ちびギラティナだろう!?
なぁ、ちびギラティナだろうお前!
※11話は閲覧した皆様の心の中にあります
「ミィィィィーーーーッッ!!」
「チュゥゥゥゥーーーーーー!!」
「チュー・トレ~~ィン」
「ミッ!?」
「チュッ!?」
激闘を繰り広げて叫んでいる2匹の叫び声に混じってみたら
頭がおかしいヤツという眼で2匹に見られて悲しさ100倍のタツヤですこんにちわ。
今日もいつも通りに、最近お互い凌ぎを削り合っているにぼしとピカチューが草原の中で戦っており
ノーマル→ゴースト ゴースト→ノーマル の応酬を繰り返す平和な一日。
なんなんだよこの世界。
しかし、ゲームと完全に一致しないよくわからん原理がこの世界にはあり
「チ、チュチュンッ!!」
「ミッ!?」
「チュッ!?」
目の前の2匹、地味に強くなってきている上に
「───ミィィィーーーーー!!」
「───ッチュウゥゥゥウウウッッ!!」
ズドガガガスッ!!
「ギャギュェァ……!? ッギュゥゥゥ……」
ライバルのはずなのに連携が磨かれてきていてどういうことなの。
戦っている場所が草むらなので、今もオニスズメがその戦いに乱入しようとしたのだが
突然の乱入者に苛立ったライバル2匹が、そのオニスズメが一瞬でシバき倒されたのである。
なんかどっかの格闘漫画でこんなんやってたな、原始人、文化を知るみたいな。
ちびギラティナであるにぼしはドラゴンテールをぶちかまし、その勢いにすっ飛ばされたオニスズメに対してピカチューはでんこうせっかを当てて、更にその当たった反動で少し吹っ飛ぶオニスズメに連打攻撃が如く三点バーストのようにぶち当てる
そんなもんにLv1桁と思われるオニスズメが耐えられるわけもなく、即座に轟沈。
「ミィィ~♪」
「チュゥ~~」
尊い犠牲となったオニスズメを他所に、可愛らしい仕草でハイタッチを行う2匹の幼獣。
いやお前ら戦ってたんじゃないのかよ、決着付けろよ。
◇
そんなこんなでいつも通りに草原でピカチュー(コラッタ)と遊んで、我が家に帰るにぼし。
とても健全な幼少期を送っているようで何よりです。
伝説ポケモンってこんなんだっけか? なんか違う気がするぞ。
帰ってきて、家に上がる前に玄関でにぼしの足をタオルでふきふきして綺麗にしたあと
自室に戻らずリビングに行って、テレビでも見る事にした。
にぼしはリビングに向かう俺の後ろをポテポテと歩いてくる。
ふと、振り向いて下を見てみると、やはり気配の通り「にぼし」はいるわけだが
「……ミィ~?」
「───……くっ!」
最近ようやっとその存在に慣れはしたが、やっぱりこいつ小さくて可愛いなぁ。
振り向いた時に「どうしたの~?」とか問いかけられたらもう、もうっ!
まぁ、そんなこんなでリビングにてテレビを見ていたら、時間も当然過ぎていく。
気付けばもう飯の時間であり、今日も母さんが作ってくれた料理に舌鼓を打つ。
平和な世の中だよなぁ本当に、外に出たら野生動物がやたらバトってる世界だけど。
「にぼしちゃん、おいしい~?」
「はふっはふ、まぐっむぐっ、もっもっ…… ンミィ~~~~♥」
「あぁ~~心がくすぐられちゃうわぁ~♪ にぼしちゃんなんでこんなに可愛いの、もうー!」
母上、それについては同感でござる。もうここまで来るとただの愛玩動物だこれ。
器に顔突っ込んで、一生懸命はぐはぐしてる図を見て和まん奴はおるんだろうか。
本日もおいしいご飯にありつけて幸せだった。
そのあとリビングのソファに座って母さんとにぼしと3人で、のんびりとテレビを見ていた。
「おー……すげぇサワムラー」
「ミィー」
「私はやっぱりエビちゃんを応援ね! いけーそこだー!」
現在テレビで放映されているのはポケモン・ダイナマイトという番組だ。
かくとうタイプを持つっぽい奴らが集まり、肉弾戦の応酬をするトーナメント形式の大会である。
ぶっちゃけポケモンのK-1だ。
「…………ミッ!?」
「ん……どしたー、にぼし」
試合は第3Rへと進み、互いに攻撃の合間を縫って一撃をぶち込もうと
至近距離で動きながら睨み合うという、とても高度な内容の繰り返しだ。
エビワラーが、左右にステップを踏みながら、うまくバランスをブレさせて
サワムラーの蹴りをまるで掠るように回避している。
「…………ッ!」
「今よー! やれーエビちゃーーーーん!!」
うるさい母さんはさて置いて、にぼしは食い入るようにテレビを見ている。
もしかしてこの2匹の戦いから何か新しい技のきっかけでもつかんだのだろうか?
今は、にぼしをそっとしといてやろう。
そしてポケモン・ダイナマイトも最高潮の盛り上がりの中で閉幕した。
優勝は、特性のヨガパワーを大いに生かしきったチャーレムだった。
一撃一撃の破壊力が重そうだったもんなぁ……
ついでに言うならかくとうタイプのお子様のアイドルであるルカリオ君は
はがねタイプの弱点がかくとうなため2回戦辺りで敗退してました。
なお母さんはエビワラーがサワムラーに負けた後一瞬で興味を失い
台所で皿洗いの後に布巾で皿をキュッキュ、としている。
「まぁ、色々と参考になれば良いんだけどな。
にぼし、結局のところどうだった? 良い技は思いついたか?」
そうしてソファの横でずっと一緒に見てたにぼしの方に顔を向ける。
「───。」 くぴー…… くぴー……
アカン、寝てはるわこの子。
犬のおすわりのように下半身をソファにつけてじっくり見てたと思ったら
いつの間にか力尽きたように横に転がって腹出して寝てやがった。
寝顔もばっちり気持ちよさそうで、テレビの雑音は良い子守歌になったらしい。
「…………」
俺も俺で、我が子のように連れ歩いているにぼしが
何かをつかんだと思ったら、つかんだのは眠気だった事実に悲しさを隠せない。
「…………」
「くぴゅー…… くぴゅー……」
つんつん、ぷにゅぷにゅ。
なんとなく曝け出している腹を指で突っつく。やわらかい。
「ミ、 ンミィ~……」
その指に反応してちょっと動きづらそうにもぞもぞと動くにぼし。
眠りからは覚めていないようである、かわいい。
喉元にも指を持っていき、猫の喉を撫でる容量でくりゅくりゅしてやる。
「ンミーィ………… ミィー……」
全く起きる気配がない、そしていちいち反応が可愛い、なんだこれ。
しまいには指を銜えられてチュウチュウ吸われてしまってくすぐったい。
「………………」
「んぐんぐ……んぐんぐ……ンミィ~…………」
天国って意外に身近なところにあったなぁ。