エ・ランテルに戻ったモモン達は一端、モモンとナーベ、ハムスケがギルドでハムスケの登録のため分かれ、少佐達がンフィーレアと共に店に行くことになった。
「すいません、大尉さん、コトミネさん荷物を全部運んでもらって」
「ハハハ、二人は力持ちだからな私が楽できる」
大尉とコトミネが薬草を全て運び終わり、ンフィーレアが休憩を促した。
「どうぞ皆さん、休んでいってください。お茶をいれてきます」
ンフィーレアが奥に入っていった。しかし、急にガタン!と何かが倒れる音がして、ペテルが慌てて見に行くと
「!ドアが壊されてる!?ンフィーレアさん!」
店側のドアが壊されンフィーレアの姿が消えていた。ペテル達は店の中を探すが誰もおらず、倉庫に戻ると少佐が
「恐らく、ンフィーレア君は連れ去られたのだろう。血も見当たらないことから恐らく、彼のタレントが目的なのだろう」
少佐が状況を整理していると、店の入り口の方からモモンとナーベが入って来て、その後ろにリィジー・バレアレを連れていた。
「ンフィーレアが連れ去られたじゃと!?ど、どうすれば」
「とりあえず、私達とモモン殿とで捜索してこよう、その間にリィジー殿とペテル君達は組合にこの事を伝えてくれたまえ」
「分かりました。リィジーさん行きましょう」
そしてし漆黒の剣とリィジーが出ていったのを確認して少佐が口を開いた。
「さて、ドクの小型発信器が彼に付いてるからそれを追っていこうかモモン殿」
「いつの間にそんなものを・・・・・・いや、貴方なら当たり前か」
どこか呆れと感心を含んだ感じのモモン
「どうやら、この町の墓地にいるみたいだね、早速向かうとしよう」
エ・ランテル共同墓地
その入り口の門に走ってくる衛兵
「おい!門を開けてくれ!」
「おい、もう一人はどうした?」
墓地ではアンデッドが出てもいいように二人で警備をしているのだが、その衛兵のパートナーがいなかった。
「あ、アンデッドの大群が墓地から急に現れてそれで!っ!ぐ、ガァ!」
いきなり、男の腹から骨の手が飛び出し男の腸を引きずり出した。門の上からよく見ると墓地の中はさまざまなアンデッドで溢れていた。
「なっ!誰か直ぐに詰所と組合に連絡してこい!他のものはコイツらを食い止めるぞ!急げ!」
隊長らしき男が号令を飛ばし、槍で壁を登ってくるアンデッドを突き落としていく。
「おい!あれを見ろ!」
衛兵の一人が指差す方を見ると、巨大なアンデッドの塊
が門を乗り越えようとしていた。
「も、もう駄目だ!逃げろ!」
衛兵達は恐れて逃げようとした。その時、何かが彼らの後ろから放たれ、アンデッドの頭に当たりそこから炎が出てきてアンデッドを瞬く間に燃やし尽くした。
「何だ!?」
「後は我々に任せてもらおう」
衛兵達が後ろを向くと、 神父服を着た男と見慣れない服の二人の男。そして、強大な力を感じさせる
「あ、あんたらは?」
「冒険者だ」
その言葉に一瞬希望が沸くが彼らのプレートは銅。つまり最低ランクのカッパーである。
「カッパーには無理だ。そっちの神父に任せておけ」
漆黒の剣士モモンは剣を抜き
「門を開けろ」
と言った。
「し、しかし」
「開けぬのなら勝手に行かせてもらう」
そう言って壁を飛び越えて行く剣士とそれに続く美女と魔獣。
「さて、大尉、代行者君行くとしよう」
そして少佐は門を(無理矢理)開け墓地に入っていった。
暫く呆然としていた衛兵達が我に返ると、墓地がいつも通りの静寂に包まれていた。
「おい聞こえるか、アンデッドのあげる音が 」
急いで壁の上に上がると、門の周辺見渡す限りのアンデッドの大群が倒れて死んでいた。
「あの数をたった五人で」
「俺たちは伝説を見たのかもしれん。漆黒の剣士。いや、漆黒の英雄」
共同墓地の奥では大尉とコトミネ、モモンがアンデッドを片っ端から切り裂き、粉砕し、千切り、燃やしていた。
「流石にキリがないな、仕方ない。中位アンデッド作成
呼び出されたのは、指が刃物になっているひょろりとした長身の人形のアンデッドと、体に包帯を巻き大きい巨人のようなアンデッドである。
「やれ」
モモンの意図を汲み取りアンデッドを片付けていく二体
「道が開きました。行きましょう」
そしてモモンを先頭に墓地の奥に進んでいく。
墓地の奥にある霊廟、その前にいる6人のフードを着けた者達とその中心で呪文と唱えるハゲ頭の男。
「カジット様来ました」
部下であろう男が呟く。アンデッドとして感覚が優れているモモンにはしっかり聞こえた。
「はい、馬鹿確定 」
「良い夜だなぁ、カジット。儀式をするにはもったいないんじゃないか」
カジットは部下を睨み、睨まれた男はしまったと顔をしていた。
「ふん、それは儂が決めることじゃ。御主ら冒険者かどうやってここまできた?」
「
「嘘を」
「嘘ではないんだがな。それより、そこの女は出てこないのか?」
モモンが霊廟の入り口の柱を指差す。
「あれ?ばれちゃったか~」
柱の影からビキニアーマーを着た女が出てきた。
「モモン殿、ここは我々に任せてくれないかね?大尉もコトミネも闘い足りないようだからね」
「分かりました。本来ならあの女は私を不快にさせたので、自分で始末したかったのですが、少佐にはお世話になっているからな良いでしょう」
「有り難うモモン殿。では大尉はあの男達とコトミネはそこの女と闘って来なさい」
「クレマンティーヌ行くぞ」
「?アレ~?あたしのことしってんの?」
コトミネが歩き出しそれについていくクレマンティーヌ
「ああ、と言ってもお前のことは裏切り者として始末しろと命令されたのだがな」
瞬間クレマンティーヌの目付きが変わった。先程までのふざけた雰囲気から一転して、鋭い殺気を放つようになった。彼女は腰に差していたスティレットを抜きクラウチングスタートのように構えた。
「テメェ、代行者か?」
「そうだ、元だがな今は、『ミレニアム』という組織の一員だ」
言い終わる寸前クレマンティーヌは武技を発動して、コトミネに瞬く間に近付きスティレットを突き刺そうとしたが、コトミネはそれを掴みスティレットを折ってしまった。
「な!?」
彼女の持つスティレットはオリハルコンで作られている。いくら代行者と言えども素手で折るのは不可能だ。
「フッ!」
その一瞬の隙をついてコトミネは踏み込み、クレマンティーヌの腹に正拳突きを放った。吸血鬼となり筋力が上がったコトミネの一撃は重く、クレマンテイーヌはくの字に曲がり10メートルほど飛ばされた。
「ガハッ!ゲホッ!ク・・・・が!」
(内臓と骨がやられた!?たった一撃だぞ!何だアイツはクソッ!逃げるべきだったか)
クレマンティーヌは自らの状況を確認して絶望した。どう足掻いても勝てないし逃げることが出来ないのだ。しかし、コトミネがクレマンテイーヌに止めを刺そうとすると
ドス!ドス!ドス!コトミネの腹に三本の黒鍵が放たれた。
「な・・に!?」
「あ?」
即座に黒鍵を抜き、飛んできた方を見るとそこには完全武装のシエルが
「見つけましたよ。裏切り者と吸血鬼」
「吸血鬼・・・・かよ、勝てるわけないわ」
そう言ってクレマンティーヌは気絶した。
「やはり来たかシスターシエル。完全武装に第七聖典を持ち出して来るとはご苦労なことだな」
コトミネは軽口を叩くが、内心では焦っていた。
(一対一では勝てるわけないな。しかも、第七聖典もある。アレを喰らえば一撃だろうな。どうしたものか)
「では行きますよ」
瞬間シエルの姿が消え、コトミネの後ろに回り込んでいた。しかし、コトミネは見えているとばかりに黒鍵を三本、服の袖から出し後ろに切りつけた。それをシエルは
「今度は決着をつけます」
「ふん、望むところだ」
動いたのは同時お互いの距離が縮みそして、ぶつかった。シエルが蹴りを放ちそれをコトミネが避けて、黒鍵で切りつけた。しかし、シエルも負けじと黒鍵をコトミネの腕を切りつけた、そして後ろにバックステップして下がり、黒鍵を全てコトミネとその足元に放った。
「くっ!」
三本コトミネの足と腹に刺さり残りが足元に刺さったのを確認してシエルは呪文を唱えた。
「『火葬式典』 」
瞬間黒鍵が燃えだしてコトミネとその足元を焼いた。
止めとばかりにシエルは
銃声が響いた、瞬間シエルの両肘両膝を撃ち抜かれ力が抜け倒れてしまう。
「な・・に?」
何が起きたか理解できないシエルの前に眼鏡をかけたそばかすの女が出てきた。
「ヤッホー、シエルちゃんだっけ。ごめんね~実はずっと待ってたんだ。コトミネ君は囮なんだよね~。貴女を誘い出すためのね」
女リップバーンは愉快そうに笑う
「なっ!?クソッ!」
「そうゆうことだから、とっととおっ死ねシスター」
マスケット銃をシエルの額につけ引き金を引くバァン!と銃声が響きシエルは死んだ。
「コトミネ君何時までも寝てないで行きますよ~」
「分かりました」
リップバーンが声をかけると黒焦げだったコトミネの傷が、全て治り立ち上がった。
「まったく度しがたいな吸血鬼の回復力は」
「それが私達ですからね、では私はまた護衛につくから後は宜しく」
そう言ってリップバーンは消えていった。残されたコトミネはクレマンティーヌを担ぎ少佐の方に歩いていった。
時間は遡りコトミネがクレマンティーヌと闘い始めた頃
「では大尉、蹂躙をはじめよう」
大尉は頷くと直ぐ様腰にサーベルのように差していたモーゼルM712を抜きカジット以外の奴等の頭を撃ち抜いた。何が起きたか理解してないカジットは困惑していた。
「な、何をした!今のは何だ!?」
「大尉」
「クソッ!死の宝珠よ!」
カジットは危険を感じ、死の宝珠の力を使った。すると空から体長およそ20メートルほどの巨大な
「これが切り札か、終わったな」
「そうですね、この程度で至高の御方とその盟友に歯向かうなど愚の骨頂」
モモンとナーベが呆れたように言う。
「嘗めるな!」
すると、地面からもう一体の
「これでどうだ!」
カジットは勝利を確信したがしかし、
「・・・・・・」
大尉はコートと帽子を取り上半身をさらした。そして一気に跳んだ。霧となった大尉は
「ば、馬鹿な
カジットは絶望に染まった顔でそう呟いた。
「いいや、大尉は吸血鬼と
「く!おのれ!貴様らに私の悲願を邪魔されてなるものか
カジットは苦し紛れの魔法を放ったが大尉の魔法無効化スキルのせいで当たる直前に魔法は消えた。そして大尉はカジットに近付き手刀で首を跳ねた。
「では、モモン殿我々は先に凱旋させてもらうよ、色々やらなくてはならないからね。シュレディンガー」
「はぁい(*^ー^)ノ♪」
少佐が呼ぶといつの間にかシュレデインガーがそこにいた。
「後は任せたよ。君たちの手柄にすると良いではな」
そしてクレマンテイーヌを抱えたコトミネと大尉、少佐シュレデインガーは消えた。
「では、ナーベ行くぞ」
ミレニアム司令室
「ドクただいま」
「少佐おかえりなさいませ」
「それで、例の件はどうだった?」
ドクはアイテムボックスから服を取り出し、少佐に見せた。
「勿論入手しました。
「素晴らしい!では、詳しく聞こうか」
ドーモ、こんな感じです。どうでしたか?では次はシャルティアととある執事のお話でーす。お楽しみに~