ハイスクールD×D 駒王学園の第三勢力 作:空☆条☆承☆太☆郎☆
「一体これはどういうことかしら?」
声のした方を振り返ると、学園内の有名人の一人であるリアス・グレモリーが怒りの表情で立っていた。マジかよ…最悪のパターンじゃねえか…
「ごめん、雪乃。ここで事を構えるのは良くないと思ったのよ」
「ごめんね。ゆきのん」
そう言いながら、由比ヶ浜と遠坂がリアス・グレモリーの後ろから工場内に入ってきた。
「いえ。あなたたちを責めるつもりはないわ。賢明な判断よ」
「だな」
そう返事すると、険しかった二人の表情が幾分か柔らかくなった。リアス・グレモリーの方を見ると、どうやら眷属総出で来ているらしく複数の気配が感じられる。
「私の質問に答えてくれるかしら、雪ノ下雪乃さん?」
「何をしているも何も…はぐれ悪魔の討伐です。リアス・グレモリー先輩」
「そう…この町が私の縄張りということは勿論知っているわよね?」
「勿論です。しかし、はぐれ悪魔は見つけ次第始末をつけるよう各勢力で決まっているはずです」
雪ノ下の言葉にリアス・グレモリーは暫し黙考したのち口を開いた。
「そうね。では、あなたたちは何処の勢力に属しているの?詳しく聞かせてもらえないかしら?」
「構いませんが、明日にしてもらえませんか?ここの後始末もありますし」
「わかったわ。では明日の放課後に使いの者を寄越すから」
言い終わると、リアス・グレモリーは踵を返して廃工場の入り口から出ていった。なんだかややこしいことになってきたな…
「さあ、これの片付けをしてしまいましょう」
「う、うん!て、ゆきのんドロドロだよ!?それ血だよね!?怪我したの!?大丈夫!?」
由比ヶ浜が雪ノ下を見て頓狂な声を上げるのと同時に遠坂も衛宮を見て声を上げた。
「し、士郎!?あんたも血まみれじゃない!?」
「大丈夫だよ、凛。返り血だから。そんなに心配しなくてもいいから」
「そ、そう…それならいいんだけど」
遠坂はその言葉を聞いてほっと胸を撫で下ろしている。雪ノ下の方も同じようなやり取りを由比ヶ浜としていた。
「由比ヶ浜さん。私も大丈夫だから離れてくれないかしら?」
「あ、ごめん…」
「べ、別に構わないわ…ただ、少しちかすぎただけだから」
なんで頬を染めてるんだよ…もしかしてそっちの気があるのか?百合ヶ浜と百合ノ下なのか!?
「比企谷君、バカなことを考えてないで後始末を始めるわよ」
「だからなんでナチュラルに俺の思考を読んでるんでるんだよ!?」
雪ノ下がキッと俺を睨みながらそう返してきた。その睨むのやめてくんないかな…マジで寿命縮みそうだわ。超怖いわ。
その後の処理に二時間程かかり、家に帰れたのは殆ど朝だった。
そして帰ってから一時間ちょっとしか寝られなかった為に、いつもより一層濁った目を擦りながら小町と一緒に家を出た。もう今日の授業は全部睡眠だな。眠すぎて死にそうだ…
「お兄ちゃん、大丈夫?いつもより目が腐ってるよ?顔までゾンビになってるよ?」
「全然大丈夫じゃないな…ていうか、ゾンビみたいじゃなくてゾンビって言い切るなよ。俺はまだ人間だ」
「まだってことは、いつかそうなる予定があるってことだよ、お兄ちゃん!?」
と、そんなアホなやり取りをしているといつの間にか学校の校門の前に着いていた。
「じゃあ、私こっちだから。また放課後ね、お兄ちゃん」
「ん。気を付けろよ」
手を振りながら一年のクラスがある方へと歩いていく小町を見送りながら、俺も自分のクラスへと向かって行った。
「いやー、それにしても昨日のあれはすごかったな!!」
「ああ!あの巨乳はヤバイな!色々ヤバい!」
「だな!」
教室の扉を開け中に入ると、俺の机の前でぎゃあぎゃあ騒いでいる男子三人組が目に入った。なんで、俺の席の周りでエロトークしてるんだよ…
「おお!八幡、オッス!」
この元気の良い奴は兵藤一誠。学園内で(悪い意味で)有名な変態三人組の一人だ。
「比企谷はこの巨乳についてどう思う?」
この俺にそういうDVDのパッケージを突き付けながらそんな質問をしてきたハゲは松田。フルネームは知らん。同じく、変態三人組の一人だ。写真部に所属していて、女子の写真を撮りまくっていて『セクハラパパラッチ』などという異名まである。
「それはそれで後の楽しみにとって置いて、今日は今朝から強い風があって最高だったよ…パンチラを拝みまくれてな!!」
そんで変態三人組の最後の一角がこのメガネだ。名前は元浜。フルネーム?知らんな。こいつはメガネを通して女子のスリーサイズを視認できるスカウター紛いの能力を持っている。
「一気に三人でまくしたてんなよ…こっちはほぼ徹夜明けで眠くて辛いんだよ…あと学校でそんなもん見せびらかすな」
「なんだぁ?ひょっとして徹夜で自家発電でもしてたってのか?」
「ちげえよ、おまえらと一緒にすんな。勉強してたんだよ」
「なんだ、つまんねえの」
松田にツッコミを入れたら完全にエネルギーを使い果たしたらしく、瞼が猛烈に重くなった。
「んじゃ、俺はもう限界だから。お休み」
そう言って机に突っ伏して瞼を閉じると、すんなりと睡眠に入ることができた。眠る直前に女子たちが「やだ、比企谷君が変態に穢されてるわ!」とか「野獣兵藤に穢される比企谷君…ぐ腐腐、捗るわ!!」などと言っているのが聞こえた気がするが、気のせいだろう。
そして、上手く先生や三人組を躱しながら昼休み以外寝ていると、放課後がやってきた。
鞄に全く使わなかった教科書や筆箱をしまっていると急に廊下が騒がしくなった。
「三年の姫島先輩よ!」
「キャーッ!!朱乃お姉様ー!!」
と、そんな声が木霊して凄まじいことになっている。そして、その件の人が俺のいる教室の前で立ち止まり、開けっ放しになっている扉から入ってきた。その後ろには小町がちょこちょこと着いてきていた。
「あなたが比企谷八幡君ですわね?リアス・グレモリーの使いできました」
「ひ、ひゃい⁉」
まだ心の準備が出来ていないのに話しかけられ、思いっ切り噛んでしまった。ヤバい。超恥ずかしい。死にたい…先輩の後ろにいる小町もやれやれと呆れた顔で首を振っている。
「あらあら、うふふ。では、行きましょうか」
そしてその人、姫島朱乃は俺の起立を促した。姫島先輩もまた、学園内で有名な人であり、リアス・グレモリー先輩と並んで駒王学園の二大お姉様と呼ばれているとかいないとか。
「あ、あの…雪ノ下達は…」
「これからですわ。先にあなたたちがいた方がよろしいと思ったので」
雪ノ下たちは、俺の一つ隣のクラスにいる。ていうか、なんで俺一人だけ別のクラスなんだよ…そこハブにする必要あります?
「比企谷君、そんなドブのような目で私を見つめないでくれないかしら?寒気がするわ」
「いや別に見つめてねえし。ていうか急におまえが出てきたんだろうが」
教室からタイミングよく出てきた雪ノ下がまた罵声を浴びせてきやがった。なんでこういつも絶妙な時に出てきて俺をなじるんだよ…
「あなたが、例の"使いの者"ですか」
「はい。他の方も揃っているようですね」
姫島先輩が雪ノ下の後ろに控えている由比ヶ浜たちを見ながら言った。由比ヶ浜もさすがに「やっはろー」とは言わないな。その辺は弁えていて少し安心した。
「では、参りましょうか」
姫島先輩は向きを変えたので、俺たちはそれに着いていく形になった。
案内された先には教室としては使われていない旧校舎があった。しかし、中に入ると外観とは打って変わって綺麗に整えられていた。
「ここですわ。どうぞ、お入りください」
そう促され、「オカルト研究部」と書かれた札が貼ってある扉を開くと、壁や床に色々な文字や記号が書かれたある種異様な空間が広がっていた。
「は、八幡!?どういうことだ!?それに雪ノ下さんたちも…部長、今日話し合う人たちって!?」
そのまま中に入ると、聞き慣れた声がした。見るまでもないが、声のした方を見ると、例の変態三人組の兵藤一誠がそこにいた。混乱しているようだが、仕方ないか…俺たちの正体を知らないわけだしな。
「来たようね。それでは話を始めましょうか」
更に言葉を続けようとする兵藤を手で制して、そう切り出したのは、部屋の奥にある豪奢な意匠の机の上で手を組みながら、これまた豪奢な椅子に腰掛けているリアス・グレモリーがそう言葉を放った。
俺たちの代表者である雪ノ下がグレモリー先輩の向かい側に用意された椅子に腰掛け、それ以外の面子は雪ノ下の後ろに並んで立っている。向こうの眷属たちも同様だ。…それにしても、姫島先輩といいこの人の眷属たちは、学園内の有名人ばかりだな。
「昨晩と同じ質問になるけど、あなたたちは一体何者なの?」
「私たちは、教会の祓魔局に所属しています」
その言葉に向こうの空気が一気に敵意を含んだものになった。当たり前といえば当たり前の反応だ。教会と悪魔は対立関係にあるからな。ただ、兵藤は状況が呑み込めていないのか、一人だけ惚けた顔をしている。
「はぐれ悪魔の件については目をつぶるとしても、教会側のあなたたちは私の縄張りで何をしているのかしら?」
グレモリー先輩は始めとは打って変わって、怒気をはらんだ声音で、更に問を投げかけてきた。
「元老院長からの勅命によるものです」
「勅命?」
「はい。元老院長の星詠によって、今後様々な勢力に影響を及ぼす波紋を引き起こすものがこの町にあるということを、視ました。私たちがここにいるのは、その発見と監視の任を負っているからです。あなた方と敵対するためではありません」
「それを信じる根拠はあるの?」
未だその瞳に色濃く警戒を映しているグレモリー先輩を雪ノ下は真っ直ぐに見つめている。チリチリと周りの空気が熱を帯びているかのような錯覚さえする。
「敵としてここに来たなら、昨年の段階であなた方は既に私たちに屠られているはずです」
その声音は仲間の俺たちですら、冷や汗をかくような冷たさを帯びていた。俺の右隣りにいた小町は無言で手を握ってきた。…これ、マジもんの殺意じゃねえか…こんなもんを真正面から当てられたらまともに立ってられなくなるぞ…
そう思ってグレモリー先輩の方を見ると、それにやられたらしい兵藤が膝をついてへたり込んでいた。他の面子も顔を蒼白にしながらも、いつの間にか身構えていた…いや、身構えさせられたのか…
「分かって頂けましたか?」
「……ええ……」
蒼白な顔色で先輩は一言だけ搾り出すように肯定の意を返した。これ…殆ど脅迫だよな…
「これで話は終わりですか?」
「そうね、あなたたちに敵意が無いことは分かったし…私たちも仕事があるから、今後のことはまた明日話をしましょう」
さっきまでの殺伐とした空気が無くなり、小町も安堵したのか、握っていた手を離した。もう少しだけ握ってたかっな…
後半ぐだりましたね。
あとタグにFAIRY TAILって付けてますけど、その関連のキャラは当分後に登場する予定です。
俺ガイルキャラはもうほとんどオリキャラと思ってくれていいです。ていうか、思ってください(笑)