ハイスクールD×D 駒王学園の第三勢力   作:空☆条☆承☆太☆郎☆

13 / 37
鳳凰

『…ふむ。単刀直入に言おう。大聖杯の起動を確認した』

 

 

携帯電話の通話口から低い男の声がする。

 

 

「…いや、それを俺に言ってどうするんです?」

 

 

まただよ。マジでなんなの?なんで俺に国際電話かけてくる人間はみんな時差計算しないの?

 

 

『遠坂凛は携帯電話を所持していないし、君の妹は長話をしたがるからな』

 

 

「…それで、大聖杯がどうしたんですか?ロード・エルメロイ二世」

 

 

魔術協会(我々)が長年探していた()()の大聖杯が何者かによって起動させられたのだ。起動自体はルーマニアのとある地方でだが、起動後反応が消えた』

 

 

「…すると、聖杯戦争が?」

 

 

『いや、あくまで起動しただけで、英霊(サーヴァント)召喚する(呼ぶ)為の下地はまだ整っていないと我々はみている。しかも、大聖杯の反応は移動を繰り返している』

 

 

「あれって、そもそも移動させるようなもんじゃないでしょう」

 

 

『そうなのだがな。我々も引き続き調査を続けるが、取り敢えずこのことを彼女らにも伝えてほしい。頼んだぞ、比企谷八幡』

 

 

そう言って、ロード・エルメロイ二世は電話を切った。言いたいことだけ言って切りやがったよ…

 

 

「…眠い」

 

 

まだ起床時間までは大分あるので、俺はもう一度毛布にくるまり瞼を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日放課後。俺は、オカルト研究部の部室に行く前に、雪ノ下たちがいる奉仕部の部室に立ち寄った。

 

 

「…大聖杯が」

 

 

「ああ。ロード・エルメロイ二世が言うには、システムの調整にはまだ時間がかかるらしい」

 

 

「…分かったわ。準備はしておく」

 

 

遠坂に昨晩のことを伝えると、真剣な表情となり、備えをしておくという答えが返ってきた。

 

 

「じゃあ、俺はオカルト研究部の方に行くわ」

 

 

「比企谷君。厄介なお客さんが来ているようだから、気をつけなさい」

 

 

「分かったよ、雪ノ下」

 

 

そう言って、俺は奉仕部を後にした。

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ISSEI

 

 

放課後、部室に入った途端にそこが重苦しい雰囲気に包まれているのに気がついた。昨晩部長が突然俺に迫ってきた理由を聞こうと思ったけど、とても切り出せるような感じじゃないな…

 

 

それに、部長の後ろには昨日部長を連れて帰ったメイドのグレイフィアさんが控えている。

 

 

「全員揃ったわね。では、部活をする前に少し話があるの」

 

 

部長がメンバーの一人一人を確認すると、そう口を開いた。

 

 

「お嬢さま、私がお話ししましょうか?」

 

 

部長はグレイフィアさんの申し出をいらないと手を振っていなす。

 

 

「実はね───」

 

 

部長が口を開いた瞬間に、部室の床に描かれた魔方陣が光だした。

 

 

これって、転移現象?でも、一体誰が───思案しているうちに、魔方陣に描かれているグレモリーの紋様が別の紋様に形を変えた。

 

 

「これは───フェニックス」

 

 

隣にいた木場がそう呟く。フェニックス!?一体どういう…途端、魔方陣から炎が巻き起こり、室内を猛烈な熱気が包み込む。

 

 

熱い!肌がチリチリする!その炎の中心には、男性のシルエットがうっすらと見える。そして、それが腕を横に薙ぐと、周囲の炎が振り払われ、その全貌を露にした。

 

 

「ふぅ、人間界は久しぶりだ」

 

 

そこには、赤いスーツを着崩した一人の男がいた。見た目は二十代前半といったところか。胸元をはだけたシャツやワルっぽい顔立ちでポッケに両手を突っ込んでいる。なんとなく、ホストみたいだな。…八幡が見たら絶対、偏差値三十ぐらいの頭の悪そうな奴って言うだろうな。

 

 

「愛しのリアス。会いに来たぜ」

 

 

……はい?愛しの?何?こいつ部長とどういう関係なんだ?対する部長は半眼でこの男を見つめていた。歓迎しているわけじゃないのはわかる。だが、男はそんな部長の様子を気にすることもなく近づいていく。

 

 

「さあ、リアス。さっそくだが、式の会場を見に行こう。日取りも決めてあるんだ、早め早めがいい」

 

 

一体こいつは何を言ってるんだ?フェニックスと木場は言っていたが…

 

 

さらに、男はさも当然のように部長の腕をつかむ。無礼なやつだ!

 

 

「………放してちょうだい、ライザー」

 

 

明確な怒気と敵意を含んだ声音で部長はそう言い、手を振り払った。うわぁ…すっげぇ怖い顔……。完全に怒っていらっしゃる!しかし、ライザーと呼ばれた男はただ苦笑しているだけだった。…こいつ、一々癪に障る野郎だな。ムカムカしてきたぞ。

 

 

「おい、あんた。部長に対して無礼だぞ。それに、女の子にその態度はどうよ?」

 

 

気づいた時には口を開いていた。でも、ガツンと言ってやったぞ!しかし、男は俺へ顔を向けると、路傍の石を見るような目で見てきやがった!一段とムカついたぞ、こんにゃろー!

 

 

「はぁ?誰、おまえ?」

 

 

不機嫌な口調だ。部長に接してた時とは大違いだ。明らかに見下した目だ。プラスで嫌悪感も伝わってくるぜ。だからって、引き下がれるか!言いたいことを言ってやる!

 

 

「俺はリアス・グレモリーさまの眷属悪魔!『兵士(ポーン)』の兵藤一誠だ!」

 

 

「ふーん。あっそ」

 

 

何ぃ!?まるで、俺に興味を持ってねえ!

 

 

「ってか、あんた誰だよ」

 

 

その問いかけに男は初めて少し驚いた様子を見せた。

 

 

「……うん?リアス、俺のことを下僕に話してないのか?つーか、俺を知らない奴がいるのか?転生者?それにしたってよ」

 

 

「話す必要がないから話していないだけよ」

 

 

「ふむ。相変わらず手厳しいねぇ。ハハハ…」

 

 

目元を引きつらせて、男は苦笑いした。そこへ、グレイフィアさんが介入してきた。

 

 

「兵藤一誠さま。この方はライザー・フェニックスさま。純血の上級悪魔であり、古くからの家柄であるフェニックス家のご三男であらせられます」

 

 

なるほど、上級悪魔のフェニックス家ですか。となると爵位持ちか。でも、それが部長の何だっていうんだ?

 

 

「そして、グレモリー家次期当主であるリアスお嬢さまのご婚約者でもあらせられます」

 

 

なん…だと!?こんやくしゃ??婚約者!?

 

 

「えええええええええええええええええええええええッッッ!!!!」

 

 

絶叫!!思わずの…絶叫!!

 

 

どっかの賭博漫画風のナレーションが俺の脳内に木霊し、しばし、俺は呆然としていた。




ヒッキーの正義って一方通行寄りだと思うんですが、どうでしょう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。