リリカルなのはP's   作:ニャッテディ

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彼らの日常・2

 修は学校から帰り家に一度もどって荷物を置いた後、直ぐに翠屋へと向かう。

 

 

「おはようございます、士郎さん」

 

「おはよう、修くん。今日もよろしくな」

 

「うん。手を洗ってきます」

 

 

 3時近くになり、ちょうどティータイムどきのピークとなって客が増えてくる。最近は平日のこの時間帯に、週に何回か修が手伝うこととなっていた。翠屋の店主で桃子の夫であり、なのはの父親でもある士郎に挨拶をすると、奥で手を洗い、修のサイズに会わせた翠屋のエプロンを着けると、小さな店員の出来上がりであった。

 

 

「おはようございます、桃子さん。」

 

「おはようございます。ちょうどよかったわ。早速だけど、3番テーブルのお客様に1個お願いしていいかしら?」

 

「はい」

 

 

 厨房に挨拶にいくと、ちょうど出来立てのシュークリームたくさん乗ったトレーを渡される。翠屋の人気メニューであった。

 修は一旦、そのシュークリームを全てしまう。

 そして、お皿を1枚お盆にのせると、3番テーブルのもとへ向かう。この仕事を手伝って約半年。しっかりとテーブルの位置は記憶していた。

 

 

「お待たせいたしました。」

 

「あら、小さいのに頑張ってるわね……あら?」

 

 

 始めて来たお客様だろうか、修自身も見覚えない初老の女性の客が修を誉めようとして、そのお皿になにも乗っていないことに気づく。修はそのお皿をその女性の前に置くと、一瞬皿の上に両手をかざし、

 

「どうぞ!」

 

と、言葉と同時に、手を退ける。お皿の上には出来立てのシュークリームが一つ。

 

 

「あらあら、いつの間に?」

 

「翠屋恒例マジックです」

 

「すごいのねー」

 

「ありがとうございます」

 

 

 その女性の心からの賛辞に修は喜んだのだった。

 

 

「修くん、次のお客さんお願い」

 

「やば、失礼しましたー」

 

 

 

 

 4時半ごろには客足も落ち付いたため、修のお手伝いも終了するのであった。この時点で今日の分のシュークリームは終了し、中の客層ものんびりとコーヒーを飲む常連さんが何人かといったところであった。それに合わせて、一旦バイトに店を任せて士郎と桃子は休憩をとるのであった。

 

 

「今日もシュークリームは完売。お疲れ様です、ありがとね修くん」

 

「お疲れ様です。なんか今日シュークリーム多く作ってませんでした?」

 

「修くんが来る日はよく売れるから数を増やしたんだよ。やっぱり例のマジック効果かな? 」

 

「ということで、お給料も、もう一個どうぞ」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 桃子が包装されたに7つのシュークリームを乗せたお皿を渡すと、修はお礼をいい、シュンっと音とともにそのシュークリームをしまう。

 修は能力により、シュークリームをしまい、取り出すことができるようになっていた。どうやらしまったときの状態を維持できるらしく、賞味期限を気にしなくていいオマケつきで、出来立てのシュークリームを堪能できるこの能力を修は気に入っていた。

 

 

「いつみても不思議な能力だな……」

 

「そうそう、能力の実験で一つ思い付いたのがあったの」

 

 

 士郎が不思議がりながら感想を漏らす。それを聞いてそういえば、と桃子が手を合わせると、奥から赤と青と緑と黄色の4つの包みを持ってくる。

 能力が目覚めた日から度々こういう実験を提案しては準備してくれているため、修もこの能力についていろいろなことがわかった。先ほどの賞味期限のこともその一つだ。

 

 

「まず、この赤と青のシュークリームをしまってもらえる?」

 

「はーい」

 

 

 修は言われたようにその二つをしまおうとした。しかし、なぜか青い包みの方がしまうことができなかった。

 

 

「あれ?」

 

「なるほど。実はこの青いのね。実はシュークリームじゃなくって、中に代わりにチョコが入ったシューチョコなの。」

 

「なるほど、修くんがシュークリームって思っていても、本当にシュークリームじゃないとしまうことができないってことか」

 

 

 つまり、修の認識に関係なく、シュークリームというものそのものに反応して能力が発動するのだと判明した。

 

 

「それじゃあこれの発展系ね。黄色いのが苺をそのまま入れた苺シュークリームで、緑のがクリーム自体に苺を混ぜたシューいちごクリームって感じなんだけどどうかしら?」

 

 

 修は残りの二つにも手を伸ばし、しまおうとする。結果、黄色い包みの苺シュークリームが残ってしまった。シューいちごクリームの方は問題なくシュークリームとしてしまうことができたようである。

 

 

「うーん、おっきいものはダメって感じかしら?」

 

「でも、包み紙は大丈夫なんだよな?」

 

「そこは僕の思ってるのが影響するのかな? 緑のはいちご味のシュークリームって感じだし、いつも包み紙まで含めてシュークリームって感じだし。僕の中のシュークリームかを能力が判断してみたいな?」

 

「なろほど、そういうことか」

 

 

 つまり、修の認識により「シュークリーム」と見なされたものが能力の対象である、ということであろうとの推測だった。修なりの説明を士郎と桃子は受け止め、納得するのであった。

 

 

「なるほどね。ありがとね、さっきしまった2つは食べちゃっていいから。こっちの二つは……」

 

「ただいま」

 

「「おかえり」」

 

 

 タイミングよく帰ってきた高町家の末っ子は、父と母に甘えながらシューチョコと苺シュークリームを堪能したそうな。

 

 

 

 

「ただいまー」

 

「「おかえり」」

 

 翠屋から家に帰ると、和子と、先に家に帰ってきていたあいこが返事を返してきてくれた。

 

 

「今日はどうだった?」

 

「あのね、実験して、シュークリームじゃないとダメだってことがわかった。でも、シューいちごクリームは大丈夫だったんだけど、苺シュークリームはダメだった。」

 

「……どゆこと?」

 

「なんとなくわかったかな」

 

「お母さんわかったの!?」

 

 

 噛み砕きすぎた修なりの説明をなんとなく受け止めた和子。実際わかったのは後半部分だが、そこからなんとなく前半部分も予測したようだ。修がカバンから「のうりょくノート」とかかれたノートを取り出すと、それに目を通す。高町夫婦により、今日わかったことが書かれていた。

 

 

「ほんと頭が上がらないわね」

 

「お母さん頭いたいの?」

 

「大丈夫、元気元気、ありがと」

 

 

 高町夫妻に感謝したら、修に文面そのままとらわれてしまい、和子は苦笑いしながら修を撫でるのであった。

 

 

「お姉ちゃんあとでいちごの食べる?」

 

「食べる」

 

 

 その日の晩御飯の後のデザートは、やっぱりシュークリームだったそうな。そしてしばらく、いちごもシュークリームも好きなあいこはシューいちごに少しはまったそうな。

 

 

 

 

 夜になり寝る時間となって、部屋の明かりを消したあいこと修はきれいな星空に気づいて夜空を見ていた。

 

 

「きれいに晴れてるね」

 

「お兄ちゃんになった記念かな? 先生に聞いたよ、1年生のことあやしたって。シュークリームを取り出すマジックの噂で職員室が持ちきりだって」

 

「そうだったんだ……照れちゃうな……」

 

 

 姉にからかわれて照れながらも、まんざらでもない修。あいこはあいこでもっと自慢したい気持ちもあったが、本人相手に自慢してもな……と押さえる。じっさい、先生にその話を聞かされたときは「自慢の弟ですから」と、思いっきり自慢していた。

 ふと、空に何筋かの光が見えた。

 

 

「流れ星だ!」

 

「ほんとだ……3こ見つけて願いを言えばいいんだっけ?」

 

「3個以上あるから、たくさん願いが叶うね! 1・2・3・1・2・3……7つくらい叶えられるかも」

 

「うーん、7つも願い浮かばない……」

 

「そだね……」

 

 

 あいこの間違った知識で星に願おうとするも、その数の願いが浮かばず、結局7つを合わせてまとめて1つ、願いを願うことにするのであった。

 

 

「「これからもずっと、楽しく、仲良く、面白く、元気に、美味しく、暮らせますように」」

 

「これで7つよ」

 

「さすがお姉ちゃん!」




どんな能力かの推理とか、質問とかあったらどうぞ感想ついでに言ってください。小喜びします。
バッチリ見ますし、作中なりで回答したりすると思われます。

能力検証パートでの説明は、長々と書くわりに原作能力に対する独自解釈になりますゆえ、ヒントにはならないと思われます。申し訳ありませんが、ご留意ください。
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