東方地霊殿 〜Terrene Animism.【完結】   作:LOORUME

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14話目

 

あーれまーやっちゃった、と私は思った。

二発の弾幕を合図に、凄い迫力が地霊殿を中心に幻想郷全体に発せられたかと思うと、波が引き返すように殺気が帰ってきた。

 

これはおそらく地霊殿のお空がやったことだろう。さとりがこんな無茶をするはずが無いし、お燐は今は不在だ。

 

お空がやったことはつまり幻想郷の強豪たちに喧嘩を売ることと同義であって、よく度胸があるな、と羨んでしまう。

…本人は何も考えていないだろうけど。

 

喧嘩を売られれば買う。売られてなくても買う。むしろ自分から安売りにするくらいの強豪たちが、この喧嘩を買わない訳が無い。

 

無論、お空をこのまま放置しておいても暴れるだけだから何か措置をとってもらいたいのだが、そうなると地霊殿が廃墟になってしまうのは目に見えてる。

 

なんとか、穏便に済ませて欲しいものだ、と思う。

 

最初に飛んでやってきたのは烏天狗の射命丸文さんで、一速く取材をするため、だそうだ。

次に魔理沙、咲夜、藍、レミリア、幽々子と妖夢、永遠亭組、ぬえ、幽香、白蓮と星の順番でやってきた。

 

そいつら全員殺気を放っていた。中には表情が穏やかな人もいたが、見た目は菩薩で中身は般若と言ったところだ。

本当に、地霊殿は大丈夫なのだろうか。

 

暫くすると、先ほどやってきた強豪たちがお空を先頭に橋を渡って行った。

おそらく、被害を出さないために旧都からも地霊殿からも離れた場所で勝負を決するのだろう。

 

…お空は絶対に勝てないだろうから可哀想になってきた。やり過ぎないように、強豪たちのストッパーとして私もついて行くことにした。

なに、危うくなったら全員の羨望心を操れば良い。

 

数分飛んで着いた所は、やはり周囲に被害が出るような物も無き開けた平地であった。

 

早々に決闘し合う二人が上空に上がった。その他はほとんど地上に座っているか、さらに上空飛び回って写真を撮ろうとしている者もいる。

 

お空と共に飛び上がったのは、妖夢。彼女は幽々子に命令されたらしい。

喧嘩前の常套句は微かに聞こえる。

 

「斬り捨て御免!」

「撃つ!」

 

シンプルである。弾幕ごっこの結果はお空の勝ち。そりゃスペカを一方的に使ったら負け無しだわ。

妖夢は落ち込んでいたが、自分の後衛が居る事を思い出したら元気になる。後は頼んだぞ!と叫ぶが、スベっていた。

 

次の相手は星、てゐ、ぬえ、咲夜、鈴仙の順で挑んだが、妖夢と同じように伸されてしまった。

 

私の出番だぜ、と意気揚々と飛び上がってきたのは霧雨魔理沙。落ちていった強豪とは違い、奮闘するも敢え無く敗退。誠に惜しかった。

 

 

「取り敢えず、少し落ち着きなさい」

 

と殺気たっぷりで空中へ舞い上がったのは八意永琳。結果は見えた。

彼女の手によって比較的被害を少なく抑え、お空の暴走は鎮まるのであった。『鎮圧』という言葉が似合いそうな弾幕ごっこで。

 

 

「へえ、そんな事があったんだね!」

「勝手に心を読まないでよ。…知らないってことは、何処かに行ってたの?羨ましい」

「ごめんねパルスィ。…うーん、何処かに行ってたってわけじゃないんだけど」

「けど?」

「お空が暴走してる間ずっと旧地獄でぶらぶら歩いてたんだよねぇ。それで、家に帰らずに状況を聞きに来たってわけ」

「昨日の事なんだから、それくらい新聞に載って…あ、良かったらこの新聞いる?こいし」

「要る!」

 

ガサツに受け取り、昨日の事件が載った一面を開く。

 

ふむふむ。発行者はさっきの記憶にもあったように射命丸文。この新聞はどれくらい売れたのだろうか。

 

じっくりと見ていたら、橋の向こうから誰かがやってくる足音に気がついた。

 

「…あ、誰かが来たからわたしはこれで行くね。案内頑張って、パルスィ」

「うん、じゃあね、こいし」

 

わたしは別れを告げると地霊殿へ続く道を歩いて行った。

 

 

と、見せかけて実は隠れながら来客について行っていたのだ。少しその人と会話すると、今から地霊殿に向かうことがわかった。

 

「……ところでさ、今からおねえちゃん達 地霊殿に来るんでしょ? だったら先回りしてお客さんを迎え入れる準備しておくね!」

 

と飛び上がって地霊殿に向かった。

地霊殿に着くと、さとりお姉ちゃんが物思いに耽っていることがドア越しにでも読めた。少し悲しい気持ちになっちゃったけど、わたしにも報告しなければならない事がある。

 

最低限のマナーとしてドアをノックし、お姉ちゃんの部屋に入る。

入って開口一番に言葉を放った。

 

「お客さんが来たよ!」

 




支離滅裂だとか、尻切れとんぼのように感じるかもしれません。ですがこの物語で語れるのはここまでです。
お客さんが誰なのかは、次回作までのお楽しみです!

これが今年最後の投稿になると思います。ですから、どうか良いお年を!

一月一日には短編が投稿されます。是非見てくださると有難いです(宣伝)
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