ハイスクールD×D 駒王学園の第三勢力 作:空☆条☆承☆太☆郎☆
今回こそは続けていけたらと思います。
始動
駒王学園。そこは最近になって女子校から共学化された進学校である。男子に対して女子の割合がまだまだ多いのがこの学校の特色である。
俺はある組織に所属していて、そこのトップからとある命令を受け普通の高校生として通っている。そして、俺の名は…
「比企谷君。ブツブツとさっきから独り言がうるさいのだけれど、少し…いえ、永遠に黙っていてもらえるかしら?」
俺の斜め前の席から唐突に物騒なことを言いだしたこの女は雪ノ下雪乃。俺の一応上司にあたる人間だ。
「いや、いきなり酷くない?永遠にっておまえ、死ねって遠回しに言ってんじゃねえか。それに、独り言じゃないぞ?俺は状況の説明をしてただけだ」
そして、いましがた罵倒された俺の名前は比企谷八幡。別に普通の高校生っていうわけではない。
「あら、一体どこの誰に?あなたと話をするような友達なんているわけないし…まさか、最近流行りのエア友達とかいうのをあなたも飼っているのかしら?」
「チョイスが古いよ。あと仮にも友達なんだから飼うとか言うな。そういえば、終わり方が色々と物議を醸してたな。ていうか、なんでラノベのネタを知ってるんだ?」
「飼うではなく買うだったわね。ごめんなさい。あとこれは偶々クラスで喋っていた男子たちから聞こえてきたのよ」
「さいですか。…そういえば、他の奴ら遅いな。なんか知らないのか?」
「由比ヶ浜さんは、友達と少し話をしてから来ると言っていたわね。衛宮くんは、生徒会の備品の修理をしてから来るとさっきメールが来たわ。遠坂さんもそれに付き合ってから来るそうよ」
俺のその問いかけに雪ノ下は読んでいた本のページを繰りながらそう答えた。そして俺はある疑問を覚えた。
あれあれ?俺のところには何も連絡来てないんだけど?何あいつら、俺のこと認知してないの?いやいや、いくら影を薄くしてるからって全く気づかないとか、流石にそれはないよな?ね?安心していいよね?
「大丈夫よ比企谷くん。誰もあなたを人として認識していないだけよ。存在を忘れているのではないわ」
「なんで俺の考えてることに答え出せてんだよ。それにそれ全然フォローになってないから。むしろ止め刺しちゃってるまであるから」
そんなやり取りをしていると、部屋の扉が勢いよく開きはつらつとした挨拶が飛び込んできた。
「やっハロー!!!ゆきのん、ヒッキー」
「こんにちは由比ヶ浜さん」
「うす」
今アホみたいな挨拶して入ってきたのは、この部の部員の一人である由比ヶ浜結衣。俺の同僚である。ちなみにこのヒッキーというのは由比ヶ浜が勝手に呼んでる俺のあだ名みたいなものだ。勿論由比ヶ浜しか使わない。
「士郎くんと凛は?まだ来てないの?」
由比ヶ浜は雪ノ下の隣に座りながら、誰に聞くともなしにそう言った。
「衛宮はいつものお節介焼きで、遠坂はそれに付き合ってるんだと。もうすぐ来るんじゃないか?知らんけど」
「ふーん。そうなんだ」
携帯の画面をスクロールしながら由比ヶ浜は適当に答えを返してきた。さっき部員と言ったが、俺たちはこの学校のある部に所属している。その方が色々と動きやすいからだ。部の名前は<奉仕部>。別にいかがわしいことをするような部ではない。創設者の雪ノ下曰く、『魚を獲ってあげるのではなく獲り方を教える』部だそうだ。簡単に言えば、依頼者から依頼を受けて、その依頼のサポートをするのが大まかな内容だ。俺たちが率先してそれをやるのではなく、あくまでも依頼者を主体にするところがミソだ。まあ、この部の存在があまり認知されていないのだろうが、創設して二年経つがやってきた依頼者は数える程しかいない。そのため、放課後ここにいるのは暇すぎる。
文庫本を読みながら、そんな思考をしていると扉がまた開かれる音がした。依頼者かと思ったが、開いた扉から覗いていたのは、見慣れた二つの顔だった。
「遅れて悪いな。雪ノ下、由比ヶ浜…と八幡」
「遅れてごめんなさい。雪乃、結衣…あと八幡」
何?なんでこいつら二人とも俺の名前呼ぶ時間が空いたの?マジで俺認識されてねえのか?
「何よ八幡?いつもの三倍ぐらい腐った目でそんなにジロジロ見ないでくれる?」
「別に見てねえよ。それに、俺の目はそんなに腐ってない」
今俺を罵倒してきた黒髪ツインテールは、遠坂凛。普段は猫を被っているが、俺たちの前(というより俺に対して)はこんな風に素になる。
「まあまあ、落ち着けよ二人とも」
そんで、今俺たちの仲裁に入った童顔茶髪は衛宮士郎。さっき言ったように人助けもといお節介を焼くのが趣味みたいな奴だ。
「揃ったようね。それでは、今夜のことについて話し合いましょうか」
雪ノ下の言葉に皆の顔が真剣になり、緊張の空気がはしる。
「例の町外れの廃工場の件ね」
「そうよ遠坂さん。今夜零時に全員で叩きに行くわ」
「他の連中とかち合う可能性があるんじゃないのか?」
「それは大丈夫よ比企谷君。彼女たちはまだそれの存在には気付いてはいないわ」
「その根拠は?」
「最近一人新しい眷属が加わったらしいの。今はそちらにかかりきりのはずだから」
「成る程な。決行は今夜零時だな?」
「ええ。それまでに、各自準備をしておくこと。では今日はこれにて解散」
俺たちの裏の仕事がこれから始まる。