うちの伝説ポケモンがなんか小さいんだが   作:右肘に違和感

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短めです。




9話     えびハンバーグ

 

 

本日も一日、何の変哲もなく晴れやかな空が広がってます。

ひでりでもなくあめでもなく、なんの倍率変動も無い……そんな麗らかな午後の草原。

 

「んん~、マンダム」

 

家から魔法ビンに入れて持ってきた煎茶で喉を潤しつつ、豊かな緑の茂る平原に目をやる。

 

今日もうちのにぼしは元気に草原を駆け抜け、ライバルと思わしきコラッタとバトル中。

お互いの対策として、どちらも新しい技を覚えてきたが為にとても意気込んでいた。

 

そんな二匹は現在、じゃれあいの真っ最中。

あえて二度言っておこう、じゃれあいの真っ最中である。

具体的に言うのならじゃれあいにしか見えないというだけの話なのだが。

 

 

・新技一覧

 

にぼし(ゴースト・ドラゴン) したでなめる←New!

コラッタ(ノーマルタイプ) ひっさつまえば←New!

 

草原のど真ん中でミィミィチュゥチュゥと気合を入れて鳴きながら

やっているのは互いの体をぺろぺろかぷかぷ、レロレロ、モグモグ。

どう見てもじゃれあいです、本当にありがとうございました。

 

しかも双方にダメージなど無いと来ている。お前等、新技なんのために覚えてきたんだよ。

 

まぁ……こいつらも大概といえば大概だが

 

「ミィミィミィミィミィミィーーーーーーーー!!」

「チュチュチュチューーーーー!!」

「俺も、大概のほほんとしすぎかなぁ……」

 

 

はるうらら

    よこのけんそう 

           いとやさし

 

タツヤ、心の俳句。

そんな麗らかな、心の和む日の午後。

 

 

「はーいよ、二人ともご苦労さん。ちゃんとしっかり休めよー」

「ぴ、ぴぃ~……」

「ちゅ~~……」

 

既に何度か鉢合わせているためか、コラッタも俺に対して警戒心が逆の意味でMAXである。

二人とも疲れ果ててしまい、じゃれあっていた場所で『たれぱんだ』の如く ぐで~ となっている。

 

俺は2匹のところへ歩いていき、腰を下ろしてあぐらを掻く。

魔法ビンからさらに煎茶をコップへ注ぎ、2匹の喉を潤してやった。

 

 

せんちゃ:HPが 20 かいふく するよ!

 

 

そんなわけで恒例のライバル戦も終わり、麗らかな春の日差しが草むらに降り注ぐ。

元々戦ってようが何してようが降り注いではいたのだが、まぁ気にするな。

 

膝の上に載せたにぼしをころりとひっくり返し、おなかをなでなでしてやる。

くすぐったそうだが、まんざら悪いものでもないようだ。

 

同時に目の前にちょこんと座っているコラッタに、おやつにと思い持ってきた大豆干しを食べさせる。

ポケモンフードなんぞという上等な物ではないが、それでもおいしそうにカリカリ食べている。

 

「おう、うまいか」

「チュッ」

 

俺の声にちゃんと返事をするあたり、会話がちゃんと分かっているのが恐ろしい。

日本語、種族も関係ないオールマイティ言語説が今ここに勃発。

そんな事を思いながら、横に移動してきたコラッタの背中を撫でてやる。

大豆干しのおいしさもあってか、コラッタの顔は へにゃり となっていた。

 

「ミッ、ミィッ、ミィ~」

「ん?」

「チュ?」

 

膝の上のにぼしが何かに反応を示した、モノをねだる様な甘い声で鳴いている。

コラッタに話しかけているようだが……大豆干しが欲しいのだろうか?

 

どうも関係がライバルっぽいし、くれといったところでもらえなかろうと思い

持ってきたバッグの中からさらにおやつを取ろうとしたら……

 

ぷちっ

 

「チュ~」

「ミッ! ミィ~!」

「おゃぉゃ」

 

コラッタがチョビチョビと喰っていた大豆干しを前歯で噛み切り

そのもう半分をにぼしに差し出したではないか。

ただのライバルじゃないって事なのだろうか? ポケモンとは不思議なものである。

 

「ミィ~~~」

「チュ、チュゥ」

 

笑顔でモノを食べあう異種族同士の和みを間近で見つつ、また1日が過ぎて行く。

今日もカントーは平和だなぁ。

 

 

| <…………

 

 

 

 

 

~  お ま け  ~

 

 

「最近お前にはよく逢ってるよなぁ、コラッタよ」

「チュ」

 

にぼしのライバルである関係のこのコラッタ、俺もにぼしに付き添う関係上で

しょっちゅう顔合わせをしているのは先刻の通り。

そして大体会話(というか意思の疎通)も可能なので、2匹のバトルが終わった後に

遊んでやったり飲み物をやったりしているのである。

 

アニポケの中でもたまに、『失われた野生』タグが付きかねない様な野生のポケモンがいるが

このコラッタはまさにそれといった感じだ、俺を少しも警戒して居ない。

まあさすがに最初の方はにぼしのトレーナーとでも思われたのか多少距離は置かれてたが。

 

「ミィッ」

「チュー」

「ん、よしよし」

 

そんな事を頭の中で思いながら、俺の周りに居る2匹の頭をくりくりしてやる

どっちも軽く目をつぶりながらも笑顔であり、嫌がっている様子は無い。

 

「おお、そうだ」

「ミ?」

「チュー?」

「せっかくだ、コラッタ。こんなにしょっちゅう顔を合わせる仲だし

 お前にも名前をあげちゃおう。その方が呼びやすいしな」

「!」

 

名前と聴いて、耳をピンッと張り詰めて俺の言葉を待つコラッタ。

ねずみの尻尾が犬の様に作用するのかは知らぬが、後ろの尻尾がビュンビュン揺れている。

 

「んーそうだなぁ、ねずみ……だしなぁ。にぼし、お前はなんか良い案は無いかい?」

「ピ、ピィ……」

「ふーむ、名前の付け方がわからん、かぁ。まあそのうちおいおい知っていけるさ。

 ココでつけることが必要な訳でもない、じっくり検証していこう」

 

生まれたてのにぼしにはこの任務は少し厳しかったようだ。

まあ、名前をつける際に参考にする雑学やらモノの名称も全然知らないだろうし無理もない。

 

「ギラティナー、お前はなんか良い名前考え付かんかー」

|<ギラ、ギラァー。

「そーかぁ」

 

目を見て会話しているわけじゃないが、裂け目から出てこない辺り特に案もないのだろう。

コラッタが突然聞こえた野太い鳴き声にちょっとギョッとしていたが

元々なんらかの気配は戦う前から感じていたのだろう、それだけで取り乱す事はなかった。

 

と、なると……必然俺の案からひねり出す事になるわけだよなぁ。

 

「んー……」

 

ふむ、ねずみ、ねずみ、ねずみ……

 

「ミッ○ー、ソニッ○……」

「──…………ッッ!?!?」

 

ん、なにやら俺が名前を呟いた瞬間にコラッタが急にビクつき始めたぞ。

どうしたんだろうか、まあ……続けてみよう。

逆にねずみと関係ない名前とかどうだろう?

 

「煮たまご、こなご、しらすぼし、ンギョー、もくぎょ、びっぱ……」

「チューーー! チュゥーーーーー!」

 

なにやら猛講義をされてしまう。

なんでだろう、煮たまごおいしいやん。

 

となると、もはやどうにも……バケラッタとでも名付けてしま───

 

 

「───……閃いたッッ!」

「チュ!」

 

 

事ココにまで来て、ねずみなのにすっかり存在を忘れていた。

世界で二番目に有名なねずみだったのに、何故失念してしまっていたのか。

俺の世界のしがらみは、ここでは何の役にも立たない。

良い名前だし、もうこれで決定してしまおうか。

 

「良い名前が思いついたぞ……よかったな、変な名前じゃないから安心するといいぞ」

「チュゥ、チュゥー!」

「ミッミッミッ、ミー!」

 

コラッタがワクワクしながら俺の次の発言を待ち

にぼしは俺の膝の上で「ばんじゃーい」と前足2本を上に振り上げている。

 

 

「コラッタ、今日から君の名前は……」

「…………(゚∀゚)ワクワク」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピカチューね」

「チュッ?!」

「ミッ!?」

 

 

 

 

 

 






大豆干しはビーフジャーキーみたいなものと思ってください。

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