ガンナーは神と踊る   作:ユング

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私は一体何を霊視したというのでしょうか・・・・
                             万理谷祐理の疑問より抜粋


第五話裏

今年、晴れて私立城楠学院高等部に入学した万理谷祐理は、朝から言い知れぬ不穏な気配を感じ取っていた。

身支度整えるのために使っている櫛の歯が折れ、いつも使っている湯飲みにひびが入った。

普通は偶然と切って捨てられるものでも、媛の位を持つ巫女たる祐理では話が違う。

彼女の持つ霊視能力は極めて優れており、彼女が不穏を感じれば何か良からぬことが起こる前兆なのだ。

 

(全身があわ立つほど強い気配・・・・・・ただの杞憂であればそれが一番ですけど)

 

そうはならないだろうと、彼女は思う。

自分の持つ霊視能力のことはよく分かっている。

この力が囁くのであれば、きっと何か大変なことが起こるのだ。

予感は予感に過ぎないと切って捨てるには彼女の力は大きかったし、何よりもその気配がこちらを押し潰すように存在を主張している。

霊視を除けば基本非力な彼女は、何が起こっても冷静に動けるように、心の準備だけをする。

 

「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいい。殺されるぅうううううううううううう」

 

そんな彼女の耳に悲痛な叫びが届く。

まるで強盗にでもあっているような、学校という舞台に相応しくない悲鳴。

その声を聞いた時、彼女は走り出していた。

平均よりも劣る身体能力だが、それでも駆け出さずにはいられなかった。

その意志に反して遅すぎる我が身を叱咤して、とにかく走る。

 

不意に、外から膨大な呪力の流れを感知した。

類稀なる霊視の才を持つ彼女は、その禍々しい呪力に圧倒される。

反射的に窓の外を見る。

 

そこで彼女が見たものは男の手の中で急速に成長する木であった。

平穏な日常からかけ離れた明らかな異常。

一瞬、彼が木に取り込まれようとしていると息を呑んだが、男から流れ込む呪力がそのことを否定する。

男はそのまま成長を利用してぐんぐん昇り、二階の開いている窓にするりと滑り込むように入った。

 

だが、本当の驚愕はここからだった。

用をなくした木がそのままひしゃげ始めたのだ。

如何なる力を加えられているのか、物体の体積、質量、密度など無関係といわんばかりに、どんどんひしゃげ丸まり小さくなっていく。

5~6mはあった木が、1cmあるかないかの大きさになって、それはようやく止まる。

その異常な光景に、万理谷祐理は硬直する。

何よりもその現象に呪力の使用を感知できなかったことに、そら恐ろしさを感じた。

 

魔術師にしろ呪術師にしろ、術を行使する際は必ず呪力を必要とする。

さきほど、木を成長さていたのもおそらく呪術に類するのだろう。

珍しいがまだ納得できる。

だが、そのあとのあれはなんだ?呪力を用いずにあんなことが出来るのか?

如何に神秘の世界に身を置く彼女であっても、否、神秘の世界に身を置く彼女だからこそ、今の力に得体の知れなさを感じずにはいられない。

 

(っ!呆けている場合ではないですね。今はこのことよりも先にやることがあります)

 

正気に戻った祐理は、そう自分に言い聞かせて走り出す。

 

(先ほどの悲鳴とあの男・・・・恐らく無関係ではないでしょう。なら、あの男が向った場所にいけばいいはず)

 

息を切らせて廊下を駆けていく。

すれ違う誰もが、息を走らせて走る祐理に眼を丸くしていた。

だから、地面に突き刺さる等身大の釘が人しれず消えていくことに気が付く者は誰もいなかった。

 

 

 

 

祐理が男のいるであろう場所、すなわち二階へ続く階段にたどり着いたのはすぐのことであった。

そこでは人だかりができており、容易に前に進めなかったが、それでも強引に人を掻き分けて前へ出る。

前へ出ようとする彼女に気が付いて、道を開ける人逆に通さないと止める者もいたが、聞く耳をもたず前へ出る。

 

「もう逃げられないぞ、観念するんだな」

「誰か・・・・・・誰か助けて・・・・・・・」

 

はたして、そこで彼女が見たものはすがるように助けを求める少女の姿であった。

顔を真っ青に染め、絶望一色に染まっている瞳は目の前の男しか映していない。

ただひたすらに助かりたい一身で男から逃げようと後ずさる。

だが、男は決して逃がさない。

誰も彼女を助けようとしないのは、助けるには遠すぎるからだろう。

下手に助けようとすれば逆に危険に晒されてしまう。

彼らには手をこまねいて見ているしかなかった。

 

邪魔もされない男は悠々と少女を階段の踊り場の隅へと狡猾に追い込んでいく。

ふいに、祐理と少女の目があった。

祐理はその少女の顔に見覚えがあるような気がした。

緊張の糸がきれてしまったのか、彼女は崩れ落ちる。

 

「その方から離れなさいっ!」

 

祐理は、後悔していた。

たどり着いた時、すぐに口を出すことをためらってしまったことに。

先ほど見た異様な光景の得体の知れなさ、そして背中から感じ取ることの出来るその威圧。

かつて会った老いた魔王に負けるとも劣らないそれに、記憶を刺激されてしまった。

その衝撃から彼女は口を閉じてしまった。

 

だけど、少女のあの顔を見たらそんなものは吹き飛んでしまった。

崩れ落ちる瞬間、彼女は見た。

迷子の子どもが母親を見つけたような、安心した笑みを。

あれだけの恐怖にさらされながら、少女は祐理を見て安心したのだ。

 

彼女が祐理に何を見出したのか、それは本人にしかわからないが、しかし頼られたのなら、それを見捨てることなど祐理にはできない。

これ以上のあの男の好き勝手にはさせない。

祐理の心に火が灯る。

 

「もう一度言います、その方から手を放しなさい」

 

男が少女を腕に抱え、振り返る。

サングラスをかけているため表情が読み取りづらいが、あからさまにため息を付いていることから、面倒くさそうな表情をしていることがわかる。

楽に獲物を追い詰めていたのに、それを邪魔されたと言わんばかりの態度だ。

鳥肌が立つほどの重圧を声に乗せ、彼は口を開く。

 

「いきなり出てきてそんな事言われてもな。一応理由を聞いておこうか」

「危害が加えられようとしている人を助けるのに理由が必要ですか?」

 

そう祐理が応えると、男が笑みを浮かべる。

嫌な笑みだ。まるでこちらを嘲笑っているかのように。

違う。実際に嘲笑っているのだ。

 

「悪いが、この子に用があってね」

 

これだけの数に囲まれているのに、悪びれもせずに堂々と言い放つ。

野次馬も多いが、祐理のように悲鳴を聞きつけて、同じように正義感で来た人だって多い。中には今にも飛び出しそうな人も見える。

だが、そんなものはものの数ではないと暗に言いはなったのだ。

ほとんどの人がその意味を理解し、怒りに駆られる中で、祐理は今の台詞に違和感を感じ取った。

この子という言葉を強調していたのだ。

まるで、その少女にこそ価値を見出しているかのような・・・・・・

まさかっ!

 

「この場で問題を起こすのは得策ではないと思いますが?」

「その通りだ。だが、それは君ら次第だと思うのだが?」

 

祐理は確信した。

言葉だけであれば、この場全員に言っているように聞こえるだろう。

君らが見逃してくれれば問題ないとこちらをとことん馬鹿にして言っているように聞こえるだろう。

だが、そこに込められている裏の意味、真意は違う。

さきほどの言葉は、この場にいる人たちに向けられたのではない。

祐理に向けられたものだった。

 

『少女を取り戻したくば、お前が来い』

 

祐理にはこう聞こえた。

 

祐理は少し前に見たある資料を思い出していた。

それは、正史編纂委員会から渡されて目を通した、この学院にいる潜在的に呪力の高い人間のリストだ。

そういった存在は裏の事情に巻き込まれやすいため、組織が裏で目を光らせているのだが、その中には目の前でぐったりと意識を失っている少女のことも載っていた。

祐理が見覚えあると思ったのは、そのせいだ。

 

そして、だからこそ彼女は彼に狙われた。

彼女の知っている情報、そして知識や経験が、彼女に最悪の想定を抱かせる。

 

(生贄ですかッ!)

 

祐理にかつてないほどの激情が駆け巡る。

以前、どこかで呪力の高い人間は高等儀式の格好の生贄になるという話を聞いた事がある。

そのほとんどが、狂気染みた儀式であるとも。

そんなものに、事情を知らない人たちを利用するという恐ろしさ。

 

そして今も。

これほど朝早く、しかも学校で行動を起こしたのは正史編纂委員会の手が出せない状況下を生み出すため。

下手な動きをすれば、彼も黙っていないということだ。

それが仮に先ほどの呪術や謎の現象を起こすことであれば、これだけ人がいる空間だ、被害は甚大なものとなるだろう。

そして霊視に特化している祐理にそれを防ぐすべはない。

大量の人質を取られたというわけだ。

 

何よりおぞましいことに、これだけのことを仕出かしても、本人は一切裏の事情を出すことなく、秘密裏にこちらに要求を突きつけているのだ。

一般人は何も知らずに利用されている。

 

吐き気を催す邪悪。

彼を表現するに相応しい言葉であった。

 

だが、どれほど激情に身を焦がそうと今の状況はほぼ詰んでしまっている。

男は、場を整えてしまった。

 

確かに、少女は潜在的には呪力が高い。

しかしそれはあくまでも平均値を一回り上回ると意味でだ。

媛巫女として己の力を高め続け、呪力を磨き続けている祐理の方が、生贄の価値として極上といえるのだ。

媛巫女という位は伊達ではない。

 

だが、男が自分からはっきり言わないのは、どっちでも構わないからだろうと祐理は考える。

我が身可愛さで少女を見捨てるか、それとも少女を救うのか。

たとえ祐理でなくても、少女がいれば別に問題なく、祐理が来れば極上の生贄が手に入ったと得するだけ。

そんなどっちであっても男が損をするということはない、茶番染みた選択。

されど少女を助けようとしている祐理に迷いはなかった。

ゆえに、彼女から話を切り出す。

 

「交換条件といきましょう」

「交換条件?」

 

分かっているくせに、白々しく聞き返す。

この男は楽しんでいる。

だけど、祐理には少女を見捨てると選択肢がないため、苛立ちを抑えて、話を続ける。

 

「私がその方の代わりになります」

「うん?話が見えないんだが」

「その方にしようとしていたことを私が全て引き受けましょう。あなたが私を嬲るというのであれば受け入れましょう。ですから、その方を放してください」

 

(実際は嬲るなんて言葉では済まない耐え難いものになるでしょうけど、それで彼女が解放されるのなら・・・・・・)

 

「ダメだよっ万理谷さん!あんな男のところに言ったらなにされるかわからないんだよ!」

「絶対酷いことされるよっ!」

「澤さん、宮間さん・・・・・・」

 

友人二人が壁になるように立ちはだかる。立ちはだかってくれた。

それだけで祐理は満たされた。

思わず弱音を吐きそうになってしまった彼女だけれど、それを押し殺して、振り切るように一歩前へ出る。

 

それに、まだ最悪の事態というわけでもない。

もし、この出来事が神社に勤めるものたちの耳に届けば、正史編纂委員会が動いてくれるはず。彼女の友人が動いてくれる。

そうすれば助かる可能性の方が高いのだ。

 

「私では役者不足だというのですか?」

「そんなことは」

「では交渉は成立ですね」

 

最後まで言わせなかったのは祐理なりの抵抗であった。

男は祐理が来るまで少女を手放す積もりはないのか、特に動きを見せなかった。

それを読み取った祐理は一歩一歩階段を上り、男に近づいていく。

しかし、後数段というところで予想外のことが起こる。

 

「いやぁ!」

 

短い悲鳴。

何かがぶつかる音と、宙を舞う少女の姿。

男を跳ね除けるように押した少女が、その反動で宙に投げ出されたのだ。

それを認識した祐理はすぐさま、受け止めようと腕を広げる。

だが、次の瞬間彼女は目を疑う。

 

黒い影が躍った。

男だ。

落下中の少女の腕を捕まえて、入れ替わるように階段の踊り場へと放り投げた。

そして、男は空中で身を翻して祐理を落下軌道上から外し、頭から落ちていく。

それら一連の流れはまるで早送りのようであった。

 

「危ないっ!」

 

その時彼女が動いたのは、やはり反射のようなものであった。

理由なんてなかった。ただ、思考するよりも先に身体が動いたとしか言えない。

何故敵を助けたのか。

そう問われたのなら、彼女は凛としてこう返すだろう。

危害を受けようとしている人を助けるのに理由は要らない。

そう応えたのは他ならぬ祐理である。

そしてそんな彼女だからこそ動いたのだ。

 

咄嗟に飛び出した祐理は、男の腕を掴む。

そのまま引っ張りこもうとしたが、非力な彼女でそれが叶うはずもなく、また前のめりになっている彼女が男の体重が加わった重力に逆らえるはずもなく、一緒に落下に巻き込まれていく。

来る衝撃を想像して、祐理は思わず目を閉じてしまう。

 

「?」

 

だが、想像に反してあまり衝撃が来なかった。

結構な高さから落ちたというのに、大した衝撃はなかった。

 

「万理谷さんが落ちたぞぉー!?」

「だ、誰か保健室に!」

 

場が騒ぐ。

祐理は起き上がり、自分の状態を確認する。

特に痛いところはない。

 

「万理谷さん大丈夫!?」

「えぇ、私は大丈夫なのですが……」

 

しかし、祐理にはその理由が分からない。

それにあの男も一体どこへ行ったというのか。

 

「大丈夫なら、さっさとどいてくれるとありがたいのだが」

 

その疑問にこたえるかのように、祐理の下から恨みがましい声が届く。

目を下に向けると、そこには仰向けに男が横たわっていた。

祐理は男を敷く形で座り込んでいたのだ。

 

「重くはないが立てないんでね」

「え、ぁ、すぐにどきます」

 

(助けられた?でもどうして・・・?)

 

生贄目的であればどちらかが無事であればいいはず。

だが、二人とも助けたのはどうしてだろうか?

まさか土壇場になって欲が出る男でもないのは話していてわかる。

では何故?

 

「っ!万理谷さんこっち!」

「よし、女子はそのまま離れてろ!万理谷さんと階段の子を頼んだ!」

「この野郎!よくも好き勝手してくれやがって!」

「溜まりに溜まった鬱憤を晴らさせてもらうぜ!」

 

友人に身体を引っ張られ、祐理の中の疑問は答えの出ないまま、強制的に遮られる。

残された男は、血の気の多い男どもに囲まれる。

蹴る殴るの制裁を加えられる男。

祐理はやりすぎではと思い、止めに入ろうと割り込んだが、他の人が彼女を止めて出来なかった。

結果誰も止めようとする人物はいなくなった。

やがて、誰かの拳が男のつけていたサングラスが霞めた。

飛んでいくサングラス。

同時に、彼の表情が露わになる。

 

殴られて青あざだらけになった顔。

鼻血も垂れて、唇からも血が流れ落ちていた

だが、それでもその圧倒的闇を讃える眼に陰りなど一欠けらもない。

深く、暗く、蠢く、静かに、あらゆる負の感情が渦巻いていた。

 

「うわぁあああああああああああああああああああああ―――――!」

「なっ・・・なん、なんだよこいつぅ!?」

「ひぃっ!?こ、こっちみんじゃねぇ!」

「ひぃ、きひひ、きひひひひ、あああはははははははあはは」

 

悲鳴が上がる。

恐怖に怯える声が届く。

狂ったような笑い声が響く。

 

――――その中心には、サングラスのない素顔を晒した男、田中太朗の姿があった。

 

(これは精神汚染っ!?)

 

祐理は彼らの症状を看破した。

しかし、これもまた得体の知れない力が働いているのか、呪力の流れを感じ取れなかった。

そんな力を男は複数もっているというのか。

 

「どいつもこいつも好き放題してくれる」

 

これだけの状況を生み出した本人は悠然と立ち上がり、祐理に近づいていく。

祐理はその眼を見てしまった。

いや、視てしまった。

 

色彩をなくした世界に立っていた。

人のいなくなった学校。

どこを見渡しても白と黒しかない、現実味をなくした世界であった。

やがて白黒の世界に変化が訪れる。

最初は小さな変化だ。

遠くで何かが開くのが見えた。

今度は比較的近くの壁に。

それは大きな眼だ。

次々と開いていく大きな眼だ。

眼は天井知らずに開いていき、壁、床、天上をどんどん埋め尽くしていく。

それが夥しい数になった時、それらは一斉にこちらを見る。

 

あまりの恐ろしさに息を呑む。

 

背筋が凍りつきそうな恐怖に身を震わせるも、祐理はそれら一つ一つに感情が浮かんでいることに気が付く。

 

嫉妬、憎悪、憤怒、絶望、悲哀、嫌悪・・・・・・。

あらゆる負の感情が浮かんでいることに・・・・・。

 

意識を取り戻したとき、祐理が悲鳴を上げなかったのは、彼女の強い心の為せた技だろう。

それに、依頼で魔道書などを霊視するときも大きい。あれらの中には時として精神的にきついものもあった。

だが、そんな彼女であっても、疲労困憊の状態に陥ってしまった。

あの霊視はそれほどまでに彼女の精神力を削り取っていた。

 

「クマさん曰く、俺の負倶帯纏(コンプレックス・コンプレッサー)は取り返しが付かないそうだが・・・・・・」

 

どこにもっていたのだろうか、いつの間にかその手に大きな釘を持っていた。

この場にいる人間は、この場の全てが歪んでいくような感覚に恐怖した。

 

「全員釘付けにするくらいは構わないだろう?」

「『いやいや、ほどほどにっていったじゃないか』」

 

その手を振りかぶった瞬間、太朗は思いっきり吹き飛び、壁に激突した。

右腕が折れる鈍い音。

階段から新たに飛び降りてきた男が、太朗にとび蹴りを食らわせたのだ。

 

「『まったく、なんか騒ぎが起こっているから見にきたら、案の定太朗ちゃんだったし。太朗ちゃんは一度ほどほどの意味を知ったほうがいいよ』」

「・・・・・ありがとうクマさん。おかげで頭が冷えた。少しかっこ悪いところ見せたかな」

「『あはは、気にしないでいいよ。僕たちにとってそんなのは日常茶飯事なんだから』」

 

右腕の骨が折れているというのに、折られた側が礼を言うという異様な光景。

新たな男が手助けして立ち上がった太朗はサングラスを右腕(・・)で拾う。

意味不明であった。

先ほど折られていたというのに、今はもう直っている。

もはや、祐理の理解の範疇を超えた出来事であった。

 

「すまなかったな。それと、疲れているところ悪いがこの人形をあの少女に渡してくれないか。彼女の落し物だろうからな」

「『あー、太朗ちゃんってば一年生をパシリに使うなんて~。それも女の子を。よっ、この不良!』」

 

人形を手渡される祐理。

この惨状をものともせず、和気藹々とじゃれながら去っていく彼らを見送る祐理は、気持ち悪いものを見る眼であった。

やがて、色んなことがありすぎた祐理の精神は限界を迎えたのか、祐理の意識は黒く塗りつぶされる。

祐理は倒れこむ寸前、何か暖かいものに抱きとめられた気がした。

 




作者はがんばった。
勘違いも難しいが原作のキャラを書き出すのも難しいの・・・・
てか霊視ってこんな便利なものでもないだろうに・・・
人間の限界なんてこんなもんだ。

まだまだ精進あるのみですね。
というわけで、次回もよろしくお願いします。

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