ハイスクールD×D 駒王学園の第三勢力   作:空☆条☆承☆太☆郎☆

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遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。




折衷

「…でさあ、魔法陣で飛べないから自転車で依頼主のところに行くことになってさあ…て、八幡聞いてるか?」

 

 

あいかわらず、聞いてもないことをベラベラとしゃべるなこいつは。

 

 

「…ああ、うん。聞いてる聞いてる。それで、轢かれそうになった子犬がどうしたって?」

 

 

「ごめん、聞いてないなら聞いてないって言ってくれよ!今話してるのは子犬の話じゃなくて、俺の悪魔稼業の話だよ!」

 

 

昨日の一件以降も兵藤は前と変わらない態度で俺に接してくる。なんなのこいつ…本来なら俺らは敵同士なんだけど…

 

 

「なあ兵藤…俺とおまえ、いやおまえたちは俺たちの敵なんだぞ?分かってんのか?」

 

 

「いやあ…確かにおまえの正体を知って驚いたし、俺は難しい話とかよくわかんねえから、急に昨日みたいなこと言われてもさ、実感湧かねえんだよな。…それでも、俺は信じてるよおまえのこと。友だちからさ」

 

 

なんでそういうことサラッと言うんだよこいつは。

 

 

「別に友だちになった覚えはないけどな」

 

 

「はぁ⁉そりゃないぜ、八幡」

 

 

そんな他愛もない話をして、授業を受けているうちに放課後が訪れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、あなたたちをどうするのか決めてしまいましょうか」

 

 

旧校舎にあるオカルト研究部の部室では雪ノ下とリアス・グレモリーが向かい合って座っていた。昨日のような殺気立った雰囲気はなく、幾分かマシな居心地だ。俺は雪ノ下の後ろに控えていて、リアス・グレモリーの後ろには同様に姫島朱乃が控えていた。

 

 

「昨日も言ったように私たちはあなた方と敵対するつもりはありません。奉仕部としての活動もこれまで通りに続けさせてもらうつもりですが、そちらからそれに関しての条件などはありますか?」

 

 

「あんなものを見せておいて、そんな譲歩案を出してくるのね?」

 

 

「形は大切でしょう?」

 

 

眉間に皺を寄せながら言うグレモリー先輩に雪ノ下は冷ややかに返した。まぁ、無理矢理脅しをかけて従わせたにしても、表面上は対等に見える方が都合がいいしな。

 

 

「そうね…では、奉仕部から一人か二人ほどこちら側に預けてもらえないかしら?」

 

 

「分かりました。奉仕部からは比企谷君と衛宮君を預けることにします。それでよろしいですか?」

 

 

ん?今なんか、衛宮ともう一人知ってるやつの名前が聞こえた気がするんだけど…俺か?俺なのか?小町なわけないし…了解してもないのに決められちゃったよ…

 

 

「ええ。一時的に預かる形とさせてもらうわ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

あれ?終わり?スムーズにいってよかったな。…ていうか、本気で俺をオカルト研究部に預けんの?

 

 

「というわけで、比企谷君。よろしくね」

 

 

「あっはい…」

 

 

めんどくせえ…奉仕部に顔出したらすぐこっちこなきゃなんねえじゃん…

 

 

「それでは、また」

 

 

「明日からよろしくお願いします」

 

 

立ち上がった雪ノ下の後を着いて行きながら、扉の方へ向かって行くと、聞きたくなかったことが耳に入った。

 

 

「明日からじゃないわよ?今夜からね」

 

 

ウソだろ…この人睡眠時間削ってくんの?鬼だな…いや、悪魔か…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…というわけで、しばらくこの二人にはオカルト研究部と奉仕部を掛け持ちしてもらうことになったわ」

 

 

「衛宮士郎です。よろしく」

 

 

「比企谷八幡だ。よろしく」

 

 

あれから数時間経ち夜もすっかり深まる頃俺と衛宮は再び駒王学園旧校舎のオカルト研究部の部室にいた。自己紹介…と言っても名前だけ手短に告げると他の皆は思い思いの行動を取り始めた。

 

 

「じゃあ俺は依頼者のところに行ってきます」

 

 

「気を付けてね、イッセー」

 

 

「はい!八幡と士郎もまたな!」

 

 

シュビッと手を挙げて俺たちにそう言うと、兵藤は慌ただしく部室から出て行った。…そういえば、魔力でジャンプできない前代未聞の奴とか朝言ってたな。

 

 

「相変わらず慌ただしい奴だな一誠は」

 

 

「おまえ兵藤と仲良いのか?名前で呼び合ってるけど」

 

 

「ああ、街で不良に絡まれてたのを助けてからよく話すようになったんだよ」

 

 

「ほーん」

 

 

こいつらしい理由だな。えーっと…どこまで読んでたっけな…

 

 

「…比企谷先輩」

 

 

文庫本のページを繰っていると、ちょいちょいと袖を引っ張られたので振り返ると塔城小猫の姿があった。

 

 

「塔城か、どうした?」

 

 

「…小町ちゃん今日学校休んでましたけど、どうしたんですか?」

 

 

「小町か?実はな、珍しいことに風邪ひいて熱出したんだよ。だから休ませたんだ」

 

 

「…そうですか」

 

 

「今日は無理だけど、明日にでも見舞いに来てくれたら小町も喜ぶと思うんだが…どうだ?」

 

 

「…ありがとうございます」

 

 

そう言いながら、塔城は嬉しそうに微笑んだ。普段無表情なだけにこういう表情の変化には思わずドキッとしてしまう…危ない危ない。危うくお兄ちゃんスキルのなでなでが発動してしまうところだったぜ。これは小町専用のスキルだからな。

 

 

「あら、小猫とハチマンは面識があったの?」

 

 

いきなり呼び捨て?やっぱり、名前が全部カタカナの人は他人をファーストネームで呼びたがるのか!?

 

 

「まあ、妹と遊びに家に来てたんで」

 

 

「そう。良かったわ。もし、邪なことを企んでいたら相応の罰を与えなきゃならなかったから」

 

 

俺を何だと思ってんのこの人は!?塔城に手出したら、事案発生になっちまうから、その辺はちゃんとわきまえてるからね!?

 

 

「そう言えば、衛宮君と遠坂さんは付き合ってるの?色々噂があるけど」

 

 

「木場もそういうことに興味あるんだな」

 

 

「まあ、一応ね」

 

 

今衛宮に話しかけているのは木場裕斗…駒王学園でも一番人気の男子…つまりはリア充の筆頭だ。

 

 

「…まあ、付き合ってるといえば付き合ってるかな」

 

 

「その言い方だと、複雑みたいだね」

 

 

「まあな」

 

 

遠坂凛…ご存知奉仕部のメンバーでもあり、この衛宮士郎の恋人だ。駒王学園でも姫島朱乃先輩やリアス・グレモリー先輩、そして雪ノ下や由比ヶ浜に並ぶ美人だと言われている。そして、衛宮もまたモテる。モテまくる。なんなんだこの差は!?

 

 

「大変です部長!」

 

 

そんなアホなことを考えていると、突然グレモリー先輩の後ろに控えていた姫島先輩が険しい表情でそう告げた。

 

 

「どうしたの、朱乃?」

 

 

「イッセー君の依頼者のところにはぐれ祓魔師が表れたと使い魔たちから報告がありました」

 

 

「なんですって!?朱乃、すぐに跳ぶ準備を。裕斗、子猫!」

 

 

「「はい!」」

 

 

「俺たちも行くぞ、八幡!」

 

 

「ああ!」




ふと思ったんですけどね。よく転生もののSSで特典として無限の剣製をつけてもらうというものがありますが、固有結界って術者の心象風景を外界に投影するものじゃないですか。だから、衛宮士郎という人間の心象風景があの荒野なわけですよね?あれは衛宮士郎だけが有するものなわけですよ。だから、彼以外の人間がどんだけ頑張ったところで、無限の剣製を展開するのは無理だと思うんですよ。
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