ハイスクールD×D 駒王学園の第三勢力 作:空☆条☆承☆太☆郎☆
side Accelerator
夏の気配が近づいてきたこの頃。段々と蒸し暑くなり、昼間のそれは夜になっても続いていた。
「中はうるせェから出てきたら、今度は暑いって…どうなってんだ」
派手なスーパー銭湯の入り口横にあるベンチに腰掛けている少年───
「いい加減遅えな…」
(なンだ?急に静かになりやがった?)
警戒心を露わに辺りを見渡す。そう。さっきまで喧騒に包まれていた店内からも、通りからも、
───ッドオオオン!!!!
勢いよく突っ込んできた黒のワンボックスカーが一方通行に激突する。轟音が辺り響く。
「おいおい。一体こりゃァ、どォいうこった?挨拶にしちゃァ些か派手すぎるんじゃねェのか?」
しかし、
首に添えられた手はチョーカー型の電極の制御スイッチに触れている。
一方通行の能力は
「なァ、おまえは誰に喧嘩売ってンのか分かってンのか?あァ?」
自身の左手にそう話かける。そこには、全身黒づくめの男が掴まれていた。
「……っ、ぐ…」
「ちッ、答えられねェのかよ」
ぐしゃりと鈍い音共に、掴まれた男の首がだらりと下がる。
「まッたくよォ、次から次から湧いてきやがって…」
更に、一方通行を囲むように車が停まり、開いたドアから銃口がのぞく。
ゴンッ!と一方通行が地面に拳を叩きつけた。
バギァッ!!という轟音と共に、勢いよくアスファルトの地面が爆発したかのように下から弾けとぶ。そして、彼を囲んでいた車も弾きとばされ、横転する。
「ハッ、あとは十秒で終いだなァ」
ゆっくり笑みを浮かべながら、悠々と歩を進める。
「あーあー、だから言ったじゃねえかよ」
横転した車の一台からそう声が聞こえてきた。
「あのガキ潰すにゃこんなもんじゃ駄目だってよぉ。ガキ相手だからって甘い事ばっかしやがって。だから最初から俺が出るっつってんじゃねえか」
後部スライドドアから、一人の男が出てきた。白衣を羽織った長身の男。あれだけの衝撃を受けてダメージを受けた様子はなかった。研究者らしき装いではあるが、その顔には刺青が彫られ、首元には十字架が下げられていた。
「……、」
一方通行は眉をひそめた。
「ぶっ、は、ギャハハハハ!!一体誰かと思やァ、テメエだッたのかよ、バルパーくんよォ!!思わせぶりな登場しやがッてよォ!?」
バルパー・ガリレイ。かつて教会の研究組織に所属していた男。
「いやぁ、俺としてもよぉテメェと会うのは絶賛お断りだったんだけどな。会っちまったもんは仕方ねえだろ?だからさあ、ここでおとなしく潰されてくんねーかな」
「俺にビビってた野郎がよく吠えんなァ?」
「あぁ〜、そうそう。テメェのこたぁ昔っからぶっ殺してやりてえってずうっと思ってたんだよな」
未だ余裕の表情でバルパー・ガリレイはじりじりと前へ進んでくる。
「だからそういうことで、殺すわクソガキ」
一言発し、拳が繰り出される。勢いよく放たれるそれは、一方通行にとってはなんらダメージにならない。構える必要すらなく、迎え入れ、逆に拳から腕を捻じり潰す。
はずだった。
ゴン!!という激しい音と共に、そのまま
「あ……が…!?」
予想外の一撃に、大きく体制を崩される。反射的に首元のスイッチに触れるが、それは間違いなくオンになっている。少なくとも能力自体は効いている。ならば、傷を負うことは絶対にないはずだ。
「つうかよぉ?
ガリレイはそう言いながら、さらに打撃を加える。
「ごっ、!?がはっ」
びしゃりと血を撒き散らし、地面を転がる。
「テメェなんぞにかまってやだてる時間はねえんだからよ?さっさと潰れちまえよ」
ぐしゃりと脇腹に蹴りが入り、さらに転がっていく。
どうしてか自分の能力が働かない。その事実と敵の狙いに焦りはつのっていく。
「さっきから不思議そうだよなぁ?一方通行」
ゆっくりと上機嫌で近づいてくるガリレイ。
「テメェのそれは、向かってくる力のベクトルを『反対に』変えてるだけだ。だったら簡単な話だ。テメェをボコボコにしたいんだったら直撃の寸前で拳を引き戻しゃいいんだよ」
パキパキと関節を鳴らしながら語る。
「テメェは、自分から遠ざかっていく拳を『反射』させてる訳だ」
言いながら、起き上がろうとする一方通行に足を踏み下ろす。
バキ!!グシャ!!ゴン!!と、鈍い音が続く。ガリレイの顔に血が跳ねる。
「やれやれ、中々死なねーなおい?ってもまあ、時間切れだ」
ガリレイが視線をやった方向を一方通行が見やる。
施設の方から男に腕を掴まれた少女が、いた。
一方通行の目が見開かれる。掬い上げたと思った少女が、守ると決めた少女が今再び、暗闇へと引きずり込まれようとしている。
「っ、があああああっっっ!!!!」
握りしめた拳を振り下ろそうとする。
「うるせぇよ!!」
ゴシャッ!と蹴りが減り込む。芯の部分に突き刺さったそれは、一方通行の意識をついに刈り取った。
side OUT
side HACHIMAN
「そう。わかったわ」
派遣組と共同戦線を張ることを伝えると、分かっていたのか雪ノ下はすんなり首を縦に振った。
あれ?すんなりいきすぎじゃね?小言の一つあるんじゃないかと思ってたんだが。
「私たちも動くわ。あなたが共同戦線とやらで彼女たちとの仲介をしてくれるなら、邪魔にはならないだろうし」
なるほど。連絡役ということか。お互い邪魔し合わないようにしないとマジで殺し合いになりかねんからな。
「おい八幡。士郎借りてってもいいか?」
「別にいいけどなんでまた?ていうかナチュラルに馴染みすぎじゃない?おまえ」
奉仕部の部室に俺らは居るわけだが、当たり前のように藤原が菓子を食ってくつろいでいた。
「そうね。あなたは比企谷君の客人でしょう?」
雪ノ下、つっこむのはいいが、そいつは別に俺の客じゃない。俺には客に呼ぶような友人知人はいない。
因みに、今ここには俺たち三人しかいない。
「まあ、気にするなよ。あいつはなんだかほっておけない気がするんだよ。魔戒騎士としても頼りないしな」
なるほどな。勘がいいのかね。
「ふう。じゃあ、そろそろお暇させてもらうかな」
藤原は言うや否や、窓から飛び降りた。なんで扉から出ねえんだよ。
「今回の相手…手強いわよ」
「コカビエルか?」
「それもそうね。でも、問題なのは取り巻きの一人よ」
「比古清十郎…」
それは俺たちとは少し因縁のある相手だった。コカビエルが雇い入れたという、一人の剣客。その流派は、『飛天御剣流』。戦国時代の最中に出来た殺人剣。
side OUT
スーパーナチュラルseason1から見直してたりしたら投稿すっかり遅れてしまいました。