ダンジョンに運だけで挑むのは間違っていると思う   作:ウリクス

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色々考えたけど、やっぱりこのファミリアにしました。


第4話 冒険者始めました (二つの神の恩恵編)

「俺がアテナ様の眷属に……ですか……」

 

なんか予想外だな……

 

「私でも正直酷い事言っているのは分かる。でもこの女神は正直言ってヘスティアより酷いのよ……」

 

「…そんなにハッキリ言わなくてもいいじゃない……」

 

アテナ様が完全に萎れておられる……しかし、ヘスティア…どこかで聞いたような名前……

 

「ん?ヘスティア……ヘスティア……いや、今日どっかで聞いた名前ですよ。……何処だっけなぁ」

 

「ジャガ丸くん?」

 

「あ、そうだ。思い出した…ジャガ丸くんだ…特徴的な女の子だなって思ってたけど、神様なんだ……あの子もヘファイストス様と同じようなことを言って来たんだよ。」

 

「私と同じ事?」

 

「そうです、俺の村の事を聞いて来たから。ジャガ丸くんができるまで話をしていたんですよ。」

 

「で、話を戻すけど貴方は……その、あまり催促はしたくないけど……」

 

ヘファイストス様。一応俺に気を遣ってくれてるんですね……

 

「俺としては全然良いですよ。アテナ様の眷属になっても構いません」

 

「本当!?(……ヘスティアには悪いけどこっち(アテナ)を早く何とかしたいの。)」

 

「はい、俺の条件としては」

 

 

・自由に冒険をさせてくれる

・冒険に行った後は必ずステイタスを更新してくれる

・……できれば友好的に接してほしい

 

 

「この条件さえ守ってくれれば俺は何処でも良かったので……問題なのはこの男嫌いのアテナ様だな……」

 

俺はアテナ様(ポンコツ女神)を見る。もう威厳もクソも無いよこの神様……

 

「……べ、別に嫌いじゃ無いわよ!!……苦手なのは認めるけど……特に白い顎鬚とムキムキの引き締まった男が駄目!それは嫌!!」

 

……別にムキムキじゃないしむしろ……うん。今は髭生えてねぇし。生えてきたら直ぐ剃るけどな。

 

「取り合えず、詳しい話は明日にしませんか?もう日が沈みます。今日と同じ時間にヘファイストス様のホームに来ますので。」

 

「ええ、そうしてくれると助かるわ。」

 

「では、また会いましょう。ヘファイストス様、アテナ様(ポンコツ女神様)

 

「ちょっと、今すごく失礼な事言ったでしょう!この無礼者!!」

 

「じゃ、私たちも帰りましょう。……アテナ?明日まで楽しく【オハナシ】しましょう?」

 

「痛い!痛い!!痛い!!!痛い!!!!其処は引っ張らないでッ!!」

 

わお、アテナ様の金髪の縦ロールを握って引っ張ってやがる……

 

「……仲がよさそうで何よりだ。」

 

俺も聖鳥の泊まり木に帰ろう……

 

~オラリア北部 聖鳥の泊まり木~

 

「……ただいま帰りました……」

 

エルフの主人が料理をしている最中だ……

 

「ああ、お帰り。もう直ぐ夕食ができるからな。……それで、どうだった?」

 

「何処もダメでしたけど、一つあてが見つかりました。」

 

「そりゃあ良かった。明日にでも向かうのかい?」

 

「勿論、朝にもう一度話し合うつもりです。」

 

急に主人が黙ってしまう。

 

「……」

 

「……どうしたんですか?……」

 

「いや、昨日の君とは人が変わったみたいで全然違うなって思ってさ。」

 

「……それ、ギルドの女の子たちにも言われました。……」

 

「ハハハ、ゴメンゴメン。さぁできたぞ」

 

~聖鳥の泊まり木 個室~

 

「……」

 

明日、上手くいってくれればいいのだが……

 

「……」

 

もう寝よう……早く寝よう、遅刻したら話にならない……

 

「……Zzzz……」

 

 

 

 

~オラリオ生活三日目~

 

「おはようございます。」

 

「ってか主人。俺当たり前のように此処に入り浸ってるけど、良いのかい?」

 

「ハハハ、商人の彼には君の宿代一週間分貰っているからな、大丈夫だよ。」

 

一週間、一週間の内にファミリアに入れってことか……何とか今日で終わりそうだけど……

 

「じゃあ、今日を入れて後5日は大丈夫ですね。お世話になりますよ。」

 

「ハハ、こちらこそ。さぁ、できたぞ!」

 

 

 

~オラリア 北東部 ヘファイストスホーム~

 

「お待ちしておりました!」

 

あの笑顔が素敵な受付嬢がホームの入り口で逆に捕まえてやるって勢いで話しかけて来る。

 

「あ、あのヘファイストス様のに会いに来たんで」

 

「勿論です。さぁ中へどうぞ!!」

 

言葉を遮られた……ヘファイストス様のファミリアだと思わしき人達の視線が少し怖かったが……受付嬢に促されるままに奥の部屋に入る。

 

「ああ、待ってたよ。」

 

「……あ、おはようございます。ヘファイストス様、それでアテナ様は……」

 

「」

 

ヘファイストス様の隣に座っていて、完全に生気がない目をしていた。

 

「あっ……えっと、その……アテナ様。それで俺は眷属になっても良いんですかね?」

 

「……ハイ、モチロンデス……ヤラセテクダサイ……ワタシガマチガッテイマシタ……ゴメンナサイ……」

 

あ、良いんだ。

 

「ヘファイストス様。いったい何をしたんですか?アレは完全にプライドがへし折れている目ですよ、」

 

「ホームに帰って【オハナシ】をね。簡単に言えば選ばせてあげたのよ……『アーク君を眷属にして少しずつファミリアを大きくしていく』か……」

 

一息ついてヘファイストス様がニヤリと笑って

 

「『アーク君を断って明日も明後日も明々後日も同じ事をして道行く冒険者たちに無視され冷たい目を向けられホームから追い出されて野宿をしながら集まる事の無い無駄な勧誘をし続けるか』ってね。」

 

「……oh……」

 

ヘファイストス様、意外とえげつないな……

 

「じゃ、始めましょう其処に大きなベッドがあるから。」

 

……ん!?……大きなベッド!?

 

「……は、早く貴方も来なさい。今から神の恩恵(ファルナ)を刻んであげるから。」

 

ああ、そういう事ね。……やらしいこと考えてスイマセン

 

「ああ、すぐに行きますよ……よっと。」

 

ベッドに座る。これからどうするんだ?

 

「……取り合えず上脱ぎなさい」

 

「脱ぐの!?」

 

「脱がなきゃ刻めないでしょ!!」

 

はぁ、脱ぐのか。恥ずかしいな……。冒険者って皆こうなのか……

 

「……貴方、お腹が出てるわね。ポッコリしてるわね。ほら!こことかこことか!!」

 

手袋を脱いで俺の腹を揉んでくる。でも彼女、嫌な顔をせず、むしろ何で喜んでるんだ。メッチャ良い笑顔なんだけど……憂さ晴らし!?憂さ晴らしだろコレ!?

 

「痛たたたたた……痛い痛い……辞めないと俺も揉むぞそのメロン!!」

 

「この無礼者!!!」

 

「早よやれッ!!!!」

 

「「……はい……」」

 

ヘファイストス様からの一喝!!!それにより辺りがシーンってなる。

 

「……神の恩恵刻むわよ……」

 

「……お願いします……」

 

アテナ様に背中を向けるようにして寝転がる。そこに彼女が俺の腰に跨り針を取り出す

 

「アテナ、やり方は分かる?」

 

ヘファイストス様が近づいてくる。レクチャーしに来たのだろう。本当に面倒見のいい神様だと思うよ、ヘファイストス様は。

 

「当り前じゃない!流石に馬鹿にしすぎよ!!……まずは神血(イコル)を垂らして……」

 

背中が暖かくなる。例えるなら村にいたころ真冬で背中に蒸らしタオルを当てたみたいだ。

 

「ねぇ、ヘファイストス。まさか毎回毎回ステイタスを更新するときって血を出さなきゃいけないの?」

 

「我慢しなさい。いずれ慣れるわ。」

 

「ヘファイストス様。神の恩恵って必ず背中じゃないと駄目なのか?」

 

「どうかしらねぇ……でも背中が一番やりやすくて分かり易いわよ」

 

「……よし!終わった!!」

 

ヘファイストス様が俺の背中を見て

 

「うん、神聖文字(ヒエログリフ)もしっかり刻まれている。上出来よアテナ。」

 

「ま、当り前よ!!」

 

したり顔で俺を見てくる。……うん、凄いよアテナ。良くやったね……

 

 

 

「……さて、アーク君。アテナ・ファミリア第一眷属おめでとう。アテナには昨日話したけど、此処で少し真面目な話がしたい。いいかしら?」

 

ヘファイストス様が真剣な顔で話しかけてくる。

 

「はい、良いですよ。」

 

「これから一つのファミリアとして出て行けって言われても。貴方達も無理でしょう。だからこちらに提案があるのだけどいいかしら?大丈夫、難しい話ではないの。この話は。」

 

「はい、どうぞ……」

 

ヘファイストス様の提案を要約するとアテナ・ファミリアが独立出来るほどの大きさになるまでヘファイストス・ファミリアの傘下に入れるという事。傘下に入っている間はヘファイストス・ファミリアが色々手助けをしてくれるらしいし。独立する時はいつでもして良い。との事

 

「勿論、うちのファミリアの武器や防具、その他諸々を買う際は割引がつくわよ」

 

「……ヘファイストス様の提案は魅力的なのですが、何で此処までしてくれるのですか?」

 

「アーク君。私が貴方にアテナ・ファミリア(超不良物件)を紹介してしまったから、かしらね。それに、紹介してしまった以上私も最後まで面倒を見ないといけないって思ったからよ……私からの神の恩恵(ファルナ)として受け取って頂戴。」

 

何ていい人だ。いや、いい神様だ!こんなに面倒見が良いのは村にも居ないよ……

 

「……分かりました。あなたのご厚意、受け入れさせていただきます。お世話になります……」

 

「うん、よろしい!……アテナ、アーク君のステータスは出てきた?」

 

「……出てきているけど……これは……」

 

 

 

アークボルト=ルティエンス

 

 

[力]:0(I)

 

[耐久]:0(I)

 

[器用]:0(I)

 

[敏捷]:0(I)

 

[魔力]:0(I)

 

 

スキル

無し

 

 

「……酷過ぎない?」

 

「何言ってんの?駆け出しなんてコレが普通よ?」

 

「そうなの……知らなかった……」

 

「あんたって本当何も知らないのね!あんたそれでも知恵と工芸と芸術と戦略を司る神様!?信じられないわ!!これならヘスティアの方がまだ良かったわよ!!」

 

ヘファイストス様がアテナの縦ロールを引っ掴んで笑顔でこっちを向く

 

「アーク君はこれから冒険?」

 

「あ、はい……漸く冒険に出られますし……」

 

「私はアテナ(無知神)にいろいろ教えてくるから。無茶はしないでね。」

 

「分かっています、危なくなったら直ぐに逃げます。俺、逃げ足は早い方なんで……」

 

「良し。それじゃ、行ってらっしゃい。」

 

「……行ってらっしゃい……」

 

 

 

~オラリア 中央部 摩天楼施設バベル~

 

「……よし……」

 

小剣二本良し。鎧良し。回復薬良し。冒険者の必需品セット良し。アミュレット良し。

 

「……行こう……」

 

ダンジョンに潜れる言う期待と緊張と僅かに感じる死の恐怖を抱き……バベルの地下へ続く階段を下りていく……




アークボルト=ルティエンス

アテナ・ファミリア

[力]:0I

[耐久]:0I

[器用]:0I

[敏捷]:0I

[魔力]:0I

スキル
無し



漸く……ダンジョンに潜れます……
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