ダンジョンに運だけで挑むのは間違っていると思う 作:ウリクス
神の恩恵によって刻まれる強さを数値で表したモノ。
『力』
『耐久』
『器用』
『敏捷』
『魔力』
の五つの項目が存在する
モンスター討伐などの何らかの行動を起こすことによって【経験値】を取得し数値(熟練度)を上昇させる。
評価は全部で10段階
I 0~99
H 100~199
G 200~299
F 300~399
E 400~499
D 500~599
C 600~699
B 700~799
A 800~899
S 900~999
ランクアップの条件の一つとして基本アビリティのどれか一つはDまで到達しないといけない。
一部のモブの名前を少し変えました。
綴りは全然違う筈なのにいざカタカナに直すと似たような名前になってしまう……
「……無事だと良いんだけど」
チビ達を連れてダンジョンを脱出した後、バベル前にある広場へと向かう。
その途中に「お兄さん、どこ行くんですか?」と、質問を投げかけられたので「ああ、仲間たちのところさ。違うファミリアだけど一緒に行動しているんだよ」っと答える。
……ん?
そういえばチビ達は何処のファミリアに所属してるんだ?
「チビ達よ、聞くのを忘れていたんだが何処のファミリアに所属してるんだ?」
「……あ~、えっと……」
「お兄さん!ルゥ達はファミリアに所属していないですよっ!!」
「あ、コラ!ルゥ……」
「……えっ?
「……ありません」
つまり……チビ達はステイタスを貰っていない状態でダンジョンに潜ってたのかよッ!!
し……信じられん。
何て危険なことをするんだこのチビ達は。
「……何でそんな無謀なことを。冒険者登録したんだったら、その時アドバイザーからは何も言われなかったのか?」
「……勿論、アドバイザーさんには念を押して言われました……
「さっきだって本当に死ぬんだと覚悟していました……」
「でも……でもルゥ達どうしてもお金が必要なんですぅッ!」
「……」
金の為に冒険者になった、この子達もそうなのか……?
俺みたいな理由でオラリオに来て冒険者になるのが珍しいのかねぇ。
「その……金が必要なのは分かった。それでその……よければ事情を話してくれないか?もしかしたら力になれるかもしれない」
「「「……」」」
三人が顔を見合わせて考えている。
ああ、しまった、少し余計なことに首を突っ込んでしまったか……?
でも、そうしないとまたこのチビ達がダンジョンに潜るかもしれない。
そして今度こそ死んでしまうような気がするんだよな。
いや、全部俺の直感だけどさ。
「……分かりました、冒険者さんは僕達の命を救ってくれました恩人です。それくらい全然構いません……ルゥ」
「はい、実は……」
「そうか……大体分かった」
チビ達の言い分を簡単に説明すると
チビ三人組はダイダロス通りにある『マリア孤児院』と呼ばれている孤児院で暮らしている。
貧しいながらも幸せに暮らしていたが、ある日孤児院の子供の一人が病で倒れる。
その子が患った病の特効薬が存在するのだが、値段が高くて買うことが出来ない。
病にかかった女の子と特に仲が良かったルゥと呼ばれた少女が躍起になって一人でギルドに向かい冒険者登録をしてダンジョンに行き魔石と稼ぎに行こうとするが孤児院の年長組である二人に取り押さえられる。
このままだと単身で乗り込んで死にかねないから、年長者二人も彼女と一緒に院長に内緒でダンジョンに潜ると約束し今に至る……と。
「つまり、孤児院にいる友人の為に薬代を稼ぎたいからこっそりとダンジョンに潜った……と言う訳だな?」
「……はい」
「……そうです」
ふと溜息が出てしまう。
何だろうな、
だが、これだけはハッキリと言わないとな。
「……チビ達、悪いことは言わない……ダンジョンに潜るのは諦めろ。
「でも……でも……今諦めたらノエルが……ノエルちゃんが死んじゃうですぅッ!!!」
「別に見殺しにしろとは言わない、ただ他にも金を稼ぐ手段はあるだろうに。……例えばバイトと」
「それじゃ遅いんですぅッ!今にも死にそうなのに……」
俺の言葉お遮る様にルゥと呼ばれた少女が俺に大声で訴えかけてくる。
「……三日前、三日前まではあんなに苦しんでいなかった……いつものようにルゥに『また明日も遊ぼうね』って約束してくれたのに……それなのに……今はあんなに苦しんでッ!血を吐いてッ!!それでも笑顔でルゥに『約束やぶってごめんなさい』って謝るのですぅッ!!」
目に大粒の涙を流しながら俺の前で泣き崩れる。
「それでもルゥは……ルゥは……何もできなくって……ぅぅぅ……」
「……」
「……」
泣き崩れる少女の後ろで年長者組の二人も目に涙をためて俯いている。
そう、これまたどこかで見た光景だった。
この既視感ありまくりなこの状況なら後の展開は……
『なにアレ……』
『恫喝?あんな小さい子達を?』
『それも堂々と』
『サイッテー』
『信じられないわ』
『屑ね』
『これだから男は……』
「…………」
まぁ、またコレである。
そう、また。
前の経験から予想はできていたが、やっぱり色んな意味でヤバいッ!
とにかくヤバいッ!!
『あっ……リーダーだ!やっぱり帰って来たんだッ!!』
『でも何してんのアレ……?』
『……小さい子を……泣かせてる……?』
『まさかリーダー様がそんなこと……』
『リーダーッ!アンタ何やってんのよッ!!』
『……そんな、私……リーダのこと信じていたのに、こんな酷いことするなんて……』
「…………」
あの時以上にヤバい展開になってるよなコレ?
そうだ、絶対にそうだ!
胸を張って言える、この状況は前に比べて色んな意味でヤバいってッ!!
「分かった……分かったから……俺の負けだ……話を聞くからとりあえずココを離れよう、な?」
泣き崩れている少女を持ち上げてこの場を去る。
そして後ろから
『あっ!リーダーが逃げたッ!!』
『リーダー様が逃げたッ!第7班、第8班……全員追跡開始ッ!!』
『まてぇぇぇぇぇぇリーダーさんッ!!』
『……待って下さいリーダーッ!……まだ、まだ引き返せますから……』
『リーダー、アンタにそんな趣味があるなんて……幻滅したわクソリーダーッ!!』
『んっふっふ~、でもこれでリーダーの好みが分かっちゃったね~、まさかあんなに小さい子が好みだったなんて~ボクみたいなッ!!』
『だとしたらコレはチャンスだよねアンナ!』
『そうね、メアリーッ!』
『『『だって私(ボク)達は(ハーフ)
『そんな筈はない……そうですよねリーダー様ッ!ヒューマンだって守備範囲内ですよねッ!!そうですよね……答えてくださいリーダー様ァッ!!!!』
『……ドワーフは……守備範囲内かしら……?』
『やっぱり、リーダー君は私みたいな語尾にニャをつけないキャットピープルはイヤなのかな……』
「……」
お前等、後で覚えとけよ……
そんな憎しみをタップリと心に溜めながら後ろにチビ2人と13人を引き連れてなるべく人のいない場所に向かうことにした。
「……はぁ……」
少し離れた場所に人が全くいないベンチを発見した。
俺はチビ達を座らせて落ち着かせることにした。
後から来た彼女達が「さぁ話して貰いましょうかリーダー様ァッ!!!」って言って来たので思う存分に話してやることにした。
先ずはモンスターの大群から逃げていた途中に相手が馬鹿やって勝手に転んで動けなくなった隙に振り切ったこと。
そのまま第1階層に辿りつき、いざダンジョンから脱出しようとしていた時にこのチビ3人組に遭遇してゴブリンとコボルトを討伐して一緒に脱出したこと。
そしてルゥと呼ばれる少女に大泣きされて周りに罵倒され、お前等からも勝手に幻滅されて……
大体こんなところかな。
「良く分かったか、お前等?」
「……はい、良く分かりました。本当にごめんなさい」
「……ゴメンナサイ」
「え、なんだって……?良く聞こえないなぁセリア。誰が誰に幻滅したかって?……え?」
「……だから悪かったわねッ!!!」
「……リーダー、私信じてましたよ。リーダーがそんなことしないって……」
「OK、クラリス。後でお仕置きだ……」
「……ごめんなさい……」
コイツ等、さっきまでと言ってることが違うぞ馬鹿野郎が。
「ねぇねぇリーダー、やっぱり恋人にしたいなら小さい子が良い?そうっ!ボクみたいなっ!!」
「いやいやエミリア、ここはハーフじゃなくって私達みたいな純粋な
「……ドワーフ……ドワーフは……どうでしょうかリーダー?」
「……はぁ……」
人の話をだなぁお前等。
でもまぁどうやらみんな大丈夫そうで何よりだ。
状況からして自分の心配をしろって話だけど。
「……」
「どうしたのリーダー?」
「いや、あの時ダンジョンから脱出しろって言った時に、他のモンスターに襲われて怪我してないか心配だったんだよ。でもまぁ、お前達が元気そうで良かったよ」
「フンッ!大袈裟ね、何回も行き来している道で怪我するワケないじゃないの。それよりも自分の心配をしなさいッ!切り傷や擦り傷を作って……」
「……ん?ああ、コボルトに蹴っ飛ばされたときにでも出来たのか」
「リーダーさん、後で魔法で直して差し上げますね」
「ああ、スマンなララ」
「いえいえ、コレが
セリアの後ろからエミリアが意地悪な笑みを浮かべながらヒョコッと顔を出して来る。
「ねぇねぇリーダーリーダー!セリアね、2階層まで昇って来た時にやっぱりアタシもリーダーと一緒に戦うなんて言い出して大変だったんだよッ!!結局ボク達全員で引きずって連れ出したけどね!」
「ちょっとッ!余計なこと言ってんのよエミリアッ!!」
「……そ、そうか。まぁ、とにかくみんな無事で何よりだ。リーダとして心底ホッとしているよ。あとは……」
ベンチに座らせているチビ達に目を向ける。
「その、落ち着いたなら……自己紹介をしてくれると嬉し……」
「うぅ……ノエル……うぅぅ……」
両手で顔を覆いながら嗚咽を漏らしている少女に目を向ける。
この様子だったらまだまだ落ち着かなさそうだな。
「ああ……フローラ、スマンがこのチビ達を連れて全員デメテル・ファミリアに帰ってくれないか?もしチビ達が邪魔だったら俺の部屋に押し込んでも構わないから。あ、そうだ……エミリア、クラリス、セリアはもうちょっとだけ残ってくれ」
バックパックから鍵を一つ取り出しフローラに渡す。
「え、いや……その……それは構わないんですけど、リーダー様はどちらへ?」
「俺はもう少しオラリオでやることがある。大丈夫、直ぐに戻るからさ」
「分かりました。では皆、今日はもうホームへ帰りましょう。さぁ貴女達も……」
「……はい」
「……分かりました。ほらルゥ、立って」
フローラを先頭にチビ達を連れてこの場を立ち去っていく。
「リーダー、どうしたの?ボク達も付いて行こうかリーダー?」
「いやいや、コレは俺一人で十分だ。それよりもチビ達のことを頼みたくてな。実はな……」
あのチビ達が
「
「ああ、だから危険なんだよ。放っておいたらまた勝手に潜ってしまうんじゃないかと思ってな。できたらあのチビ達の話し相手にもなってくれないか?」
「……分かりました……」
「良し、頼んだぞお前達……」
クラリスが何か言いたいことがあるような素振りを見せながらも、3人組は踵を返しホームへと向かって行く。
「……はぁ。良し、行こうッ!」
俺も今できる限りのことをしよう。
頭の中で作られたオラリオの地図を広げながら歩き出すことにした。
久しぶりの更新したけどまだまだ忙しくなりそうですよ