一周回って、という言葉をたった今理解しました。
一周回って今すごく落ち着いています。
十六夜くんに拉致されました。
右腕で脇に抱えられて、左手で口を押さえられています。
ジェットコースターとか好きでした。
安全バーが恋しいです。
「
「悪いな!黒ウサギに告げ口されると面倒だったから着いて来てもらうことにした」
言葉発せていないのに通じた!
じゃなくて。
「
信じられないことが起きました。
とにかく無駄かもしれないけど暴れてみました。
私の膝が十六夜くんにヒット!
「どぁあ!?」
吹き飛ぶ十六夜くん、そして抱えられたままの私。
地面をバウンドして更に転がって、
森を抜けると
『ぐぼらぁ!!』
何か固いんだけど弾力あるものにぶつかってボチャン!
せっかく乾いた服が・・・
「「なにするのよ(んだよ)!!」」
水面に上がって文句を言ったはずが、
何故か十六夜君までもが文句を言ってきてます。
理不尽。
ここはしっかり抗議しておかないと!
「何で十六夜くんが文句言うのよ!おかしいでしょ!?」
「ふざけんな!いきなり蹴り飛ばされるとか意味が分からねえ!」
「拉致されて抱えられてどこかわからない場所まで連れて行かれて抵抗するなってこと!?
あり得ないから!絶対あり得ないから!!」
「それよりお前ただの女子高生じぇねえのかよ!?」
「ただの女子高生に決まってるでしょ!!」
「ただの女子高生に蹴られたぐらいで吹っ飛ぶほどこちとら軟じゃねえんだよ!」
そう言われてみれば、十六夜くんに抱えられて動いてる時も、
空気抵抗とか体にかかるGとかほとんど感じなかった。
それに◆◆kgの私を抱えて十六夜くん飛行機よりも速く走ってたような。
「委員長のギフトなんだろうが俺を蹴飛ばせるような女は・・・・・、
物凄く稀にいるのか?」
十六夜君がものすごく遠い目をしてるうちに服の水気を少しでも搾っておこう。
背中の方は脱がなきゃ駄目だから仕方ないけど何とか前は
『貴様らよくも我の眠りを妨げてくれたな!!』
ちょっと泣きたい、いや怒っちゃっていいよね?
せっかく絞ったのに後ろから水ぶっかけられたら。
「何だお前?」
「十六夜くん、見た感じ龍でしょ?」
「いや龍って程じゃねえなちょっとでかい蛇か」
「ちょっとでかいって、大蛇でいいじゃない」
『我を無視するとは舐めおって!!
貴様らに試練を与える、さあ選べ!!」
「いやです」
『は?』
「あなたの睡眠を邪魔したのはすみませんでした。
でもいきなり試練とか自分勝手じゃありませんか?」
「待てよ委員長。
確かに自分勝手だが俺は別に気にしねえ、むしろ大歓迎だ。
まあ
「まさか!?」
私が止めるより速く十六夜くんが大蛇さんをぶっとばしてしまいました。
その結果、巨体が湖?に倒れて、もう一回びしょ濡れです。
「お二人ともどこまで来てるんですか!?」
「私は拉致されたの!犯人はアソコ!!」
黒ウサギちゃんの声がして一人笑ってる男の子を指さします。
?
また黒ウサギちゃんの事気づいてた。
これも私が持ってるっていうギフトのチカラなのかな?
『まだだ・・・まだ試練は終わっていないぞ貴様らあぁぁ!!』
「ちょ!?どうすれば蛇神をここまで怒らせられるのですか!!」
「まあ後で説明するけど黒ウサギちゃん危ないから下がっとこう?」
「いや聖さん!十六夜さんが!!」
「委員長の言うとおりだ黒ウサギ!
邪魔したら承知しねえぞ!」
拳を構える十六夜くん。
大蛇さんは何だろう水の竜巻?柱かな?
それをいくつも出してます。
『逃げずに向かってくるか!
その意気に免じこれを耐えればお前の勝ちにしてやろう!!』
「寝言は寝て言え!
決闘は勝者を決めて終わるんじゃねえ!
やっぱり十六夜くんが強いのもギフトのチカラかな。
あ、水柱殴って爆散させた。
「って打ちもらし!!」
「聖さん!!」「委員長!!」
間に合わない!ヤダ!!
無駄だと分かってても手が出ちゃうのは本能なんだろうなあ。
蛇神って神様の一つだよね?
じゃあやっぱり。
「凄いのです!!聖さん!!」
「へ?」
怖くて目をつぶっちゃってたのを開けたら。
「これどういうこと」
「ヤハハハ!面白えじゃねえか委員長!!
残念だがお前は落第だ!駄蛇!!」
私があっけにとられてるうちに十六夜くんが大蛇さんを倒してしまいました。
*
「なんにせよ無事でよかったです聖さん」
「私もびっくりだよ黒ウサギちゃん」
大蛇さんが完全に倒れて私が受け止めてた水柱も力をなくして落ちました。
「人の事無視してんじゃねえよ、胸とか揉むぞ」
「やめて!」
「ぐはぁ!?」
反射的に十六夜君の頭を引っ叩いたら、
物凄い音と衝撃を生んで地面に叩きつける感じになっちゃいました。
「あゴメン」
「ゴメンで済むかぁ!!」
「よく考えたら胸揉むとか言う十六夜くんが悪いんでしょ!」
「よく考えなくてもそうですよ聖さん」
「まあいい」
「?
十六夜くんって問題児なの?
それともいい子なの?」
「「問題児だろ(です!)」」
「おい黒ウサギ」
口を突いて出ちゃったんだろうなあ。
「それより聖さん、何で十六夜さんを止めて下さらなかったんですか?」
「ああ確かに委員長なら止めそうだと思ってたが」
「お父さんに言われてたから。
『男が勝負すんのを邪魔しちゃいけねえ。
女がしゃしゃり出ていいのは勝負が始まるまでだ!』ってね」
「へえ?面白い親父さんだな」
「だからといって止めないのは」
「だって十六夜くん止めても止まりそうにもないし、
だったら勝つのを信じて待ってる方がいいかなって」
どうしたんだろう?二人とも黙っちゃって?
「まあ俺が勝つのは当然だがな」
「じゃあ十六夜くん!
黒ウサギちゃんも来てくれたし今度はちゃんと付いていくわよ」
「はい!ですがその前にあの蛇神様から恩恵をいただいておきましょう!
ゲームそのものでなく直接打倒されましたからきっと素晴らしいものがもらえますよ!!」
「なんだろう!楽しみだな!!」
黒ウサギちゃんが蛇神さんの所にまでピョンピョン跳ねていきます。
「ところで黒ウサギ、聞きたいことがあるんだが」
「何ですか十六夜さん?」
「お前、何か決定的なことを隠してるだろ。
いや言わないように会話を誘導しようと必死だったな」
「「え?」」
黒ウサギちゃんが何か隠してる?
「十六夜くんが言ってることって本当?」
「・・・・・・それは」
黒ウサギちゃんの顔色がどんどん悪くなっていきます。
「俺の予想だが黒ウサギのコミュニティのこと。
弱小なのか衰退しちまったかは知らねえが今ボロボロなんじゃねえか?
だから俺たちを召喚して立て直しを図ってる。
そんなところか」
「・・・・・・」
「しっかり説明して欲しい。
私は十六夜くんの予想通りだとしても手を貸してあげたい。
でも事情は知っておきたいの。
教えてくれる?黒ウサギちゃん」
「わかりました。十六夜さんも事情をお話すれば助けてくださいますか?」
「面白ければな!」
「十六夜くん!!」
こんな時に茶化すようなことは言わないでほしいな。
「ではせめてオモシロオカシク話して十六夜さんを味方につけることにしましょうか!!」