マルドゥック・マジック 想起 ~Pezzo Memoria~   作:我楽娯兵

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この話は本編で出す、『四之宮レポート』の内容です。
時折本編の核心を書く可能性があります。ありていにネタバレです。
嫌な方は戻ったほうがいいです。


罪の記録
四之宮レポート0-1


〈A.J.:2080/9/21:Thursday=Image:01557〉

  〈Video recording:Start〉

 

〈Image:Voice〉

 〈映像記録1、記録者、四之宮信吾。あーと、初めての研究記録というものを撮ってみる〉〈/Voice〉

   

 〈expression〉   

  〈s:笑顔〉

  〈s:緊張〉

  〈s:不安〉

 〈/expression〉

 

〈Image:Voice〉

 〈えーと、ここは四葉の邸内にある研究所、邸内って言っても相当でかかった。東京ドーム何個分かは間違いなくある〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈そして俺がようやく認められた。分家の分家である俺が。嬉しいぜ、親父が生きてたら報告したい、今度墓参りにいくことにする、申請を出さなきゃな〉〈/Voice〉

 

 〈expression〉   

  〈s:目を伏せ笑う〉

 〈/expression〉

 

〈Image:Voice〉

 〈ホント、脳学研究しといてよかった。これでちゃんとした四葉家の血を引いた家である事を胸張って言える〉  〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈えーと、研究観察を付けなきゃな。ーと、今俺が携わらせてもらってる研究は新魔法の研究開発〉 〈/Voice〉

 

 〈behavior〉

  〈s:屈む〉

  〈s:紙媒体〉

 〈/behavior〉

 

〈Image:Voice〉

 〈この資料に詳細が……、――これだ精神干渉系系統外魔法、『0102:認識名コキュートス』に対成る魔法の開発、だ〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈こいつの研究主任の四十崎主任はちょっと、つーか相当変人だった。斑に髪染めて、たぶんあれが天才ってんだろうな、天才と馬鹿は紙一重ってよく言ったもんだ〉 〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈榊山副主任も変わり者だった。いっつも飴玉にロリポップを舐めてた、あれじゃあ糖尿病になるな〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈四十崎主任は――……たぶん亡命者だな、見た目がっつり外国、たぶん北アメリカ出身だな〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈真夜様はどうして四十崎主任をこの研究に採用したんだろうか。まず外国人がどうやって四葉に取り入ったのか不思議だ〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈疑問を並べるより観察記録だな――、あーと俺は今の段階だと第三号培養槽『ハダリー』の管理を任されている〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈日に出来るだけいい素体が出来るかが勝負だ〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈機材の方も申し分なし、『ハダリー』は最高すぎる状態だった。今でも被験体を作り出せる状況だ〉 〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈今、1から25番まで稼動していて被験体の第三プロトコル、胎児期が終わろうとしてる〉 〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈次は幼児期記憶の刷り込み作業だ〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈幼児期記憶が何パターかある、一つ目が難民からの刈り取り、二つ目がもともと四葉家の人間で魔法開発に携わっている、三つ目が精神疾患の治療だ、細かいところが違うが殆ど同じだ〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈幼児期の記憶は大事なもので自我、人格の確立、及び魔法演算領域の獲得に不可欠であることが分かっている。こいつが無いとでっかい赤ん坊が出来ちまう〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈とっいっても俺が作る被験体の稼動はまだまだ先だそうだ。先に第一号培養槽『アリシヤ』で生まれた被験体が実験に使われるらしい。俺の『ハダリー』は最終段階に使用されるそうだ〉 〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈培養槽の中を眺めてると不思議な気分になる……、人は人を作り出せる時代になったんだなって〉〈/Voice〉

 

 〈behavior〉

  〈s:椅子に深く腰掛ける〉

 〈/behavior〉

 

〈Image:Voice〉

 〈変な気分だ、子供を持った事もないのに親父になった気分になれる〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈せめて、せめて培養槽の中だけでも愛情を注いでやろう。――実験体に変な感情を入れるとろくな事にならない〉 〈/Voice〉

〈Image:Voice〉

 〈やっすいSF小説みたいだ。……愛情のせいで実験に支障がでる。馬鹿らしいな〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈培養槽から出すときに感情マスキングを受けに行く事になるな〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈初めてだ、研究所職員全員に心理調整カウンセリングが義務化してるところなんて〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈まるで軍の施設だ。兵士も心理調整カウンセリングを受けて戦地に向かうそうだ。戦時評論にそう書いてあった〉 〈/Voice〉

 

 〈behavior〉

  〈s:鼻をかむ〉

  〈s:ゴミ箱にティッシュを捨てる〉

 〈/behavior〉

 

〈Image:Voice〉

 〈コキュートスに対成る魔法か……、四十崎主任にはそのビジョンが見えてるんだろうか〉〈/Voice〉

 

 〈behavior〉

  〈s:退屈な子供のように椅子が回る〉

    〈expression〉   

     〈s:不安〉

    〈/expression〉

 〈/behavior〉

 

〈Image:Voice〉

 〈そういえば何で培養槽が三機もあるんだろう? 初期段階の実験でなら一号機の『アリシヤ』と三号機の『ハダリー』だけで間に合うはずだ〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈二号機の男性被験体培養槽『エワルド』はいるのだろうか?〉〈/Voice〉

 

〈Image:Voice〉

 〈この実験は分からない事が多すぎる気がする……、『逓信省』の許可証が発行されていたけど〉〈/Voice〉

 

 〈behavior〉

  〈s:ため息〉

 〈/behavior〉

 

〈Image:Voice〉

 〈考えても意味も答えもでないか……、映像記録1、記録者、四之宮信吾。録画終了〉〈/Voice〉

 

 〈behavior〉

  〈s:停止ボタンを押す〉

 〈/behavior〉

 

  〈Video recording:come to an end......〉




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