アンケートで束とルサルカの投票が多くてびっくりしました。diesのキャラが投票されるとは思っていませんでした。
アンケートの期間を延長したいと思います。詳細はあとがきで
「そこの劣等のガキはもらっていくぜ」
白髪のベイと呼ばれた男は誘拐犯たちに向かって駆け出した。その速度は人間の限界を優に超えており、一瞬で男の一人の懐に入ると、鳩尾を殴り付けた。
「オラァァ!」
「な!!」
殴られた男は腹に大きな穴を空け、後方に10メートルほど飛んでいった。そして工場の壁に激突し、壁に血がぶちまけられた。
「おいおい、やる気あんのかよ?あんま舐めてっとてめぇら一瞬で消し飛ばすぞ?」
「くそぉ!」
仲間が目の前で殺された男は懐から銃を取りだしてベイに向けて引き金を引いた。発射された銃弾はベイの眉間に向かっていったが、その銃弾はベイに当たることはなかった。
「そら、お返しだ」
ベイは銃弾を素手で掴んで、そのまま銃を持った男に投げ返した。男の眉間に銃弾が当たり、血飛沫を出しながら男は倒れた。
「なんなのよ!あんたは!」
女は現在起こっている状況が理解出来ず、喚きだした。いきなり工場に男が一人で入ってきたと思ったら雇った男が二人も殺され、こうしている間にも次々に蹂躙され、遂に女一人になった。
「そういやぁ名乗ってなかったな。聖槍十三騎士団・黒円卓・第四位、ヴィルヘルム=エーレンブルグ・カズィクル=ベイだ。名乗れよ、戦の作法も知らねえか」
「男なんかに名乗る名前なんか無いわよ!」
そう言って女はIS『ラファール・リヴァイヴ』を展開した。それを見たベイは心底楽しそうな表情を浮かべた。
「そいつが噂のISとかいう奴か……精々楽しませてくれよ?」
「舐めるな!」
女は両手にアサルトライフルを展開しベイに照準を向けた。ベイはそれを眺めながら一言呟いた。
「おせぇよ」
ベイはアサルトライフルの弾幕に正面から突撃し、それを全て回避していた。そして顔面に蹴りをいれた。ISは後ろに飛ばされたが、どうにか体勢を立て直して壁に激突することは避けた。蹴られた顔面はISに搭載されているシールドエネルギーによって弾け飛ばなかったが、衝撃は防ぎ切れていなかったのか、女の足元は覚束なかった。
「こんなのが最強の兵器だぁ?シュピーネならともかく、マレウスの形成にも及ばねぇぞ」
ベイはISに対して失望していた。シールドエネルギーの防御力は評価するが、それ以外は全然ダメだと考えていた。
(……すごい)
一夏はベイの戦いを見ていて、率直にそう思った。普通の人なら嫌悪感や恐怖心が出てくるが、一夏はベイの蹂躙する姿、圧倒的な暴力に魅せられた。そしてその光景を見て
(俺もあんな風になりたいな)
ベイに対して憧れに近い感情を抱いてしまった。
「まぁいい。とっとと終わらせるか」
ベイの纏っていた空気が突如変わった。今までも濃厚な殺気を辺りに撒き散らしていたが、その殺気が研ぎ澄まされたものに変化した。それを感じた女は全身を震わせ、ベイに背を向けて逃走を始めた。
「どこに行く気だ?……
ベイの体から血液に似た色の赤黒い色の杭が突如生えた。ベイはそれをマシンガンの如く連続で女に向かって射出した。射出された杭はISのシールドエネルギーと装甲を貫通し、操縦者の生命を守る絶対防御すら貫いて女に突き刺さった。杭は急所に当たっておらず、女は泣きながら一夏に助けを求めた。
「いやぁ……こんなところで…………死にたくない……助けて……」
一夏の拘束は既に解けており、近くに落ちていたナイフを拾って女に向かって
「断る。お前は助けたことがあんのか?」
死刑宣告と同時にナイフを振り下ろした。それだけで終わらず、何度も刺したり切り裂いたり、気付いた時には女は原形を留めていなかった。
「なかなかぶっ壊れてんな、このガキ」
一夏の精神は今までのいじめと自身の渇望の理解、ベイの蹂躙を見たことによって完全に変わってしまった。今の一夏は邪魔者に容赦がなく、殺すことに対して躊躇しなくなった。
「さぁて、とっととガキ連れて帰るか」
ベイは一夏に近づいていった。
「おら、さっさと行くぞガキ」
ベイは一夏の首を掴むと、凄まじいスピードで工場を出て、目的地に向かった。あまりのスピードに、一夏は目を回して気を失ってしまった。
「おいガキ……んだよ気ぃなくしてんのか……面倒だな」
ベイは一人愚痴をこぼした。
「なんだ……此処?」
一夏は目を覚まして周りを見て絶句した。そこは赤い絨毯が引かれ、天井や壁が黄金の廊下が広がっていた。
「起きたんならとっとと歩け。ハイドリヒ卿がお待ちだ」
そう言ってベイは廊下を歩いていった。一夏はそれを追いかけていった。
「此処だ、入れ」
ベイは目的の場所に到着すると、一夏に入室するように言った。
「ハイドリヒ卿、例のガキを連れて来ました」
「うむ、ご苦労だったなベイ」
部屋に入ると、そこには男性と女性が合わせて円卓に11人座っていた。そしてベイが席に着いて12人になった。しかし、席に一つ空きがあり、一夏はそれが気になった。
「ようこそ、我がヴェヴェルスブルグ城へ。卿の名前を教えてくれないか?」
一夏に話しかけたのは、廃工場で一夏が聞いた声の人物だった。その声の人物は腰まで伸ばした金髪に黄金の瞳を持った人体の黄金比とも言える体の男性だった。
「……織斑 一夏」
「それが卿の名前か。私は聖槍十三騎士団黒円卓第一位、ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒだ。我が爪牙らよ、卿らも名乗るがいい」
そうして、座っていた6人の紹介が始まった。
身長が2メートルを超えていて、生気を感じさせない第二位トバルカイン
金髪長身で眼鏡を掛けた男性、第三位ヴァレリア・トリファ
一夏を助けた白髪の男性、第四位ヴィルヘルム・エーレンブルグ=カズィクル・ベイ
金髪のどこかラインハルトに似た少年、第六位アイン・ゾーネンキント
服の上からでも分かるほどの筋肉を持ち、無精髭を生やした男性、第七位ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン
少し赤みがかったピンク色の髪の可愛らしい少女、第八位ルサルカ・シュヴェーゲリン=マレウス・マレフィカルム
赤い髪で顔の半分が火傷で覆われている女性、第九位エレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルグ=ザミエル・ツェンタウァ
肌が白く、どこか卑屈さを感じさせる雰囲気を持った男性、第十位ロート・シュピーネ
泣き黒子が特徴的な穏やかな顔の女性、第十一位リザ・ブレンナー=バビロン・マグダレーナ
白髪で右目にはトーテンコープの描かれた眼帯を着用している小柄な男性、第十二位ウォルフガング・シュライバー=フローズヴィトニル
そして
「はじめまして、私は第十三位、カリオストロ、パラケルスス、名前は無数にあるがカール・エルンスト・クラフトと名乗っている」
影絵のような印象の、どろどろした雰囲気が漏れだしている男性、第十三位カール・エルンスト・クラフト
「卿の渇望、しかと見させてもらった。女神の治世において、ここまでの渇望を抱く者は珍しくてな。そして、卿の魂の輝きが我が
そうして、ラインハルトは聖槍十三騎士団が創設した経緯から、諏訪原市で起こった出来事、その結果、黄昏の女神の守護者となったことなど、全て話した。
「これで全てだ。織斑 一夏。卿は我が爪牙となるか否か」
「俺は強くなれるのか?」
一夏はラインハルトに問いかけた。
「無論だ。卿にはその資格がある」
ラインハルトの言葉に一夏は覚悟を決めた。
「俺を入れてください」
「卿の答え、しかと受け取った……カール、彼に魔名と呪いを」
カール・クラフトの魔名はその者を指す通り名で、呪いはその者の生涯の宿業を自覚させるもので、当人にとってはあまり良いものとは言えない。
「君の魔名は
カール・クラフトの言葉に一夏は心当たりがあった。自身の努力が他者に認められたことなど、それこそ友人からしかなかった。
「さあ、ヘグニ=ドウェルグよ、我が爪牙らと共に黄昏の世を守護しよう」
織斑 一夏改め、ヘグニ=ドウェルグは黄金の獣の
アンケート期間を11月15日まで延長したいと思います。それまでにもう一話投稿出来ればしたいと思っています。