ポケットモンスターSPECIAL Anotherの物語   作:マルオ・オメル

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VSガラガラ

「…ん?少年とピカ…どうしたんだよ?」

 

アナザーが目を覚ますと先に目を覚ましていたイエローと興奮状態のピカがいた。

 

「アナザー…何だか、ピカがレッドさんの夢を見たそうなんです…」

 

「…そうか、ピカはレッドがどんな目に遭ったかを目の前にしてるんだよな…そりゃ怖いに決まってる」

 

アナザーがそう呟くと同時にでんきショックを放つ。

 

「やっぱり"おや"じゃない僕だとピカは安心してくれないですかね…?」

 

普段ののんびりやなイエローとは違った落ち込んだ様子を見てアナザーは肩をポンポンと叩く。

 

「ピカだって心の底では少年のことを信頼してるさ。ただ今は全てが許せないのかもな。自分も一向に進まないこの状況も…」

 

アナザーがそう言った直後の事だった。

 

「あなたたちがピカを連れているトレーナの方々ですね?」

 

アナザーとイエローが声のする方向へ振り向くとそこには女の子と、ポケモンを連れたたくさんのトレーナー達がいた。

 

「き、キミは?」

 

周囲を確認したアナザーは囲まれている状況を見て、警戒する。

 

「安心してください、私たちはあなた方の敵ではありません、レッドの友人でもあり、タマムシティのジムリーダー、エリカと申します貴方たちは?」

 

「…トキワグローブ」

 

お互いの顔は見えないがアナザーも一応名前を名乗る。

 

 

「俺はアナザーだ。シロガネやまに住んでるトレーナーだ」

 

「!アナザー…そうですか…。さっそくですがあなたたちが預かっているピカを保護させてもらおうと思っています」

 

「保護って…キミが…か?」

 

「そうです、ピカを危険に晒すよりも私たちは正義のジムリーダーズが保護した方がピカを危険に晒さずに住むと思っています。それにトキワグローブとはトキワのもり出身者の名…つまりピカはあなたの匂いのような物に釣られて着いてきただけかも知れません」

 

エリカの言い分は最もである。ジムリーダーのエリカたちが守っていればピカは傷つかないし、ある程度は安心できる。

 

「で、でも…」

 

…だが、イエローはどうだろうか?アナザーはイエローをチラッと見ると納得出来るような納得出来ないような複雑な声を出す。

 

 

「!ピカ!」

 

次の瞬間、ピカが何処かへ走り出した。

 

「少年!とりあえず、この話は後だ。今はピカを追いかけよう!」

 

「ええ、解っています!」

 

 

アナザーがピカを追いかけるとそこには…。

 

「レッド…」

 

「レッドさん!」

 

行方不明になっており、現在捜索していているマサラタウンのレッドがピカを抱えていた。

 

「よぉ、ピカ」

 

(何故、消息不明だったレッドが急に現れたんだ?)

 

 

レッドがいることに疑問を抱くアナザーだが、エリカやイエローは気難しいピカが喜んでいるのを見て本物のレッドであると疑わなかった。

 

 

「レッド…よくご無事で…」

 

エリカは目に涙を浮かべながらも喜ぶピカを見て微笑む。だが次の瞬間―。

 

「ゴホッ…なっ…」

 

レッドがエリカの腹部を打ったのだ。

 

ピカも異変を察知し、"10まんボルト"を放つが効果がない。

 

「無駄だ、この絶縁のグローブが有る限り、でんき技は通らないんだよ」

 

そう言うと、レッドの偽物は顔に手をかけた。

 

「へへ…」

 

そこに現れたのは理科系の男だった。

 

理科系の男はエリカの頭を踏みつけるとエリカのお供たちは案の定激昂する。

 

 

「貴様ァ!」

 

エリカが引き連れてきたトレーナーたちはポケモンに命令を下そうとするが理科系の男に止められる。

 

「おっと、動くなよ?動けばお前らのご主人が大変なことになるぜ?」

 

すると、トレーナーたちは動きを止める。

 

「へへ、レッドの匂いを似せた香料と絶縁のグローブをつけただけでこうも騙されるとはチョロいな。ガラガラ、"ホネブーメラン"だ!」

 

トレーナー達にホネブーメランを当てるとピカを連れて逃げようとする。

 

「うっ…」

 

だが、弱っているエリカを見ると男は狂気の笑みを浮かべる。

 

「あんたには恨みがあるからちょうどいいや、ガラガラ、"ホネブーメラン"!」

 

ガラガラはエリカにホネブーメランを放った。

 

「危ない!」

 

アナザーはエリカを押し倒すようにしてホネブーメランから守るとアナザーの頭の上をホネブーメランが通りすぎる。

 

「おい、エリカちゃん!大丈夫か!?」

 

アナザーがエリカの安全を確認している間に理科系の男は逃げ出す。

 

「ヒヒ、チョロいもんだな」

 

男がそう言ってピカの耳を乱暴に掴むと一人の少年の声がした…イエローだ。

 

「ま、待て!僕のピカを返せ!」

 

その言葉に男はピタリと止まる。

 

「"僕の"…ピカ…だと?」

 

イエローは決意の眼差しで理科系の男に宣言する。

 

「そうだ!レッドさんが戻ってくるまで僕がピカのおやだ!」

 

「少年…」

 

イエローの宣言にアナザーは頬をほころばせてしまう。

 

「だったら、力づくで取り返してみな!パラス、"しびれごな"!ペルシアンは"いやなおと"!」

 

手持ちのポケモンに命令すると、男は逃げ出した。

 

「ドドすけ!ラッちゃん!」

 

イエローは手持ちのポケモンを二匹出す。

 

「ま、待ってください…他にポケモンは?」

 

エリカは辛うじてイエローに質問する。

 

「これ以上は持ってない…手持ちのポケモンは友達だけで充分だから!」

 

そして、イエローはドドすけに乗って男を追いかけた。

 

「大丈夫か?」

 

「え、ええ…大丈夫です、それにしても情けない限りです…レッドを見抜けないなんて…」

 

「無理するな、しょうがないさ、あそこまで変装されるとは思わなかったからな…」

 

「ふふ、優しいんですね…あの頃と変わらず」

 

「ん、何だって?」

 

「い、いえ!なんでもありません」

 

「そうか…それじゃあ俺は少年を追いかけるよ」

 

アナザーがそう言うとエリカは悲しげな表情をする。

 

「…そうですか…」

 

「ごめんね、万が一の事があったらお付きの人たちに言えばいいさ!」

 

そして、アナザーはイエローの加勢に向かった。

 

 

一方イエローは理科系の男に追い詰められていた。

 

「ガラガラ、"ホネブーメラン"!そして、ペルシアンは"いやなおと"だ!」

 

「ぐああっ!?方向が…解らない!」

 

いやなおとにより感覚が狂わされるとホネブーメランをくらう…それの繰り返しだった。

 

「ひひひ、"ホネブーメラン"にパラスの"キノコほうし"をつける攻撃はなかなか強力だな、ほら、もう一回!」

 

ガラガラにホネブーメランを命令するとイエローに目掛けて飛んで来る。

 

(…さすがに限界かも…)

 

イエローは目を閉じた。

 

すると、誰かに押されて地面に転がる。

 

「ア、アナザーさん!」

 

アナザーがガラガラのホネブーメランをイエローから庇い頭から受けたのだ。

 

アナザーも頭から血を流すが倒れない。

 

「ちっ、何なんだよ…アイツは!」

 

さすがの理科系の男もアナザーのタフさに驚きを隠せない。

 

「アナザーさん!」

 

「クッ…イエロー!お前にしか出来ないことがある協力してくれないか!?」

 

アナザーを心配するがアナザーはクラクラしながらもイエローに言う。

 

「へへ、何だフラフラじゃないか…だったらガラガラ、"ホネブーメラン"!ペルシアン"いやなおと"だ!」

 

「「ぐああっ!?」」

 

アナザーとイエローは耳を押さえると、イエローを退けて再びホネブーメランをくらう。

 

「ざまあみろ!」

 

理科系の男は卑屈な笑みでアナザーに言うとガラガラのホネブーメラン返ってくると同時にアナザーたちの作戦にまんまとハマったことに気づく。

 

「な、なに!モンスターボールと釣糸!?」

 

そうアナザーたちの作戦はホネブーメランで返ってくるホネに巻き付けて近距離で攻撃を加えるという作戦だったのだ。

 

「…へへ、ざまあみろ!オコリザル、"あばれる"だ!」

 

すると、アナザーのオコリザルははちゃめちゃに暴れまわった。

 

「が、ガラガラ!ペルシアン!」

 

理科系の男のガラガラとペルシアンは戦闘不能になった。

 

「く、くそ!」

 

理科系の男はピカを放り投げると焦って逃げ出す。しかし、イワークによって防がれる。

 

「おっと、逃がさないぞ?」

 

「大人しく観念しなさい!」

 

「お、お前たちは!正義のジムリーダーのタケシとカスミ!?」

 

「タケシ、カスミ…よく来てくれました」

 

エリカも駆けつけると理科系の男は囲まれる。

 

「クッ…だけどお前らの事はある程度情報が…」

 

すると、別の男がギャロップに乗ってくる。

 

「お、お前は…!グレンジムのカツラ!?聞いてないぞ!?…くそっ、こうなったらこれでもくらえ!パラスの"どくのこな"をつけた"ホネブーメラン"!」

 

だが、そんな中穏やかではないポケモンがいた…ピカだ。

 

ピカは電気を鳴らしながら理科系の男を睨む。

 

「お、おい!なんだよ…俺にでんきわざが効くと思ってるのか?」

 

だが、ピカは周りにあるガレキの鉄を利用して理科系の男を囲ったのだ。

 

「く、クソォッ!」

 

ガレキの圧迫で男が気絶するとガス状の何かを放出した。

 

「こいつは…ゴース!?」

 

ジムリーダーが攻撃をするがなかなか当たらない。

 

「木上にポケモンが!」

 

ポケモンに攻撃が当たりそうになるがイエローがピカに命令することで助けることに成功する。

 

「ガス状のポケモンは核を狙う物だ」

 

その声が響くとゴースの核を貫いた。

 

「!」

 

「グリーン!どうしてここに…」

 

エリカが呼ぶグリーンはオーキド博士の実の孫であり図鑑所有者の一人だ。グリーンの図鑑から共鳴音が響くとグリーンは止める。

 

「ああ、実は俺もレッドの失踪を聞いて捜していたんだが、そこである人物らが絡んで来たのが解った、そいつらが…」

 

「四天王…だよな?」

 

「!そうだ、よく解ったな。お前は?」

 

「俺はアナザー、オーキド博士からレッドの捜索を依頼された一人のトレーナーでレッドの兄貴分だ」

 

「そう言えば…おじいちゃんが言っていたな図鑑を渡したトレーナーがいると…リザードン!」

 

グリーンはリザードンに命令するとリザードンはアナザーに攻撃を仕掛ける。

 

「オコリザル!」

 

リザードンとオコリザルは揉み合いになると距離をとる。

 

「リザードン、"かえんほうしゃ"!」

 

「オコリザル、よけて"かみなりパンチ"だ!」

 

アナザーの指示でオコリザルはかみなりパンチをリザードンにくらわす。

 

「…リザードン、もういい戻れ!」

 

「オコリザルも戻ってくれ」

 

アナザーとグリーンはお互いにポケモンを戻した。

 

「グリーン、なぜ攻撃など…」

 

「試したんだ、レッドの兄貴分でおじいちゃんからも頼られてる男の実力をな。結果は俺の予想以上に強い…これなら任せられる」

 

「お前もメチャメチャ強いな、戦ってて冷や冷やだったぜ」

 

アナザーとグリーンはお互いの実力を誉る。

 

「……あのさ、お前の実力を見込んで頼みがあるんだ」

 

アナザーはグリーンに頼みを話した。

 

「なるほど、このイエローを特訓してほしいと…」

 

「ああ、少年と前が前から話してたんだよ、強ならなきゃって…なあ、少年?って寝てるし」

 

イエローを見ると眠りについていた。先程の戦いではかなり攻撃をくらったんだ疲れても当然か…とアナザーは思う。

 

「そんな訳だから俺よりもお前の方が厳しく教えてコイツを強くすることができると思うんだ」

 

アナザーの言葉でグリーンは悩む。

 

「…解った、戦力は多い方がいいしな」

 

「………頼んだぜ」

 

アナザーはそう言うとバタリと倒れた。

 

「アナザーさん!」

 

「……さっきから気になっていた頭の血は皆が無視してたから気にしないようにしてたが…倒れたか」

 

グリーンはアナザーを見て、過去に言われたトレーナーも強くなくては行けないという言葉を思い出した。

 

(コイツのことは俺に任せろ…アンタが驚くほどの強さにしてやる)

 

グリーンは胸にその思いを秘めて、イエローと共に飛び立った。

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