東方地霊殿 〜Terrene Animism.【完結】 作:LOORUME
ふむ、とそう呟き、しばし思考に浸る。
彼がどのようにして地霊殿に至ったかは分かったが、『東方』が何なのかを知ることは出来なかった。
もう少しだけ、心を読む必要がありそうだ。
「もうちょっとだけ、待っててください」
「はい」
東方地霊殿なる物の、発売日の記憶まで遡る。
○○○
人、人々、人達、人間、ひと、人人、人等、人参、人集、人だかり、ヒト、人衆、人集り、人混み、他人、人ごみ、人気…
○○○
おえっ。
人が多すぎて吐きそうになってしまった。戦場か何かだろうか。あとニンジンは余計だ。
これでは、東方が何なのか分かりそうもない。しかし、『東方』は買ったのだから必ず使う機会があるはずだ。東方は、平面の映像だった、つまり見るためのものだろうか。
東方地霊殿を初めて見た時まで、遡る。
○○○
「やったぁ、新作やるぞぉ!」
長旅の疲れもあってか、昨日は家に帰ってすぐ寝てしまったが、今の体調は万全だ。
パッケージを舐め回すように眺め、存分に楽しんだ後は準備だ。
CDをパソコンにセットし、インストール&ダウンロードを始める。
お茶請けは黄身時雨を、お菓子単体で。
準備が終わったら次はプレイだ。
ゲームを開くとオープニングが流れ、タイトルと選択項目が現れる。
『東方地霊殿』
いやあ、やはり東方とはいいものだ。だがこのまま放置してはデモ映像が始まって面倒なので、このまま始めてしまう。キャラは…とりあえず霊夢と紫で良いか。洞窟いいね、かなり潜るぜ。
1面。桶っ娘とか可愛い。あとヤマメのスカートの形がなかなか好きなんだが。
2面。ふむ、『妬ましい』か。いつか幻想入りしたら逆に言い返してみたいな。
3面。星熊?鬼だったらほし
4面。おりんりん。そしてさとりん。彼女は読心の制御をできるのだろうか。
5面。またおりんりん。
6面。またかよおりんりん。可愛いけど。そしてお空。火力ではナンバーワンだ。おつむはアレだけど。
結局すべてクリアまでには半日かかった。
次の日、EXに挑戦し、こいしちゃんに一目惚れするのであった。
○○○
何と無く外の世界の『東方』が理解できた。とどのつまり、私達が起こした異変を、霊夢さんなどの視点になって解決するというゲームですね。
弾幕ごっこを自分で操作して避けるというのは、難しいのか易しいのか分かりませんが。
そして夜霧さんがこいしを尋ねたきた理由もわかりました。確かに特徴的な絵で可愛いですね。ええ。
咳払いをひとつして、真正面に立っている彼を見つめる。
「だいたい、わかりました」
「そうですか、ではこいしちゃんと」
「待ってください。そうやすやすと妹に会わせる事はできません。それに、貴方の知っているこいしとは違いますよ」
「ZUN絵との誤差ですか?それなら問題ありませんよ、さとりさんを見たところ」
違う。けど確かに私の絵はさすがにひど…いやそうじゃない。妹は可愛い。
「いいえ、ですから私の妹は『無意識を操る程度の能力』など持っていないと言っているんです」
「……まさか」
「そうです、こいしの目は閉じていませんから『心を読む程度の能力』を持っているんです。彼女が私のように対応力があれば吝かでは無いんですが、こいしがそれを見て受け入れられるとは───」
「わあ、お兄ちゃん面白い記憶を持ってるね!」
台無しである。
気づくと部屋には妹のこいしが入ってきていた。
「なになに、東方…?いや、整理されてるお姉ちゃんの心を読んだ方がいいか」
「ちょっ、こいし」
「へえ、夜霧さんね。東方って私達の異変を解決していくゲームなの、面白そうね」
「こいしちゃんだっ…!」
「えーと、私に一目惚れ…?えー困るなー」
「うぐっ」
あら、夜霧さんはあえなくフラれてしまった。ドンマイ。
しかし断った本人は特に気にした様子も無い。おそらく、誰から好かれていても今のこいしは断るでしょう。でもこれは逆に、夜霧さんも時間をかければまだイケるかもしれないということ。
「え?時間?お姉ちゃん、私は少なくともあと数百年は誰とも一緒になる気は無いよ」
「うがぁっ」
K.O.!
彼の記憶の黄昏フロンティアシリーズでも同じ光景を見たような。
彼が地霊殿から帰ったのは、慰められて数時間経った後である。
全く、厄介な客であった。
仮想体験少女☆さとりんですね。回想とかでマジ便利。
しかし、さとりでもコミケは耐えられなかったようです。
自分も行ってみたいもんですねーw