メトロンは女の子です。
「こんなのウルトラセブンじゃない!」と思ったらすぐに別の作品で口直ししましょう。
すっかり暗くなった帰り道を俺は一人帰っていた。
いつものようにウルトラ警備隊の任務で遅くなった俺の手元には、惣菜と発泡酒の入ったコンビニ袋。
未だ独身で地元から離れて仕事をしているため、一人で晩酌することが多い。
気楽といえば気楽だが、たまに人肌が恋しくなるときがある。
今日は最近肌寒くなった気温のせいか、いつもよりも孤独感を感じる夜だ。
こういう日は誰でもいいから他人と過ごしたいものだが、だからといって・・・
「やあ、ウルトラセブン。待っていたよ」
異星人にいられても困るというものだ。
なぜか独り身のはずの俺の部屋に堂々と居座る、見た目は美人の赤毛の女。
しかし外見に騙されてはいけない。こいつは人間どころかこの星の生き物ですらない。
こいつはメトロン星人。地球を支配するためにやってきた異星人だ。
「遅くまでご苦労だったね。風呂を沸かしてある、ゆっくり浸かってくるといい。
あ、またそんな不健康な物を買ったのかい?全く、私がちゃんとした食事を用意したから風呂から上がったら食事にしよう」
「・・・その前に聞きたいことがある」
「ん?なんだい?」
かわいらしく小首を傾げながらこちらを見るメトロン星人。
もしこいつがただの人間だったら惚れていたかもしれない。
「なんでここにいる?」
「なんでって、前に言っただろう?これからはキミの世話は私がすると」
それは1か月前のこと、こいつの人類抹殺計画を阻止し撃退した俺だったが、その1週間後、突然こいつは俺の部屋に押しかけてきた。その際、今のように一方的に俺の世話をすると言い出したのだ。
はっきり言って何を企んでいるのか分かったものではないが、本人が心を入れ替えたといっている手前、俺もなかなか手を出しづらいのが現状だった。
「・・・何を企んでる?正直に言わないとまたアイスラッガーをお見舞いするぞ」
「そういうことはもう少し夜が更けてからにしよう」
「・・・どういう意味だ?」
「そういうプレイがしたいんだろう・・・?君も好き者だな」
「違うわ!」
「照れなくてもいい。かくいう私も、あの時の痛みが忘れられなくてね。」
「ちょ、おま・・・」
「わかりやすく言うと、あの時の痛みがクセになってしまって、思い出すたびに・・・あぁっ・・・!」
「黙れこのクソ宇宙人があああああ!」
「いいよ!もっと罵ってくれ!もっと私を傷つけてくれぇっっっ!!」
「抱き着くな!そこは・・・やめっ・・・らめええええええええええ!」
そして今日も、地球の平和とは関係ないところで死闘が繰り広げられるのだった。
つづく・・・予定はない