東方地霊殿 〜Terrene Animism.【完結】   作:LOORUME

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何も書いてないと、逆立ちしたり身体をむちゃくちゃにひねりだしたくなります。
嘘です。

(20時に投稿するつもりだったけど、待ちきれなくて18時に変更した)


6話目

地霊殿からほとんど逃げてきたようなもんだが、とりあえず俺は家路に着くことにした。

余り感謝されるのは慣れていないのだ。

 

「あら、お帰りね?旧都を好めるあなたが羨ましいわ」

 

そして、帰る道のパルスィだ。

いつも通り彼女は屈託の無いその笑顔で羨ましい、と言った。

 

「なんだ、その言い方だとパルスィは旧都が嫌いみたいな言い草じゃないか」

「まさか。でも羨まないと私もやっていけないわ」

「妖怪さんも大変だな」

「ええ。簡単そうな人間が、羨ましいわ」

 

簡単と来たか。でも意外とそうでもないんだよな、人間も。

ここで、俺はとある仕返しを思いついた。なに、外の世界にいた時からやろうと思っていたことだ。

 

「そんなに羨めるお前さんが妬ましい(・・・・)よ」

「妬ましい?そう、妬めるということは、他人の長所と、自分の短所がちゃんとわかっているということよ。そんなあなたが羨ましいわ」

「はあ」

 

そうきたか。その言葉を他の地底にいる(・・・・・)パルスィにも聞かせてやりたいぜ。

 

 

 

○○○

 

 

 

パルスィと別れ、俺の住んでいる人里へ向かう。

道すがら、飛んでいる霊夢と出会う。勿論脇出しだ。

 

「あら夜霧さん」

「よお」

「また飲みに?よく飽きないわねえ」

「うるさい。お前こそどうしたんだ、そんなに急いで」

 

平静を装いながらも、どこか焦燥感のある顔付きだった。

 

「旧地獄あたりで何か異変が起きたみたいなのよ。───だから、一旦退治させてもらうわ、夜霧さん」

「待て、待て」

 

どうやら霊夢は、何処でもせっかちらしい。

 

「俺は無関係だ。それに、異変ならもう解決したぞ?」

「はあ?一日やそんくらいで?」

「そんくらいで」

「……帰って寝るわ」

「おう、じゃあな」

「ええ」

 

相変わらず切り変えの速い奴だ。一気にだる気さを漂わせて神社の方向へ帰って行った。

 

 

 

○○○

 

 

 

人里へ到着。家に帰る前に、色々買い物をしていくことにした。

八百屋、魚屋、肉屋とか、今日の晩と明日の朝の分の食料をそこで買おうとする。

 

そこでは、どことなく洋風の雰囲気を漂わせる服を来た人をちらほらと見かけた。外来人では無い。鏡源郷の人々だ。

人里には、ちょうど二年くらい前に鏡源郷から旅行者が来るようになり、一年ほど前から定住する者も表れ始めた。

勿論、妖怪人間問わず、逆も然り、だ。

前あった洋菓子屋の姉妹も、一稼ぎしてくる、などと言って向こうに行ってしまった。

 

悲しいことではあるが、またいつか出会えるだろうと楽観的に思っている。

それに、だ。

あの姉妹もよりももっと美人な鏡源郷の姉妹が店をこっちで開いたのだ。悲しんでいる暇もあるまい。

 

さて、くだらない事を考えながら歩いていたら、家に到着した。

その頃にはもうすっかり夕暮れで、夕食時には丁度良かった。

 

調理を始め、鍋に火を着けた時に家の戸にノック音が鳴った。呼び鈴など無い。チャイムも。

 

そのまま来客の顔を拝みに小走りで行く。戸を開け、そこに居るのは鈴仙である。

 

「何用でしょうか」

「置き薬の点検を…はあ」

「使ってないですし、必要ないですよ。…どうしたんだ、ため息なんて吐いて」

「いや、あなたの波長はやっぱり操れないな、と思って」

「まあな、いつか俺の能力を越せるといいな。さ、帰れ」

「なんだかむかつく言い方。あれ?そんなに急かしてどうしたんですか?」

「鍋に火をかけたままっていうことを思い出したんだよ」

「ああ、これは失礼。ではこれで」

「おう」

 

うさぎ耳をぴょこぴょこと可愛く揺らしながら鈴仙は帰って行った。

 

 

 

○○○

 

 

 

…鈴仙の後ろ姿を見ていたら鍋を吹きこぼしてしまった。くそう、これだからウサ耳ってのは。

 

嘆いても仕方がないから、焦げた肉じゃがと失敗してお粥みたいになってるごはんを食べる。

ご飯の出来を見て、ぼやく。

 

「俺、パン派なんだよなあ…」




ご飯が不味いのは、ご飯のせいじゃない。夜霧さんのせいだぞ。
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