学校嫌いな彼と鮮烈な少女たち   作:勇忌煉

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第16話「なぜか逃げられない」

「ああ、クソッ!」

 

 俺はゲーセンにて格ゲーをしているのだが、最高難易度でやってるのでボロクソにされている。

 ぶっちゃけゲーマーってレベルじゃないからな。そこそこってレベルだ。

 飽きたのでゲームセンターから出る。今日は珍しく負け越しだちくしょう。

 

「やめだやめ。久々にやってみたらこれだよ」

〈ストラトスさんに言われた範囲、そろそろやりましょうよ……〉

「やだ、めんどいし。それにストラトスって誰?」

〈…………アイさんです〉

 

 ああ、アイちゃんね。

 

「ていうか範囲ってどこら辺だっけ?」

「数学と英単語です」

「ああ、そうだったな――え?」

「奇遇ですね、イツキさん」

「アイちゃぁん!?」

 

 いつからいたんだお前!?

 

「き、奇遇だねアイちゃん」

「ところでイツキさん。聞き捨てならない台詞が聞こえたのですが……?」

「さあ……なんだろうねー?」

「めんどいと聞こえたのですが――」

 

 

 ダッ(身を翻す俺)

 

 ガッ(その肩を掴むアイちゃん)

 

 

「私からは逃げられません」

「なぜだぁ!?」

 

 ホントになぜだ。アイちゃんから逃げることができない。

 もしかしてコイツ、未来からやってきた暗殺ロボットか?

 

「さあ、今ならまだ間に合います! 早く行きましょう!」

「いや何が!? 言ってることがまるでわからないんだけど!?」

 

 わかる奴がいるならぜひ教えてくれ。

 

「もちろん――」

「はいはい。どうせ勉強だろ?」

「――お手合わせですっ!」

「待て! どうしたら今の流れから戦うことになるんだ!?」

 

 なにコイツ、前から思ってたけどもしかしてバトルジャンキー?

 

「アイちゃんってバトルジャンキー?」

「違います。私はただ、本気のイツキさんとお手合わせしたいだけです」

「お断りだね。第一、やる理由がねえだろ」

「あります」

「なんだよ?」

「模擬戦の続きです。決着はまだ着いていません」

 

 まだ根に持ってんのかよコイツ。俺なんかとっくの昔に忘れていたぞ。

 ていうかそういうのマジ勘弁してくれ。普通にめんどくせえから。

 とはいえ、仮にここではぐらかしたとしてもまた迫られるだけだしなぁ。

 

「前にやったスパーで俺が勝った。あれも確か模擬戦の続きだったはずだ。だからもうおしまいだろ」

「確かに勝ったのはイツキさんです。ですが私には勝ったというより逃げたように見えました」

 

 あれ? 普通にバレてる?

 

「ですから、今度こそ逃げずに正面から戦ってほしいんです」

「…………」

「それとも、私に負けるのが怖いんですか?」

「……なんだと?」

「理由はどうであれ、逃げているのが何よりの証拠です」

 

 まさかそうくるとは思わなかった。

 そっかそっか、確かにそういう風に思われても不思議じゃなかったなぁ。

 

「……………………そこまで言われちゃあ黙ってらんねえな」

「……受けてくれるんですか?」

「ああ、受けてやるよ。その代わり――」

 

 俺は一旦言葉を句切り、アイちゃんにはっきりと告げる。

 

「俺が勝ったら二度と指図すんな」

「………………わかりました」

 

 という感じでアイちゃんと戦うことになった。場所はアイちゃんが勝手に用意してくれるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「えー、そんなわけでアイちゃんとやることになりました」

「だからなに? どうでもいいんだけど」

 

 家に帰宅し、今回の件をスミ姉に伝えたが見事に一蹴されてしまった。

 マジかよ。少しは興味を持ってくれると思ってたのに。

 

「だからなんだつってんだよ。テメエが勝手に買ったケンカだろうが」

「まあ、そりゃそうなんだけど――」

 

 大丈夫、スミ姉ならわかってくれる。

 

「――観に来てほしいんだよ」

「めんどくせえからやだ」

 

 やっぱりダメだったか。

 まあ、ここでオーケーされても慌てるしかなかったからな。

 

「ま、伝えることは伝えたから」

「ゴム買っとけよ」

「……は?」

 

 あんたは何を言っているんだ。

 

「輪ゴムだよ、輪ゴム」

「更正し過ぎて頭がおかしくなったか?」

「殺すぞ」

「サーセン。マジサーセン」

 

 このあと朝まで精神統一をしたよ。せっかく徹夜したんだ、最大限の実力を出せるようにしねえとな。

 それにしてもケンカか……ホントに懐かしく感じるな。

 あとは場所だけだ。なんとかしてくれよ、アイちゃん……!

 

 

 

 




《今回のNG》TAKE 3

「ま、伝えることは伝えたから」
「ガム買っとけよ」
「……は?」

 なんでガム?


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