リリカルなのはP's   作:ニャッテディ

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ファンタジーのP~幻想的な無印~
ハロー、アロー、森で会おう


 その日、彼は不思議な夢を見た。

 木が生い茂る場所で、見知らぬ男の子が怪物を追いかける。しかし返り討ちにあってしまい、逃がしてしまう。

 その少年の助けを呼んで光に包まれ、そこには1匹の小動物が残った。

 

 

 

「って。夢じゃないみたいな夢だった」

 

「やけにはっきり覚えてるのね」

 

「それ、私も見たかも。森の中のやつでしょ」

 

「そうそう、それそれ」

 

「あら……森といえば、神社の山の森かしら? もしかして、本当にあったことなのかもね。」

 

 

 朝食の場で修が和子とあいこに話すと、その言葉であいこもふと、同じ夢を見たと思い出す。和子はあいこがそんな気がしてるだけなんだろうなと、あたりをつけていたが、実際に同じ夢を見ていたのだ。少し忘れていただけで。

 そんな和子が気軽に、子供の話に乗る程度の気持ちで言った言葉でが今回の物語の引き金であった。

 

 

「本当にあったの?」

 

「じゃあ助けにいかないと」

 

「もう、学校はどうするの」

 

「あ、学校はいかなきゃ」

 

 

 まさか助けにいこうとするとは思わず、学校をだしにして二人の気をそらそうとしたが、まさか放課後にまでいこうとしてるとは、いくら親として二人を理解している和子だとしても、この時に気づいてはいなかった。

 

 

 

 

 

「え、二人も見たの?」

 

 

 登校のバスの中で、なのは・アリサ・すずかのいつもの3人に出会うと二人は今日見た夢の話をした。ちなみに、今日は一騎は兄と共に座っていて隣が空いておらず、あいこの健闘虚しく修も一緒にバスの最後尾である。

 二人の話を聞いて驚いたのはなのはで、なのはもまた、同じ夢をみていたようだった。

 

 

「ということで、放課後になったら山の森に助けにいこうと思うんだ。」

 

「みんなもいく? ……って、すずかとアリサは塾があるんだったっけ」

 

 

 あいこは前に二人が塾にいっていると言っていたのを思い出す。そのときに同じ塾に誘われたが、少し悩んだ末に、塾にいっている間になのはに修をとられてしまうのを怖れて自分は行くのを断ったのを覚えていた。口が裂けてもそんな理由は言わないしバレたくないと思っているが、わりとバレバレである。

 

 

「今日から私も同じ塾なの」

 

「え」

 

 

 なお、どうやらその作戦は完全に失敗だったようである。

 

 

 

 

 

「で、その夢がどうしたって?」

 

 

 その昼は、修は一騎と二人で食べていた。厳密にはいつも通り6人で食べていたのだが、上の学年でなにやら、将来についての話が出たらしく、ついていけなかったので二人で空気を読んで二人で会話のグループを作っていたのであった。

 

 

「本当にあったことだったら助けなきゃ」

 

「お前な、冷静になって考えてみろ。その近くで怪物がまだ暴れてるかもしれないだろ」

 

 

 少し大人びた考えの一騎は修を諭す。普通に考えて子供が丸腰で敵うわけがない。本来ならそんな危険なことをするのはよくないのである。

 

 

「まずは武器を用意するんだ。弓とかさ」

 

「まさかの!?」

 

 

 しかし、あくまで大人びているだけで発想は子供だった一騎は迎撃作戦を提案するのであった。

 

 

 

 

 放課後、修とあいこは近くにある、神社の山の周りの森に入っていた。

 

 

「結局、武器はその銃っぽいやつだけなのね。」

 

「うん。驚かして追っ払う用の爆竹銃なんだって。なんか怪物でも傷つけるのはなぁって言ったら一騎が貸してくれたの」

 

 

 修が持ってきたのはよく駄菓子屋で売っている銃の玩具である。本体は元々一騎の兄のもので、弾は自腹で駄菓子屋で購入したものだ。

 

 

「結局、今日も練習をするから付き合えないけど、これくらいはって」

 

「そうなんだ……ところでなんだけどさ、さっきからなんか違和感感じない?」

 

「言われてみるとそうだね」

 

 

 森に入ってしばらくすると、二人は何かの違和感を感じてくる。歩きながら考えていると、修が木の根に躓いてこけてしまった。

 

 

「うわっ」

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫。手のひらは怪我してない」

 

「重要なのそこなの……あ、そっか、わかった。ただの森じゃなくって、道っぽくなってた」

 

「なるほど、こんな歩きにくい道じゃ走れないもんね!」

 

 

 違和感の招待に気づくと、まずは道っぽくなってる場所を探すことにする

 

 

「たしか、結構広かったよね」

 

「バトルできるくらい広かったよね」

 

「そういえば、不思議バリアー張ってたね」

 

「変身するくらいだし、バリアも張るんじゃないの?」

 

 

 たわいもない話をしながら、森を上っていく。夢の話をしているうちに、あいこも今朝の夢の内容がはっきりとしてくる。

 

 

「お、なんか開いた道になった」

 

「もしかして、あたり……じゃなさそうね……」

 

 

 歩いているうちに開けた道にたどり着いたが、そこは残念ながら階段になっていた。ここではないだろう。

 

 

「うーん、なんか引っ掛かるんだけど……」

 

「お姉ちゃん、大丈夫?」

 

「大丈夫。とりあえず、あの先いこっか」

 

 

 ふと、なにかがおかしいなと思いながら、その階段を越えて反対側の森に入るのだった。

 

 

 

 

 またしばらく歩くと、少しひろめの道に出る。人が歩くように軽く舗装されているものの、雰囲気を損ねないようになっている土の道だ。

 

 

「ここかな?」

 

「あ……やば」

 

 

 たしかに夢に見た場所に似ていた。だがひとつ、あいこは根本的な間違いに気づいてしまった……

 

 

 

「こんな坂じゃなかった……山の森じゃないわ」

 

「あ……」

 

 

 完全に場所を間違えていたのである。ついでに言うと、夢で見た場所は厳密に言うと森ではなく雑木林に近い。二人にはその区別がついていなかったゆえの悲劇であった。

 

 

「……帰る?」

 

「帰ろうか……」

 

 

 二人が意気消沈して、帰ろうかと思ったその矢先にだった。

 

 がさごそっと、自分達が出てきたがわとは逆側の森から音がする。

 

 警戒しながらその方を見ると、そこには一匹の狐がいた。

 

 

「……狐だね」

 

「かわいい!」

 

「まって、驚かせちゃうよ」

 

 

 どう見ても野生の狐である。だが、どうやら人懐っこいらしく、急に近寄ってきたあいこにすり寄っていく。

 

 

「くぅーん!」

 

「元気な子だよ」

 

「ここら辺にすんでるのかな?」

 

「……今日、私たちはこの子を探しに来た」

 

「……オーケー。僕たちは森で会いに来た」

 

「オーケー」

 

 

 二人はこのかわいい子狐にあえたことで、今日は徒労では無かったと思うことにし、この子狐と遊ぶことを決めた。

 

 

 

 

「そういえば、森の中は圏外なのね」

 

「普通はそうだと思うよ」

 

 

 そろそろ暗くなってきたので、子狐と別れ、山を降りる。だいぶ疲れたが、結果オーライとした。

 そして電波が入ってしばらくすると、あいこのメールの着信音がなった。

 

 

「あれ? すずかからだ。何かあったのかな……え……」

 

「どしたの……あ……」

 

 

 送られてきたメールには、怪我したフェレットを拾ったことと、里親探しの件についてかかれていた。そして……

 

 

「『もしかして、夢で見た小動物ってこの子?』だって」

「まさかそっちで見つかるとは……」

 

 

 夢で見た小動物と同じフェレットが送付された写真に写っていたのだった。

 

 

 

 

「「ただいまー」」

 

「お帰り、遅かったわね」

 

「森で例の子探してたけど見つからなかった」

 

「別の場所でなのはたちが見つけてた」

 

「そうなの……見つからなくって残念……え?」

 

 

 今回、一番驚いたのは和子であろう。




アローはドイツ語挨拶の方であって弓ではありません(言い訳)

タイトルがやりたかっただけなのに時間がかかったのも昼夜逆転ぎみになってるのも全部双子がダガーを落とさないせい
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