オーバーロード~割と日常で桃色な日常の結末~ 作:へっぽこ鉛筆
一気に、2話書き上げてしまった。
やっぱり、女騎士と王女さまには、雌堕ちEDが良く似合う。
そうだろ、みんな
私は、聖王国では多分、模範的で幸せな女性だったと思う。
多少他人より裕福な自作農の家に生まれ、幸運にも優しい両親に育てられ、多少の努力はあったが、恵まれた容姿と女性的な肉体を持ち、運命的に、素晴らしい男性と婚約し、生涯を共にする手前――
そのすべての幸福を台無しにする悲劇が、その身に降り注いだ。
ヤルダバオトの襲来である。
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自身の村を襲った悪魔と亜人の軍隊、最初は、何かの冗談か夢としか思わなかった。
山羊の化け物が、婚約者を殺し、悪魔が私の身体を捕らえ、他の村人とともに薄汚い家畜小屋のような場所に監禁され
それでも、これは現実ではない。何かの夢だと思い続けた。
でも、、それは紛れもない現実・・・
つらい労働、家畜のような扱い・・・殺され、食料にされる。のは、まだ、幸せな方だった。
その、美しい髪を切られ、ギロチンのような台に拘束された私は、服を脱がされた。豊かな胸にふくよかな腰を晒し、悪魔がその背中の皮を剥ぐ・・・子供、女性、さらに私の悲鳴が小屋の中に響く、そして、毎日・・・でも、その日常も、悪魔の作り出した地獄すらも、本当の恐怖と絶望ではなかったのを知った。
その皮を剥ぐ役目、いつものように拘束された私は、瞳だけで後ろを確認する。そこには悪魔の姿はなかった。
代わりに人間の姿、村の・・・いつもお父さんに頭を下げ、へらへらしている使用人の男だとすぐにわかった。
それが、私の服を脱がせ、背中にナイフで切り裂く
乳房を揺らし、痛みに耐える私を見て笑う男・・・気持ち悪い悪魔が、いつものように魔法をかけ、身体を元通りにする。
男は、その悪魔に媚びを売りながら、舐めるように私の身体を見た。いつもなら、悪魔が枷から外し、私を家畜小屋に連れていくはずだが、今日はそれがない。
男が、言葉をかける。「いつも、こき使いやがって」「いつか、この胸を好きにしてやりたかった。」そして、革を裂かれるより、大きな絶叫を上げる。他の小屋からも、同じような悲鳴と、肉を打つ音が聞こえた。
それ以来、私は、男性と同じ部屋にいる事が出来なくなった。男性を見ると、恐怖に震え、吐き気を催す。
そんな、人間と悪魔の作る地獄の中、何度も自殺をしようと試みた。でも、出来なかった。
男の行為・・・その結果、私は不義の子供を妊娠していた。
妊娠し、腹部が大きくなるにつれ、男に凌辱されることもなく、悪魔が皮を剥ぐこともなくなった。
わずかな希望、本当にわずかな希望を与えられた私
その希望から、また地獄に落される。
産み落とした赤ん坊を取り上げた悪魔・・・やけに、やさしい声音のそれは私にこう言った。
「エライですよ。この調子で交尾して、どんどん家畜を生産してくださいね。」
その言葉の意味は、すぐに分かった。
ああ、生まれた子供も、私と同じ運命をたどるんだと・・・
乳房を吸い、泣き声を上げる赤ん坊を取り上げられ、また、地獄が繰り返される。
恐怖、絶望・・・そして、憎しみ・・・悪魔を、亜人を、凌辱者たる男たち、助けてくれない聖王国の聖騎士達
そして、いつだろうか、いや、いつもの悪魔が、その日に限ってこなかった。
騒がしい外、他の捕虜・・・その小屋には、女性しかいなかったが、外の様子を気にする。
そして、私は見た。私を捕まえ、地獄を作った亜人・・・それが、炎に焼かれる姿を
その、炎の主はアンデット・・・まるで、悪魔を地獄に送る恐怖の権化、死の支配者
しかし、私はその死の支配者に何故か恐怖はしなかった。むしろ、その力、そして神々しいまでの魔力に畏怖すら感じた。
彼こそが、私たちを救う神なのだと・・・
その後、私はカリンシャで、彼の王・・・アインズ・ウール・ゴウン魔道王陛下の伝道師、ネイア・バラハ様の洗礼を受ける。
絶対者たるアインズ魔道王閣下、その僕として、ネイア様の御言葉に救われたものとして・・・
すべての不義に、鉄槌を――
「やめろ、やめてくれっ・・・」
何度目かの哀願の言葉をレメディオスは女にかける、しかし、その言葉を待っていたかのように、女は鞭を振り下ろされた。
皮膚を裂き、そして、肉を打つ音、しかし、それはレメディオスにではない。
女は、その言葉を無視し・・・いや、その言葉に触発され、さらに鞭を強く打つ
影のある表情だが、目はらんらんと輝き、取り付かれたように、肩まで伸ばした髪振り乱し、同性に責めを与える女、まるで、何かを憎み、復讐するかのように・・・
「あっ、くっ・・・ううっ」
苦し気に声を上げる人物から目を逸らす。しかし、声は嫌でもレメディオスの耳に入る。
苦痛の声を上げたのは、この国の聖王女、カルカ・ベサーレス・・・いや、元聖王女と言うべきか、今は、魔女裁判の容疑者として収監された、囚人カルカ・ベサーレスと言った方が良いかもしれない。
いや、そんなこと、認められるはずがない。カルカ様が、この国の民を、未来を誰よりも思っていたカルカ様が、なぜ、魔女などと言われねばならないのだ。
「魔女カルカ・ベサーレス、魔女としての罪を自白し、悔い改めますか?」
その言葉を発した人物を、レメディオスは、殺気の篭った視線で睨みつける。白い、金糸のローブを着た女、顔は大きなバイザーで隠す女、かつては従者として共に魔道国に赴き、そして、魔道王に与する聖王国最大の敵――
「――ネイア・バラハ・・・やはり、あの時、殺しておくべきだったな。」
「相変わらずですね。聖騎士カストディオ“元”団長・・・弱者としての自分をわからず、魔女の言葉を信じる愚かな女・・・」
「愚かなのは貴様だ。こんな茶番・・・一刻も早く、聖王女、カルカ猊下を解放し、お前のふざけた教団を解散させろ。」
まさに、その視線だけで人をすくみ上らせるほどの気迫を放つレメディオスだが、ネイアは涼しい顔で表情を変えない。いや、隣にいる女の方が、激しい憎悪を顔に浮かべている。確か、亜人の収容所に捕らわれていた。ネイアの世話をしている女だったはずだ。
「バラハ様、まだ、魔道王閣下のすばらしさに気付かぬ魔女には、責めが足りないようです。アレをお使いになった方がよろしいのではないですか?」
「そうですね。カストディオ元団長、目を離さずに見ていてください。この拷問、収容所の中では日常だったらしいですよ。このような悲劇が起こったのも、あなたが弱く、この魔女の言葉をいつまでも信じたから起こったのです。」
女が、喜々として篝火の中から何かを取り出した。真っ赤に焼けた、イチジクのような形のモノ・・・それを見たカルカの顔が青くなり、小さな悲鳴を上げる。
吊るされていた足が、拷問吏の手によって開かれる。カルカが狂ったように首を振り髪を振り乱す。焼けた鉄・・・燃えるモノを見てヤルダバオトを思い出したのだ。イチジクを持つ女は「私は、男たちに・・・」「赤ちゃん・・・私の・・・」と、薄暗い声を漏らす。そして・・・
――チョロチョロチョロッ・・・・・・
あまりにも間抜けな水音、それが、イチジクにかかり蒸発する音が聞こえた。煙には、アンモニアの匂いと猛烈な臭気を放っている。カルカは、俯き、白い肌を羞恥で紅潮させていた。
馬鹿のような笑い声・・・いや、カルカの羞恥を煽る声が地下室に響いた。それを聞いて、ケメディオスは唇が切れるほど噛む、こんなことが起こったのは、明らかに自分の責任だったからだ。
カルカ・ベサーレスの復興計画は、お世辞にもうまくいっていなかった。
人員、資源、食料、時間、すべてが足りない中、場当たり的な対応を繰り返すツケは聖騎士、官僚、さらには国民に広く払わされることになり、さらには、絶対に責任を取りたがらない貴族たち、すべての憎悪は、聖王女、その側近のレメディオスに集められることになった。
そんな中、救世主のような存在は、ネイア・バラハ率いる魔道王の力を信奉する教団、バラハ教団だった。ちなみに、ネイア自身はそのように名乗ったことはない。ただ、この“顔無しの聖者”は、魔道王国から沢山の資源に資金、そして、労働力としてのアンデッドを借りてくることで、すぐに有名になった。
最初は、嫌悪感をもって接し、アンデッドを信用しなかった国民だが、この国で、アンデッドの王が成したことは広く知っていた。そして、畑を耕すスケルトンや、亜人から村を守るデスナイトを見て考えを改めた。
本当の王、慈悲深き不死の王・・・アインズ・ウール・ゴウン
その言葉は、復興の苦しみの中、わずかな希望として、麻薬のように人々の心に蔓延し、野火の様に国中に広まって行く
当然、聖王女の政策も、時間とともに効果を発揮はしたが、バラハ教団程、求心力も即効性もない。そして、いつしか国内を政治的にバラハ教団が台頭するようになって・・・
レメディオスは、ネイア・バラハを逮捕する。罪状は騒乱罪だった。
当然、各地で暴動が起きた。既にこの時、バラハ教団の信徒・・・いや、ネイアの言葉に助けられ、魔道王国の国力に助けられている者は100万を超えている。これがすべて決起すればどうなるか、ケメディオスは全く考えていなかった。いや、周りの参謀や、副団長は止めたが、彼女の単純な思考は、中心人物さえ黙らせれば、後は、カルカ様のすばらしさに気付くだろうと単純に考えたのだ。
その後の流れは、まさに、歴史の教科書の様に教科書的だった。
まずは、各地で暴動、それを貴族が抑えきれずに迎合し、各地の信者が首都に行進・・・刑務所に捕らえられたネイア・バラハを奪還、その後、王城を包囲・・・聖王女カルカ・ベサーレスを逮捕、罪状は魔道王の言葉に背いた魔女としての容疑だった。
辛い拷問による尋問は、昼夜を問わず続けられた。
サディスティック・・・いや、狂信的な女性審問官は、レメディオスの前でカルカを甚振り、責め続けることに執着した。まるで、自分がされたように、徹底的に・・・その、憎悪がカルカに何よりも恐怖を与えた。
さすがに、焼けたイチジクは使われなかったが、乳首や秘芯をつぶされ悲鳴を上げた。背中の皮を剥がれた時には、泣きわめきもした。鉄のブーツを履かされた時は、恥も外聞もなく失禁した。
そして、何よりもつらかったことは、恥辱と屈辱にまみれた姿を、レメディオスにみられることだった。
何度も何度も「やめてくれ」「私を拷問しろ、卑怯者」と叫ぶしかできないレメディオス・・・朦朧とする意識の中、最後の支柱が削られるような行為
そして、カルカが・・・それを見せられていたケメディオスの精神が、限界まで摩耗したとき
カルカ・ベサーレスは自分が魔女であることを自白した。
ボロ馬車は、未舗装の道で盛大に揺れながら囚人たちを連れ進んでいた。
そんな、馬車の上、ボロ布を頭からかぶった囚人たち・・・聖王女派閥で最後までネイア教団に抵抗した20人程度は、疲れ果てた顔で恐怖に震えていた。ネイアは、重犯罪人をアインズ・ウール・ゴウン魔道王国に引き渡すと宣言、その第一陣として、私たちは馬車で魔道国に運ばれる途中なのだ。
鎖に厳重に繋がれ、拘束されたケメディオスも、そんな囚人の一人だった。その隣で眠る。カルカ・ベサーレスは、この揺れる粗末な場所なうえで安らかな顔で眠っている。
思えば、逮捕、拷問、宗教裁判、判決まで、まったく、眠れない日々だったのだ。さらに、先ほどは、罪人として、聖王都の目抜き通りを歩かされ、民衆の憎悪、罵声、そして、汚物を投げつけられ、精神も肉体も限界まで痛めつけられていたのだ。
今ぐらいは、眠らせてあげたい。そして、せめて安らかに・・・
あの、アンデッドの魔道王も、その程度の慈悲はあるだろう。
汚れ、痛み、汚物が絡まる髪を手で撫でてやりたかったが、手枷をされた今では、それもできない。
ならば、寄り添い、同じ時を同じ場所で過ごそう。
こんな、子供のような安らかな顔は、いつ以来なのだろう・・・褥で同衾したときも、民たちを前にし笑顔を見せるときも見せなかったカルカ様の安堵の表情
私は、結局、本当の彼女を守ることなどできていなかったのだ。
自分も疲れているのだろう。揺れる馬車の中、瞼に重みを感じる。
今はせめて、この時間だけは、彼女を守る真の騎士として・・・
それが、聖騎士として・・・カルカ様に剣を捧げた自分にできる。最後の忠義なのだから・・・
馬車の揺れが止まった?
(・・・ここは、どこだ?)
レメディオスが目が覚めた場所は、薄暗い・・・永続光の冷たい光が差し込む部屋だった。
冷たい台に寝かされているのだろう。拘束され、動かない首、目だけを動かし周囲を確認する。
「おや、お目覚めですか?それは良かった。」
澄んだ声・・・深みがあり、相手に好感を与えるような声の男が、レメディオスを見下ろす。
人間、いや違う。スパイクの付いた尾を伸ばし、耳や肌の色にわずかに違和感を感じる。さらに、レメディオスの野生の感が、この男・・・南方のスーツと言うものを着た男に警戒感を発している。
これは、本当の邪悪・・・もしかしたら、あの――
「このまま、処置をしようと思ったのですが、お楽しみを眠ったまま始めたのでは、私も、アナタにとっても悲しい事です。」
あの、悪魔以上の存在を想像した。この亜人・・・いや、この声は聞き覚えがある。まるで、他人の心の中に入り込んでくる耳触りの良い声・・・まさか、まさか・・・ッ
「き、貴様・・・ヤルダ、バオト・・・なのか、死んだはずではッ」
確かに、着ているスーツなどは似ている。しかし、奴は死んだ。いや、生きているという事は――
「おやおや、懐かしい名前ですね。今の私は、デミウルゴスと申します。以後、お見知りおきを・・・名乗ったばかりで恐縮ですが、偉大なる御方を待たせるのは不敬ですので・・・おや、こちらも始まったようですね。」
何が?その言葉に、隣にも人の気配を感じる。女の言葉で「・・・オニイサマ」「・・・クワイエッセ」と呻くような声、それに気づいたのか、デミウルゴスが首の拘束を外した。隣の台を見て、レメディオスが驚愕する。
癖のある金髪に、女性らしいふくよかな肢体の女が寝かされていた。いや、これは人間なのか?妙に小さなシルエットに感じたのは、四肢がないからだ。大きく膨らみ、妊娠線が浮かんだ腹部が痙攣し、陣痛の痛みの中、幸せそうなうわごとを繰り返す。
そして、その女と目が合ってしまった。紅い瞳は幼さすら感じ、猫の様に笑う女・・・その顔には、狂気・・・いや、壊れた精神の者だけが受けべる幸福感がそこにあった。
「はぁ・・・彼女はもう、駄目ですね。長年、アインズ様の御慰撫に努めてくださったのですが・・・実に心苦しい。」
「アインズ、だと・・・まさか、貴様ッ――」
思わず、言葉を荒げる。その顎を・・・悪魔が押さえつけた。華奢な身体から想像もできない握力だ。
「これからは、アインズ様とお呼びするように・・・まぁ、こういう無知な動物を調教・・・いや、教育することも、御方の楽しみと言うものですね。おっと、話が長くなりました。」
そして、手を離せば、あきらかに斬れない、赤く錆が浮かんだのこぎりを取り出す。
「あなたは光栄に思わなくてはいけませんよ。偉大なるアインズ様の、ペットになれるのですから・・・そのために、手足を失うなど、安いものですね。」
「き、貴様ぁぁぁっ――」
怒り、憎しみ・・・激しい感情が爆発し、絶叫を上げる。いくら動こうとしても、拘束は外れることはない。そして、隣の女が馬鹿のような嬌声を上げ「――ウマレルッッ」と、股の間から赤黒いものをヒリ出した。
それが何なのか、考えたくもなかった。そして、私がそうなるのだとも・・・いつか、壊れ・・・
激しい、沸騰するような感情と絶望を感じるレメディオスの右腕・・・二の腕あたりを、笑顔で・・・とても楽しそうな表情でデミウルゴスが鋸で肉を削り始めた。
カル「おめでとう。」
ケラ「おめでとう。姉さま」
レメ「うん、私はこれからは魔道王の愛玩動物として頑張るぞ。」
ネイ「魔道王閣下のペット・・・いいなぁ・・・」