ハイスクールD×D 駒王学園の第三勢力   作:空☆条☆承☆太☆郎☆

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2話目です。


邂逅

「もう!もっとシャキッとしてよお兄ちゃん!いつにも増して目が死んでるよ?」

 

 

「いや目は別にいつも通りだし、それにシャキッとすんのはおまえもだぞ小町?俺が出かけて行ったらちゃんと鍵を閉めて歯磨きしてあったかくして寝るんだぞ?この前みたいにソファでお腹丸だしで寝たりとかしてちゃ風邪ひいちまうんだからな」

 

 

今俺に説教している天使は俺のラブリーマイシスターの比企谷小町。もうほんとに目に入れても痛くないし、どこへやっても問題ないくらいにできた可愛い可愛い妹だ。いや、どこへもやれないな。そんなことになったらきっと俺は寂しさで死んでしまう。

 

 

「大丈夫だよ。ていうかお兄ちゃん小町に構いすぎなんだから!ちょっとキモいよ?ザルバも何か言ってよ」

 

 

『八幡のシスコンは今に始まった話じゃないだろ小町。俺様が何か言ったところで治るはずがない』

 

 

カチカチと音を立てながら声を発しているのは俺の左手に嵌めてある指輪だ。こいつは指輪に魔物の魂を封じて造られた物で、名前をザルバという。俺の家の家系に代々もう一つのあるものと共に受け継がれている。様々な知識に通じ、助言をしてくれる。

 

 

『時間だぞ、八幡』

 

 

「ああ。小町行ってくる」

 

 

「行ってらっしゃい。ちゃんと帰ってきてね?お兄ちゃんがいなくなったら小町すっごく悲しいから…あっ!今の小町的にポイント高い!」

 

 

「八幡的に今のはポイント低い。最後のは入れちゃダメな部分だろ。まあ、言われなくても絶対に俺は帰ってくるからな。こんなに可愛い妹を置いていけるわけないからな」

 

 

「うわぁ…」

 

 

なんでドン引きするんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side UNKNOWN

 

 

「…そうよ一誠。教会には二度と近づいては駄目よ?勿論その関係者にもね」

 

 

「…わかりました部長」

 

 

「部長。はぐれ悪魔の討伐依頼が来ています」

 

 

「わかったわ朱乃。みんなを集めてちょうだい」

 

 

「かしこまりました」

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いわよ比企谷君。集合時間は零時のはずよ?」

 

 

俺が廃工場に着くともう他のメンバーは全員集まっていた。雪ノ下が冷ややかな顔でそう詰め寄って来た。ヤバい怖い超怖い。そんな雪ノ下の服装は黒のコートを羽織り、胸元には赤いリボンが結ばれている。そして、長い髪は後ろで一つに束ねている。芸術品のような美しさが、そこにはあった。

 

 

「悪い。ちょっと小町と話をしててな」

 

 

正直見惚れてしまった。雪ノ下から目をそらしつつ言い訳を口にすると、ジト目で此方を睨む由比ヶ浜の姿が目に入った。ちなみに、こっちは雪ノ下と違ってスカートをはいている。

 

「ハハハッ。八幡はしょうがないやつだな」

 

 

「うるせえよ、衛宮」

 

 

衛宮も黒を基調としたコートを身に纏い、一振りの刀を佩いている。俺は黒のコートではなく白いコートを羽織っている。正式名称は魔法衣で、これもまた比企谷の家系に代々伝わる物だ。

 

 

「では、予定通りに遠坂さんと由比ヶ浜さんは万一に備えてここの周りに結界を張ってちょうだい。私と衛宮君と比企谷君は工場内に突入し、中のはぐれ悪魔を殲滅する」

 

 

作戦の説明が終わるとともに、全員の顔が引き締まる。

 

 

「了解」

 

 

「わかったわ」

 

 

「任せて、ゆきのん!」

 

 

「了解だ」

 

 

俺は赤鞘の剣を取り出しながら返事をした。この剣こそが、最も重要な物だ。

 

 

「では、作戦開始!」

 

 

雪ノ下が工場内に突っ込んでいく。俺と衛宮もそれを追いながらそれぞれの得物を鞘から抜きはなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side YUI&RIN

 

 

「私の分の配置は終わったよ、凛」

 

 

「こっちも終わったわ。後は魔力を通すだけね」

 

 

凛が地面に書いた魔法陣に手を置いて呪文の詠唱を始めた。むぅ…英語はなんとか分かるんだけど、凛が今更唱えてるのは、ドイツ語だから私にはさっぱり分かんないや。

 

 

「これで、結界は起動したわ。私たちの仕事は終わりね」

 

 

詠唱が終わると同時に、工場の周りに置いた宝石を繋ぐように光が薄く放たれた。私の技量ではまだここまでの結界を張ることはできないんだよね。もっと練習しないと!

 

 

「私たちも加勢に行ったほうがいいんじゃないかな?」

 

 

「あの三人なら大丈夫でしょう。それに、結界を張ったからって油断はできないわ。雪乃の言う万が一があるかもしれない」

 

 

「他の勢力の介入…だっけ」

 

 

「ええ。グレモリーかシトリーが此方の動きに気付く可能性もあるから…」

 

 

そんな話をしていると、結界の外側の地面に魔法陣が広がった。ええと、この紋章ってもしかして…

 

 

「これって…グレモリーの…最悪ね」

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工場内に入ると、その中央には人とは違う異形のモノが鎮座していた。ムカデのような下半身に半裸の女の上半身がくっついた醜悪な姿をしているそれは、ニチャアと音を立てながら口角を吊り上げる。開いた口からは屍臭が漂い、空気を穢していく。

 

 

「うまそうな臭いがするなぁ…獲物は三匹、どいつから喰らってやろうかぁ?」

 

 

その声を聞いてぞわりと全身に怖気が走る。漂う屍臭とその姿に生理的な嫌悪感を抱く。マジでキモイなアレ。人間やその他の生物を喰らい続けた結果がこの姿か。この町ではまだ被害が出ていないみたいだが、放っておくわけにもいかない。

 

 

「私と衛宮君でアレのバランスを崩すから比企谷君は止めをお願い」

 

 

「分かった」

 

 

そう言い終わると、雪ノ下は化け物に向かって走りだした。一方で、衛宮は刀を構え目を閉じていた。

 

 

同調、開始(トレース・オン)

 

 

その掛け声と共に衛宮の腕から刀身にかけていく筋もの光が走る。それは衛宮が「強化」の魔術を行使したことによるものだ。

 

 

「基本骨子…解明」

 

 

言葉と共に段々と光が強くなっていく。

 

 

「構成材質…解明」

 

 

「基本骨子…変更」

 

 

「構成材質…補強」

 

 

その言葉を言い終わると同時に、光が段々と収束していく。

 

 

全工程、完了(トレース・オフ)

 

 

「強化」の魔術とは、魔力を物体に通して物質の構成概念をなぞり、その概念そのものを補強し強化する魔術だ。腕前にもよるが、熟練すれば丸めた新聞で銃弾を弾けるようになる。

 

 

「行くぞ、八幡!!」

 

 

「ああ!!」

 

 

俺と衛宮はその場から駆け出し、先に化け物と対峙している雪ノ下に加勢する。

 

 

「うっとうしい人間めぇぇ!!!早く私の餌になれぇぇぇ!!!」

 

 

化け物がガサガサと耳障りな音を立てながら這い回り、背中から生えた棘のようなものを伸ばして攻撃してくる。

 

 

「一々うるさいわね。いい加減にその屍臭い口を閉じてくれないかしら!」

 

 

雪ノ下が棘の一本を手刀で斬り落とし、次の棘と対峙する。ガラ空きになった懐に入り込み、衛宮が斬りかかった。グチュリと鈍い音と共に、胴体の部分に切れ込みが入り、鮮血が噴き出した。

 

 

「浅いか!俺の強化じゃまだ深く切り込めない!」

 

 

「大丈夫よ!比企谷君がいるわ!」

 

 

雪ノ下がもう一つの棘を斬り落とし、相手の顔に蹴りを放つ。態勢を崩した相手に雪ノ下は追撃を加える。

 

 

「ハァッ!!!」

 

 

その一撃は相手の腕を斬り落とし、完全に相手を地に倒した。俺はその隙を逃さずに剣を真上に掲げ、真円を描く。そして空間を破って現れたモノが俺の身体を覆っていく。

 

 

『いくぞ!!!ザルバ!!!』

 

 

『おうよ!!!黄金騎士の力を見せてやろうぜ!!!』

 

 

俺が纏っている鎧は黄金色に輝いている。特性として人外に対する絶対的な浄化作用が備わっている。大昔に人間が悪魔や堕天使、その他魔獣に対抗する為に造り出したとされている。

 

 

『オオオオオッッッ!!!』

 

 

掛け声と共に一気に化け物を手に持つ魔戒剣で両断する。肉を斬り進んでいく感触に再び怖気を感じながらも、斬り抜いた。バシャバシャと鮮血が飛び散り、地面に汚い水溜まりを作っていく。

 

 

「仕事終了だな」

 

 

『八幡、後でちゃんと俺様を拭いてくれよ』

 

 

「わかったよ。世話の焼けるやつめ」

 

 

「そうね。もう少し周りを見て斬ってほしいわね」

 

 

「確かにな」

 

 

後ろを振り返ると、化け物の血に汚れ汚れている衛宮と雪ノ下がジト目で睨んできた。ああ…衛宮はともかくとして、雪ノ下にはガチで殺されそうだ…

 

 

「マジでごめん」

 

 

腕を組みながら雪ノ下はゴミを見る目で俺を見てくるし、衛宮は苦笑いを浮かべている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体これはどういうことかしら?」

 

 

工場内に突然その声は響き渡った。声のした方を向くと、学園内で知らない奴はいないほどの有名人が怒りの表情をあらわに立っていた。由比ヶ浜と遠坂は結界張ってたんじゃないのかよ…




長くなっちゃいました。

ここで出てきた奉仕部メンバーの制服の感じとしては、終わりのセラフの軍服をイメージしてください。
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