東方地霊殿 〜Terrene Animism.【完結】   作:LOORUME

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なんか書くのが面白くなってきた。


第2章 『夜霧』
8話目


 

 

地霊異変が霧雨魔理沙、博麗霊夢によって解決され、宴会も終わって数ヶ月経っていたが、私は今も異変の後始末に追われていた。

 

地霊殿の主の部屋で、私はいそいそと書類を纏めている。外に行ってお燐やお空と紅葉を楽しみたい。けれどその暇がない程仕事が忙しかった。

 

具体的に仕事は全て事務的なものだが、この地霊殿には秘書も事務員も居ない。ペットに働かせる訳にも行かず、妹に任せるのも少し不安だ。こうして、私は過労気味で働いている。

 

そんな忙しい時である。お燐が客人だ、と伝えてきた。こんな時期であるからして、八雲紫が打ち合わせなどに来たのかと思った。だが違う、と否定する。彼女ならば、訪問などせずこの部屋に直接やってくるはずだ。

 

では、一体誰が?

 

「失礼します」

 

入ってきたのは、青年と言う程育ってもなく、少年というほど幼くもない、つまり男子、とでも言うべき男だ。

 

その男子は、入るなりこう言い放った。

 

「こいしちゃんは、居ますか?」

 

はぁ?と私は思った。だって、いきなり知らない男が妹の在不在を確かめてきたのだ。訝しんで当然だろう。

 

「…ちょっと、心を読ませてもらいますよ」

「はい、どうぞ」

 

なんだか可笑しな男子だな、と思いながら心を読んだ。

 

 

男の名前は、尾反夜霧。十七歳。

少し幼く見えるのはその顔が故か、童顔というやつだ。そして、外来人。

 

さらに彼は、面白い記憶を持っていた。それは『東方プロジェクト』というシリーズで私やこいしが弾幕ごっこをしている、平面的な映像だった。

 

もう少し私は詳しく知るため、彼の記憶を遡った。

 

 

 

○○○

 

 

 

ここはどこ?わたしはだぁれ?

 

いやいや、僕は尾反夜霧だ。普通に覚えてた。

って、ふざけてる場合じゃない。ここはどこなんだ?

 

周りには木々が生い茂っており、夜間の助けもあってか周りに何があるのか全然わからなかった。

 

頭上には満点の星空。自分は肉眼で見たことがないほど奇麗だ。あまりにも奇麗なので、寝そべって仰向けになる。

自分の住んでいるところは都会だ。たぶんここは近所の公園か何かだろう。だから、野生の動物に遭遇する事はあり得ない、と確信して安心していた。

 

「わはー」

 

突然、自分の視界にぬっと金髪ロリ美少女が入ってきた。変な掛け声を言いながら。ん…わはー(・・・)

 

「返事が無いね、いただきまー」

「待て、待て」

「お、生きてた」

 

僕の推測によると、こいつは人喰い妖怪ルーミアだ。

さらに僕の記憶によると、妖怪はこの世に存在しないはずだ。まして、近所の公園になど出没する訳…。

 

いや、と思って首を使って周りをもう一度見る。

 

あ、ここ、この世じゃなくて幻想郷だわ。

あ、僕、幻想入りしちゃったわ。あ、やべ。

 

「お前は食べられる人類かー?」

「食べると全身に毒が回って死ぬぞ」

「でも人間なんだな、食べるよ」

 

おい、僕がそれでいいよ、とでも言うと思っていたのか。というか食べるよ、と言われた経験さえ初めてだし。

 

「待て。僕がもっと極上の人間がいる場所を教えてやる」

「お前外来人でしょ?知ってるわけないよ」

「それが知ってるんだな。幻想郷中の事を知り尽くしているぞ」

 

なんせ僕はこの前地霊殿発売してすぐにEXをクリアしたからな、と心中で呟く。

 

「ま、いいか。じゃあ教えてよ、何処に極上の人間が居るのか」

「それはだな、このお山のてっぺんに居るんだぞ」

 

俺が指差した山の上には赤いような目出度いものがうっすらと見えたから、博麗神社だろう。

 

「霊夢のこと?たしかに極上そうだけど、あいつ今ご機嫌だから。怒らすと恐いんだよ」

「なんでご機嫌なんだ?」

「なんかね、ちれー異変を解決して人里から奉納品を貰ったんだってさ」

 

地霊異変。確か東方地霊殿の異変には名前がついていなかったはずだが。でも、呼ぶ時に不便だからとか、そんな感じだろうと納得した。

 

僕は生きることを諦めるわけにもいかず、さらに粘った。

 

「いやいや、霊夢の他にもう一人極上の人間がいるんだ。保証するから、連れて行ってくれよ」

「そうなのかー?まぁ、いいよ」

 

ということで、博麗神社のある山の方向へと俺は歩いて行った。ルーミアはふよふよと飛んでいる。

 

 

空が白んできていた。




呼ぶ時に不便(主に作者にとって)
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