町外れの魔法薬店アルミーク   作:天城黒猫

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今日、Excelの小テストで赤点とって居残りになった……
IF関数が間違っていて、そこから更に間違えていたみたいだった。……Excelなんざ社会に出てから使う機会は……まあ、リーマンならあるか。
………………面倒くさいッ!!


「……忘れていた。素でby五歳児

森の中を進むと、俺を喰おうと魔獣がコッチに向かって来やがった。

 

「ガアァァァツッ!!」

「クソッタレが!!」

 

魔獣除けの効かない魔獣、それは基本的には力のある魔獣が多い。──だが、幾ら何でもこれはねぇだろうが。俺は心の中でそう毒付くが、そんな事をした所でこの魔獣が何処か行くという訳じゃねぇ。

その魔獣は、口から威嚇なのか火を少しだけ漏らして、クソでかい目で俺を見ている。

形は蜥蜴に翼が生えたのうなもの……つまり竜種(ドラゴン)だ。それもブレスを吹けるタイプの。

全くもって最悪だ、馬鹿野郎。前に来た時はそんなバケモンは居なかったぞ。

アレか、戦争で生態系が乱れてやがるのか、ココはドラゴンの縄張りじゃなかったが、今は立派にドラゴンの縄張りになっていやがる見てえだな。

そして、その縄張りに入った俺は侵入者(エサ)なんだろうな。クソッタレが、シャレにならねえぞ。アレにゃあ、薬の効きが悪いし、肉弾戦も魔法戦も強い。魔獣の中じゃ最強に入るだろうな。

──いや、まて。今の俺は──

 

「来やがれ、馬鹿野郎が!!」

「グルアアアアアアァァァァ!!!」

 

俺はある事を思い出して、背を向けて逃げる足を止めて、ドラゴンに立ち向かう。上等だ。と言わんばかりにドラゴンは俺に巨大な顎を開けて来るが、そんなモンは怖くねぇ。

 

「──ドラァ!」

「ギュグオォッ!?」

 

拳を思いっきり振りかぶって、ドラゴンのクソでけえ鼻頭をぶん殴る。そうすると、ドラゴンは悲鳴をあげて、巨大な力がぶつかったことにより、物理法則に従ってまるでギャグのように空へと吹っ飛んで行った。

 

「………………ハァ!?」

 

それが信じられずに、思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。それもそうだろう。ドーピングコンソメスープによるドーピングをしているとはいえ、精々が岩を砕くぐらいだと思っていた。だが、全力でぶん殴れば、ドラゴンを空にすっ飛ばす程の馬鹿みてえなパワーを発揮するとか、んなこと誰が予想できんだよ。

まあいい。正確なパワーをどれだけ発揮出来るか、ハザンを治してから改めて調べてみるか。

心のメモに記入して、先に進む。ただし、歩くのはやめて思いっきり走りながらだが。案の定、息切れすることなく物凄い速度で走れた。この調子なら、あともう少しでアルテミシアの葉が生えているであろう場所に着くだろう。

 

 

「お、あったあった」

 

俺は木の根元にひっそりと生えているアルテミシアの葉を、根っこごとブチ抜く。

探してから5分程で見つかった。前に来た時は2時間ぐらい探し回ったんだがな。まあいい、あとはコイツを持ってハザンの所に戻るだけだ。

ドーピングコンソメスープの効果が切れないうちに戻るとしよう。どんな副作用が待っていやがるか判らねぇからな、まあ、大方筋肉痛の類が来るんだろうがな。

地を駆けて、木々を飛び移って、川を飛び越えて──

 

「ちょっと待てぇッ!!」

「ん? ……あっ」

 

川を飛び越えた時、叫び声が聞こえて来やがったので、先に進むのをやめて川に移動したら、そこにはエヴァがいた。そう言えば居たなぁ……古い魔道具(アンティークマジックアイテム)のせいで、そこから動けなくなっていたのか。素で忘れていた……

 

「あっって何だ! 貴様忘れていただろうが!! 早くこの呪いを解け!」

「あー、そうだな。動いていいぞ」

「ふ、フフフフフハハハハハッハッッハハッッッッ!!! 裸を見て、ニンニクを擦り付けて、契約という名の服従の呪いをかけられて……挙句の果てに私の事を忘れる! こんな屈辱は今までに無かったぞ!! 人間ッ! その屈辱、とくと倍返しで返却してやるッ!!!!」

 

エヴァは拘束を解いた途端、物凄い魔力を発しながら、呪文を詠唱し始める……俺がやった事もアレだから、そうしたくなるのもまあ、うなづけねぇ事も無ぇんだが、今ここで死ぬ訳にゃいかねえんだよ。馬鹿野郎。

 

「今のお前には呪いがあるのを忘れているだろう、馬鹿野郎が。『待て』」

「ぬぐうっ!?」

 

俺の命令でエヴァは硬直する。

 

「貴様ァ!」

「攻撃しないならこうする必要はねえんだ……って臭え!!」

 

顔を歪めているエヴァに近づきながらそう言うが、物凄く臭え匂いがエヴァから漂って来やがったから、思わず飛び退いてしまう。

 

「貴様の所為だろうが! 貴様がニンニクやネギとか擦り付けるからっ!!」

「……済まねぇ」

 

そういや、そんな事もしていたな……流石に本気で謝っちまった。

 

「何なら、俺ん家来て流すか?」

「当然だッ!」

 

吸血鬼一人と、その従者である人形一人が俺について来ることになった。というか、あの人形手入れが杜撰なんだが……ああいうの見ていると、手を出したくなっちまうんだよな……あとで弄っとこう。

そして、船に乗って先ずは俺の店に行く。このままレンキの所に行っても、大騒ぎになっちまうからな。エヴァは魔法世界中から恐られちまっている賞金首だしな。

 

「ココが俺の家で店だ。取り敢えず俺は患者を診ねえといけねぇから、お前は勝手に風呂に入っていろ。それと変に物を動かすなよ? 中には強力な酸や毒もあるからな」

「フン、そんなもの私にはどうということない。勝手にさせてもらうぞ」

 

エヴァは俺の言うことを左から右に流して、勝手知ったるといったように、ズカズカと入っていきやがった。まあ、別に良いが、本当に危険なモンもあるから、余り弄ってもらいたくはねぇんだよな。

それは置いておいて、早くハザンに解毒薬を作らねぇとな。早速アーティファクトを使って、解毒薬を製作。そしてすぐに船に乗ってハザンの屋敷に移動する。

 

「ホレ、これでもう大丈夫だろう」

 

そしてハザンに解毒薬を注射器で投与して暫くしたら、激しかった呼吸も落ち着いて、熱も収まった。

 

「ああ……、ありがとう! ありがとう! お陰で私の息子は……!」

 

ハザンの親父は、涙を流しながら、俺の手を握って上下させている。暑苦しいんだよ、男の握手とか誰得だって。まあ、別に良いか。

 

「礼はいらねぇよ。俺はただ患者を診るっつう当然のことをしただけだ」

「そうか、君にとっては当然なのだろう……だが、それでも私にとっては、救世主の様なものだ。どの病院でも匙を投げられた私の息子を救ってくれた」

「……五月蝿え、馬鹿野郎が」

 

俺は顔を反らす。

ンな事を言われると少し照れくせえじゃねえか、馬鹿野郎が。

 

「それよりも、重要な事があるだろうが」

「ん? ああ、薬の代金か。今すぐ現金で払おう」

 

ハザンの親父はそう言って、幾らだ? と俺に聞いてきやがる。多分どんな法外な値段でも今のコイツなら払っちまいそうだな。まあ、俺はンなふざけた事はしねえが。

確かに値段も重要だが、それよりももっと重要なモンがあるだろうが。

 

「違えよ。ハザンに毒を盛った馬鹿野郎だ」

「……成る程……すっかり失念していた」

「今回は助かったが、次はそうはいかねえぞ? 相手は化石レベルで古い毒を持ち出すくらいの馬鹿野郎だ」

「フム……心当たりは……あり過ぎるな」

 

ハザンの親父はそう言って、唸る。……どんだけどの位怨みを買っていやがるんだ……ハザンは、ハザンの親父と会ったのは今回が初めてだが、評判はかなり良いんだよな……。

 

「まあ、取り敢えず俺からは気をつけておけとしか言えねぇな」

「そうだな、私はハザンの身の回りを信用出来るものだけで固めるとしよう」

「ま、なんかあったらまた言えや。代金は……そうだな、20万ドラクマぐらいで良い」

「20万ドラクマ!? そんなに安くて良いのか!?」

 

ハザンの親父は俺が出した値段の安さに驚愕して、俺に詰め掛けてきやがる。確かにアルテミシアの葉を使っている割には、安過ぎるだろう。だが、ハザンはウザい馬鹿野郎でも、俺の……そうだな。顔見知りだからな、それに毎日のアレが無くなったら、少し違和感も出てきやがるだろうからな。

 

「別に良い、振り込み先はココだ」

 

俺はそう言って、口座番号をメモして渡す。

 

「あ、ああ……本当に良いのか?」

「良いんだよ、これ以上ごちゃごちゃ言いやがるんなら、帰るぞ」

「……解った、後日振り込んでおこう」

「良し、じゃあな」

 

俺はそれだけを言って、屋敷を去る。後ろから「ありがとう」と聞こえて来やがったが、別に良いんだよ。何度も礼を言われるとむず痒い。

徒歩で町外れに移動して、俺の店に入る。そろそろエヴァも風呂から上がっただろう。

 

「なああああ!?」

「どうした!?」

 

店に入った途端、奥からエヴァの叫び声が響いて来やがった。俺は何かあったのか。と叫び声が聞こえた部屋──薬の調合室の扉を開ける。

そこには床にガラスの破片が飛び散り、腰を抜かしたようにヘタレ混んでいるエヴァがいた。

 

「オイ、勝手にいじるなと……」

「人間っ! アレは、アレは一体何なのだ!?」

「あ゛? ……ああ、アレか」

 

エヴァが指差す先には、何やら得体の知れない粘液の様なモノが、叫びながら蠢いている。

アレは俺が少し前に作ったヤツだ。

 

「魔法お好み焼きDX(デラックス)か」

 

前にお好み焼きをふと食べたくなったが、魔法世界にはロクな材料がなかったから、有り合わせのモンで作った結果、この様なお好み焼きになっちまったんだよな。

 

「お好み焼きだとッ!? あの旧世界の食べ物を如何すればこうなるんだ!?」

「見かけはアレだが、食うと案外旨えぞ?」

「誰が食べるか!」

 

エヴァはそう言って、俺を睨んで叫ぶが、腰を抜かしていやがるから、迫力が無えな。まあンな事はどうでもいい。早く食わねえと冷めちまうから、さっさと食うとするか。

俺はお好み焼きを食べる為に、お好み焼きがうぞうぞとうねっている机に歩みを進める。

その時、ボフン。という音と共に、煙が出て俺の体が元の姿に縮む。年齢詐称薬の効果が切れやがったな。

 

「な、な、な。人間!? 貴様は子供だったのか!?」

 

エヴァはその事に驚愕していやがるのか、俺を指差して問いかけて来る。人を指差すなよ、馬鹿野郎が。まあ、いいか。

俺はエヴァの方を向いて、芝居がかったように両手を広げる。

 

「ああ、そういや自己紹介がまだだったな、俺の名はレンキ・アルミーク。普段は年齢詐称薬を使って15ぐらいに化けているが、5歳児だ。親の後を継いで魔法薬アルミークを営んでいる。よろしくな? エヴァ」

 

俺は握手をする為に、エヴァに手を差し伸べる。だが、エヴァは「私は5歳に負けたのか……?」とか、「いや、それよりも精神年齢と……」とか何やら訳の分からねえことを呟いているだけで、一向に握手をしようとはしねぇ。お陰で手が疲れて来やがった。

 

「オイ」

「な、何だ!?」

「握手の仕方も知らねえのか? よろしくってんだろうが」

「舐めるな、握手の仕方など知っているわ! ……それよりもだな……」

 

エヴァは、何やら不安げに俺の方を見てくる。そして、絞り出すように呟く。

 

「……怖く、無いのか?」

 

──怖く無いのか?

エヴァはそう言いやがった。それは不老不死のバケモンだからか、それとも──まあ、良いか。んな事っはどうでも。

俺はエヴァの手を強引に握って、笑う。

 

「──ハ、誰がテメエみてえな喚くだけしか能のねえクソガキを怖がるんだよ? 馬鹿野郎が」

「な──って、誰がガキだ! 良いか? 私は不死の魔法使い(ノスフェラトゥ)だぞ? 貴様の様な生意気なだけのクソガキとは格が違うんだ! 格が!」

「あ゛? ガキはテメエの方だろうが、俺は確かに5歳児だが、精神年齢じゃテメエよりも遥かに上なんだよ、馬鹿野郎」

「何だとッ!?」

 

 

思わずエヴァの言葉に言い返してしまう。だが、エヴァはそれに更に言い返して来やがった。その言い合いは、夜になってお互いの腹の虫が鳴くまで続いた。喉が痛えんだよ。馬鹿野郎が。

 

 




ドラゴン:ラカン表で言うと、1300ちょいだったり。つまりイージス艦よりも下。そんなドラゴンを楽々と吹っ飛ばすレンキ製ドーピングコンソメスープ……

ドーピングコンソメスープ:レンキは精々が岩を砕くくらいだと思っていたが、その実態はラカンと少しだけ殴り会える。つまりチート。

「忘れて〜」:素でエヴァの存在を忘れていた。まあ、この作品じゃ、こういうのがエヴァの立ち位置なんだろうね!

臭い:ニンニクとニラとネギがミックスされた悪臭。レンキが原因。風呂で肌をスポンジで何度も擦りまくったらしい。

ハザンの親父:結構いい人。今後の登場は未定。

「心当たりは〜」:ハザンはレンキだけでは無く、他の人にも高圧的な態度だったり。父親は、それを知っているが、敢えて見逃している。成長した後、突っつくという理由では無いが、成長仕方によれば、かなりの黒歴史となるだろう。

20万ドラクマ:大体セールスで値引きされたPC二台分ぐらい。

魔法お好み焼きDX:元ネタはケロロの宇宙お好み焼きDX。戦闘能力は皆無で、無害だがじっと見ているとSAN値が減っていく。以外と美味。

怖く無いのか?:エヴァのレンキに対する言葉。

誰がお前〜:レンキのエヴァに対する言葉。……アレ? これって……

次回更新:来週あたりにやる。

感想:下さい、燃料となります。

反省:今回雑!
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