ダンジョンに運だけで挑むのは間違っていると思う   作:ウリクス

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ハーフエルフとかハーフドワーフとか……ハーフって何かロマンを感じます

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第10話 冒険者始めました(様々な試行錯誤と採掘編)

強欲者印[ザ・グリード]

・モンスターを討伐した際ドロップアイテムを落とす確率が上昇する

[運]の値と討伐したモンスターによって確率が一定まで変動する

・モンスターを討伐した際入手できる魔石のランク(純度)が一段階上昇する

・ダンジョン内で採掘・採取を試みた際、レアリティが高い素材を入手できる確率が上昇する

[運]により確率が一定まで変動する

 

 

「ふざけんじゃねぇよ、また変なスキルが発現しちまったじゃねぇか……」

 

「いや、知らないわよ」

 

「また戦闘とは関係ないし見栄えも無い地味なスキルが……」

 

「でもコレ地味に有用じゃない。特にこの『魔石のランク(純度)が一段階上昇する

』って所とか……」

 

「この一段階ってのがどれくらいか分からないんだよアテナ様。で、この『ダンジョン内で採掘・採取を試みた際、レアリティが高い素材を入手できる確率が上昇する』て奴……ダンジョンのドコ掘りゃいいんだよ?」

 

「知らないわよ。気になるんだったら直接道具持ってダンジョンに行けば?」

 

「……そうだな、ケルベロスの力も見たいから行って来る。…ハンバーグご馳走様」

 

 

 

 

~摩天楼施設バベル~

 

先ずはピッケル……いや、ツルハシだな、何か良いの有るかねぇ?

 

小型ツルハシ 1500ヴァリス

……長さは腰から膝から少し下って所か……少し掘りにくそうだけどコレで良いか。腰のもう一個(一つはケルベロスが吊るされている)の金具に柄を押し当てる……見事にハマった。コレでもう一本投げ斧買わなくて済むね……って喧しいわ。

 

「後は……セリアの腕当てでも……」

 

革の腕当て500ヴァリス

合計2000ヴァリス

 

残り所持金7640ヴァリス

 

「……地味に痛い出費。でも買ってしまったモンは仕方ない。ダンジョン行こう……」

 

~ダンジョン第一階層~

 

((キィィィン…))「コボルトか……良し良し…」

 

鞘を外し、刃先に少しだけ赤みを帯びた投げ斧を手に取り、後ろを向いているコボルトに投擲する。

 

「行け、ケルベロス!」

 

投げ斧は縦に回転しながらコボルトの背中に深く食い込み、背中の肉を抉る様に一回転してこちらの手元に帰って来た。その戻り方もブーメランの様にカーブを描いて戻って来るのでは無く、磁石の様に引き寄せられるかの様に一直線に俺の目の前でピタッと止まる。

 

「え?ちょ、ちょちょッと!……はぁ。心臓に悪いなコレ」

 

一瞬俺まで攻撃されるかと思い焦ったが、目の前で止まる斧の柄に手をかける。

 

「しかしコレは……エグイな……」

 

コボルトの方を向く……僅かにジューッと何かが焼ける音が聞こえ、爪で引っ掻かれたかの様な三つの傷が視界に入る。それと同時に魔石を残して消えた。

 

((キィィィン…))「……!今度はゴブリンか……もう少し試してみたい事もあるし……行け!」

 

今度はワザとゴブリンの横を通る様に投げる、そのまま通り過ぎるかと思いきや……この投げ斧、方向をカクッと変えて敵に突っ込んで行きやがった。

 

「正にくの字の様にカクッ!だったな……」

 

((キィィィン…))「またゴブリンか……今日は良く出るなぁ……行けッ!!」

 

今度はもっと露骨に外してみる。敵に背を向け上に向けて投げてみる……結果はさっきと同じ、空中で方向転換して一直線に相手を捕らえる……今度は頭をゾリッと抉る……ゴブリンの頭が……うぇ。

 

「モンスターにも内臓ってあるのかな……?あ、ゴブリンの牙だ」

 

……あの子達には見せられない光景だな……ああ、ヤダヤダ。

 

「良し、第二階層の階段だ……」

 

まだまだ試したい事がある……俺は第二階層の階段に足を踏み入れる。

 

~第二階層~

 

((キィィィン…))「……珍しい、二階層からダンジョン・リザードに遭遇するなんて……今度は……行け!!」

 

壁に張り付いているダンジョン・リザードに向かって真っすぐ投げる、と同時に斧がモンスターを捕らえる前に右手に小剣、左手にツルハシを持つ……どうなるか。

 

「……お帰り……」

 

ダンジョン・リザードの背中を抉って帰って来るが両手が塞がっているため取る事が出来ない。この斧、俺の周りを一回転してそのまま腰の金具に戻りやがった……しかも律義に元の付けていた所の金具に。

 

「……良し良し、いい子だ……」

 

ツルハシを金具に戻し投げ斧を手にする。……コイツが本物のイヌだったら相当な名犬に違い無い。

 

「……お!ダンジョン・リザードの皮だ」

 

もうスキルが働いているのか?今は兎に角サポータに収納する短剣の予算とあの子達の装備代を稼がないと……

 

((キィィィン…))「……またコボルト……行け!!」

 

奥から走って来たコボルトに適当に投げる。全くの明後日の方向なのだが、どうせ方向転換するんだろ……と思っていた。

 

「……避けた!?……アレ?」

 

方向転換してきた斧を察知したのか、コボルトは跳躍して回避する。それは良い、避ける自体は別に何て事無い、むしろ避けるのが常識だと思う。問題は避けられた後の斧だ。また方向転換するかと思いきやそのまま何事もなかったかの様に帰って来た。

 

「……ッ!!」

 

右手を振り上げて飛び掛かって来ると同時に振り上げた腕とは逆の方向に斜めに大きく一歩前に進み爪を避ける。そしてコボルトが腕を振り回す前に横腹を深々と突き刺す。

 

「もしかして方向転換が出来るのは一回だけ?」

 

少しばかりの疑問を抱きつつ魔石を回収してダンジョンの奥に進む。

 

(((キィィィン…キィィィン…キィィィン…)))「……!珍しい、二階層で三体とは」

 

敵はゴブリン三体斧投げて後の二体は剣でどうにでもなるよ。

 

「……行け!そして俺も続く!!」

 

斧を投げたと同時に剣を構える。真っすぐに飛んだ斧はゴブリンAの額に刺さり頭が言葉ではいいように表せないような状態で魔石を残して消える。そのまま俺の手元に帰って来るかと思いきや今度はゴブリンBの腹に刺さりこれまたグロい状態になり煙のように消える。

そしてゴブリンCを残して手元に帰って来る。

 

「…………まだまだ色々調べる事がありそうだな……あ、またゴブリンの牙だ」

 

飛び掛かって来たゴブリンCのナイフ攻撃を横に避けてこちらを振り返られる前に首を小剣で切り飛ばして次の集団を探す事にした。

 

~30分後~

 

「……」

 

確証は無いが分かった気がする……この斧一回だけ方向転換して敵を捕らえるのだが、俺が投げた分は方向転換としてカウントされないみたいだ。一回の投擲で俺がモンスターに当てれば方向転換含めて二体分討伐できるが、外せば方向転換して一体しか討伐できない。でもコレは一撃で討伐できるモンスター且つ、斧が当たったと言う前提の話だけどな。

 

つまり、この斧を俺が当てるか外れるかでモンスターの効率的に討伐できるかできないかが決まる……と言う訳だ。と言ってもコレは俺の頭の足りない田舎者の持論であってだな。

 

「……?……」

 

そして俺は一体誰に説明しているのだろうか……?こんな人一人居ない第二階層で。

 

辺りに散らばる魔石を地道に拾いつつ俺は第三階層へと向かう。

 

 

 

~第三階層~

 

「……う~ん……」

 

第三階層について早々だけど、問題が発生した。

 

「……ケルベロスが……赤い……」

 

そりゃあ刃先から斧頭の部分まで全部が真っ赤だよ。

 

「……」

 

確かに初めて見た時は刃先が赤いなと、思ってはいたけど……こんな鍛冶屋の槌で打たれる直前の鉄みたいに赤くは無かったよ……

 

「……でも……見た目の割にほんのり温かい……」

 

……絶対に触りたくはないけどな!

 

((キィィィン…キィィィン…キィィィン…キィィィン…))「……!来た……けど…コボルトよ、四体!?」

 

いや、珍しくは無いとは思うけど……兎に角応戦だ!

 

「先ずは数を減らす!行け……ケルベロス!!」

 

燃えるような真っ赤に染まった斧を敵に投げつける……その瞬間斧が爆発した。

 

「……!!?」

 

いや、正確に言うと投げた瞬間斧に火が付いたんだ……そのまま炎上した斧がコボルトAの胸に刺さると同時にボンッッッ!と何かが爆ぜる音が聞こえた。

 

「……ウゥ……」

 

余りの出来事に思わず目を伏せてしまい目の前で何が起こっているのかが把握できない……分かるのは爆ぜた音の後に三回、計四回爆ぜた音と共にパチパチと何か燃える物が遠さがった音だけだった。

 

「……?」

 

そして訪れる静寂、目を開けて前を見る。

 

「……!!」

 

眼前に現れたのはその場に立ったまま残っている四つのコボルトの下半身だけだった……腰から上が無いんだよ。

 

「……」

 

それから間もなくコボルトの下半身は煙のように消えていった……魔石は……無い?

 

「……魔石って無くなるモンなの?」

 

……で、俺の斧何処行った?

 

「……ってか、ケルベロス!何処だ!!」

 

魔石をぶっ壊すうちの迷惑斧を探す為第三階層の奥へと足を踏み入れた。

 

「……」

 

しかし……何の反応も無い……デプスアミュレットも感知する事無く階段まで辿り着く。

 

「……」

 

不気味すぎる程の静寂……あの爆発以降第三階層でモンスターに一度も出会っていない。モンスターに遭遇した方がまだマシだと思う様になったのは、俺の感覚がマヒしているからだろうか?

 

「……!……お帰り……」

 

後ろから何かこっちに飛んでくるかと思えば、うちの迷惑斧が何事もなかったかの様に帰って来た。あと初めて見た時と同じ刃先が少しだけ赤い状態に戻っていた。

 

「……行こう……」

 

目の前で止まる斧を左手に持ち第四階層へと進む事にした。

 

~第四階層~

 

「……そう言えば、採掘してないな……」

 

ツルハシを持ってきた意味無いしな。ん~……しかし何処掘りゃ良いんだ?

 

「……!あの壁、周りと色が違うし亀裂も入っている。あの柱も!……やってみるか……」

 

ツルハシを大きく振り上げ亀裂に降ろす作業に入る俺。村に居た頃に偶にやっていた事だが、まさかダンジョンでこんな事するとは夢にも思わなかった……!

 

「……!」

 

ガキンッ!ていい音が鳴ったと同時に複数の鉱石と思われる何かがコロコロと足元に落ちて来る。そして周りの色に溶け込むように壁から色が消え亀裂も消える。

 

「……」

 

採掘舐めてんのかダンジョンは……何故五、六回掘っただけで鉱石が何個もコロコロ出てくんだよ……それに種類も違うし、鉱脈消えるし意味分からねぇ。……そうか!コレが俗に言うダンジョンの力って奴か!

 

「…じゃああと一つ」

 

まぁ、実際楽だから良いんだけどね。今度は柱に入っている亀裂にツルハシを降り下す。さっきと同じ、亀裂の間からコロコロと鉱石が転がって足元に止まる。

 

「……なるほどね、亀裂を狙えば良いのか」

 

鉱石をバックパックに詰めてダンジョンの奥に進む事にした。

 

「……」

 

そして遂に辿り着くダンジョン第五階層に続く階段を発見した。ダンジョンに潜り始めて三日目。早いのか遅いのか良く分からないが兎に角辿り着いた。

 

「……此処から先は未知の世界……」

 

足を踏み入れたい衝動が俺を襲う。……でも。

 

「もう試したい事は大体済んだんだ……帰ろう……」

 

装備も不十分だし何よりステイタスが足りない。それに、あの子達も育てなくてはいけない。まだまだやらないといけない事が沢山ある。

 

俺は帰り際出来るだけ剣を使いながらダンジョンの出口を目指す事にした。

 

 

 

 

~第一階層~

 

「……」

 

そして今俺は第一階層をグルグルと回っている。何故か?もう一つだけ試したい事があるからだよ。

 

((キィィィン…))「……!」

 

お目当ての敵が来た。それはゴブリンだ……一体、理想的な数だ。奴がこちらに飛び掛かって来る瞬間、リーチの差を見せつける様に小剣をゴブリンの腹部を突き刺す。……そして魔石になって消える。

 

「……」

 

ゴブリン一体の魔石がさっきから第一階層をグルグルしていた俺の目的だ。俺はコレを革袋に入れずに別の入れ物に入れる。

 

「……良し……」

 

今度こそ用事が済んだのでダンジョンから脱出し、外に出ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

~ギルド 換金所~

 

「スミマセン、換金お願いします……」

 

俺は今日稼いできた魔石と探索の道中と帰りの道中で落としたドロップアイテムを換金用の戸棚に全部入れる。ゴブリンの魔石は手に隠し持って。

 

「あいよ、8740ヴァリスだよ」

 

不愛想な声と共に戸棚が開く。

 

「どうも……」

 

革袋にヴァリスを入れ立ち去ろうとするフリをして手に持っていた魔石を取り出す。

 

 

「アレぇ……全部換金した筈だったんだけどなぁ。スミマセン……小さいですが、換金お願いできますか?」

 

戸棚にゴブリンの魔石を一つ放り込む。……コレでさっきから俺が何がしたいのか説明できる。

 

『魔石のランク(大きさ)が一段階上昇する』これがどの位かを確かめたかったからだ。

 

ゴブリンの平均魔石額は300ヴァリス。平均だから多少の差は出るかもしれない。でも300ヴァリスを基準としてどれだけ増えるかを確認したかった。

 

「あいよ、330ヴァリスだよ」

 

「……ど、どうも」

 

す、少しだけ増えたな……でもコレ殆ど誤差の範囲だよ畜生……俺は二倍に増えるかと期待してたのに。

 

「……ステイタス更新してさっさと帰ろう……」

 

所持金 7640+8740+330=16710ヴァリス

 

外に出て空を見る……もう夕方か……夕日の光を浴びながらアテナ様の元へ向かう事にした。

 

後、採掘した鉱石は換金できなかった。コレはヘファイストス・ファミリアに買い取って貰おう……安いと思うけど。

 

 

 

 

 

~ヘファイストス・ファミリアのホーム 素材管理所~

 

俺は如何にもドワーフって人と鉱石の売却の交渉をしている

 

「錫石と銅鉱石か……量は少ないし、小さいし質も悪い。まぁ新人の練習の足し位にはなるだろう……100ヴァリスでどうだ?」

 

「良いですよ」

 

16710+100=16810ヴァリス

 

 

 

 

 

「どうも、ヘファイストス様」

 

彼女が何やら呆れた顔で向こうを見ている。

 

「……Zzzz……」

 

……俺の唯一の主神、アテナ様が酒瓶を抱いて眠ってらっしゃる。

 

ヘファイストス様曰く、肉を食べる → 酒が欲しくなる → 飲む → そして今に至るとの事。 

 

「……俺、今日は帰りますわ……」

 

「……御免なさい……」

 

謝って来る。イヤイヤ、ヘファイストス様は悪くないのに。

 

 

 

 

 

~聖鳥の泊まり木~

 

「ただいま、主人」

 

「ああ、お帰り。実はもう食事は出来てあるんだ。冷めない内に食べてくれ」

 

「あ、はい。いただきます」

 

~個室~

 

「……しかし……今日は疲れたな……」

 

流石に二回ダンジョンに潜ると……キツイ物がある。

 

「でも明日はあの子達の事もあるし……」

 

……もう寝よう……




~アークの武器レポート~

ケルベロス(投げ斧)
ヘルハウンドの牙を使用したハチェット

火属性を持つ
投げると戻って来る
敵に刺さると一回転して抉る
方向を一回だけ転換できる

チャージ技
地獄門番の憤怒(アーク命名)
この斧でモンスターを一定数攻撃する事がチャージされる
チャージが完了すると斧頭と刃先全体が真っ赤になる

・一定時間の間、一定の範囲に居るモンスターを自動で無差別に攻撃し続ける。
・攻撃した際、対象に小爆発を引き起こす
・一定時間経過したら持ち主の手に戻って来る、その際チャージはリセットされる

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