『未来が視える』副作用(サイドエフェクト) 作:ひとりがかり
あ……ありのまま今、起こったことを言います。みんなで仲良く玉狛支部に帰ったら城戸さんが出迎えてくれました。何を言っているかわからないと思いますが、私もまた、何を言っているのかわかりませんから。幻覚の
……と言う訳で、どういうことなのかと、私達が来るまで城戸さんの応対をしていた「まあまあ、メガネどうぞ」でお馴染みの、玉狛第一部隊のオペレーターである宇佐美栞ちゃんに、そっと聞いてみました。
すると栞ちゃん曰く、城戸さんは、私達なら空閑くんを玉狛支部に連れて来るであろう、と予想していたらしく、イレギュラー
そんな城戸さんですが、城戸さんはボーダー本部最高司令官であると同時に、現在ボーダー内の最大派閥である〝
そのあまりもの
なのでいくら旧ボーダー本部だからとはいえ、
やっぱり烏丸くんがトリガーで化けた姿なんじゃないかと思い、目を細めて城戸さんをもう一度よく見ました。
すると城戸さんの首元に光る黒いペンダントがチラリと見え、一気に頭が冷えました。
……そうですよね、やっぱり持って来てますよね。黒トリガー〝黒沼〟。
黒沼とは、私と悠一さんがエスタンシアに遠征に行った際に、友好の証として、姫さまから譲渡された黒トリガーのことです。
その能力はトリオンの無限吸収。対象に触れると、それが例え国のような大きな物であっても、中にある全てのトリオンを吸い尽くしてしまうという、凶悪すぎる黒トリガーです。
もちろん国を構成しているトリオンを全て吸い尽くそうとすれば、時間にして数ヶ月は掛かりますし、手からしか吸収できないという欠点がありますが、相手に触れさえすれば、文字通り殺すことも可能な代物です。
これを持って来たということは。
『ただし、私がその
この前の会議で言った、あの発言を実行しに来たのでしょう。
城戸さんがいるので、鍋パーティーは後回しですね。
私は栞ちゃんに目配せをしたあとに千佳ちゃんを見ると、栞ちゃんはそれだけでおおよそ理解してくれて、千佳ちゃんを別室へと案内しました。さすが玉狛の誇る敏腕オペレーターです。
千佳ちゃんも城戸さん(の顔)を見て、ただ事ではないと思ったんでしょう。素直に栞ちゃんの後をついて行きました。
そして部屋から出て行く2人を、三雲くんが縋るような目で見送ってました。
気持ちはわかりますが、諦めて下さい。
◇
そして現在応接室には、私と悠一さんと城戸さんに三雲くんと空閑くん。そして現在は空閑くんの指輪の中で待機しているレプリカさんの計6名となりました。
「まずは座りたまえ」
城戸さんはテーブルを挟んで対面にあるソファーに、空閑と三雲くんを座らせました。
私と悠一さんも突っ立っている訳にもいかないので、空いているソファーに座りました。
「私はボーダー司令の城戸だ。まずは今回のイレギュラー
そう言うと、城戸さんは対面に座る空閑くんと三雲くんに頭を下げました。
城戸さんが頭を下げるだけでも驚きなのに、しかも
「それはどうも。おれは空閑遊真です。こちらこそなりゆきでしたので」
城戸さんの礼に対して、空閑くんも頭を下げ、礼で返しました。
緊張のためか、三雲くんは立ちあがって頭を下げています。
そしてそのまま城戸さんと空閑くんの、ボーダーの未来を決めると言ってもいい話し合いがスタートしたのでした。
「さっきおれのことを〝空閑の息子〟と言ったけど、きどさんは親父のことを知ってるの?」
「ああ、空閑……有吾は、むかし我々とともにボーダーの基となる組織を作った仲間だ」
「ほうほう、それはそれは」
有吾さんという、空閑くんと城戸さんの共通の話題があるせいか、
そしてしばらく有吾さんの話題で盛り上がっていた2人でしたが(城戸さんのは、ほとんど有吾さんに対する愚痴でした)、ついに城戸さんが今回の核心に触れました。
「こちらの世界に来た目的は何だね?」
「おれの目的は、親父の友達のモガミソウイチに会うことだよ」
やはり悠一さんの言う通り、最上さんに会うことでしたか。
「どうして最上に会いに来たのかね?」
「親父が死んだから」
空閑くんのその言葉に皆ビックリしました。特に城戸さんは目を見開いて驚いています。
有吾さん、亡くなっていたんですか。
「……有吾が死んだというのは本当か?」
「うん。親父が『俺に何かあったら最上に頼れ』って言ってたから来たんだ」
「……そうか」
最上さんに会いに来た理由は、有吾さんの遺言だったからなんですね。
「遊真の親父さんに何があったのか……いや、遊真が今まで何をしてきたのか詳しく教えてくれないか?」
「うん。いいよ」
悠一さんの言葉に頷くと、空閑くんはゆっくりと、自身の過去を話してくれました。
◇
空閑くんは物心ついた時から、父である有吾さんと一緒に
「親父は、その国の歴史や文化とトリガーの関係がおもしろいと言っていたな」
「それはおもしろそうですね」
「そう? おれにはわからん」
あるえー?
そんな旅の途中で、かつて色々とお世話になった防衛隊長がいる国、カルワリアが敵の侵攻を受けていると聞いた空閑くんと有吾さんは、今までの恩を返すため、急いでカルワリアに向かったそうです。
「カルワリアでは何をしようと?」
「親父はムチャクチャ強かったし、おれは親父に鍛えられていたから、戦闘で役に立つと思ったんだ」
事実、カルワリアでの防衛において、圧倒的な戦闘力を持つ有吾さんは当然として、そんな有吾さんに鍛えられていた空閑くんも、そこそこ活躍できていたそうです。
ですが、それがいけなかったと。
周りから頼られて自分の実力を過信した空閑くんはある日、『待機していろ』と言った有吾さんの忠告を無視して戦場に飛び出してしまい、そして戦場にいた敵の黒トリガー使いによる奇襲を受けてしまったそうです。
ボーダーのトリガーのようにベイルアウト機能などなく、その場でトリオン大量流出により、トリオンによる戦闘体が解除されてしまい、そして生身にも致命傷を負ってしまった空閑くんの人生は、そのまま終わる筈でした。
だけど、そんな瀕死の状態の空閑くんの前に、父である有吾さんが現れました。
――そして、有吾さんは『なにやられてんだ』と笑うと。
『俺がすぐ助けてやる』
そう言うと、有吾さんは文字通り、自らを黒トリガーに変えて、空閑くんの命を救ってくれたそうです。
「では、空閑くんの指にあるのは……」
「うん、これはその時おれを助けてくれた、親父の黒トリガーなんだ」
空閑くんは、自身の指に嵌めてある黒トリガーを撫でるように触りながら答えました。
空閑くん、黒トリガー使いなんですね。
そして意識が戻った空閑くんが見たのは、有吾さんの黒トリガーによって元に戻った自分の体と、黒トリガーになったことによって、空閑くんの目の前で白い塵になって崩れていく有吾さんの体だったそうです。
その後も『親父と始めたことだから』と、カルワリアでの戦争に参加し続けた空閑くんは3年後、カルワリアが無事に講和したのを見届けると、有吾さんの言葉に従い1年程掛けて、ここ三門市に来たそうです。
……えっ? ということは。
「空閑くんて、今何歳ですか?」
「おれ? 15歳だけど」
「へ、へぇ~。だと思ってましたよ。うん」
「トモエさんて、つまんないウソつくんだね」
ああ、しまった! 空閑くんは嘘を見抜く
そしてその嘘を見抜く
有吾さんの黒トリガーによって、自身をトリオン体にすることで生きながらえることができた空閑くんですが、トリオン体には成長機能がないので、現在の空閑くんの体は、ずっと助けてもらった11歳のあの日のままだということ。
そしてトリオン体の中に納められている、空閑くんの本当の体は少しずつ、本当に少しずつですが、今も確実に死に向かっているとのことです。
「……最上に会いに来たのは、遺言以外にも、元の体に戻るためか?」
「ううん、ちがうよ」
城戸さんの問いを否定した空閑くんに驚きました。てっきり自分の体を完治させるために来たと思ったんですが。
三雲くんも驚いているところから、三雲くんも同じ考えだったのでしょう。
「おれは黒トリガーになった親父を生き返えらせたくて、モガミさんに会いに来たんだ」
空閑くんは、有吾さんの形見である自身の黒トリガーにそっと触れながら。
「おれがこうなったのは、あの日、親父の忠告を聞かなかったせいだから」
だから、おれの体が元に戻る方法はいいんだ、と。
「親父が死ぬ瞬間、親父はなぜか笑ってたんだ。おれが親父の言うことを聞かなかったからそうなったのに。なのにどうしてか、笑っていたんだ。それを、どうしても聞きたいんだ」
空閑くんは寂しそうに笑いながら言いました。
……空閑くんは、父親である有吾さんが最期に見せた笑顔の意味を知りたくて、今まで生きてきたんですね。
でも、それでは、空閑くんはこのままでは……。
「……まず謝っておこう。君の父親と同じく、最上も黒トリガーになってしまったので会わせることができない」
城戸さんは、本当に申し訳なさそうに答えると、再度、空閑くんに頭を下げました。
「そして、迅」
「はい」
城戸さんに呼ばれた悠一さんは、空閑くんの前のテーブルに、そっと黒トリガー〝風刃〟を置きました。
「我々もまた、黒トリガーになった最上を生き返させる方法を知らない」
空閑くんは自身の
「だが、いずれ黒トリガーから人に戻す研究もしてゆくつもりだ」
城戸さんは、空閑くんをまっすぐに見て言いました。
空閑くんも顔を上げ、城戸さんをしっかりと見ました。
「空閑くん。ボーダーに入る気はないかね?」
城戸さんが空閑くんをボーダーに入隊を勧めました。
「三輪くん、説明したまえ」
「は、はい。かしこまりました」
そしてそのまま、城戸さんに話を引き継がされた私は、空閑くんと三雲くんに、悠一さんが視た未来を、早ければ来月にも、ここ三門市に大量の
その説明に2人とも驚いていましたが、その
なので空閑くんには、ぜひボーダーに入隊してもらい、私達と一緒に千佳ちゃんを守ってほしいと、私と悠一さんからもお願いしました。
――そして、空閑くんの答えは。
◇
「そうか、入隊の意思がないものをボーダーに入れる訳にもいくまい」
城戸さんはそう言うと、本部に帰って行きました。その背中が少し寂しそうなのは、私の気のせいじゃないと思います。
「……ボーダーに入る気はないんですね?」
「うん。きどさんは言わなかったけど、おれがボーダーに入るといろいろ大変なんだろうし」
空閑くんは、来たる第2次近界民侵攻で、ボーダーに手を貸してくれることは約束してくれましたが、ボーダーへの入隊は断られてしまいました。
空閑くんは千佳ちゃんが無事守られたのを見届けると、
「空閑……」
三雲くんが寂しそうに空閑くんを呼びます。
先程空閑くんの言ったその言葉は正解であり、そして間違いでもあります。
私が空閑くんに声を掛けそうとしたその時。
「まあ、決めるのは本人だ」
悠一さんが遮るように声を掛けました。
らしくない突き放した発言に、私は思わず悠一さんを見ましたが、悠一さんはさらに言葉を続けます。
「だけど、お前の人生、これからもきっと楽しいことがあるよ」
そして、その言葉をもって、城戸さんと空閑くんの話し合いが終了したのでした。
城戸さんがいた衝撃で忘れていましたが、本来はイレギュラー
なので、もう夜になってますが、今から鍋パーティーをするため、空閑くんと三雲くんは千佳ちゃんを呼びに行きました。
なら私はお鍋の準備をしようと、台所に向かおうとしましたが、悠一さんに呼び止められました。そういえば悠一さん、得意料理がお鍋だったから自分でやりたいのかな?
なんて思っていると、空閑くんの件の報告ために一緒に支部長室に行こうとのことです。ああ、確かに林道さんに今回の結果を報告しないといけませんもんね。
「……これでよかったんでしょうか?」
支部長室に向かう途中、思わず隣にいる悠一さんに尋ねてしまいました。
「決めるのは本人だよ。巴」
「それは、そうなんですが……」
でもでも、空閑くんは黒トリガー使いですし、人柄も城戸さんがボーダーの隊員にふさわしいと認める程です。だから、もう少し強引に勧誘しても……。
……いや、違いますね。私は、そして三雲くんも、空閑くんが残りの人生を
別に目的もなく生きることが間違いだとは限りませんし、旅をした先で新たに目的を見つけるのかもしれません。
そしてなにより、本人の意思もなしにボーダーに入れようとするのは間違っています。
だから悠一さんも私を制したのでしょう。
それに先程悠一さんは空閑くんに、『これからもきっと楽しいことがある』と言いました。なので空閑くんの未来は明るい筈です。
……だけど、どこか割り切れない。そんな思いを抱えながら支部長室に入りました。
するとそこには、我らが玉狛のボスである林道さんがいました。
林道さんはとっくに玉狛支部に帰って来ていたんですが、空気を読んで応接室には入らずに、ここ支部長室で今回の報告を待ってくれていました。
「ボス。入隊届2枚と転属届1枚ある?」
「もちろんあるぞ、迅」
林道さんはニッと笑うと、机の引き出しから入隊届2枚と転属届を1枚を出すと、それらを机の上に並べました。
「悠一さん! これって!」
嬉しさのあまり、自分でも声が弾んでいるのがわかります。
「千佳ちゃんも含めて、3人は間違いなく
優しく微笑みながら、いつもの決めゼリフを言う悠一さんを見て、私は益々嬉しくなるのでした。
◆
ここは本部にある会議室。
本部に帰った城戸はまず、迅に巴、林道を除いた
聞いていたメンバーは、イレギュラー
「それで、どうでしたか? 有吾さんの息子は」
「有吾の教育がよかったのだろう。ボーダー隊員として、人格に問題はなかった。また第2次近界民侵攻での協力も約束してくれた」
城戸のその言葉にワッと沸く一同。
唯一の最後のピースボーダー入隊反対派が認めたのだ。それだけでなく、こちらへの協力も約束してくれた。
色々あったが、これでひと安心。と思っていると、
「だが本人は、外部としての協力のみで、ボーダーに入隊する意思はないようだ」
城戸のその言葉に、場は再び、ざわつき出した。
「それは、何故?」
「自身が
城戸のその答えに、会議室にいる全員が納得した。
ここ、三門市において、
それは今まで
城戸司令が筆頭である、
むしろ、
自分がボーダーに入れば、周りの人達が嫌な思いをするかもしれないと。また
だから空閑がボーダーの入隊を断ったのも理解できる話なのだ。
さて、話は終わりだと、根付は立ち上がり会議室を出ようと席を立った。
メディア対策室長として、イレギュラー
だがドアノブに手を掛けた時に違和感に気づく。
振り返ると、根付以外の全員が会議室の椅子に座ったままなのだ。
皆、本日解決したばかりのイレギュラー
話は終わったのではないか?
根付が疑問に思っていると。
「待っているのですよ」
皆と同じく椅子に座っている唐沢がポツリと呟いた。
何を、と根付が思っていると。
「迅くんと三輪くんが、今頃最後のピースである空閑くんを説得している筈です。だから、待っているのですよ」
そう言うと、唐沢は胸ポケットから煙草を取り出すと、それを口にくわえ火をつけた。
どうやらしばらくは、ここで来るかもわからない2人の報告を待つようだ。
周りを見てみると、皆同じ意見のようで、会議室から出ようとしていない。
そう、皆――――迅と巴を、未来を見透かすことができる青年と、そしてそれを補佐する彼女に期待しているのだ。
今回のイレギュラー
あの2人は、今までボーダーに様々な功績をもたらしてきた。
それは何も、防衛、遠征任務に限ったことではない。
警察や消防との合同訓練の実施。三門市総合病院との業務提携。迅の災害予知における内閣総理大臣とのホットラインの作成など、数に上げたらキリがない。
そして
なので皆、このまま終わるとは思えなかった。
まあいい、もうしばらくはここで待ってみよう。そう思いながら根付は席についた。
そしてしばらくすると、会議室に林道からの通信が入った。
『おっ、城戸司令。それに皆さんもお揃いで』
「我々が、ここに集まっている理由はわかるだろう?」
『ええ、まあそうですね。事後報告になりますが、ボーダー玉狛支部長林道匠は、空閑遊真、三雲修、雨取千佳、以上3名のボーダー玉狛支部への入隊、及びに転属を承認致しました』
林道のその言葉に、会議室にいる城戸を除いたメンバーに安堵の笑顔がともる。よほど嬉しいのだろう、忍田はガッツポーズをして喜んでいる。
そして皆、やはり迅と巴がやってくれたか、と思っているが、実際に空閑を説得したのは、三雲と千佳である。
「――いいだろう。本部としても空閑遊真、三雲修、雨取千佳、以上3名のボーダー玉狛支部への入隊、及びに転属を認める」
『承りました。だけど城戸司令、いいんですか?』
城戸は林道の言っている意味がわかった。そして自分に気を使っていることにも。
確かに何も思うことがない訳でもない。
――だが。
「問題ない。なぜなら空閑は
『はい?』
「やつは、有吾の息子だ」
『……そうですね』
「それに……」
『それに?』
「いや、なんでもない。ボーダーは君たちの入隊を歓迎すると伝えておけ」
城戸はそう言うと通信を切った。
最上が、そして有吾もいなくなってしまった。だが、有吾の息子がボーダーに入ってくれた。
そう思っていると、皆がこちらを見て驚いている。
「何ごとかね?」
「いえ、城戸司令が笑った顔を久々に見たもので」
城戸の疑問に、忍田が代表して答えた。
城戸司令が人前で笑ったのを見たのは、一体何年振りだろうかと。
「……私だって笑う」
「まあ、そうですよね」
城戸のどこか拗ねたような物言いに、忍田がクスッと笑いながら同意する。
そうなのだ。かつて最上や有吾がいた頃などは、皆でよくバカをやって笑っていたのだ。
――だから、城戸が笑ったのは。
「……少し、昔を思い出しただけだ」
そう言うと、城戸は、かつての日々を懐かしむように微笑んだ。
城戸:空閑遊真のボーダー入隊を認める。
――完――
太刀川、風間:えっ!?
ハーメルンに数多くのワールドトリガーSSがあれど、黒トリガー争奪戦もなく空閑がボーダーに入るSSなんて、このSSしかあるまい。と、言ってみる。
いや、もしかしたら他にもあるかもしれないけどさ。
城戸さんが持っている黒トリガーの説明
黒トリガー〝黒沼〟
適合者:城戸正宗
能力:手で触れた物のトリオンを吸収する。
迅と巴がエスタンシアに遠征に行った際に、そこでのクーデターを阻止したお礼として贈与された黒トリガー。手で触れた物のトリオンを吸収するが、その吸収速度は速く、また際限がない。通常の人間だと触れた瞬間に、黒トリガー使いでも4,5秒くらいで全トリオンを吸収して殺害することができる。
弱点は手で直接触れないといけないこと。能力が尖りすぎているので、戦闘では他のトリガー使いとの連携が必要不可欠なことがある。
なので城戸司令も戦闘には一切使わず、普段は空気中に漂うトリオンや、解析が終わった敵のトリオン兵のトリオンなどを吸収して、それを本部基地内のトリオンに貯蔵するといった使い方をしている。だが大多数の隊員達には、隊務規定違反者にも使用されると思われている。仕方ない。
ちなみに適合者が城戸司令なのは、彼しか適合者が居なかったため。初めは適合者が城戸司令しかいないことに皆疑問に思ったが、能力を聞いて納得した。仕方ない。