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スレイン法国付近の森
ゴブリンの里
※『』はゴブリンの言葉です。
『お頭!大変です!』
一際大きな木造の建物で、酒を飲んでいたお頭と呼ばれたゴブリン。この辺りの冒険者からは小鬼狂戦士ゴブリンバーサーカーとして有名な、他のゴブリンの二倍の大きさを誇るゴブリンでありこの部族の長であり名をアゾグ。
『なんだぁ?俺様が気持ちよく酒を飲んでいたのに、邪魔しやがって』
アゾグは脇に置いてあった、黒檀のメイスを入ってきたゴブリンの目の前に持ってきた。
『ひ!すいやせん!ですが人間どもが攻めて来たんです』
『お前らでなんとかなるだろうが。いちいち俺に言いに来るな』
『それがボルグさん達が仕留めに行ったんですが、ボルグさんが瀕死の重症を負って帰って来たんですよ!』
ボルグはアゾグの一人息子で、アゾグに迫る勢いで力をつけてきていたのだ。そのボルグが瀕死。それに驚いたアゾグは直ぐに、メイスを持ち直すと。
『よし、俺様が出る。野郎共!戦の支度しろ!!人間に俺らに喧嘩売ったこと、後悔させてやろうぜ!』
ゴブリンの里入り口
金髪で眼鏡を掛けた、神父服を着た長身の男が煙草を吸っていた。
その後ろには同じく神父服を着た男達が、十人程いて、彼らの視線の先にはゴブリンの里の入り口で、次々と来るゴブリンを嗤いながら切り捨てているシスターがいた。
「アハハハ!どうした!ゴブリン!その程度か!所詮亜人なんぞ薄汚い獣でしかないのだ!」
「ハインケルさん、由美江さんが一人で行かれてるのですが宜しいので?」
若い神父が煙草を吸っていた青年ーーハインケルに聞くが、ハインケルは煙草の煙を吐き出し
「いつものことだ、気にしていたらキリがない。まあやり過ぎないように見とく事だけだね」
それを聞いた若い神父は下がって他の神父と共に隊列を組んだ。
彼らはスレイン法国の六色聖典とは違い、法国内のありとあらゆる仕事をこなす。
所謂何でも屋的なたち位置であり、普段は法国内の町などでそれぞれ立派な聖職者として働いているため、それなりに人望は厚い。
そして、由美江がちょうど里の中央に来たところで、目の前から他のゴブリンの二倍の大きさを誇るゴブリンが出てきた。
「オレノナマエハ、アゾグ。オマエガコロシタボルグノオヤダ」
「ゴブリン如きが言葉を話すとは、汚らわしい。それに、あの醜いゴブリンの親だと?敵討ちにでも来たか?」
由美江はアゾグを嘲笑った。しかし、アゾグは首を横に振った。
「カタキウチナドデハナイ、ニンゲンノオンナ二マケルヨウナアイツハ、ムスコデハナイ。ダガ、オレヲノゾイタナカデハイチバンツヨカッタ。ソンナアイツヲタオシタノダ、ダカライチバンツヨイオレガデルノハトウゼン。」
アゾグはメイスを構え、由美江の前に出る。
由美江も刀を居合いに構えた。
アゾグと由美江の間にただならぬ雰囲気が漂う。静寂が辺りを包む、そして、一分経った頃だろうか由美江が動いた。アゾグもそれに合わせて動き、急所を守るようにメイスを構えた。しかし、
(遅い!)
由美江の方が一歩早く、由美江はアゾグの懐に入った。しかし、それでもアゾグは慌てなかった。何故ならアゾグはあるタレントを持っていたのだ。それは【傷がつけば傷つくほど力が増す】というもので、その名の通り傷つくほど力が増すというもので彼が小鬼狂戦士ゴブリンバーサーカーと呼ばれる理由である。普通ならこの一撃で傷つきそこから力の増した一撃で、相手を粉砕出来たのだろう。普通なら
「島原抜刀術 鎌鼬!」
掛け声と共に放たれた刀は目にも止まらぬ早さでアゾグを切った。そして、由美江が通り過ぎ刀を鞘に仕舞うと同時にそれが合図であったかのように、アゾグの体は上半身と下半身に分かれた。確かにアゾグのタレントは強い、下手すれば格上でさえ倒せるほどに。しかし、いくら傷つくほど力が増すと言われても、一撃でやられては力を発揮する事なく負けてしまう。それがアゾグの敗因である。
ハインケルが片手を前に突き出す。
「各員!攻撃!醜い化け物を殲滅せよ!」
アゾグを殺られたショックから立ち直れていないゴブリン達は、瞬く間に神父達の魔法によって殲滅されていった。
「由美江は行かないのかい?」
ハインケルは煙草を吸いながら、アゾグの死体を見下ろしている由美江に話しかける。
「あ、後は、ざ、雑魚ばかりだし、べ、別に良いかな。」
そう言って由美江は刀を仕舞い、他の神父達を眺めた。
その後一時間程でゴブリンの里は、跡形も無く焼き払われハインケル達は去って行った。
スレイン法国武装神父隊隊長室
「成る程、無事ゴブリンの里は焼き払えたのだね。ご苦労。しかし!」
隊長室でアンデルセンとハインケル、由美江からの報告を聞いたマクスウェルは笑顔で額に青筋を浮かべていた。
当の本人達(由美江とハインケル)は特に気にしていないようで、それがマクスウェルの怒りに火を付けた。
「ハインケル!どうゆう事かね?確かに任務はゴブリンの里の殲滅だが、それ以外にあの辺りの資源の保護も言ってあった筈だが、見事にゴブリンの里諸共あの辺りの森を焼いてくれたそうじゃないか。これはどうゆう事だ!」
マクスウェルは怒り机に報告書を叩きつけた。しかし、それでもハインケルと由美江は
「しかし、あの亜人共を殲滅するのにはアレが一番でしたし、焼けたと言いますがそれも少しでしょう?我らの敵を屠った代償としては少ないと思いますよ。」
「は〜、もう良い退がれ、後は此方でなんとかしてみる。」
そして、由美江とハインケルは部屋から出て行った。
残ったのはマクスウェルとアンデルセンのみ。
「それで、アンデルセン話とは何だい?」
さっきとはガラリと真剣な雰囲気に変わったマクスウェルが聞いた。
「マクスウェル、最近あった帝国と王国の戦争だが、あれに吸血鬼が関わっている可能性がある。らしい。」
吸血鬼と聞いた瞬間、マクスウェルの雰囲気がガラリと変わった。
「なに?吸血鬼だと?」
今までのどこか疲れた雰囲気が、抜き身の剣のような鋭い雰囲気になったのだ。
「帝国の間者からの報告によると、人体実験で人間をアンデッドに変えることに成功した、イカれた連中を雇ったらしい。」
「そうか、至急そいつらの情報を集めろ!帝国め!異教徒であるが亜人に肩入れしていなかったから、見逃してやっていたものを。」
「マクスウェル。武装神父隊を何人かつれていくぞ」
「ああ、アンデルセン幸あれAmen」
「Amen」
部屋を出ていくときのアンデルセンの顔は、獲物を見つけた悦びと、怨敵を見つけた憎悪で染まっていた。
どうでした?かるーい内容でしたでしょ?
それはそうと最近ダークソウル3にはまりましてね。
fateとダクソ3の二次を書こうかなと思っています。近々出す予定なので宜しくです。