東方地霊殿 〜Terrene Animism.【完結】   作:LOORUME

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結局、夜霧さんが主人公やってる…?



10話目

 

ふむ、とそう呟き、しばし思考に浸る。

彼がどのようにして地霊殿に至ったかは分かったが、『東方』が何なのかを知ることは出来なかった。

 

もう少しだけ、心を読む必要がありそうだ。

 

「もうちょっとだけ、待っててください」

「はい」

 

東方地霊殿なる物の、発売日の記憶まで遡る。

 

 

 

○○○

 

人、人々、人達、人間、ひと、人人、人等、人参、人集、人だかり、ヒト、人衆、人集り、人混み、他人、人ごみ、人気…

 

○○○

 

 

 

おえっ。

人が多すぎて吐きそうになってしまった。戦場か何かだろうか。あとニンジンは余計だ。

 

これでは、東方が何なのか分かりそうもない。しかし、『東方』は買ったのだから必ず使う機会があるはずだ。東方は、平面の映像だった、つまり見るためのものだろうか。

 

東方地霊殿を初めて見た時まで、遡る。

 

 

 

○○○

 

 

 

「やったぁ、新作やるぞぉ!」

 

長旅の疲れもあってか、昨日は家に帰ってすぐ寝てしまったが、今の体調は万全だ。

 

パッケージを舐め回すように眺め、存分に楽しんだ後は準備だ。

CDをパソコンにセットし、インストール&ダウンロードを始める。

お茶請けは黄身時雨を、お菓子単体で。

 

準備が終わったら次はプレイだ。

ゲームを開くとオープニングが流れ、タイトルと選択項目が現れる。

 

『東方地霊殿』

 

いやあ、やはり東方とはいいものだ。だがこのまま放置してはデモ映像が始まって面倒なので、このまま始めてしまう。キャラは…とりあえず霊夢と紫で良いか。洞窟いいね、かなり潜るぜ。

 

1面。桶っ娘とか可愛い。あとヤマメのスカートの形がなかなか好きなんだが。

 

2面。ふむ、『妬ましい』か。いつか幻想入りしたら逆に言い返してみたいな。

 

3面。星熊?鬼だったらほし()まじゃないのか?でもローマ字表記ではほしぐまってなってる。なるほどなぁ?

 

4面。おりんりん。そしてさとりん。彼女は読心の制御をできるのだろうか。

 

5面。またおりんりん。

 

6面。またかよおりんりん。可愛いけど。そしてお空。火力ではナンバーワンだ。おつむはアレだけど。

 

結局すべてクリアまでには半日かかった。

 

次の日、EXに挑戦し、こいしちゃんに一目惚れするのであった。

 

 

○○○

 

 

 

何と無く外の世界の『東方』が理解できた。とどのつまり、私達が起こした異変を、霊夢さんなどの視点になって解決するというゲームですね。

弾幕ごっこを自分で操作して避けるというのは、難しいのか易しいのか分かりませんが。

 

そして夜霧さんがこいしを尋ねたきた理由もわかりました。確かに特徴的な絵で可愛いですね。ええ。

 

咳払いをひとつして、真正面に立っている彼を見つめる。

 

「だいたい、わかりました」

「そうですか、ではこいしちゃんと」

「待ってください。そうやすやすと妹に会わせる事はできません。それに、貴方の知っているこいしとは違いますよ」

「ZUN絵との誤差ですか?それなら問題ありませんよ、さとりさんを見たところ」

 

違う。けど確かに私の絵はさすがにひど…いやそうじゃない。妹は可愛い。

 

「いいえ、ですから私の妹は『無意識を操る程度の能力』など持っていないと言っているんです」

「……まさか」

「そうです、こいしの目は閉じていませんから『心を読む程度の能力』を持っているんです。彼女が私のように対応力があれば吝かでは無いんですが、こいしがそれを見て受け入れられるとは───」

「わあ、お兄ちゃん面白い記憶を持ってるね!」

 

台無しである。

 

気づくと部屋には妹のこいしが入ってきていた。

 

「なになに、東方…?いや、整理されてるお姉ちゃんの心を読んだ方がいいか」

「ちょっ、こいし」

「へえ、夜霧さんね。東方って私達の異変を解決していくゲームなの、面白そうね」

「こいしちゃんだっ…!」

「えーと、私に一目惚れ…?えー困るなー」

「うぐっ」

 

あら、夜霧さんはあえなくフラれてしまった。ドンマイ。

しかし断った本人は特に気にした様子も無い。おそらく、誰から好かれていても今のこいしは断るでしょう。でもこれは逆に、夜霧さんも時間をかければまだイケるかもしれないということ。

 

「え?時間?お姉ちゃん、私は少なくともあと数百年は誰とも一緒になる気は無いよ」

「うがぁっ」

 

K.O.!

彼の記憶の黄昏フロンティアシリーズでも同じ光景を見たような。

 

 

彼が地霊殿から帰ったのは、慰められて数時間経った後である。

全く、厄介な客であった。

 




仮想体験少女☆さとりんですね。回想とかでマジ便利。
しかし、さとりでもコミケは耐えられなかったようです。

自分も行ってみたいもんですねーw
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