ここにつづろう。我々と、私の「ベイベ」との戦いを。

※この小説は、フリーゲーム「イニシエダンジョン」を元に書きました。
 一応規約は読んで、大丈夫だと思ったのですが、原作者から苦情等が来た場合、消そうと思います。

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宝を守る者たち

 あれは……いつごろから始まったのだろうか。

 

 気が付けば仲間は木端微塵にされていた。

 

 毎日、そう。儚く散った仲間たちを奴らの知らない場所に埋めて供養する。

 

 それの、繰り返し。

 

 やつらはいつ来るのか、だが、来たときには我々は怯えながら、いつか倒せると思って突撃し、散っていく。

 

 我々の仲間の内、たった一名の宝を護るために……。

 

 『アイスシューター』。我々は使えないが、この矢には万物を凍らせるすごい力がある。

 

 やつらはそれを狙っているのか分からない……。

 

 だが、やつらは一度それを持った仲間を倒し、強奪したはずだ。

 

 なのにもかかわらず、何故またやってきた?

 

 ……そう言えば、何故かやつらの言葉が分かる奴が言っていた。

 

 「金欠はきついよ」と。時折は「あー大砲でねーなー」とか、「もうちょっとで基礎が……」とか言うときもあるが……。

 

 ただ、一番多いのは「でねぇ」と。

 

 何が「でねぇ」のかは分からない。だが、その「でねぇ」のせいで仲間たちは散って行った。

 

 許さん。

 

 そして、やつらがくるときには必ず、音がする。

 

 先ほどの言葉の分かる奴によると、「べイベベイベ」と、人の声らしい。

 

 やつらの名前は分からない。だから、やつらのことをその「ベイベ」と名付けよう。

 

 我々は上の者の統率の元、さまざまな方法が提案されたが、一番は一斉攻撃だ。

 

 ……そうだ。一度やつらはそれで我々に負け、散った。

 

 そしていつしか、勝てる。そう思っている。

 

 ……だが、上の者は我々の内の仲間が持っている『アイスシューター』の存在を知らない。

 

 だから、いつそいつが選ばれるのかは我々は恐怖になっている。

 

 「ベイベ」共はそいつを狙っているのか? 分からん。

 

 だが我々は何度でも追い返していく。あっち行くな、あっち行くな。と。

 

 その甲斐あってか、「ベイベ」共は必ず、あるやつがいた間の一歩手前で引き返すようになっている。

 

 これ以上前に行かせようとなると、やつらの噂のアレを取られかねない。

 

 ……「ふろうふしのみず」、と、とあるやつの日記に書かれていた。

 

 恐らく、それを狙っているのだろう。

 

 それは我々は持っていない。そう考えれば、犠牲も無駄ではないかもしれん。

 

 いや、だめだ。我々にも意地がある。

 

―――イベベイベベイベウェェェェェェーーーー

 

 やつらだ。

 

 今日戦いに行く勇敢な戦士たちが走って行く。『アイスシューター』を持っている仲間は選ばれていない。

 

 そして……また数々の犠牲の山が築かれていく。

 

 そして、「ベイベ」が来たらしばらくは何度も何度もやってくる。悪夢のように。

 

 こうしてまた、数えきれない大群が戦いにかかっても「ベイベ」は倒されない。

 

 ならば、と、誰かがひらめいたのか、とある宝箱に特殊な「何か」を取り付けた、いわゆるトラップを作った。

 

 そう。「ベイベ」共は集団でやってくる。

 

 そして、そのトラップは同士討ちをし始める、なんとも恐ろしいトラップだ。

 

 これでやつらを散らせてやる……!

 

―――イベベイベベイベウェェェェェェーーー

 

 「ベイベ」共がやってきた。同じように配置される。

 

 その配置された先は、あの宝箱もある。

 

 「ベイベ」共はいつものように仲間たちを蹴散らしていく。

 

 すまん仲間たち……。だが、今回で終わらせられる……!

 

 「ベイベ」共は宝箱を見た。先頭の「ベイベ」が宝箱のカギを開けようと……

 

 そして……「ベイベ」は…失敗した! トラップは成功!

 

 ふふ、ははは。思わず笑いが止まらない。

 

 やっと、やっと「ベイベ」共を……!

 

 ………?

 

 ……何故だ!?

 

 思わず、疑った。

 

 なんと、同士討ちをせずにそのまま奥へ……!

 

 何故だ!? 何故失敗した!?

 

 わ、分からぬ……!

 

(実はこの時、状態異常に耐性ができる魔法をかけてあったのだ)

 

 ……そして、数日が過ぎた。

 

 とうとう、『アイスシューター』を持っている者は選ばれてしまった。

 

 幸か不幸か、私もいる。

 

 配置につく。上で仲間たちが散っていく音がする。

 

 ……するのだが……おかしい。普段は大量の足音が、聞こえてこない。「ベイベ」の音もしない。

 

 私が戦場にいるのかもしれない。分からん。

 

 コツン、音がした。

 

 「ベイベ」が降りてくる音だ。

 

 敵は………単独……。

 

 行ける。ここには数多くの仲間がいる。そして、「ベイベ」はこの部屋で袋叩きだ。

 

 全員が構える。

 

―――デェーデデッデーデェデー

 

 !? なんだこの音は!?

 

 「ベイベ」の音だ。だが……

 

 これは……この音は、まさか、「ベイベ」の本気か!?

 

 扉が開く。

 

 「ベイベ」が突進してくる。

 

―――デデ、デデデーデデデデデデデー

 

 瞬間、「ベイベ」は何もしていない筈なのに、私の身体が崩壊した。

 

 よく見ると、ナイフが舞っている。

 

 こんな、小さなナイフに……私は負けたのか……?

 

―――デェーデデッデー

 

 ……嗚呼、同胞よ、今そっちへ向かおう。

 

 「ベイベ」……この戦い……いつか仲間や奥の者たちが……

 

―――デデッデデッデデッデデッデッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……イヤッホオオオオウ!!! やっとアイスシューター落とした!!!。……たっく、『ようがんちたい』でいきなり溶岩に引き込まれるとは思わなかったぞ……」

 

 赤毛の冒険者はやっと手にした『アイスシューター』を装備しながらそう言う。

 

「……しかし、なんか俺、悪いことしたような罪悪感が……気のせいだよな。どーせモンスター達だし」

 

 反省するそぶりも見せずに赤毛の冒険者は来た道を戻る。独りぼっちの足音が響く。

 

「さってと。やっと取り戻せたから、もう一回『ようがんちたい』行きますか」

 

 

 

 

 

 

 こうして、この場に平穏が訪れた。

 

 さまざまな犠牲を伴いながら、やっと彼らは恐怖におびえずに済んだ。

 

 そして、ここに来た者たちを遠くへ逝った仲間たちの贄にするだろう。

 

 気を付けてほしい。ここを通る者たちよ―――




……赤毛の冒険者=作者?


……
………
…………
……………

………………何でばれたんだろう(オイ

で、序盤に言っていた「大砲」だとか「基礎」だとかは分かる人は分かるかと。
「ベイベ」の由来は仮面3。
トドメのBGMは、「穏やかじゃないですね」。

とりあえず、

イニダン楽しいです。

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