ハイスクールD×D 駒王学園の第三勢力   作:空☆条☆承☆太☆郎☆

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交戦

side the AVENGER

 

 

「やっとこの舞台に立てた…」

 

 

部屋に佇む青年は誰かに聞かせるわけでもなしにそう呟いた。静かに、だがそこには激情が込められていた。

 

 

「俺は、復讐する。この()()()()()

 

 

固く拳を握り締め、その瞳には憎悪の光が灯っている。

 

 

「でも、君のことは済まないと思っている。こんな、俺の事情に巻き込んでしまって」

 

 

青年から少し離れたところにある椅子に、一人の少女が座っていた。

 

 

「ううん。いいの、兄さん。私も多分、それを望んでるから」

 

 

「きっと君には背負わせてしまう。これには()()()()()()()()()()()()

 

 

窓の外には激しく雪が舞い、ただ暗がりが広がっている。

 

 

戸部(とべ)優美子(ゆみこ)…」

 

 

彼は、葉山隼人は復讐者である。

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side Accelerator

 

 

「クソが…なンで俺までこいつらに付き合わなきゃならねェンだ」

 

 

アルビノと表現しても差し支えない容姿の華奢な少年はブラックの缶コーヒーを片手に呟く。少し先に妙齢の女性二人と小学生程の少女が連れ立って歩いている。

 

 

「なに不貞腐れてるじゃんよ一方通行(アクセラレータ)

 

 

女性のうちの一人緑色のジャージを着た方が振り向きそう言う。

 

 

「ガキのおもりならおまえらで事足りるだろォが」

 

 

「しょうがないでしょ。このスーパー銭湯のチケット今日中に使わないといけないんだから」

 

 

もう一人の女性も振り返り、諭すように言う。その服装はヨレヨレの着古したTシャツにこれまたヨレヨレのジーンズを履いているというなんとも退廃的なものだ。

 

 

「チッ」

 

 

少年は舌打ちしながらも、彼女たちに着いて行く。なんだかんだ言っても、彼にとっては居心地のいい空間なのだ。

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side Touma Kamijou

 

 

「明日からは当分もやし生活だな…」

 

 

少年の目の前にはうず高く積まれた皿の山がある。ただ、これは少年の成果ではない。

 

 

「むしゃむしゃ」

 

 

少年の前に座る銀髪碧眼の少女の成果だ。彼女は白地に金の刺繍を施し、更に所々を安全ピンでつないである異様な修道服を身に纏っている。

 

 

「あの〜、インデックスさん?そろそろ注文止めてくれませんかね?じゃないと勘定払えそうにないんだけど…」

 

 

「まだわたしは食べはじめたばかりなんだよ、とうま。せめて腹八分までは食べさせてほしいかも」

 

 

「いーや、もうダメだ!おまえさっきもそう言って追加しただろうが!しかも、俺は全然食ってねえし!」

 

 

「むー」

 

 

この夜上条少年は晩ごはんをめんどくさがってファミレスなんぞに駆け込んだことを心底後悔したのは言うまでもない。

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ISSEI

 

 

「今日もハズレっぽいな」

 

 

あのファミレスの件から数日が経った。あの後俺たちは神父の服を着て町をねり歩き、フリードたちをおびき出す作戦を立てた。

 

 

だが未だに収穫はなしだ。八幡たちはまた別で動いているらしい。

 

 

「…祐斗先輩」

 

 

先を歩いていた木場が急に立ち止まり、小猫ちゃんも警戒心を顕にする。

 

 

瞬間ぞわっと、俺の全身を寒気が襲った。覚えのあるそれは、殺気だ。

 

 

「上だ!」

 

 

匙の叫びとともに全員が空をみると、大上段に剣を振り上げながら影が降ってきた。

 

 

「やぁぁぁぁりいぃぃぃぃいい!!!」

 

 

ギイィィィン!と木場が魔剣でその一撃を防いだ。

 

 

「フリード!」

 

 

「おやおや?誰かと思やぁ、イッセーくんじゃん!そんなカッコでこりゃまた珍妙な再会じゃあないですか!!見たとこパワーアップしてるみたいで、嬉しいよ!じゃあ殺すね?」

 

 

相変わらずイかれた調子だな、こいつは!それにあいつの剣。イリナやゼノヴィアのと同じく危ない感じだ。

 

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!」

 

 

『Boost!』

 

 

俺の力が高まっていく。今回の俺の役割は木場のサポートだ。高めた力を木場に譲渡する。

 

 

「伸びろ!ラインよ!」

 

 

匙の手元から黒く細長い触手のようなものがフリードに向かって飛んでいく。手の甲にはトカゲの顔のようなものが装着されている。

 

 

あれはトカゲのベロか!

 

 

「うぜえなぁ!!」

 

 

飛来するそれを聖剣で薙ぎ払おうとするが、トカゲの舌は軌道を変え、フリードの右足に張り付いた。

 

 

フリードはそれを斬ろうとするが、すり抜けて上手く斬れないようだ。

 

 

「そいつはちょっとやそっとじゃ斬れないぜ。木場!そいつはこれで逃げられねえ!存分にやれ!」

 

 

「ありがたい!助かるよ!」

 

 

木場が二振りの魔剣でフリードを攻める。

 

 

「あはは!すごいすごい!!でもな、俺さまのこのエクスカリバーちゃんはそんじょそこらの魔剣じゃぁよ───」

 

 

バギィィィ!

 

 

「相手にならねえんだよな」

 

 

破砕音と共に、木場の魔剣が粉々になる!

 

 

「くっ!」

 

 

新たに魔剣を創る木場だが、それもまた砕かれる。それでも次々に魔剣を創り、フリードに向かっていく。

 

 

「ハッハハハっ!随分と怖い顔でエクスカリバーを見るねぇ。ひょっとすると、憎悪とか持ってる感じ?何があったか知んないけどさ!これでズバッといかれると悪魔ちゃんは消滅確定なんだよねぇ?ほらほら!死んじゃえよ!」

 

 

ヤバい!木場が押し負け、聖剣の切先が迫る!

 

 

「って、あれ!?」

 

 

突然の浮遊感。見ると、小猫ちゃんが俺を持ち上げている!?

 

 

「…発射します。祐斗先輩を頼みます」

 

 

ブゥゥゥン!

 

 

そのまま木場目掛けて投擲される俺。

 

 

「うぅぅわあああ!!木場ぁぁぁぁ!!譲渡するからなぁぁぁ!!」

 

 

「い、イッセー君!?」

 

 

木場に触れ、力を流し込む。

 

 

『Transfer!!』

 

 

音声が発せられ、木場にドラゴンのパワーが流れていく。木場の体からオーラが迸る。

 

 

「もらった以上は使うしかないか」

 

 

地面や電柱、その他あらゆるところから魔剣の刃が出現する。

 

 

「クソが!!」

 

 

自らに迫る魔剣を破壊している隙に、木場が神足を見せる。俺にはその動きはもう分からない。

 

 

だが対するフリードもそれに追いすがり迎撃体制に入っている。

 

 

「舐めんなよ!俺さまの『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリイ)』をよ!速度で俺に勝てると思うな!」

 

 

そのまま木場とフリードは数合打ち合う。だが再び、木場の魔剣が砕かれ、窮地に陥るが───

 

 

「させるか!」

 

 

フリードが匙に引っ張られ、体制を崩す。それにあの舌が淡く発光する。

 

 

「こいつ!?俺の力を吸い取ってんのか!」

 

 

「そうだ!これが俺の神器(セイクリッド・ギア)!『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』だ!」

 

 

「めんどくせえ!!」

 

 

フリードがエクスカリバーで取り払おうとしても、絡みついたそれは無傷だ。

 

 

「木場!文句言ってられない!とりあえずそいつを倒せ!放置しとくのは危ねえ!俺が弱らせるから、その間に倒せ!」

 

 

匙の言葉に木場は複雑な表情でフリードに向き直る。多分自力で倒せなかったのがよっぽど悔しいんだろう。けど、ここでフリードをやっておかないと損なのも事実だ。

 

 

「……不本意だが、ここで君を始末するのには同意する。残る二本の使い手に期待しよう」

 

 

「俺が一番使い手の中で強いんだぜ?ここで四人で俺を倒せば、おまえさんの満足のいく相手はいなくなっちまう!いいのか?俺を殺しゃあ満足できる聖剣バトルはなくなっちまうぜ?」

 

 

その言葉を聞いて木場の目元が引きつる。相変わらず面倒なやつだ!フリードめ!

 

 

「おいおい。なぁにやられそうになってんだよクソが」

 

 

その時、第三者の声が響く。その方を見やると、神父の服の上から白衣を羽織った金髪の初老の男が立っていた。

 

 

「……バルパーのおっさんか」

 

 

「早めに目的のモンが手に入ったから様子を見に来てみりゃあよぉ。なんだそのザマは?あ?」

 

 

 

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