ハイスクールD×D 駒王学園の第三勢力   作:空☆条☆承☆太☆郎☆

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すいません。まだもう一話あります。前回あと一話で終わるなんて書きましたが、長くなりすぎてしまいました。


怒髪

廃教会へたどり着いたときには、既に日は落ちきり辺りも真っ暗になっていた。

 

 

「どっかに儀式場があるはずだ。分かるか、衛宮」

 

 

「地下だ。教会になってる部分の真下に部屋がある」

 

 

衛宮の物の構造把握は異常に発達している。こういうときはすごく役に立つんだよな。

 

 

「んじゃ、さっさと行くか」

 

 

「ああ。これ以上時間をかけたくないしな」

 

 

そうして、廃教会に入り込もうとしたとき、後ろに気配を感じた。

 

 

「…兵藤か」

 

 

「八幡、士郎!?なんでここに!?」

 

 

頓狂な声を上げる兵藤の後ろには木場と塔城の姿もあった。木場と塔城に関しては、恐らく俺と同じような形で兵藤に付いてきたんだろうな。一人突っ走る奴がいると、苦労するよな。

 

 

「俺は衛宮が無茶しないようについてるんだよ」

 

 

「なるほど」

 

 

「でも、簡単には先へ進ませてくれなさそうだな」

 

 

「え?」

 

 

いつの間にか、教会の入り口の前に一つの人影があった。この大きさからするに、この間の代行者崩れだな。

 

 

「ふむ。もう少し、時間がかかるものだと思っていたが。いやはや、流石は黄金騎士と言ったところか」

 

 

両手の指に黒い柄を挟み込み、その男は不敵に笑う。

 

 

「あの男…只者じゃないね」

 

 

木場が剣を構えながら言う。隣では、塔城もグローブを嵌めた拳を構え、臨戦体制に入っている。

 

 

「お前らは先に行け。こいつは俺がなんとかする」

 

 

「はあ!?何言ってんだよ八幡!こんなヤバそうな奴相手におまえ一人だけ残していけるかよ!!」

 

 

「おまえは馬鹿か。おまえも、どうせあのシスターを助けに来たんだろ?それに、おまえが残っても何の足しにもなんねえよ」

 

 

「ぐっ…」

 

 

「一誠。ここは八幡に任せるべきだ。俺たちは先に行こう」

 

 

衛宮がうな垂れる兵藤の肩に手を添え、促す。木場もそれに賛同し、代行者崩れの横を通り抜ける。

 

 

「スルーして良かったのか?」

 

 

「流石に、黄金騎士の相手をしながら他の者の相手をするのは骨が折れる。それに、内側にも守り手はいるからな」

 

 

魔戒剣を鞘から抜き、構える。羽織っている魔法衣が風になびく。代行者崩れも手にした柄に魔力を通し、刃を形作る。

 

 

「では、始めようか」

 

 

相手の声と共に、二つの影が飛び出し激突する。

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ISSEI

 

 

「八幡…」

 

 

あの大男は、多分クソ神父より強い。素人の俺でもそれぐらいは分かる。そんな奴と一人で戦うなんて、本当に大丈夫なのか?

 

 

「心配するなよ、一誠。八幡は強いから」

 

 

「士郎…でも、やっぱり…」

 

 

「八幡は見栄を張ったりしない奴なのは知ってるだろ?だから、一人でいいって言ったならそれでいいんだよ」

 

 

「…そうだな。そうだよな」

 

 

士郎の言葉に少し安堵する。初めて会った時からこいつにはいつも助けられてばっかりだ。

 

 

「…来るよ」

 

 

木場の声と共に、破壊された祭壇の側からこちらに向かってくる人影を察知し身構える。

 

 

「あ〜ら、あらら?言峰の旦那ってば、こいつらスルーしたのかよ」

 

 

この耳障りな声。あいつだ!あのクソ神父だ!ムカつく笑顔しやがって!

 

 

「あれあれ、君は!また、会ったねぇ!感動の再会ってやつだなぁ!!」

 

 

「ふざけんじゃねえ!俺は二度と会いたくなかったよ!」

 

 

当たり前だ!こんなイかれた野郎に、二回も三回も会うなんざごめんだ!

 

 

「はぁ〜っ…俺としては二度会う悪魔はいないってことになってんだよね!俺ってば、めちゃんこ強いから、悪魔なんて初見でポイッなんだよね!でもでも!おまえらが邪魔してくれたおかげで俺のスタンスがだだ狂いなんだよ!だからさ!ムカつくから、ここで死んでおけよ!クソ悪魔どもがぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 

 

長ったらしいシャウトしてんじゃねえよ!激昂したクソ神父が懐から例の拳銃と柄だけの剣を取り出し、光の刃を出現させる。斬られるとダメージデカイだろうな。銃の方もだろうけど。

 

 

同調、開始(トレース・オン)

 

 

俺の隣では士郎が持っている刀に何かを施していた。士郎が言葉を終えると同時に、腕から刀身に掛けて光が走る。

 

 

「あの子を返してもらう!」

 

 

士郎が構えながら言う。やっぱり、士郎もアーシアを助けに来てたのか。

 

 

「この間のヒーロー様…確か、士郎クンって言ってたなぁ?てめぇら、アーシアたんを助けにきたんだろう?ハハハ!あんな悪魔も助けちゃうようなビッチちゃんを救いにくるなんて、なんて悪魔さまは心が広いんでしょうか!悪魔に魅入られている時点であのクソシスターは死んだ方が」

 

 

「てめえ!アーシアはどこだ!」

 

 

「あん?そこの祭壇の地下にある、儀式場ですぜ」

 

 

やけにあっさり言いやがるな。四対一のこの状況下でそれを言うってことは、舐められてるってことか!ふざけやがって!

 

 

「来い、セイクリッド・ギア!」

 

 

俺の叫びに呼応して左腕に赤い籠手が装着される。木場も剣を鞘から抜き、小猫ちゃんはー

 

 

「………潰れて」

 

 

近くにあった、小猫ちゃんの身長の何倍もある長椅子を二つ神父に投げ放っていた。…小猫ちゃんは怒らせたらダメだな。木場は見慣れているのか、特にリアクションしていないが、士郎は引きつった笑みを浮かべている。

 

 

「凄いな…小柄なのに雪ノ下みたいなことができるんだ…」

 

 

「えっ!?雪ノ下さんもあんなこと出来るの!?」

 

 

「ああ、まあ、な」

 

 

だが、投げ放たれた長椅子は神父に当たることなく、片方は避けられもう片方は剣で両断され、激しい音を立てながら床に激突した。

 

 

「しゃらくせぇ!」

 

 

「衛宮君!」

 

 

「おう!」

 

 

木場が目にも止まらぬ速さで飛び出し、士郎も同じく飛び出す。火花を散らしながら、士郎と木場が神父と打ち合っていく。

 

 

「んー!んー!ちょこまかちょこまか鬱陶しいなぁ、もう!」

 

 

音もなく発射される弾を避け、或いは弾き、木場と士郎は間合いを詰めていく。俺は二人の動きを捉えきれないが、あの神父は捉えてるのか。やっぱりあいつは俺一人でどうにかできる相手じゃないってことか。

 

 

「やるね。表にいた神父程じゃないけれど、君もかなりやるようだね」

 

 

「アハハ!そういうあんた、いやあんたたちもやるねぇ!悪魔のあんたは『騎士(ナイト)』か!無駄のない動き!いいねぇ!いいねぇ!最高だ!最近、こんなにいいバトルをしてなくてさぁ!飽き飽きしてたんだよ!ぶっ殺す!!」

 

 

「じゃあ、僕も少しだけ本気を出そうかな」

 

 

何?本気?何をするつもりなんだ、木場は。

 

 

「喰らえ」

 

 

低い声音。その迫力はいつもの爽やかな木場の口から出たとは思えない程だ。

 

 

「木場の剣から何か出てる?」

 

 

そう。木場の言葉とともに、その剣から黒いモヤモヤしたものが現れた。言うなれば『闇』。そうとしか形容できないものが木場の剣を覆い、やがて鍔迫り合っている神父の光の剣を侵食しだした。

 

 

「なんだ、こりゃあ!?」

 

 

「『光喰剣(ホーリー・イレイザー)』。光を喰らう闇の剣さ」

 

 

「ちぃっ!てめえも神器(セイクリッド・ギア)持ちか!?」

 

 

見る間に神父の光の剣は木場の闇の剣に喰われて光を失い、刃を形成できないほどとなった。

 

 

「うおおおっ!」

 

 

「ぐっ!?」

 

 

隙をついて士郎が神父に斬りかかり、それを無理に避けようとして神父は大きくバランスを崩した。

 

 

「神器!動けぇぇぇ!」

 

 

『Boost!!』

 

 

宝玉から音声が流れ、俺の体に力が流れ込んでくる!そして、左の拳を握り締め、神父に向けて駆け出した!

 

 

「こんのォ野郎ォォ!!」

 

 

バランスを崩し、仰け反りながらも神父は俺に向けて銃弾を撃ち出した。

 

 

「プロモーションッ!『戦車(ルーク)』ッ!」

 

 

弾は俺に当たると同時にビシイッ!と音を立てながら霧消していった。

 

 

「!プロモーション!『兵士(ポーン)』か!?」

 

 

「そうだよ、馬鹿野郎!!くらいやがれ!」

 

 

俺の拳が神父の顔面に食い込んだ。が、何か硬い感触が拳に残った。だが、神父は勢いよく後方へぶっ倒れた!

 

 

「ハァハァ、ヘヘッ!あの時はよくもアーシアを殴ってくれたな。一発殴れてスッキリしたぜ」

 

 

しかし、すぐに神父はよろよろと起き上がり、床にぺっと血を吐き出した。右の頬が腫れ上がっている。まだ、『戦車』の力に慣れていないからか小猫ちゃん程の攻撃力は出せないのか。それに、俺の拳が当たる既のところで光の剣の柄でガードしたのか。一体どんな反応速度だよ。

 

 

「…あー。…あらあらぁ、クソッタレのクソ悪魔に殴られたうえ、なんかわけわからんこと言われてますですよ、俺っちってばぁ………ふざけんじゃぁぁぁぁねえぇぇぇぇぇえええぞおおおぉぉぉぉ!!!!!何、悪魔の分際でこの俺様に対して調子に乗ってんだぁっ!!!!!殺す殺す殺す!!!!!絶対殺してやる!!!!!クソッタレが!!!!!」

 

 

神父が懐から二本目の柄を取り出しながら絶叫する。まだあんのかよ!何本持ってるんだ!

 

 

「…っはー…こいつぁピンチってやつかな、もしかして?んー、俺的に悪魔なんぞに殺されるのは勘弁って感じなんで、退散するかね。こんなところで死ぬのは嫌だし」

 

 

しかし、神父は俺たち四人で周りを囲っているのに気づき、一気に冷静になった。そうして、ポケットから何か丸い物を取り出し、床に叩きつけた。瞬間、それは眩い光を発した。クソ!目くらましかよ!

 

 

「おい。そこの雑魚野郎…イッセー君だっけ?キミぃ、俺のことよくも殴ってくれたよね?絶対殺すから。絶対だよ?それじゃ、ばははーい」

 

 

そんな言葉を残して、神父は完全に姿をくらました。追いかけたいところだけど、構ってる余裕はない。そして、俺たちは祭壇の隠し階段へ足を向け、地下へと降りていった。

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side HACHIMAN

 

 

「はっ!」

 

 

投擲され弧を描きながら迫る黒鍵を打ち落とし、代行者崩れに斬りかかる。

 

 

「ふむ」

 

 

だが、新たに取り出された黒鍵にそれは阻まれる。クソ!さっきからこれの繰り返しだ!

 

 

「鎧は召喚しないのか?黄金騎士」

 

 

「する必要はないだろう。まだあんたは物質的な攻撃しかしてきていない。この程度なら強化だけでも対応できる」

 

 

「成る程な。では、これならどうかね?」

 

 

「何?」

 

 

代行者崩れは懐からペンダントのようなものを取り出した。

 

 

「なに。とっておきだ」

 

 

そして、そのペンダントを頭上に掲げ、円を描くように回した。

 

 

「なんだと!?おまえ、まさか!?」

 

 

描いた円から代行者崩れに向けて複数の黒い塊が降り注ぐ。やがて、それは代行者崩れの全身を覆った。

 

 

『ああ。そのまさかだ。私も、魔戒騎士の鎧を継ぐ者だ。…それ程驚くこともないだろう?私は元代行者だ。人ならざるモノに対する術を持っていてもおかしくはないはずだ』

 

 

それは、俺の纏う牙狼(ガロ)の鎧と同じく狼を模した鎧だった。だが、それは禍々しい漆黒に彩られていた。

 

 

『だがまあ、魔戒騎士といっても私は闇に堕ちた『暗黒騎士』だがね』

 

 

暗黒騎士…鎧の制限時間を超えた先にある呪われた力。魔戒騎士が犯してはならない禁忌。

 

 

「まさか、こんなところで他の魔戒騎士の痕跡を見ることになるなんてな」

 

 

『八幡、おまえも鎧を纏え。生身では流石にあれには対抗できないぞ』

 

 

「分かってるよ、ザルバ」

 

 

言われるまでもない。魔戒剣で頭上に円を描き、鎧を召喚する。

 

 

『ふむ。では、参ろうか!』

 

 

『ぐっ!』

 

 

言いながら、一瞬で間を詰め、振り払われる斬撃を咄嗟に防ぐ。そのまま数合打ち合っていく。

 

 

『やはり、黄金騎士たるだけはあるな。この一撃を止めるとは』

 

 

『そいつはどう、も!』

 

 

ガキィっと火花を散らしながら鍔迫り合う。重い。相当な数の修羅場をくぐってきたんだろうな。

 

 

『ふむ。では、これならどうかな?』

 

 

『なッ!?ガハッ!?』

 

 

振り下ろされた斬撃を受け止め攻撃を返そうとした時横から別の攻撃を喰らった!なんだ!?

 

 

『ハァハァ…それは!?』

 

 

奴の左手には巨大な斧が握られていた。剣だけじゃねえのかよ!?

 

 

『まだまだ甘いな黄金騎士よ』

 

 

『クソ!』

 

 

しかし、俺が再度飛びかかろうとした時奴の背後にある教会から強烈な光が漏れる。なんだ!?衛宮たちは無事なのか!?

 

 

『そろそろ頃合いか。また会おう、黄金騎士』

 

 

『は!?おい、待て!』

 

 

闇に溶け込むように消えていく奴は、その言葉を残して完全にその場から消えた。

 

 

『八幡。追いかけている場合じゃないぜ?』

 

 

「そうだな。衛宮たちのところへ行かないと」

 

 

鎧を解除して教会へと足を向けた。どうにも胸騒ぎがする。

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ISSEI

 

 

「アーシアァァ!!」

 

 

祭壇の隠し階段から地下へ降りた俺たちはその一番奥にある部屋に入った。そこの奥にある十字架に鎖で縛りつけられていたアーシアを見つけた。

 

 

「…イッセーさん?」

 

 

俺の叫び声に気付いたアーシアはこちらを向いた。その目には涙が湛えられている。

 

 

「助けにきたぞ!」

 

 

「感動の再会のところ悪いんだけど、遅かったわね。ついさっき儀式が終わったところなのよ」

 

 

俺の言葉を遮るようにアーシアのそばにいた堕天使レイナーレがそう口にする。儀式が、終わった?一体どういう…

 

 

「う、あ、あぁあぁあ、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」

 

 

突然、アーシアの体が光を発し、とても苦しそうな絶叫を放った。

 

 

「アーシア!アーシア!」

 

 

「邪魔はさせんぞ!」

 

 

アーシアへ駆け寄ろうとする俺を神父たちが阻む。

 

 

「どけ!どきやがれ!クソ神父ども!おまえらに構ってる時間はねえんだよ!」

 

 

ドコッ!と後ろでは小猫ちゃんが神父を殴り飛ばし、木場もドス黒い殺気を放ちながら剣を振るっている。そして、士郎が怒りを爆発させていた。

 

 

「ふざけてんじゃねえぇぇぞ!!!てめえぇぇぇ!!!」

 

 

その両手には、さっきの刀じゃなく、白色と黒色の剣が握られていた。

 

 

「うぐ、ああぁぁぁぁ…」

 

 

そうこうしているうちに、アーシアの胸のあたりから大きな光の塊が飛び出してきた。そして、それをレイナーレが手に掴む。

 

 

「ふ、ふふふ。アハハハハハハ!やったわ!ついに!ああついに!手に入れたわ!至高の力を!これで私は至高の堕天使となれる!私を蔑んできた者たちを見返すことができるわ!」

 

 

高笑いする堕天使に構わず、俺は再びアーシアの方に駆け出した。立ち塞がる神父たちを木場と小猫ちゃんが連携して吹っ飛ばし、或いは士郎が斬っていく。

 

 

「ありがとう!二人とも!」

 

 

アーシアは十字架の上でグッタリしている。いや、まだ大丈夫だ!そうに決まってる!無理矢理自分を鼓舞してみるが、不安が拭われることはなかった。

 

 

「……イッ、セー…さん…」

 

 

「迎えにきたよ、アーシア」

 

 

「………はい」

 

 

しかし、返事をする彼女の声はあまりにも小さく、顔色も真っ青を通り越して真っ白になり、まるで生気を感じさせない。…ダメだ!ダメだ!大丈夫だ!大丈夫なはずだ!

 

 

「くっ…」

 

 

「無駄よ。神器を抜かれた以上はもう助からないわ。その子は時機に死ぬ」

 

 

「だったら!だったら、神器を返せ!」

 

 

「返すわけないでしょう?これを手に入れるために私は上層部に何も言わずにこの計画を進めたのだから。あなたたちも殺して証拠は残さないわ」

 

 

口角を歪めて嘲笑いながらレイナーレはそう言う。

 

 

「…その姿、夕麻ちゃんの姿が憎いぜ」

 

 

「ふふふ、それなりに楽しかったわよ。あなたとの付き合い」

 

 

「初めての彼女だった…大事にしようと思ったんだ」

 

 

「そうね。私が困ったふりをしたらそれを間に受けて、フォローしたりして。ふふ。慌てふためくあなとの顔が可笑しいんですもの」

 

 

「…デートだって、初めてだったから。何度も何度もシミュレーションした。絶対にいいものにしようって思ったから」

 

 

「そうね。アハハハハ!そのくせ、ありきたなもので、とてもつまらなかったわ!」

 

 

「…夕麻ちゃん」

 

 

「その名前もね。あなたを夕暮れに殺そうと思っていたからそれにしたの。素敵でしょ?ねぇ、イッセーくん」

 

 

瞬間、俺の怒りは限界を超えた。

 

 

「レイ、ナーレェェェェェェェェェッッ!!!」

 

 

「アハハハハハハ!腐ったクソガキが私の名前を気安く呼ぶんじゃないわよ!」

 

 

怒声を張り上げた俺をさらにレイナーレは嘲笑する。腸が煮え繰り返るってのはこういうことを言うんだな!こいつの方が!この外道の方が!よっぽど悪魔じゃないか!

 

 

「兵藤君!その子を庇いながらじゃ不利だ!僕たちが道を作るから一度上にあがってくれ!早く!」

 

 

木場が神父を薙ぎ払いながら声を張り上げる。確かにそうだ。まだ神父はかなりいるし、この地下でアーシアを守りながら連中とやり合うのは些か不利だ。

 

 

「小猫ちゃん、衛宮君!兵藤君の逃げ道を作るぞ!」

 

 

「…了解」

 

 

「おうっ!」

 

 

三人がさらに神父を薙ぎ倒していく。おかげで俺は一気に入り口まで戻ることができた。

 

 

「先に行くんだ!ここは僕たちが受け止める!」

 

 

「…早く逃げて」

 

 

「一誠!その子を頼む!」

 

 

「でも!」

 

 

「いいから行って!」

 

 

クソ!カッコつけやがって!でも、今は甘えさせてもらう。

 

 

「木場!小猫ちゃん!帰ったら、俺のことイッセーって呼べよ!絶対だかんな!俺たち、仲間だからな!」

 

 

それだけ告げる。木場は微笑みを返してくれたし、小猫ちゃんは振り向かずにサムズアップを返してくれた。俺はアーシアを抱きかかえて、地下の廊下を駆け抜けて行く。

 

 

side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side SHIROU

 

 

「ふざけてんじゃねえぇぇぞ!!!てめえぇぇぇ!!!」

 

 

あまりの非道に、俺の中で怒りが弾けた。魔術回路を全力で励起させる。瞬間、魔力の流れが急激に速まり、回路が爆ぜるような感じがした。いや、爆ぜているのか。バチバチと火花を散らしながら、俺の手から魔力が流れ出す。

 

 

「ぐぁっ!?なんだ、このイメージは!?」

 

 

それは、白色と黒色の同型の剣のイメージだった。見たことは無い。それでも、識っている。構成材質も内部構造も何もかも。

 

 

投影、開始(トレース・オン)

 

 

初めてのはずなのに、もう何度も経験したことのあるような。それ程までに、覚えのある行為。数秒かからずに俺の両手にはイメージ通りの双剣が握られていた。

 

 

side OUT




次で恐らくは一巻の内容終われます。恐らく。
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