ハイスクールD×D 駒王学園の第三勢力 作:空☆条☆承☆太☆郎☆
side SHIROU
階段を使うのも時間がかかる。階段を使うよりここを駆け上がって行くのが一番速いな。
「いくぞ、シルヴァ!」
『ええ!』
魔術で脚力を強化する。そして、助走をつけて一気に校舎の壁を駆け上る。
『リアス・グレモリーさまの「
搭乗!やられたのか!
「く…捉えた!」
見えたのは相手の『
「背中が、ガラ空きだぞ!」
魔戒剣を振り下ろす。ズシュッ!という肉を斬る音と共に、グラリと相手の『女王』が揺らぐ。
「…ぐ、あな、た、は!?」
「うぉぉぉぉぉ!!」
ザシッ!と止めの一撃を与える。驚愕の表情を浮かべ、苦悶の声を上げながら、ライザー・フェニックスの『女王』は光に包まれ、転送される。
『ライザー・フェニックスさまの「女王」一名、リタイヤ』
「おまえ、人間の小僧!」
「あとは、おまえだけだ!ライザー・フェニックス!」
リアス部長とライザーの間に割って入るように位置取る。リアス部長の元では一誠が倒れ、アーシアが治療をしているようだ。
「シロウ!無事だったのね!」
「はい、なんとか」
一誠。俺はおまえのことを信じてる。
「人間一人増えた程度で、調子づくなよ!」
ライザー・フェニックスを中心に炎が巻き起こる。熱い。それなりに距離はあるはずなのに、チリチリと肌が焦がされる。
「いくぞ!」
両手に持つ魔戒剣を空に掲げる。掲げた切っ先で円を描く。
両方の円が頭上で重なり、空間が割れ、鎧のパーツが飛び出し身体に装着されていく。
「何!?おまえ、魔戒騎士だったのか!!」
『そうだ。俺は
未熟な俺は八幡のように、連続での鎧の使用は無理だ。早めに決着をつけないと。
「チッ!小賢しい!」
ライザー・フェニックスは炎の弾を連続で放ってくる。それを切り裂き、奴に迫る!
ドシュッ!
「が、あああああ!!!!!!」
腕を切り落とした途端にライザー・フェニックスが悶え苦しみ出した。不死身とは言え、やっぱり効くみたいだな!魔戒剣による攻撃は。
『がぁっ!?』
苦しみながらも、ライザー・フェニックスは思いっきり殴りつけてきた!
「この、人間風情が調子に乗るな!魔戒騎士?それがどうした!纏い手自体はたいしたことないガキじゃないか!偶然攻撃が当たっただけで!」
『う、おおおおおおおっっ!!』
偶然なんかじゃない!なぜだか分からないが、体が自然と立ち回る。どう動けばいいのかが分かる!
そこから、ライザー・フェニックスとの一進一退のぶつかり合いが始まった。
side OUT
side ISSEI
…あれ、俺は一体?…そうだ!ライザーに向かって行こうとして、でも力尽きて…そうだ、ゲームはどうなったんだ!?まさか、負け───
『やっとここまで来たと思ったらうるさい奴だな。今代の宿主は』
な、なんだおまえは!?一体誰だ!!
『俺はドライグ。
ドライグ?まあいいや、それでゲームはどうなったか分かるか?
『やれやれ。安心しろ。まだ終わっちゃいない。おまえの仲間の魔戒騎士が奮闘してるよ。でも…未熟な魔戒騎士だからな。状況としてはまだまだ分が悪い』
クソ!俺にもっと力があれば!
『なんだ、力が欲しいのか?』
ああ、欲しい。あの焼き鳥野郎をぶっ飛ばせる力が欲しい!
『いいぜ?ただし、それには対価が必要だ。ついでに、初回サービスである程度までは体力も回復してやるよ』
マジで!?でも、対価って一体?
『ああ。目覚めりゃわかる。じゃあ、おまえを表層に戻すぞ、相棒』
「っは!?」
さっきのは、夢?…いや、違うな。自分の左腕の状態を見て、俺は確信した。
「イッセー!!気がついたのね!よかった」
「イッセーさん!よかったです」
部長とアーシアが嬉しそうに抱きついてくる。おお、柔らかい感触が…じゃなくて!!名残惜しいけど、今はそれどころじゃない!!
「ライザーは?」
「あそこでシロウと闘っているわ。加勢したかったんだけれど、私はもうガス欠で」
あれか。あの銀色に輝いている鎧を纏っているのが士郎か。ライザーの方も、疲れてはきているようだ。だが、士郎も酷く消耗しているようだ。
「俺が加勢します。その為に取引したんだからな」
籠手を見ると、宝玉が淡く光っている。あとは俺がGOサインを出せばいい。
「っ!?イッセーさん、その腕!?」
「イッセー、それはドラゴンの!?」
「はい。この籠手に宿るドラゴンと取引しました。力を貰う対価として、俺は左腕を差し出したんです」
勝つ為だ。部長の為に。その為ならなんだって支払ってやる。
「…これは」
ポケットに手を突っ込むと、くしゃくしゃになった箱の感触があった。出がけにアーシアから貰ったものと八幡から貰ったものだ。
「八幡の言ってた最悪の事態か…きっと、この左腕かな」
「イッセー、生きて戻ってきて」
「イッセーさん、私からもお願いします」
アーシアと部長が涙を浮かべてそう言ってきた。分かってますよ!女体を知らないまま死ぬつもりなんて毛頭ありませんよ!
「大丈夫です!勝って帰ってきますから!」
俺は笑顔とサムズアップでそう返す。待ってろ士郎!俺も今すぐそっちに加勢に行くぜ!
「燃え散れ!魔戒騎士ィィィィィ!!!!!」
『やってみろ!フェニックス!!』
交差するライザーと士郎。士郎が左右の剣を振り下ろすが、何層もの炎で防御される。そして、ライザーが蹴りを放つ。
『ぐううっ!!』
バガンッ!と俺の横に士郎が飛んできた。その衝撃で纏っていた鎧が強制的に弾け飛んだ。
「大丈夫か、士郎!」
「ハァハァ…一誠か。俺は大丈夫だ。それより、おまえこそ意識を失っていたみたいだけど、大丈夫なのか?」
まったく、こいつは。自分のことより他人の心配かよ。
「まだまだいけるさ。つっても、あんまり余裕はないけどな。おまえこそどうなんだよ?」
そう。体力が戻ったっていっても、ギリギリ闘えるラインだし、与えられた力も極短い持続時間だ。
「俺もギリギリだ。あと一回鎧を纏えるかどうかだ」
それを聞いて、自然と口角が釣り上がる。こいつも全然諦めてないんだ。この絶望的な状況でも。
「やってやろうぜ!士郎!」
「ああ!そうだな一誠!」
陽炎揺らめく戦場に今、赤銀の風が吹く。
「満身創痍の人間と死に損ないの赤龍帝に、今更何が出来る!これ以上俺を舐めるなよ!」
激昂するライザー。さらに炎が巻き起こる。本気で俺たちを潰しにきているってことか。
「さあ!いくぜ!輝きやがれ!!
『Welsh Dragon over booster!!!!』
籠手の宝玉が赤い閃光を解き放ち、俺の身体を真紅のオーラが包む。
これが、おまえの力か!ドライグ!遠慮なく使わせてもらうぜ!
『ああ、使ってみろよ。ただし、十秒だけだがな。それ以上はおまえが保たん』
分かってるよ、ドライグ。だから、それ以内に終わらせてやるさ!
俺の身体は赤い鎧に覆われていた。ドラゴンを模した
「はは、凄いな!俺も負けてられないな!シルヴァ!」
『そうね。ドライグもやる気出して起きたみたいだし、私たちも負けてられないわね』
俺の隣で士郎が鎧を纏う。あらためて見ると、銀色に輝いて綺麗だな。
『いくぞ!』
「おう!」
俺はブースターから魔力を噴出しライザーに突貫する。士郎も俺に続いて、走り出す。
「何!?鎧だと!?赤龍帝の力を鎧に具現化させたのか!?」
驚愕した様子を見せるライザー。その通りだ。奴の推測は概ね的を射ている。
「これが赤龍帝だ!
この力は、十秒の間、爆発的な力を解放すること。殆ど無敵らしい。ただ、リスクも大きい。これを使うと丸三日は神器が動かなくなる。
『X』
カウントが始まる。時間がねえ!一気に畳み掛ける!ライザーに向けて魔力の塊を放つ。イザベラの時に撃ったやつよりもさらに巨大だ!
「デカい!」
さすがのライザーも受け止めることをやめ、回避の体勢をとる。
「ここだ!喰らえ!」
ライザーに追いすがり、左の拳で顔面を殴りつける。向こうも、カウンターを返してくる。
バゴッ!
「がふっ!?」
「ぬぐぅ!?」
痛い!鎧越しなのに、すさまじい衝撃と威力が熱を持って与えられる!これが、奴の本気か!!でもな!
「ごっ、ばはぁっ!?」
ライザーは口から大量の血を吐き出した。当たり前だ。俺の左手の中に握りこまれているものは、悪魔にとっては致命的なものだ。
「じ、十字架だと!?」
驚愕するライザー。そりゃそうだろうな。悪魔にとっての弱点となる十字架を俺が持ち込んでいるんだからな。
「おまえ、その左腕か!!籠手のドラゴンと取り引きして、そのバカげた力を得たのか!」
『V』
あと、五秒か。くだらない話ばっかりしてらんねえな。
「おまえは、イカれているな。それゆえに、迷いのない一撃を放てるのか。笑えないな。俺は今、おまえを怖いと思っている。だから、確実に潰す!」
さらに激しく炎が舞う。やってやる!負けねえぞ!絶対に!
「燃え尽きろ!小僧!」
『させるかよ!』
バキイッ!と突貫してきたライザーの蹴りを、士郎が受け止める。
「魔戒騎士!クソ!」
『やれ!一誠!おまえの手で終わらせろ!』
ありがたい!俺は、懐からスキットルを取り出す。これは八幡に貰ったものだ。もちろん酒が入ってるわけじゃない。
「邪魔だぁぁぁ!魔戒騎士ィィィ!!」
『おおおおおおお!!!!』
士郎がライザーの腕を斬り飛ばす。再生するスピードも遅い。
「サンキュー!士郎!」
魔力を噴射し、ライザーに追いすがる。スキットルの中身を左腕にかけ、そこに力を譲渡する。
「この!」
「終わりだ!ライザー!」
渡されたもう一つのスキットルの中身をライザーに振りまき、そこにも力を譲渡する!
「今更、聖水ごときで───まさか!?」
遅い!もろにそれを浴びたライザーは悶え苦しむ!
「う、があああああああ!!!!」
「おぉぉぉおりゃあぁぁぁぁ!!!!」
バガンッ!と激しくライザーの腹に拳が減り込む。そしてさらに、もう一撃、顔面にパンチを入れる。
「く、そ、この俺が…」
『0』
ライザーがくずおれると同時に、禁手が解除される。士郎も鎧を解除していた。
『ライザー・フェニックスさま、リタイヤ。よって勝者はリアス・グレモリーさまとなります』
こうして、このレーティング・ゲームは終わりを迎えた。
side OUT
side Fathers
「フェニックス卿。今回の婚約、このような形になってしまい、大変申し訳ない。無礼承知で悪いのだが、今回の件は───」
「ええ、分かっています、グレモリー卿。お互いに既に純血の孫がいるというのに、それ以上を望もうとした。お互いに欲が出てしまったんでしょうな」
「…そうですね」
「それに、私の方にも得るものはあった。うちの息子に敗北を与えてくれたのだから。良い勉強になったでしょう」
「フェニックス卿…」
「あなたの娘さんはいい下僕、いい友人を持った。それも魔戒騎士を友人に持つとは。これからの冥界は退屈しないでしょうな」
「…しかし、娘のところにあの
「そうですね。対をなす
side OUT
三巻以降オリキャラも出していくつもりです。