ハイスクールD×D 駒王学園の第三勢力   作:空☆条☆承☆太☆郎☆

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戦線

side The Boy

 

 

「やばいなぁ…今月もピンチだ」

 

 

通帳を片手に眉間に皺を寄せている黒髪の頭をツンツンにしている少年。名を上条当麻(かみじょうとうま)という。

 

 

「生活費にプラスしてインデックスの食費…バイトをしようにもあいつを一人にしておく時間が増えるのもなぁ…」

 

 

ごくごく平凡な高校生であると常日頃嘯く上条だが、彼を語る上で外せないことがある。

 

 

それは───

 

 

グニッ

 

 

「……グニッ?」

 

 

恐る恐る足下を確認する。地面を踏みしめる右足。そのスニーカー(おろしたて)の周辺には何やら茶色い飛沫。

 

 

「なんで…こんなところに犬のウンコがあるんだよ!!これだから、マナーのなってない飼い主は!!」

 

 

そう。彼、上条当麻を語る上で欠かせないのは何より「不幸」であることだろう。道を歩けば犬のウンコを踏み、あるいは危なそうな輩に絡まれている女の子を助けては徒党を組んで追われ、くじを引けば必ずハズレを引く。

 

 

「…ああもう、不幸だぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

今日も今日とて彼の叫びは町に木霊する。

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side HACHIMAN

 

 

「ねえねえ比企谷さんや」

 

 

「なんだい(さじ)さんや」

 

 

「どうしてこうなった?」

 

 

ここはとあるファミレス店内。ワグナリアだったかな?まあそれは置いといて。俺、というか俺たちの前にはうず高く積まれた皿があり、その奥では暴食を重ねている女性四人(実際に食いまくってるのは三人。あと一人は普通の定食のみ)がいる。

 

 

「俺あんまり出せないぞ。会長に財布管理されてるから」

 

 

俺の右隣に座っている匙───生徒会の書記にしてシトリー眷属の兵士(ポーン)───がそう言う。因みにその奥には兵藤が、その隣には塔城が座っている。

 

 

「なあ、衛宮(えみや)。これって経費でいけるかな?」

 

 

「…どうだろうな。城廻(しろめぐり)さんに聞いてみないと分からないな」

 

 

城廻さんね。めぐりんパワーで癒してほしいな…そういえばあの人アルジェントと声が似てる気がする。

 

 

「このケーキセットをお願いします」

 

 

紫藤がメニューを指差しながら注文する。どうやら黒川とゼノヴィアの分も頼んでいるようだ。もう一人の女の子も注文している。

 

 

店員さんは目元をひくつかせながらも懸命にスマイルを保っていた。

 

 

「そういえば、この間あなたたちには自己紹介してなかったよね」

 

 

一番大人しそうなポニーテールの子が挙手して言う。なんかこう…結構好みかも…。

 

 

「私は中務椿(なかつかさつばき)って言います。よろしく。年は十七だから君たちと同い年かな」

 

 

「椿。その男には気をつけた方がいい。隙あらばあの腐った目で身体を舐めるように見られるからな」

 

 

「いや、見ないから。断じてそんなことはしないから」

 

 

黒川め。…ていうか、ついに部外者にまで腐ってるって言われたぞ。泣いていいかな。

 

 

「ふむ。ところで、私たちに接触した理由は?」

 

 

ゼノヴィアが水を飲み聞いてくる。いや、俺の方見られても困るんだけど。俺は衛宮と買い物してたら兵藤から呼び出されただけだ。

 

 

「エクスカリバーの破壊に協力したい」

 

 

…は?それは俺も初耳だ。兵藤の提案に耳を疑う。派遣組が死ぬほど食いまくるからカンパしてほしいってことしか知らないんだけど。派遣組の方も驚いた顔をしている。

 

 

衛宮もなんかやる気勢みたいな顔しだしたし。

 

 

「いいだろう。一本ぐらいなら任せても。ただ、そちらの正体がバレないようにしてくれ。私たちもそちらと関わりがあるように上にも敵にも思われたくない」

 

 

以外にすんなり許可が出たな。

 

 

「ちょ、ちょっとゼノヴィア。いいの?相手は悪魔なのよ?」

 

 

「イリナ、正味なところ私たちだけでは三本回収とコカビエルとの戦闘は難しい。君もそう思うだろう?セイカ」

 

 

「そうだな。最低、敵側のエクスカリバー三本を破壊して逃げればいいが、私と椿のあれでも、おまえの奥の手でも五体満足で帰れる確率は多く見積もっても三割程度だろうな」

 

 

「それでも高い確率だと私たちは覚悟してここに来たはずよ」

 

 

「そうだな、上にも任務遂行して来いと送り出された。自己犠牲に等しい」

 

 

なんか揉めだしたぞ。長くなりそうだな。

 

 

「なあ、止めなくていいのか?」

 

 

「まあ、大丈夫だよ。いつものことだから。もう少し待ってて」

 

 

中務に聞くと申し訳なさそうな顔でそう言われた。この四人の付き合いはそれなりに長いらしいことがこのやり取りを見ていると分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪魔の力ではなくドラゴンの力を借りるということでいいだろう。上もドラゴンの手を借りるなとは言っていなかったからな」

 

 

纏まったみたいだな。なるほどな。兵藤は赤龍帝でもあるわけだから、その言い訳も通るか。

 

 

「よし。OKだな。俺がドラゴンの力を貸すってことで。じゃあ、今回の俺のパートナーを呼ぶから」

 

 

そう言うなり携帯を取り出し誰かに電話し始めた。

 

 

 

 

 

「…話はわかったよ」

 

 

兵藤が電話して十分ほど経った時に木場がここに合流してきた。コーヒーを飲みながら嘆息した。

 

 

「ただ、エクスカリバー使いにその破壊を承認されるのは遺憾だけどね」

 

 

「随分な言いようだね。そちらが『はぐれ』だったら、問答無用で斬っていたのに」

 

 

いや険悪すぎだろ。これから共同戦線張るんだろ?

 

 

「やはり、『聖剣計画』のことで恨みを持っているのね?エクスカリバーと教会に」

 

 

紫藤の問いに木場は冷たい目線を投げかける。衛宮もあの話を思い出したのか、顔を顰めている。

 

 

「でもね、木場君。あの計画のおかげで聖剣使いの研究は飛躍的に伸びたわ。だから、私やゼノヴィアのように聖剣と呼応できる担い手が誕生したの」

 

 

「だが、計画失敗と断じて、被験者の悉くを始末するのが許されと思っているのか?」

 

 

木場の瞳は憎悪に満ち溢れている。それを向けられる紫藤はどう反応すればいいのか困っている様子だ。そこへゼノヴィアが言う。

 

 

「その事件は、私たちの間でも最大級に嫌悪されている。その処分を決定した当時の責任者は即刻異端の烙印を押された。今では堕天使側の住人さ」

 

 

「堕天使側…その者の名は?」

 

 

「バルパー・ガリレイという。こいつは聖剣計画以外にも幾つかの狂気と言えるような実験も主導していた」

 

 

「…それが、僕の真の敵か」

 

 

新たな決意が生まれたのだろうか、木場の瞳は違う光も宿していた。

 

 

「僕も情報を提供しておこうか。先日エクスカリバーを持った者に襲撃を受けた。その際に神父を一人殺害していたよ。教会のエクソシストだと思うけど」

 

 

ここんとこ死体の処理ばっかりだと思ったら、やっぱり繋がってたのか。

 

 

「相手はフリード・セルゼン。覚えはあるかい?」

 

 

あの野郎上手く俺たちとかち合わねえようにしてやがったな。

 

 

「奴が絡んでいたのか」

 

 

「フリード・セルゼン、ね。元ヴァチカン法王庁直属のエクソシスト。若年でエクソシストとなった才児。悪魔や魔獣を次々屠っていく功績は大きかったわ」

 

 

「だが次第に奴は歪んだ本性を顕にしていった。指定外の討伐や殺人を行い、早々に異端とされた」

 

 

方々に迷惑かけてんなあいつ。あいつの逃げ足の速さは驚異的だしな。

 

 

「まあいい。とりあえずはエクスカリバー破壊の共同戦線成立しよう」

 

 

ゼノヴィアがペンで紙に連絡先を書き兵藤に渡す。

 

 

「何かあったらここへ連絡してくれ」

 

 

「分かった。じゃあ俺も───」

 

 

「大丈夫よ!イッセー君の電話番号はこの間おばさまからいただいたから」

 

 

手が早いな。まるで小町みたいだ。俺の携帯周り教えた覚えのないやつにまで知られてるからな。

 

 

こうして、エクスカリバー破壊の共同戦線とやらが秘密裏に成立した。




オーディナルスケール観てきました。面白かったですね。冒頭のファミレスでびっくりしましたが。本編の方も面白かったです。ゲスト声優さんの演技も良かったです。




色々要素を入れるとこの三章長くなりそうだなぁ。

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