何故かフェストゥムになったけど今日も元気です 作:zelga
書けた理由はファフダス最新話で彼が帰還してくれたことによるモチベの爆上がりです。めっちゃ嬉しいです、ハイ。
そんなこんなで、10話です。今回少しだけ文章構成を変えてみました。
前話で書き忘れていたのですが、主人公の名前は『たつみやりょうへい』です。あとで前話にもルビふっておきます。
「どもー、頼まれたモン裏に置いといたぞー」
「おぉ、凌平君。いつもすまないねぇ」
「いやいや、いつも食糧もらってるからお互いさまだろ。んじゃ、また何かあったら言ってくれ」
そう言いながら、俺はその店から出て神社に向かう。
もう早いもので、
最初の数ヶ月は諏訪子に街のあちこちを引っ張り回された。おかげさまで、今ではどこに何があるかわかるほどこの街については熟知している。
そして街の構造を知った俺は、次に人間を見て回るために街に一人で繰り出した。最初は諏訪子もついてくると思っていたが、何でも自分が行くと面倒なことになるらしく、ついて行かないと言っていた。まぁ、あぁ見えても神様なわけだしな。
そんなわけで飯時以外暇さえあれば街をウロウロしまくり、様々な人間と関わった。
んでまぁその結果、さっきみたいに街の人とは普通に会話できるくらいの仲になったわけだ。
まぁそんなわけで、さっきの人からの頼みごとを終えた俺は神社に戻ってきているわけだが……。
「うわー、戻りたくねぇ……」
神社の方からどす黒い感情を感じる。都市に住んでた頃感じていたものとは少し性質が違うが、間違いなく良い感情ではないことは確かだ。
と言った所で戻らないという選択肢はないわけで、少し重くなった足を動かしつつ俺は神社に着く。確か、諏訪子は普段屋根の上に座っているはずだが・・・。
「………………」
いた。後ろを向いていて表情は見えないがいつも通り屋根に座っている。違う点を挙げるのならその小さな体からドス黒いオーラが溢れ出ていることだろうか。
「………………」
正直、話しかけたくない。あまりに出ているオーラが恐ろしすぎる。本来諏訪子の姿を見ることができない一般人だが、何かを感じ取ったらしく普段はそこそこ人がいる神社には人っ子一人いない。
だがこのまま話しかけないわけにはいかない。あの感情を感じた瞬間能力は切ったはずなのだが、それでも少し黒い感情を感じる。こんなのをしばらくの間受け続けたら俺自身に影響が出てしまうかもしれん。
「あー……諏訪子?」
「ア?」
「なんでもないですすみませんでした」
今の流れを簡単に説明しよう。
屋根に上る→諏訪子に話しかける→諏訪子が振り向く→速攻で屋根から飛び降りる。
この間、わずか3秒である。
いや、やばい。あの諏訪子はマジでやばい。どのくらいヤバいかと言うと、文字で書き表すことができないくらいにヤバい。なんだよあの顔、下手すりゃ土蜘蛛に匹敵するぞオイ。
……よし。
さーて、もらった食材使って昼飯でも作ろうかなー!
「ねぇ」
「……なんだ、妙に不機嫌のようだがなにかあったのか?」
「まぁ、ね。ところで、なんでこっちを見ないの?」
「さっきの表情を俺に向けた時の俺の心情が分かるのなら振り向くぞ」
「……ごめん」
恐る恐る能力を使ってみる。
まだ黒い感情は残っているが、だいぶ落ち着いたらしい。うん、これならもうあの表情を見ることはないだろう。
そこまで考えた俺は振り返って諏訪子を見る。だいぶ落ち着いたと言ったが、それでもその表情は不機嫌そうだった。ここまで来て、ようやく感情の種類が判別できるようになってきた。彼女から感じられるのは屈辱と怒り、そして少しの焦りだった。
「……なにがあった?」
「いや、別になにも「嘘だな」……やっぱバレる?」
「まぁな。今回はさすがにわかりやすい」
まだ1年しか彼女と過ごしたことない俺だが、彼女からこのような感情を感じ取ったことはほとんどない。いつも飄々としていて、少女のように純粋な時もあれば、威厳ある神のようになる時もある。多少黒い感情を感じ取る時はあったが、ここまでのは感じたことはない。
それに、先ほど諏訪子は話をそらそうとした。つまりは俺には聞いてほしくないのか、はたまた巻き込みたくない話なのかのどちらかなのだろう。
と、なるとだ。少し前から噂に聞いてる、あの連中が関連しているだろう。
「大和の連中か?」
「……なんでそれを?」
「生憎と俺は情報を集めるのは得意でね。大和の神々が各地を進行しているのは耳に入っている」
で、どうなんだ? と言いながら俺は諏訪子を見る。情報を集めるのが得意なのは本当だ。まぁ今回はその他に一生懸命掘り出した原作知識もあるので今回は確信がある。
「……うん、その通りだよ。奴らがこの間近くの神の信仰を奪ったらしくてさ。もうそろそろ来るかなーと思ってたんだ」
「で、ついに来たと」
「そう、でも戦う前に和平交渉のつもりらしく文を送ってきたんだ」
これだよ。そう言って諏訪子は一枚の封筒を俺に渡す。きれいに折りたたんであったのであろうその紙はクシャクシャになっていた。多分、諏訪子が握りつぶしたのだろう。
そう思いながら、俺は封筒の中身を読み始める。諏訪子から聞いた感じだと、内容は向こうからの無条件降伏の要請とその場合の条件だろうな。いくらあいつらが武闘派とはいえ、そんなひどい内容ではーーー
「…………」
そんなひどい内容ではーーー
「………………」
そんなーーー
「……なるほどな」
すべてを読み終えた俺は静かに諏訪子に封筒を渡す。そしてゆっくりと屋根に上り、上を向く。
そして、溜まりに溜まったものを、ぶちまけた。
「なんじゃこりゃああああぁぁぁぁぁぁ!?」
あいつら何考えてんだ内容があまりにもお粗末すぎんだろうがふざけてんのかこの≪ピーーー≫で≪ピーーー≫くぁwせdrftgふじこlp;@:「」
~しばらくお待ちください~
……ふぅ。
ぶちまけたことでだいぶ落ち着いた。今の声、多分下にいる街の人たちは驚くだろうがもはや後の祭りである。
「すっきりしたかい?」
「……さっきまでのお前もこんな気持ちだったんだな。正直すまんかった」
「いいんだよ、凌平が私の分まで叫んでくれたし」
「念のため聞くが、この内容を諏訪子はどう思う?」
「クソだね」
「だよなー」
実際俺もそう思う。さすがにあの内容はないだろう。いくらか譲歩してくれるかと思っていたがそんなことはなく、ぶっちゃけ敗北した時と何が変わるのか教えてほしいくらいの内容だった。
「んで、これには返答したのか?」
「もう送ったよ。要望を受けることはねぇよこのアホ共っていう内容をメチャクチャ丁寧に書いて送ってやった」
「ナイスだ諏訪子」
さすが諏訪子。この内容に暴言で返すのではなく学の高い内容の文を送ることで差を見せつける。少なくとも送った奴は見るだろうし、確実に怒るだろうな。ざまぁ。
「んじゃ幾分すっきりしたところで、どうするんだ?多分戦うことになるが、ぶっちゃけ諏訪子ってどのくらい強いんだ?」
「結構強いよ。1対3くらいなら余裕だね」
「敵が武闘派と名高い大和軍勢でもか?」
「うん、でもさすがに数の差がすごいね。少なくとも百倍くらいは差が出ると思うよ」
「ふむ……じゃあ、諏訪子は敵の大将と1対1やってくれ。俺が他の連中を相手どろう」
「……は?」
諏訪子は驚いた顔で俺を凝視する。
ん、俺なんか変なこと言ったか?
「どうした?」
「いや……本気で言ってるの?」
「なんだ。1対1じゃ勝てるか不安なのか?」
「いやいや、そっちじゃなくてさ。他の神全員相手どるってところだよ」
「何かおかしいところがあるのか……って、そうか」
そこまで言って俺は気づいた。そういや、諏訪子はあくまで俺のことを奇妙な妖怪(?)としてしか見ていないんだっけ。しかもこの1年間俺が戦ったところ見せたことないし。
「あぁ、そういや諏訪子って俺の強さ知らないんだっけ」
「うん。多少強いのは何となく雰囲気でわかるけどさ、相手は大和の神々だよ?ちょっと強い程度の妖怪じゃ相手にもならないさ」
「ちょっと強い程度のなら、な。まぁまかしとけ」
「う、うん。でも、いいの?」
「なにがだ?」
「はっきり言うけど凌平はこの戦いに関係ないでしょ?」
「ま、俺をここに居候させてくれた恩って奴だよ。大船に乗ったつもりで行こうや」
そこまで言うと諏訪子は少しの間俯く。そして、しばらくしてあげた顔はいつも通りの表情だった。
「……ありがとう」
「お礼は戦いの後にもう一回聞かせてくれ。んで、あいつらを分散させる方法なんだがな……」
その後俺たちは大和の神々との戦いに備えて、準備をした。
奴らが攻めてくるまでの間、俺はとにかく諏訪子を鍛えた。と言っても、神力の使い方なんぞ知らないので俺は主に武器の使い方や戦いの仕方を教えた。
そして次にお互いの情報の交換。諏訪子は俺に聞いた限りの大和の神々の情報を、俺は諏訪子に本当の力を教えた。まぁ少し予想外だったのは、俺が人でも妖怪でもないと言った時の諏訪子の反応が普通だったことだ。
『まぁなんとなくそんな予想はしていたよ』
とは諏訪子の談である。あまりにあっさりしていて言った俺がビックリしたくらいだ。
そしてあの日から数日たち、俺と諏訪子はとある場所に立っている。
まだ俺たちの視界には入ってないが、向こうの方から大量の感情を感じる。数は少なくとも百は超えているだろう。
「さーて、いよいよ戦いだが大丈夫か?」
「問題ないよ。逆に凌平こそ大丈夫なんだろうね?」
「それ訓練の時に俺に一撃も入れれなかった奴が言うセリフかよ」
「うるさい」
「はいはい」
戦いの直前だが、俺と諏訪子はいつも通りでいる。いつもと違う所と言えば諏訪子は両手に鉄の輪を持っているくらいで、俺は何も持たずにいる。まぁ俺の場合、武器を持ってくる必要があまりないわけだが。
そして軽く談笑していると、気配が近づいてくる。どうやら向こうの連中は正面から来るつもりらしい。よほど自分たちの実力に自信があるみたいだな。
俺たちはなにもせず奴らが来るのを待つ。そして数分もしないうちに、俺たちの目の前には武装した神々がそろっていた。
「一つ問う! お前たちの大将は誰だ!!」
俺は奴らに向かって叫ぶ。まぁ正直原作知識でだれかわかっているのだが、確認しとかなきゃ後で諏訪子になにか言われそうだし、念のためだ。
「私だ」
そう言いながら一人の女性が前に出てくる。そこから発せられる雰囲気はまさに神と言った感じだ。
彼女の名は八坂神奈子、軍神と呼ばれている神だ。
「そうか、それは真か?」
「そうだ。それで一つ聞きたいが、なぜおまえはここにいるんだ?」
八坂はそう俺に聞いてくる。ちなみに今の俺は変わらず自身の妖力を抑えている。なので、今のあいつらには俺は妙な雰囲気を持った人間にしか見えないだろう。
「俺がいる理由か? それは・・・」
そう言いながら俺は意識を集中させつつ、片手を諏訪子に。片手を神奈子へ向ける。それを見て八坂は何か感じたのか、すぐさま身構えようとする。
が、もう遅い。
「こうするためだよ。諏訪子、頑張ってこい!」
そして、2人はワームスフィアーに包まれた。そしてワームスフィアーが消えた時、その場には二人ともいなくなっていた。
「とりあえず、第1段階完了っと……」
そう言いつつ、俺は残りの神々をにらみつける。それだけで奴らは俺を敵と認識したようだ。
「貴様、一体何をした!?」
奴らのうち一人がそう言ってくる。まぁ、さっき使ったワームスフィアーは霊力でも妖力でもないし、ましてや神力でもない。奴らから見たら未知の現象なのだろう。
「さぁな、一体俺とお前らの大将はどこに行ったんだろうな?」
だからと言って教えるつもりはないがな。そう思いつつ、俺は自身にかけていたリミッターを解く。
その瞬間、俺から妖力が溢れ出る。性質こそ違うが、その規模は奴らの神力に匹敵するほどの力強さを誇っている。
「っ……妖怪だったか!妖怪の手を借りるとは、洩矢の神も地に落ちたものだな!!」
………………あ?
「土着神の頂点と聞いていたからどんなものかと思っていたが、この程度「うるせえよ、お前」なっ!?」
奴らのうち一人が何か言っていたが、知ったことではない。俺は瞬時に奴の目の前に行き、その顔面を手でつかむ。簡単にいうとアイアンクローって奴だ。
「あなたは、そこにいますか?」
「何を……っ!!??」
そして、俺が触れていたところから急激に翡翠色の結晶が生えだす。それは徐々に奴の体を覆っていく。
「なんだ、なんなんだこれは!?」
「俺は諏訪子のおかげで神と言う存在を理解した。なのでこれ以上の数の神を観察する理由はない。というわけで……」
そして、ついに結晶は全身を覆い尽くしーーー
「ここからいなくなれ」
砕け散った。
……さて、これで脅しはバッチリ。奴らは俺を完全に敵と認識し、どこにいるかもわからないあいつらの下へ行こうとはしないだろう。とりあえず作戦が今のところ成功していることを願うしかないな。
そう考えながら俺は向かってくる奴らを見つつ、背後に妖力弾を大量に生成する。
「さぁ、久々の戦いだ。俺を楽しませてくれよ……」
時に、皆さまはご存じだろうか?
とある時代で、土蜘蛛を現す言葉としてこのようなものが存在する。
『もし奴が“空腹”なら遭遇してはならない』
『神も、仏も、妖も』
『すべて喰われる』
望夢さん、感想ありがとうございました。
読んでくれてありがとうございます。
久々に書いたので、主人公や諏訪子の性格変わってるかもしれません・・・。