ダンジョンに運だけで挑むのは間違っていると思う 作:ウリクス
外観が薄青色から薄緑色の壁面に変わり、ダンジョン自体の構造が複雑になってくる。
キラーアントを始めとした多種のモンスターが多く出現し、モンスターの発生間隔も短くなる
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~第四階層~
「ッ!前方からコボルト二体確認。俺とエミリアで迎撃する、セリアとクラリスは後方を警戒、行くぞエミリアッ!!」
「まっかせてよ!リーダー!!」
鞘の革と剣の鉄が擦れる音を響かせながら剣を抜刀しエミリアが右、俺が左のコボルトと対峙する。
「オラぁッ!!!」
「やあああああああ!!」
俺の目の前のコボルトが右腕を振り上げたと同時に逆の方向へ避け擦れ違い様に横腹を薙ぎ払う様に切り捨てる。エミリアも素早く後ろに回り込み背中に飛び乗り両手のナイフを首筋に突き立てる。ほぼ同時に二体のコボルトは魔石を残して消えていった。
「……ハァ……」
「……やったぁ!……リーダー!!さっきの見てた?ボク凄かった!?」
……まぁ、確かに俺より良い動きしてたしな。頭でも一つ撫でてあげよう。
「……ッ!アミュレットが……セリア、クラリス!!後方からゴブリン二体確認。迎撃しろッ!!」
エミリアの頭を撫でようと右手を上げた瞬間にアミュレットがモンスターの接近を警告する。セリアとクラリスが勢い良く後ろを向いて左右の壁から一匹ずつ湧き出てくる途中のゴブリンに矢をつがえ、杖の先を向ける。
「倒れなさいッ!!」
「【穿て、雷の閃光】ライトニングッ!」
セリアの木の矢が右のゴブリンの腹を貫き、クラリスの魔法が左のゴブリンの体を風穴だらけにする。ゴブリン二匹とも完全に壁から出て来る前に魔石となって消えた。
「……ッ!!」
そして辺りに静寂が訪れる。……どうやら打ち止めみたいだ。
「……フゥ、反応は無しっと。…休憩にしよう」
薄青色の壁に背中をくっ付けて座り込み、休憩する事にした。
「それにしても随分と安定してきたな。やっぱりパーティを組むのと組まないのとじゃ全然違うな」
「うん!駆け出しのボク達でもこんなに戦えるなんて思わなかったよ!!」
「これも私達のリーダーのおかげですよ……」
「……でも、アンタには直ぐに追いついてやるわ!」
「それにしても……」
俺達が休んでいる間にエミリアがちょこちょこ動き回って魔石を革袋に入れている。
「……スマンなエミリア。サポーターみたいな事をさせて……」
「気にしないでよリーダー!ボクがやりたいって言い出した事なんだから……ハイ、終わったよ!!」
~ダンジョン第一階層入り口~
「リーダー!今日のダンジョン探索でお願いがあるんだ……」
「どうしたエミリア?」
「魔石を拾うの全部ボクがやって良い?」
「おいおい、サポーターみたいな事しなくていいのに。別にサポーターを馬鹿にするつもりは無いが、お前も立派な冒険者だろ?」
「お願いリーダー!ボク、一度やってみたかったんだ……ダメ?」
「……クラリスとセリアはどう思う?」
「……別に良いと思います……」
「良いんじゃない、好きにさせれば?」
「決まりだね!ボクにまっかせてよ!!」
近くに転がっている魔石とドロップアイテムを回収して隣に座るエミリアの頭を撫でる。
「あ、そうだお前達。見てみろ……あの向こうにある階段の先が第五階層だ」
そう、今俺の目の前にある小さな目標。
「……一体いつになったら降りられるのか……」
「……焦らずに行きましょうリーダー……」
「そうそう!エイナさんも積み重ねが大事だって言ってたし!!」
「そうね、こればっかりは焦ったって仕方がない……でしょ?リーダー」
「いいや、時にはリスクも大事だ!」
俺は冗談半分で階段を指差して
「何ならこの先少しだけ行ってみるか?」
「……っえ?……リ、リーダー!そんなの危ないですよ!」
「エイナさん言ってたよ!?冒険者は冒険しちゃいけないって!!止めなよリーダー!!」
「何馬鹿な事言ってんのよ!!」
「冗談だ冗談。お前達はもう少し休憩しとけ…それで今日は終いだ」
俺は腰に差してあったツルハシを手に取り、採掘できそうな亀裂を見つけて近づき両手を大きく振り上げる。
「……どうせショボいモンしか出ないと思うけどッ!!」
亀裂に目がけてツルハシを何度も振り下ろす。第四階層にカンッ!カンッ!!っと打ち付けられる音が響き渡る。その音に反応してあの子達が近づいて来た。
「……あの、リーダー……何しているんですか」
「何って……採掘だよ。ってかお前達の目の前で何回もやってたじゃないか。今更じゃないか?」
「いや、それはそうなんだけど……」
「良いじゃない別に。減るモンじゃないんだから教えなさいよ」
「……まぁ、別に良いだけどね……壁の色が違って亀裂の入っている場所があるからこうやってツルハシを何回か振り下ろすとッ!!」
ガキンッて音と共に亀裂の間からコロコロと何かが複数転がってくる。
「鉱石だ。コレをヘファイストス・ファミリアに売り渡してるんだよ。まぁ雀の涙程度だけどね」
転がってきた鉱石をバックパックに詰め込んで立ち上がり
「よし、ダンジョンから出よう!!」
帰り道に湧いてきたモンスターを討伐しながら外へと向かった。
~ギルド~
ダンジョンを出るとまだまだ昼前だが、それでも多くの人が溢れかえっていた。この流れる人の中に潜って移動するのも一苦労だ。村じゃ到底味わえないものだが出来ればコレばっかりは遠慮したいものである。
「リーダー!ボク換金やりたい!!」
「分かった分かった……そこの棚の中にドロップアイテムと魔石を全部出せ」
「はーい!換金お願いします!!」
革袋の紐を解いてひっくり返す。
「もう少し丁寧にやれって……」
そんな事も気にせず換金の人はいつも通りの不愛想な声で
「あいよ、10000ヴァリスだよ」
の一言で済ます。
「……どうも」
エミリアも愛想のない声で受け取る。まさかソレ俺のマネじゃないよな?
「……うん、結構稼げるようになったな。10000ヴァリスの四等分は2500ヴァリス。お前達、無駄遣いすんなよ」
これもあのスキルの賜物か。いつも通り2500ヴァリス入った革袋をあの子達に渡す。
「さて、今日はもうダンジョン探索は終わりだけど、ちょうど昼だ。お前たちはどうする?」
「ボクは特に予定はないよ」
「私も特には……」
「アタシもよ」
「そうか、俺はさっき採掘した鉱石をヴァリスに変えてアテナ様の所行ってステイタス更新をするよんじゃまた後で」
さっさとアテナ様に行ってステイタスを更新してさっさと部屋で休もう。
「……あの、リーダー。少しお願いしたい事があるんです」
「……?どうしたクラリス」
今度はクラリスか。
「リーダーの主神と会ってみたいなって……」
「ボクもボクも!!」
「……まぁ、どうせ暇だからついて行ってあげるわ」
「…………」
ええ……ヘファイストス様はまだ良いけど、この子達に
~ヘファイストス・ファミリアのホーム~
「全部で120ヴァリスだ」
「ハイ」
「……ゴブリンより少ないね」
「言うなエミリア……買い取ってくれるだけでもありがたいと思わないと……」
「こんにちはヘファイストス様」
「あら、こんにちはアーク君。アテナにステイタス更新してもらいに来たの?」
「はい、また酔い潰れてなきゃいいけど……」
「……あら?その子達は」
「はじめましてヘファイストス様!ボクの名前はエミリア、エミリア=ハーベスト!!」
「……あ、あの……初めまして……クラリス=ハーベストです……」
「……セリア=ハーベストです……」
「俺のパーティメンバーだ。デメテル・ファミリアのトコで一度ヘファイストス様とアテナ様に会ってみたいって言われてな」
「そうだったの……あ、そうだ貴女達。アーク君がステイタス更新している間にこの店の商品でも見てみる?」
「え……良いんですかヘファイストス様!?」
「ええ、せっかく私に会いに来てくれたんだからそれくらいはしないとね」
「……その前にお前達、うちの主神の所に行こう」
俺はヘファイストス様とこの子達を連れて
~アテナの部屋前~
「少し様子を見てきます」
この子達に見えないように扉を少し開け中に入る。
「アテナ様、いるか……?」
何で俺がこんなコソコソしてるかって?そんなの決まっている、前みたいにあのポンコツ駄女神が真昼間からデカい酒瓶を抱いて寝てるか心配で心配で……
「……あら、アークじゃない。今日も早かったわね。今日『も』」
「一言余計だ……で、何だよそのワインは?」
「い、いや~……ヘファイストスがいい酒を貰ったって言うからその~味見をしようと……あははは……」
この駄女神、ヘファイストス様が貰った酒を勝手に飲もうとしてやがる……
「……まぁ、まだ飲んでないから良いか……アテナ様、そのまま飲まずに待っていてくれよ。会わせたい人がいるんだ……」
アテナ様からワインの瓶ごと奪い取って扉をに向かう。
「お前達、入って良いぞ」
この子達を部屋に連れて来た瞬間、アテナ様の顔がさっきまでと打って変わって焦りの色に変わってきた。
「俺のパーティメンバーですよ。アテナ様に会ってみたいっていうから連れて来たんだ」
「……初めまして人の子よ、我はアテナ、パラス=アテナである」
もう遅ぇよバカ女神。でもこの子達はヘファイストス様と同じように頭を下げて自己紹介して挨拶する。
「……まぁ、こんな変わった神様だけど仲良くしてくれ。それじゃヘファイストス様、俺がステイタス更新している間にこの子達を頼む」
ヘファイストス様がこの子達を連れていく際アテナの方を向いて何か言ったような気がしたけど、俺は見なかった事にした。
「と言う訳でアテナ様、ステイタス更新頼むよ」
「ちょっと!何あの可愛い子達は!?」
「俺のパーティメンバーだよ」
「もしかして私のファミリア希望!?」
「残念ながらデメテル・ファミリアに入ってまだ一年も経ってないよ」
「あんな可愛い子貴方みたいなのがどうやって…ねぇ!ねぇ!!」
「良いからさっさと更新してくれ!!」
アークボルト=ルティエンス
アテナ・ファミリア
[力]:I35 → I40
[耐久]:I24 → I26
[器用]:I50 → I53
[敏捷]:I35 → I40
[魔力]:I18 →
[運]:I85 → H109
追加スキル
四肢斬奪[エネミー・ライフアブソーブ]
・モンスターの一部を切断した際に発動。切断した一部が一定の確率でドロップアイテムとして残る
[運]の値によって変動する。
「ねぇアテナ様。前にやっとマトモなスキルが発言したって言ってたけどまた変なスキルが出たよ……どうしてくれるんだよ」
「私に言われたって知らないわよ」
「……それに運だけがHに突入したよ。て言うか何なんだよ運って」
「だから知らないわよ」
「……はぁ。はい、お預けにしていたワイン。俺はこれからあの子達を迎えに行って帰るから」
~ヘファイストス本店~
「す……すごい……」
「き……綺麗です……」
「……」
「お前達……楽しいか?」
目を輝かせるクラリスとエミリア。興味ない素振りをしてメッチャチラ見しているセリアを発見した。
「うん!すごく楽しいよ!!」
「はい、いつか私達もあんな装備が……」
「……まぁ良いんじゃない……」
「……そうですか……」
コレがウインドウショッピングってやつか……
「お前達、そろそろ帰るぞ」
「えー!ボクもうちょっとだけ見たいよ……良いでしょリーダー……」
「我儘言うな……ヘファイストス・ファミリアの団員に迷惑だろ?」
「あら、また来れば良いじゃない。アーク君がステイタス更新をしている間に見て回るくらいなら別にいいわよ」
「良いんですかヘファイストス様!?」
「良いわよ別に。それくらい減るモンじゃないし」
「……じゃあ、俺がステイタス更新している時だけだからな……」
「やったー!!」
「じゃあお前達、帰るぞ」
ヘファイストス様に別れを告げてヘファイストスファミリアのホームを後にする。
~オラリオ北部 昼食 ~
「そう言えばお前達、腹減らないか?」
「……うん、ちょっとね……」
「わ、私も……」
「……す、少しだけよ少しだけ!!」
……セリア、ここにいる全員気にしないからお腹がすいたって素直に言えばいいのに。
「今日は屋台で済まそう、好きな物食えよ」
「はーい!!」
「な、何食べよう……」
「……すぐに済ませるわよ……」
各々が散って屋台を選び始めた。
「……俺も何か食べますかね」
エミリアの場合
「ミートボールパスタは確定として。まずはコレしよう……ん?」
あ、エミリアだ。両手に何か持っているけど
「……ッ!……お前、肉しか持ってねぇじゃねえか……」
肉の串焼きを両手に持って頬張っていた。
クラリスの場合
「果物が食べたいな……ん?」
あ、クラリスだ。……サラダを……つまり野菜ばかりをウサギみたいにカリカリ食べていた。
セリアの場合
「そろそろ腹が膨れてきたしあと一つくらいで最後に……ん?」
テーブルの端でセリアが野菜肉パン魚と種類豊富の屋台の料理を持って座っていた。
「……普通だ……」
すぐに済ませる、とか言ってたからどんな早食いと大食いを見せてくれるかと思えば早さも食べ方も普通だった。アマゾネスのくせに……とは言わないけど正直な話ちょっと残念な気もする。
「……セリア、そんなに腹が減ったんなら素直に言えばいいじゃないか……」
「ッ!!?」
「……別に取りゃしないって。待ってるからゆっくり食いな……」
少しだけ顔が赤くなった彼女の顔を見ながら昼食をを済ました。
~オラリオ郊外 デメテル・ファミリアのホーム~
「……デメテル様、ただいま戻りました」
「ただいま!デメテル様!!」
「……デメテル様、ただいま……」
「……デメテル様、今戻ったわよ……」
「あらあら、その様子だと皆怪我はないみたいね……よかった。でも疲れたでしょう?夕食まで部屋で休んでなさい」
彼女の言葉に甘えて俺も自室に戻る事にした
「お前達は食堂で夕食だろ?俺は外に出て適当に食うから心配するな」
「え……リーダー来ないの?」
「デメテル様も言っただろ……『滞在するだけ』って。部屋を貸してくれるだけでありがたいのに部外者の俺がこれ以上要求する訳にはいかないだろ……」
「……うぅ……」
納得がいかないって顔をしているエミリアの頭を撫でて部屋に戻る。夕方になるまで体を休めることにした。
アークボルト=ルティエンス
アテナ・ファミリア
[力]:I40
[耐久]:I26
[器用]:I53
[敏捷]:I40
[魔力]:I18
[運]:H109
運命体現 [ラック・アルファ]
基本アビリティに[運]を追加する。
[魔力][運]以外の基本アビリティの熟練度が上がりにくくなる
強欲者印[ザ・グリード]
・敵を討伐した際のドロップアイテムを落とす確率が上昇する
[運]の値とモンスターの種類によって確率が一定まで変動する
・モンスターを討伐した際入手できる魔石のランク(純度)が一段階上昇する
・ダンジョン内で採掘・採取を試みた際、レアリティが高い素材を入手できる確率が上昇する
[運]により確率が一定まで変動する
救済包囲[ムービング・セーフティ]
このスキルの保持者含め近くにいる人物は、精神力が回復し傷を癒す
スキル保持者の[魔力]依存
ただしスキル保持者の[魔力]がどれだけ高くても回復速度と量には上限が存在する
四肢斬奪[エネミー・ライフアブソーブ]
・モンスターの一部を切断した際に発動。切断した一部が一定の確率でドロップアイテムとして残る
[運]の値によって変動する。
↑モンハンの部位破壊です。死体が残らないアニメ仕様じゃないと多分成立しないスキルです。