学校嫌いな彼と鮮烈な少女たち   作:勇忌煉

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第21話「なぜ進歩してないんですか!?」

「んー…………」

 

 俺は今、アイちゃんが作成したという模擬テストをやっている。

 これがまたレベル高くてさ……まあ、かなり苦戦してるってわけだ。

 作成者であるアイちゃんは俺の監視をしつつ自主勉を行っている。

 ちなみにあの気まずい事件はまだ解決してない。さっきも聞こうとしたけど威圧されてしまった。あれめっちゃ怖いんだけど。

 

「アインハルトさーん!」

「あ、先輩もいる!」

「皆さん、少し静かにしてもらえませんか?」

 

 教室の扉が開いたかと思ったらヴィヴィオたちが現れた。

 大方アイちゃんと帰りたいから迎えに来ましたってやつだろうな。

 一応、ここは中等科の教室だしな。今は貸し切り状態だけど。

 

「どうしてですか?」

「模擬テスト中だからです」

「え? でもアインハルトさんがやってるのって自主勉ですよね?」

「私は試験官で、テストをやっているのはイツキさんです」

「イツキさんいたんだ……」

 

 ええ、いましたよ。お前ら気づくの遅すぎ。

 よし、あと半分といったところか。周りのことなど気にせずやっていこう。

 

「どんな問題やってるんだろ?」

「あ、ダメだよリオ! 先輩の邪魔しちゃ!」

「先輩だから大丈夫だよ!」

 

 全然大丈夫じゃねえよ。

 

「先輩っ! 調子はどうですか?」

「んー……イクスヴェリア」

「へ?」

 

 なるほど。確かここの問題は歴史だったな。どうりで冥王に関する問題が出ていたのか。

 俺はすぐさま解答欄にイクスヴェリアと書く。ふっふっふ、これでこの問題は終わりだ。

 

「い、イクスヴェリア?」

「うーん…………」

「リオさん。テスト中ですよ」

「えー!?」

「リオ、外で待っていようよ」

「はーい……」

 

 どうやらヴィヴィオたちは教室から出ていったみたいだ。まあ、今の俺には関係ないことだが。

 ていうかウェズリーよ、テスト中にカンニングはダメだろう。

 あれ、また歴史だよ。覇王と冥王はもう出たから残るは……聖王か。しっかし……

 

「聖王って誰だっけ――あ」

 

 オリヴィエか。

 

 

 ――そして数十分後――

 

 

「よっし! できたぞ!」

「では採点をしますので貸してください」

「あいよ」

 

 俺的には結構手応えあったからな。70点ぐらいはいってるだろ。

 特に歴史は一番叩き込まれたからそこそこ自信がある。

 

「……採点、終わりました」

「お、意外と早い――」

「10点です」

「――は?」

 

 は?

 

「じゅ、10点……? それ、100点満点だよな……?」

「はい。100点満点中、10点です」

「テメエふざけてんのか!?」

 

 さすがにあり得ねえだろそれは!

 

「…………ふざけているのはあなたでしょう?」

「はぁ……?」

「あれだけ勉強したというのに、どうやったらこんな点数が採れるんですか?」

「っ……!」

 

 確かにその通りだ。だけどそんなことは俺でもわからない。

 勉強してるときには解けた問題も、テストだと解けなくなる。なんでかはわからない。

 ただ言えるのは――今のままじゃ赤点は確実だということだ。今回の点数はまさにそれだった。

 

「……………………あー、はいはい。もういいわ」

「……イツキさん?」

「とりあえず帰るよ。テストも終わったし」

 

 なんかもう、疲れたわ。気まずい事件といい、今回の模擬テストといい……。

 俺は憂鬱な気分で教室から立ち去った。帰ってリラックスしよう。

 

 

 

 

 

 

 

「せ、先輩……?」

「んだよ?」

「アインハルトさんと何かあったんですか?」

「どうしたの急に。もしかして色恋沙汰でも嗅ぎつけた?」

 

 教室から出ると、アイちゃんを待っているであろうヴィヴィオたちがいた。

  最初に話しかけてきたのはティミルだ。どうやら察しは悪くないらしい。

 でもまあ、話しかけてほしくはなかったな。早く帰りたいし。

 

「いえ……ただ先輩が――」

「相変わらずちっせえな。揉むことすらできねえじゃんか」

「も、揉む? ――どこを見てるんですか!?」

 

 水平線なペッタンコを見ている。

 

「ああそうそう、アイちゃんはまだ残るそうだよ」

「え? 本当ですか?」

「うん。そんじゃ俺はこれで」

 

 これ以上話すとバレそうなので無理やり話題を逸らし、その場から退散する。

 さぁて、なんとかリラックスできる方法を探さなきゃな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、アインハルトさん」

「ヴィヴィオさん。どうかしましたか?」

「いえ、その……イツキさんと何かあったんですか?」

「……………………いえ、特に何も」

「だといいんですけど……」

「…………すみません。私は用事を思い出しましたので先に失礼します」

「え? あ、アインハルトさん!?」

 

 

 

 




《今回のNG》TAKE 37

「……採点、終わりました」
「お、意外と早い――」
「0点です。イクスヴェリアさん」
「――は?」

 は? イクスヴェリア?

「な、なんでイクスヴェリア?」
「…………名前の欄にイクスヴェリアと書いてあったからです。イクスヴェリアさん」
「うん。わかったから連呼するのやめてくれないかな」

 めっちゃ恥ずかしいから。


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