「事情は分かったわ黒ウサギちゃん!
私も”ノーネーム”の為に協力するね!」
「ありがとうございます聖さん!!」
私と十六夜君は黒ウサギちゃん達のコミュニティ”ノーネーム”のこと。
それから”旗”と”名前”や”魔王”についての事を聞きました。
「じゃあ十六夜くんも!」
「はっ!?」
「『はっ!?』じゃないでしょ。
十六夜くんは強いんだから困ってる黒ウサギちゃんの力になってあげるの!
せっかくの強さを活かす場がすぐ目の前にあるんだよ!」
「!!」
十六夜くんがちょっと驚いたような顔をしてます。
困ってる人を助けるのはそんなに驚く事でもないんだけど。
「じゃあ黒ウサギちゃん今度こそ案内よろしくね!」
「待てよ委員長、もともと俺は世界の果てを見に来たんだ。
ちょっと寄り道付き合えよ」
「時間が大丈夫ならいいんだけど・・・?」
「十六夜さんや黒ウサギの速力なら少々の寄り道は問題ないかと」
「なら十六夜くん私も連れてってね。
でもさっきみたいに脇に抱えてなんてのは嫌だからね」
あんな荷物みたいな扱いは恥ずかしくて仕方ないしね。
「早く抱え上げてくれないと。
首にぶら下がったままなんて私の腕じゃ無理だからね」
「お前、マジで言ってんのか?」
「マジって、十六夜くんこそ何を言ってるのよ。
ギフトなんて心当たりすらなかった女の子がそんな腕力もってる訳ないでしょう。
何のために腕を回したと思ってるの」
「・・・・・・」
やっと十六夜くんが私を抱え上げて移動開始。
うん。さっきよりも揺れないし怖くもない。
「十六夜くん!すごいすごい!
なんだかさっきよりも速いし快適な気がする!!」
「委員長が速く合流したがるだろうから移動ぐらいは急いでやってんだよ!」
「そっか、ありがとおね!」
そのまま世界の果てまで十六夜くんに連れて行ってもらいました。
そこで見た景色はとても言葉で言い表せるものじゃなかったです。
ちょっとだけ寄り道もいいなって思っちゃいました。
十六夜君たちには秘密です。
*
そして飛鳥ちゃんと耀ちゃんに合流。
したと思ったら何か危ないコミュニティとゲームをすることになってるそうで、
黒ウサギちゃんがものすごく怒ってます。
「君がジン君?」
「あ、はい。
”ノーネーム”リーダーのジン=ラッセルです」
「二人からもう聞いてるかな。
沢渡聖です。私も黒ウサギちゃん達に協力することにしたから。
これからよろしくね」
「はい!よろしくお願いします!」
「なら初めに、
黒ウサギちゃん達に謝りなさい」
「え?」
「委員長?」
「聖?」
「確かにそのガルドって人は許せないとも思う。
でもジン君はコミュニティのリーダーでしょ!」
「は、はい」
「君がならざるを得なかった状況にも同情できる。
でもねジン君、君は一度止めなければならなかった。
せっかく招いた同志なのにいきなり死なせかねないんだよ」
「待って沢渡さん。私たちはあんな下衆に負けるつもりはないわよ」
「大丈夫」
「うんん、そうじゃないの。
十六夜くんがそうだったように飛鳥ちゃんも耀ちゃんも、
きっとすごいギフトを持ってるんだと思う。
それこそガルドを簡単に倒しちゃえるくらいの凄いのを。
ただその事とジン君の
「何だ意外と委員長分かってるじゃねえか」
「ゴメンね十六夜くん。今は少し」
「ああ分かってる」
「説得力がなくても、初めて会ったなんて言い訳も全部無しにして、
ちゃんと二人を止めなきゃいけなかった。
それで二人が反論するようなら『僕がリーダーです!従ってください!』ぐらい言えなきゃダメ!」
私のお説教にジン君がしょんぼりしちゃってます。
でもゴメン、ジン君。
本当に必要なことだからちゃんと言い切るね。
「組織の一番上の人に必要なのは危機管理能力だと私は思うの。
箱庭で恐れられてる魔王から”名前”と”旗印”を取り戻すんでしょ?
これからは同じ失敗はしちゃダメだよ!
頑張れ男の子!!」
「!!っはい!!」
うん!良い表情になったねジン君。
「ねえ十六夜くんもしかして沢渡さん、そっちでも?」
「舐めて痛い目見た」
「でも聖ならなんか許せるから不思議」
「「確かに」」
「じゃあこれからコミュニティに案内してもらえばいいの?黒ウサギちゃん」
「あ!いえ、これから”サウザンドアイズ”で鑑定を依頼しようかと」
「鑑定?」
「ギフトのか?他人に値札貼られるのは趣味じゃねえんだが」
「そうね」
「うん・・・私も」
三人には悪いけど。
「ゴメンみんな!私はまだ心当たりって言うか、
何も分からないから知っておきたい!
これから何かあった時迷惑を掛けるようなことは極力なくしたいの!」
「そうですよ皆さん!
せっかくですから皆さんもご一緒に、
ギフトについて知っていればそれだけで効率よく使うこともできますし!」
黒ウサギちゃんも必死に三人に説得します。
その結果かは分からないけど鑑定の為に”サウザンドアイズ”へ向かうことになりました。
先にジン君は本拠に戻っておくそうです。
五人で進んでいくとちょっと街並みが変わりました。
なんとなく時代劇で視るような和風の、
江戸っぽい感じでお堀とか道沿いに在ったりしてわくわくしてきます。
「桜の樹、ではないわよね?
花弁の形が違うみたいだし」
「気合の入った桜が残っててもおかしくはないだろ」
「もう全部散っちゃっってるよ?
そう言えばこの辺には蝉がいないね」
「え?もう紅葉が終わるころだけど・・・?」
「皆さんがいた世界は時間軸以外にも文化・歴史・生態系など、
異なる点が多々あると思います」
「平行世界ってヤツか」
「正しくは立体交差平行世界論というのですが、
詳しく話す前に店につきますので」
黒ウサギちゃんの案内でお店の前にやってきました。
”サウザンドアイズ”って言うくらいだから目の旗印なんだろうなと思ってたら、
向かい合う女神様かな?そんな旗印でした。
「おい黒ウサギ、暖簾しまってるが」
「ちょっと待」
「待ったはなしですお客様。うちは時間外営業はやってません」
この店員さんシャットアウトが凄い。
「すみません、もう閉店時間なんですか?」
「いえ聖さん!まだ五分前でございます!」
「黒ウサギちゃん。
私はよく知らないけど、そのギフト鑑定って五分とかでできるの?
時間かかることなら予約とかしとくものじゃないの?」
「いや、・・・・その」
「ごめんなさい。私たち黒ウサギちゃんのコミュニティに入ったばかりで、
箱庭のルールとかあまり知らないの。
よかったら最後の五分でこのお店の事教えてもらえませんか?」
「貴女はまだ「イヤッホオオオオオオオオ!!黒ウサギいいいいいいいぃぃぃぃぃ!」
突然お店の中から女の子が飛び出してきて
「そんな勢いで走ったら危ないでしょ!」
黒ウサギちゃんに激突するところだったので止めました。
「「白夜叉様(オーナー)!!」」
店員さんと黒ウサギちゃんがとても驚いた声をだしました。
「ほう?おんし面白いのう。それに」
「どうしたのかな??っひゃわ!?」
ちょっと不思議な子かなって思っていたら、
なに、ちょちょっとお尻揉みしだいてきてるこの子って無理!!
「いやああああぁぁぁっっっ!!!」
「ふべらばああああぁぁ!!?」
思わずひっぺがして突きとばしちゃった私は悪くないですよね!
もうセクハラって言うか痴漢、っていうか痴姦でしょ!!
「なになになになに?なんなのその子!!?」
「すみませんうちのオーナーが失礼を」
「おーなー!?へっ?あの子がオーナーなの!?」
店員さんが丁寧に本当に申し訳なさそうに頭を下げてくれました。
「ヤハハなかなか面白いオーナーだな」
「笑い事じゃないの!!十六夜くん!!」
「そうね今の手の動き、・・・・・・いえ何でもないわ」
「ごめん聖。流石に私も・・・」
飛鳥ちゃんと耀ちゃんも顔色が少し悪くなっちゃってます。
「ふははは!面白い同志だのう黒ウサギ!
ワシが
ワシが責任を持とう。そ奴らを通してやれ!」
さっきの女の子が何事もなかったように起き上がって、
扇子を広げて笑ってお店の中に入って行きました。
とっさで手加減できなかったのに。
「すみません聖さん。
黒ウサギの身代わりに・・・」
「うんん。気にしないで黒ウサギちゃん。
でもあの子のこと知ってるの?」
「はい。その子と言いますか」
「何やってんだ二人とも。
入れてくれるんだから早くしろよ」
「待って三人とも!」
十六夜君たちはサクサクと女の子に続いてお店の中に。
「本当にすみません」
私と黒ウサギちゃんがお店に入るときに店員さんがまた謝ってくれました。
「大丈夫です。ビックリしちゃっただけですから。
えっと・・・あなたも、こんなことしか言えませんけど、
頑張ってください!!」
「本当にありがとうございます」
店員さんと両手で握手して今度こそお店の中に入ります。
彼女とはとても仲良くなれる。そんな気がしました。
聖のギフトのさわりだけ出しました。