対魔忍もとい喰神忍 作:○坊主
なんとなく入れてみた。そんなお話。
かつては世界でも有数の都市であった場所。
その面影は存在せず、いまでは人の気配すらなく、特定の生き物が蔓延る世紀末な世界へと化している。
人間が支配していた時代に終わりを迎える少し前、ある研究者がとある細胞を発見した。
その細胞はあらゆる物質を取り込むことで様々な形態変化を魅せたことで、その研究者は今後人類にとって大きな変化をもたらすことの出来る新細胞として世界に広めていく予定だった。
だがその研究者の予測を超える速度で成長し始めたその細胞はミクロの微生物から数か月でミミズレベルの大きさになり、瞬く間に犬サイズまで進化する。それを知った時には手遅れで人だけでなく人工物すらも喰らうほどになっていた。
地球上の物質であるならば人工物であれ鉱物であれなんでも喰らう性質を持った生物はいかなる兵器も通用せず、そして自己進化を繰り返すことで人が届かないところまで成長を続けている。
“荒ぶる神”――【アラガミ】と呼ばれるようになったその生き物によって人口が100分の1になるまで追い詰められるが、研究者たちの意地と努力によって唯一対抗する手段を生み出した。
それが神機と呼ばれる兵器であり、アラガミの細胞を利用して逆に相手を喰らう対アラガミの最終兵器である。
日本と呼ばれていた国の都心部。
そこに鬼の面をした獣と相対する少女がいた。
少女は対アラガミ部隊――通称「
代わりに手に持つは二丁の拳銃。
愛用していると思われる拳銃を相対する獣に向けて引き金を引く。本来なら鉛玉が打ち出されるはずのその拳銃からは
1体がやられたことで近くにいた獣たちが少女に襲い掛かる。あるものは自慢の牙で喰らいつこうとし、あるものは尾に仕込んである強力な棘を射出して命を刈り取りにくる。
だが少女は瞬時にその攻撃に反応して飛び上がることで棘を回避。そして噛みつきに来た獣に照準を合わせて引き金を引く。
引き金を引きつつも周りの状況を確認しどの場所が危険か、攻撃タイミングはいつかを頭の中にたたき出す。
建物の壁を蹴って着地場所を強引に変えながら近づいてくるものから撃ち殺していく。
引き金を引き、撃つ。避ける。撃つ。避ける。撃つ。避ける。撃つ。避ける。撃つ。
発射された電磁砲が地面の土を強引に巻き上げ、煙幕を生み出す。煙幕によって視界を奪われた獣らは威嚇のためか吠えるが少女には通用しない。吠えたことで逆に居場所を予測して、再び撃つ。
それを幾多に繰り返し、ようやく少女は引き金を引くのをやめた。
辺りには30を超えるであろう獣の死骸。動かないことを確認した少女はため息をつくとその場から身を隠すように移動を開始した。
「あぁ、もう最悪だ」
日本でありながら
近代の日本ならば高層ビルが立ち並び、そして行き来する人の量が圧倒的に多いはずの場所に立っているはずなのにいくら見渡してみても誰もいないことがわかる。
コンクリートで固められた道路もまるで食いちぎられたように一部が消失し、本来存在しているはずのビルすらも崩壊したのか崩れており、完全な形で残っているものを見つけるほうが難しいほどだ。それにも関わらずこの場所がわかるのは自分が立っている場所が有名なスポットにもなっていた東京のスクランブル交差点だとわかる程度に形が残っているからだ。
なぜかつての日本の姿が無くなってしまったのか?
それは眼前にいる死体となった生き物が原因であると予測できる。最もあれを生き物と呼んでいいのかわからないが化け物とは呼ぶ気にはなれなかった。
その生き物は今を生きる動物とはかけ離れた容姿をしており、二足歩行をしている。鬼のような顔をに鋭い牙を持ち、自分の体と同じぐらいの大きさを誇る尾が特徴的だ。
“オウガテイル”
それがその生き物の名前。
有機物であれ無機物であれ目の前にあるものをなんでも食らうことの出来る最凶の生物【アラガミ】の一種だ。
確か2060年代辺りぐらいに発見された細胞があらゆる物質を捕食して取り込むことで爆発的に増殖し、成長して地球上の頂点に君臨する存在にまで成り上がった…んだっけ?
大枠でならわかるけど、細かい設定や資料なんかは適当に流し読みしてたから詳しいことはわからないのが今の現状だ。今がそのアラガミが生まれてどれぐらいたったのかとか、本編のどこら辺まで話が進んでいるのかとかこの状況を未だに飲み込むことが出来ていない自分ではわからない。
前述からわかる通り自分は本来この場所にいる人間ではない。
何故ならこの世界の人は知らないはずのアラガミの名前を生き物を知っているし、なんでこんなに荒廃しているのかもわかる。そしてなぜアラガミが発生したのかもわかっているのだ。
この世界はPSPで最初に発売されたゲーム『GOD EATER』の世界。
2010年に発売されてから肝であるハイスピードハンティングアクションを売りとしてかなりの人気を誇り、ハンティングゲームではモンスターハンターにも劣らないほどの人気を有するゲームである。
そんな世界になぜ自分がいるのかわからないのは当然だとして、割れた鏡に移った自分の容姿に愕然としたことも記憶に新しい。
綺麗な艶を保持した腰辺りよりも長い髪を持ち、見た目相応に引き締まった体。この顔もはっきり言って美少女だ。通りかかったらついつい見てしまうぐらいの。自分だったらそうする。だがそれが問題なのだ。この身なりはよく知っている。
容姿が変わってしまっているのは100歩譲ってもいい。
だがしかし、こればかりはどうにかならなかったものなのか。というのもこの容姿のキャラはある界隈の人間で知らない人は存在しないといってもいいぐらいの作品の登場人物だ。
そのキャラになっているおかげで戦えているのかはわからないが、正直言ってやめてほしい。
しかし寝てみても、頬をつねってみたりしてもこの現実から目が覚めることはなく、待っていたのはこれが現実だと言わんばかりの絶望感。
わかったよ。必死こいて生き延びて見せるさ。
オークだろうが触手だろうが乗り越えて生き抜いて見せる。
来いよアラガミ!オラクル細胞なんか捨ててかかって来い!
はい。自分、今日から対魔忍ユキカゼになりました。