ポケットモンスターSPECIAL Anotherの物語 作:マルオ・オメル
「さて、クチバに到着したけど…」
アナザーは辺りを見回す。
「少年は流石に居ないか…て言うか何か盛り上がってるな~」
情報を探るべく俺はポケモンセンターに入ると、どうやサマービーチなみのりコンテストと呼ばれる大会があるらしいくその内容はなみのりポケモンで競うレースらしい。
「優勝したら…ハクリュー…か」
ぶっちゃけハクリューが入ればなみのりも出来るし大型ポケモンだから場合によっては役に立つ。
だが、アナザーのポケモンは"なみのり"を覚えていない。
「まあ、なみのりを覚えていない以上はいても無駄だな…」
アナザーは観戦でもしょうと思った。
「ヘーイ、ソコのアナタ、レースには参加しないのデスカ?」
だが、唐突にカタコトの海パン男が話を掛けてきた。
………海パン男なのに外国人って何ぞ?とアナザーは思ったが海パン男は話を進める。
「オヤ?オー!アナタのベロリンガ、なみのり覚エマスヨ!チョウド秘伝マシンがあるので覚エサセマショウ!ワン、ツーの…ハイ!アナタのベロリンガはなみのりを覚エマシタ!お礼は結構デス!HAHAHA!」
「…何なんだよアイツ…まあ、ベロリンガがなみのりを覚えてくれたんなら出てみるか」
こうしてアナザーは大会に出場することになった。
「ベロリンガ、"なみのり"の練習するぞ!」
アナザーはさっそく"なみのり"を使った…だが問題はここからだった。
ベロリンガが浮くまでは良かったのだが問題はその後だ。
ベロリンガは背泳ぎのような格好で浮いていて、さらにベロリンガの手足は短足で水を掻くことが出来ない。
「…え?これってどうすんだよ…」
ベロリンガは『自分行けますんで』という顔をしているがほぼ無理に等しい。
「そ、そうか!お前の舌を使ったオールみたいにすればいいのか!」
ベロリンガはアナザーを見て頷くと自慢の舌で水を掻き分けた。
「…………」
だが無情にもベロリンガの頑張りと進み具合が比例去れていなくなんとも言えなくなってしまう。
アナザーがベロリンガの身体をビート板のようにしてばた足をするスタイルになった。
「くそ~なにやってるんだ…俺は!?」
とうとう大会が始まり、景品であるハクリューを参加者や観客に披露していると事は突然起こった。
「「「キャアアア!!!」」」
突然、悲鳴が聞こえた。
辺りを見回すと景品であるハクリューが"はかいこうせん"を放っていたのだ。
しかもその"はかいこうせん"は並みのはかいこうせんとは違った威力を発揮していたのだ。
「くそ、どうなってやがる!」
アナザーはばた足でハクリューの方へ泳いだ。
~
ハクリューにたどり着くとハクリューの頭に人が乗っていることに気づいた。恐らくその人物こそがハクリューを操っている張本人だと理解した。
「おい!おい!」
アナザーは声を張り上げその人物を呼ぶと此方を振り向く。
「何だ…お前は?」
そこにいたのは男だった。
「俺の事はどうてもいいんだよ!お前がハクリューにクチバを攻撃するように言ったのか!」
アナザーは男に問い詰めると見透かすように笑う。
「その通りだ。だが、街には人はいないぞ?ほとんどがこの大会を見に来ているはずだからな……まあ、二、三人はやられたかもしれんがな」
男の態度はアナザーの怒りに触れた。
「お前ぇ!人の命を何だと思ってやがるんだ!」
アナザーの激昂に男は冷たく言う。
「そんなことは俺にとってどうでもいいことだ。四天王のワタルにとってはな…」
アナザーはその非情な態度に戸惑う。
「人間は愚かだと思わないか?ポケモンを傷つけ、世界は自分達の物とだけ思っている…お前は他のトレーナーと違い優秀だ。俺の造る世界はポケモンと優秀なトレーナーだけが集う世界だ。貴様には素質がある、悪い話ではないと思うが」
「そんな世界…お断りだ…!」
アナザーはワタルを睨みながら即答する。
その答えを聞いたワタルはため息を吐き、そして…。
「だったら、しょうがない…よく考えてみれば状況を判断できないトレーナーはさほど優秀ではないな…死ね」
すると、ワタルのハクリューは"はかいこうせん"をアナザーに放つ。
だが、アナザーのベロリンガが盾となりはかいこうせんを受けた。しかし、街を消し飛ばすほどの威力なのだ…いくら防御に自身があるベロリンガでも勝てるはずがない。
「うわぁぁぁ!!」
ベロリンガはアナザーと共に吹っ飛ばされた…。
~
(くそ…ワタルの言ってることは間違ってる…はずなのに…クソッ、ヤツの言ってることも最もだ…)
本来、ポケモン達の住みかである場所を人間が強引に奪って生活をしている…残酷な事だがそれは事実なのだ。
(……アイツの言ってる世界の方が正しいのか?)
アナザーが弱気になったときだった…突然、体に硬いものが当たったかと思うと徐々に浮遊した。
「な、何だ!?」
地上に出たアナザーはキョロキョロと周囲を見回すとそこには、のりものポケモン、ラプラスがいた。
「お前が俺を助けてくれたのか…ありがとな」
アナザーはラプラスにお礼を言った直後、ラプラスは苦しそうな表情をした。
「怪我してるのか?待ってろよ…ほら、すごいキズぐすりだ」
アナザーはラプラスの怪我をキズぐすりで治した。
怪我を見るとラプラスの怪我は"はかいこうせん"の後だと理解した。
(そうだ…アイツらが統治する世界じゃ結局、血で血を洗うしかできないじゃないか…結局はアイツらもポケモンを…!四天王のワタル…お前は間違ってる!)
アナザーの心は元に戻った。
そして、アナザーはラプラスにこう言った。
「ラプラス、俺に力を貸してくれ!」
~
その頃、イエローはアナザーと同様にハクリューの異変を察知してワタルのハクリューと交戦をしていた。
だが…イエローは捕縛され、ピカも徐々にハクリューに追い詰められていた…。
「ハクリュー、はかいこうせん!」
ワタルのハクリューのはかいこうせんをピカを襲おうとするが、ピカは避ける。
「甘い!」
何とハクリューのはかいこうせんは軌道を変えたのだ。
はかいこうせんがピカに直撃するとピカは海に沈んだ……。
「ピカ!」
「弱いな、しかし俺に歯向かう愚かな人間が二人も出てくるとはな、そうとうな命知らずだ」
「ぐ…ぼ、僕以外の人間…だって…?」
「そうだ、ハクリューの尻尾に引っ掛かっていた。ドックタグには『アナザー』と書いていた。恐らくソイツの名前だろうな」
ワタルの言葉にイエローは驚きを隠せない。
「そ、そんな…嘘だ!アナザーさんはタマムシティにいるはず…それにアナザーさんが簡単にやられる訳…」
「ハクリューのはかいこうせんの威力を知っているお前なら、アナザーが生きている可能性がゼロだって事くらい解るだろ?」
ワタルはそう言ってはかいこうせんで攻撃した街を見る。
イエローはその真実にただただ呆然としていた。
「お前もサヨナラだ。"りゅうのいかり"」
イエローもハクリューのりゅうのいかりをくらい海に消えていった…。
~
「ワタル!」
「ほう、はかいこうせんをくらってまだ生きて立ち向かうとはな…しぶといヤツだ」
ワタルはアナザーが生きていた事に驚嘆する。
「しぶといのは俺の長所の1つなんだよ!お前は俺に勝ったつもりかも知れないが戦いはこれからだ!」
「いいだろう…イエローと同じ海の藻屑にしてやる!」
「イエローだって!?」
「そうだ、麦わら帽子を被ったピカチュウを連れたヤツだ」
「…………」
ワタルの言葉にアナザーは黙った。
「どうした、仲間がやられて言葉が出ないか?はかいこうせん!」
「ラプラス、"ふぶき"!」
ラプラスの"ふぶき"とハクリューのはかいこうせんがぶつかり合った。
「ははっ、なかなかの威力じゃないか!りゅうのいかり!」
「うるさい!ラプラス、波を起こして"ふぶき"だ!」
ラプラスは波を起こしとそこにふぶきの冷気で壁を作り"りゅうのいかり"を防ぐ。
「誉めているのも今のうちだ…ラプラス、"みずてっぽう"!」
~
アナザーのラプラス…ワタルのハクリュー…戦いは激化する中、お互い拮抗した戦いが続いていた…。
「お前は面白い!だが、俺は簡単に倒れないぞ!ハクリュー、"こうそくいどう"そして"たたきつける"!」
ラプラスに"たたきつける"がワタルはそう叫ぶ。
「確かに…お前は強いよ…このままじゃ俺は負けちまう…だけど別に俺がお前を倒すわけじゃねぇ…そうだろ!なあ、イエロー?」
アナザーが叫ぶとイエローはサーフボードのような物にピカと一緒に乗っていた。
「あ、あれは…"みがわり"で消費したHPで水を弾いているのか!?」
ワタルはイエローの奇想天外な"なみのり"に驚きを隠せない。
「よそ見してて良いのか?ラプラス"れいとうビーム"!」
イエローに気を取られ"れいとうビーム"をまともに受け、そして…。
「うおおぉ!ピカ、10まんボルト!」
ピカの巨大な威力の10まんボルトをまとも受けて消えた…。
「消えた…逃げたのかな?」
「多分、そうだろうな…」
アナザーとイエローは一息ついた。
「て言うか、アナザーさん!大丈夫何ですか!?僕はアナザーさんがワタルにやられたんじゃないかって心配だったんですよ!」
「悪かったよ…でも色々と大丈夫だ。それにしても…強くなったなイエロー、グリーンに鍛えてもらったらしいな」
「僕も頑張ったので…」
「まあ、ここからレッド探索開始だな!」
「はい!」
アナザーはそう言うとイエローと共に次の場所へ向かった。
次に向かう場所…それは火山島である"グレンじま"だ。
to be continue
ラプラス Lv.54
特性;ちょすい
性格;のんき
アナザーが新しくゲットしたポケモンで海を移動する際に活躍する。
こおりタイプの技と巨体を使った戦いを得意とする、アナザーのポケモンの中では一番大きい。