。
「何だよ、文句あんのか!?」
「生意気だぞ!」
「
三人のうちのデブに突きとばされた。
教室の後ろのロッカーにぶつかって手紙を放してしまった。
「今度は誰に貰ったんだぁ?」
誰かなんて知るか。窓からいきなり入ってきたのに。
絶対にめんどくさいに決まってる。
「まあ誰でもいいけど俺らで返事しといてやるよ」
ガリノッポが手紙を拾った。
代わりに返事しといてくれるなら楽ができてありがたいかな。
まあ無理だろうけど。
「あんたたち止めなさいよ!!」
あ~あ。
一番めんどくさいのが来やがった。
いや、知ってたよ?コイツが来ちゃうの。もうお約束だし。
コイツと絡みたくて三バカが騒いでるんだし。
「一生懸命心を込めて書いた女の子の気持ちを考えなさいよ!」
お前も飽きもせずに同じセリフをよく言うな。
テレビゲームのNPCか。
「驍もよ!いい加減誰かの気持ちに応えてあげなさい!!」
腰に手を当てて、ビシッと人差し指を立てて。
本当になんだこのテンプレじみたポーズ。
はまり過ぎて逆に微妙だわ。
「はっ!なんだよ委員長!いつもいつも邪魔しやがって」
「そんなに庇うなんて驍のこと好きなんじゃねーの?」
ニキビが自爆した。
自分たちで無茶苦茶言って自分たちで落ち込むな気持ち悪い。
めんどくさくなりそうだ、否定しとくか。
「「それはない」」
おいこら、シンクロするな。
「まあいいわ。早くその手紙を返してあげて」
「な、なんでだよ!こいつには不要なもんだろ!」
確かに不要だな。
「だから女の子の気持ちを大事にしなさい!
ちゃんと返事をさせないといけないでしょう。
そんなんじゃあなた達の好きな子に嫌われても仕方ないわよ!」
はい、鈍感乙。
「う、ぅ、」
「う?」
「うるせええぇぇ!!
こんな手紙なんかああーーー」
「あっ!!やめなさい!!」
ガリノッポよ、ここで手紙を破こうものなら、本当に嫌われるぞ。
どうでもいいが。
「だめよちゃんと読んで、返事させないと!」
今ビリって音したけど。
「い、委員長が破いたんだからな!!」
「あんたたちが素直に返さないからでしょ!!?」
もう何でもいいから静かにしてくれ、めんどくさい。
「ほら驍。一応まだ読めるから」
中の羊皮紙、いまどき羊皮紙とか送り主誰だよ。
その羊皮紙は半分になっただけみたいで読めるらしい。
おい、自分で言っといてチラ見か?
「へ!?」
「い、委員長!!」
「消えたああぁぁぁぁ!!?」
「ッチ」
ああクソ。本気でめんどくさいことになりやがって。
俺に後始末しろってか。ふざけんな。
とりあえず三バカ黙れ。
とりあえず三バカの
どう始末付けたもんか。
『
ホントになんだよこの手紙。
***
「へ?」
えっと、なんでかな。
私落ちてる。
「きゃあああああぁぁぁぁぁぁあああああああああああゃやあああああああああ!!!!?」
待って待って待ってよ!なんでどうして!
意味分かんないからあああああああぁあぁぁあぁぁぁぁ!!
とりあえず死にはしませんでした。
落ちていく途中で減速して、膜か何かがあったみたい、
最後は湖にドボン。
あたしが泳げなかったら結局死んでたよ?
とにかく岸に向かって泳ぎました。
他にも湖から泳いでる人がいたから同じ方向に向かってです。
ショートカットの娘は頭の上に猫ちゃんを乗せてます。
泳ぐの上手だなあ。
「し、信じられないわ!
まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。
場合によっちゃその場でゲームーオーバーだぜコレ。
石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
「・・・・・・。
いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
先に岸に上がってた二人は何か言い争ってるみたいです。
止めてあげなきゃ。
「ちょっと待って。
皆混乱してるのは分かるけど今は言い争いしなくてもいいでしょ?」
「しかたねえか。そのピンクの下着に免じて大人しくしてやるよ」
「えっ?」
学ランの男の子に言われて気づいた。
・・・私の制服、透けてる。
「セクハラ!!見ないでよ!!」
他の事に驚きすぎて忘れてた。
私の学校の制服、白のワンピースタイプで濡れると透けやすいんだった。
「・・・・・・これ、使う?」
「ありがとう、ございます」
ショートカットの娘が上着を貸してくれました。
うう、なんで私の服だけ透けてるのよ。
赤いリボンの子も、白いシャツなのに。
「一応確認しておくぞ、お前らにもあのへんな手紙が?」
「そうだけど、まずは”オマエ”って呼びかた止めてくれない。
私は
それで、猫を抱えたあなたは?」
「
あ、どうしよう。
ちょっと気まずいです。
私一人気まずいです。
驍宛てのラブレターかと思ってたら、この変な世界の招待状だったみたいです。
私、どうしよ?
「おい、聞いてんのか?」
学ランの男の子に声を掛けられ意識を戻すと三人に見つめられてます。
「ごめんなさい。
ちょっとボーっとしてたわ」
「ったく。二度も名乗るなんて締まらねえだろ。
十六夜くんに手を引かれて立ち上がります。
「ありがとう、十六夜くん。
私は出席番号12番、
よろしくね飛鳥ちゃん、耀ちゃん」
「おい俺は!?」
「勿論よろしくね、十六夜くん。
それと申し訳ないのだけど。
手紙は読んだわ、でも私宛てじゃないの」
「「「「え?」」」」
「幼馴染宛ての手紙をひょんなことから読んじゃって・・・」
ああ、やっぱり気まずい。
こういう時どうすれば
「おいコラそこに隠れてるやつ出てきて説明しやがれ!!」
「あんまり沢渡さんを困らせるようなら容赦しないわよ!!」
「出てこないなら・・・・・・」
「ちょっと待って、ほんとうに待ちなさい!!
ありがたいけど、彼女も怯えちゃってるでしょ!!」
あれ、なんで女の人って分かったんだろ?
「いやいや助かりましたよ。
聖さんが仰ってくれなければ皆さんの視線「って耳!?」
ああ黒ウサギの素敵耳でございますか?
黒ウサギは”月の兎”の「えい」フギャアア!?」
「ちょっと耀ちゃんいきなりひっぱっちゃダメ!」
「へえ本物なのか」
「じゃあ私も」
「ふたりもやめなさぁぁぁああああい!!」
私が大声で叫んだら渋々、ほんとに渋々みんな手を放してくれました。
「えっとごめんなさいね、黒?ウサギ?」
「ありがとうございます。黒ウサギの名は黒ウサギですよ」
「あとで私も触ってもいい?」
「はい、いいですよ♪」
「それで?なんで委員長は自分のじゃない手紙で来れたんだ?」
「委員長?」
「委員長って感じだろ、言動とか」
「「確かに」」
「一応クラス委員長やってます」
「「「本当に委員長」」」
この三人ものすごく息ピッタリ。
なんか仲間外れ感がさびしいです。
「それは黒ウサギにも分かりかねます。
皆様を召喚したのは黒ウサギ達ですが召喚術式はホストの方なので」
「ホストって?」
「そうでございました!!
黒ウサギはこの箱庭世界の事を皆さんに説明に参ったのです!!」
とっても明るい娘だなあ。
ちょっと難しかったけど黒ウサギちゃんの話を纏めると
・ここは箱庭という修羅神仏までもが暮らす世界。
・”
・それによってあらゆるものが手に入る。
・メインは”ギフトゲーム”だが法も商売も存在する。
・”コミュニティ”という組織で活動しなければならない。
「はい黒ウサギちゃん!」
「何でしょうか聖さん」
「私が言えたことじゃないけど、
たぶん私”恩恵”持ってないよ」
「ええ!?」
「まあそうだろうな」
「いえいえ、仮に別人の召喚であっても”恩恵”無しだなんて考えられませんよ!!」
「じゃあ沢渡さんも知らないだけで持っているんじゃないかしら?」
「そうなのかな?」
「どうだろ?」
「それを調べるのも箱庭都市に入ってからですね。
此処にいてもどうにもなりませんし、
まずは皆さんを黒ウサギのコミュニティに招待いたします♪」
「えっと、すぐに帰ることはできないってことでいいんだよね」
「申し訳ありませんがそうなります」
「わかったわ、こうなった以上ここで生きていくことも楽しまないと!」
私の言葉に黒ウサギちゃんが喜んでくれました。
飛鳥ちゃんとも耀ちゃんとも仲良くできたらいいな。
「おい黒ウサギ、俺にはまだ聞きたいことがあるんだが」
黒ウサギちゃんに付いていこうとしたら十六夜くんが引き止めました。
「何でしょう?ゲームの事ですか?ルールの事ですか?」
「そんなのは死ぬほどどうでもいい」
死ぬほどではないでしょう。
これからそのゲームもルールも重要になってくるのに。
「手紙に書いてあったこと。
この世界は、面白いか?」
十六夜くんの質問に耀ちゃんも、飛鳥ちゃんも真剣な表情です。
私もせっかくなら楽しい世界で暮らしたいですからね。
「・・・・・・YES!
『ギフトゲーム』は人を超えた者たちだけが参加できる神魔の遊戯。
箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証致します♪」
「・・・・そうか!」
みんな嬉しそう!
私もちょっとニヤけちゃってるかな。
ごめんね驍、なんだか戻れそうもないし私はこっちで頑張るよ!!