テンプレはH×Hの世界でも通用する   作:ディア

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前回のあらすじ
キルア「何があったかって?まあゾルディック家初訪問編完、とだけいおうか」


天空闘技場編
第17話 闘技場×念能力者×遭遇


「む、君は一度200階まで来ているね。180階に進みなさい」

 

「いや50階でいいよ。ブランクもあるしね」

 

「そうかね? 確かに泥試合だったが……まあそういうことならそうしよう」

 

「やり!」

 

 ゴンと俺の試合が終わった後、そう告げられたので50階に進むことになる。原作と違うのは俺が元々天空闘技場で200階以上の階層で戦っていた為にそれ以上の階層で戦うことになりかねない。そこで俺が泥試合をやったことにより如何にもブランクがあるように見せかけた。何せここのファイトマネーはかなり稼げる。わざと負けることで200階以上にならないように階層を進ませず金を稼ぐ裏技のようなことも出来るからな。

 

 

 

「押忍、自分ズシと言います。御二人は?」

 

 そんなことを考えているとズシと名乗る少年が現れる。このズシは原作にも登場したキャラで原作のゴン達の念能力の修行を共に学ぶことになる……要するに兄弟子となる人物だ。実際に修行をつけてくれる師匠はこいつの師匠ウイングだ。

 

「どうもキルアだ」

 

「ゴンだよ」

 

「自分は心源流拳法なんですが御二人はどちらの流派っスか?」

 

「独流だよ。俺もゴンもな」

 

「そうだね」

 

「ええっ!? いやーっ、御二人方誰の指導もなしにあの強さっスか……自分ショックっス」

 

「ズシ、よくやった! ちゃんと教えを守っていたね」

 

「師範代!」

 

 師範代と呼ばれた男の特徴はメガネをかけ、髪は半分に分け、そして何よりもシャツを出していた。この男こそ心源流の師範代にして原作のゴン達に念能力の修行をつけたウイングだ。

 

 

 

「師範代、シャツがまた出ています」

 

「これはウッカリ。しまわないとね。ところでズシ、そちらのお二人は?」

 

「キルアさんとゴンさんです」

 

 ウイングがシャツをしまいながらそう尋ねるとズシがそれに答える。

 

「どうもはじめましてウイングです」

 

「どうもキルアだ」

 

「ゴンです」

 

 

 

「君はどこで修行をつけたんだい?」

 

「独流らしいですよ!」

 

「まあそういうことだ。師匠らしい奴はいたがそいつの流派が何なのかわからないからそう答えただけだよ」

 

「その師匠の名前は?」

 

「ヒソカ」

 

「……! なるほど通りで」

 

 ヒソカの一声で通じてしまうあたりどれだけ有名人かよく分かる。

 

「それでこの階には不相応だとでも言う気か?」

 

「出来ることならそうしてもらえると有難いのですが、そうしない理由があるのでしょう?」

 

「あるよ。だけどまあ頼み事を聞いてくれたらさっさと上の方に上がって金稼ぎに専念することにするから」

 

「頼み事?」

 

「ズシと一緒にゴンに修行をつけて欲しい。元々ここに来た理由はゴンに修行をつけるのが目的だからな」

 

「ほう……君の指導では駄目だと?」

 

「心源流ってのはネンの概念が確立されている。俺の指導だと曖昧な部分があるんだよ。そういう意味でも裏試験の試験官もお願いしたい」

 

「なるほどそういうことですか」

 

「頼めるか?」

 

「まあ、いいでしょう。その代わりと言っては何ですが──」

 

 ウイングが出した交換条件を呑み込み、それを受け入れる。

 

 

 

 その交換条件とはズシとの試合だった。

 

「よろしくお願いします、キルアさん」

 

「どうも」

 

 相手が念を極めようとしている相手とはいえこの試合に念は使えない。理由は衆人がいるから等という理由ではなく、ズシを鍛える為だ。念が一切使えないという訳ではないがオーラを消す絶のみ使用が認められている。つまり純粋に戦って来て欲しいということだな。

 

「本気でかかってこい。本当の本気でな」

 

「いきます!」

 

 俺は絶を使い、気配を消すとズシが一瞬だけ俺を見失ったかのように目が泳ぎ同時に冷や汗をかいていた。無理もないか。原作でも言われているがキルアは暗殺者としてのスキルが高く、ゾルディック家歴代最高とまで絶賛されている。中身が俺とはいえその素質は間違いなく本物で素質任せでもズシ程度なら見失ってしまう。あのハゲ忍者とかのレベルだと見失わないがな。

 

 

 

「はァっ!」

 

 ズシの正拳突きをジャンプで交わし、ズシの頭に乗り一言。

 

「遅いな」

 

「くっ!」

 

 ズシが頭上にいる俺を捕まえようとするがそこに俺はおらず既に懐に入っていた。

 

「はい次」

 

「ぐはっ!?」

 

 リバーブローを炸裂させるとズシが悶絶し倒れる。原作のキルアは後ろに回って首トンだが俺がそうしなかったのはそうしてしまうと本当にダウンしてしまう為だ。首トンでズシが倒れなかった理由はキルアがまだ弱かったからであり今の俺の方が強い。その為首トンなんてやろうものならズシが倒れてしまうのは明らかだった。

 

「まだやれるだろう?」

 

「……もちろんです!」

 

 ズシが立ち上がり、俺を視界に捉えようとするがそこに俺はいない。後ろに回って背後から蹴り飛ばすとズシが蛙が潰れたような悲鳴を上げながら倒れる。

 

「ほらどうした?」

 

 声を上げた時に絶を解除し、ズシが俺を視界に捉えようとした時に絶をする。この緩急を取り入れるだけでズシは俺の姿を捉えることが出来なくなり見失ってしまう。

 

 そんなことを続けながらウイングに止めを刺すかアイコンタクトを送り続けるとその時が来た。

 

「これでおしまい」

 

 ズシの顎に拳を入れ、脳を揺らす。ボクシングで攻撃が顔を食らった際に人が立ち上がれない理由の一つに脳震盪があり、この脳震盪が起きると身体が思うように動かず倒れてしまう。原作のキルアはこれを応用してズシを倒そうとしていたがズシはそれに耐えてしまったこともあり念能力の存在に気がついてしまう。

 

 しかし俺は既に念能力について知っており、裏試験もネテロから合格を貰っている。そんな俺が念能力者として未熟なズシを仕留められないだろうか? 

 

 否、違う。ズシの丈夫さは確かにキルアの本気の攻撃を耐えるくらい強いがあれは念能力ありきの物でそれがなければ一般人より少し丈夫な程度だ。ズシのオーラを探りそのムラをついて脳を揺らせば手加減、しかも絶状態の俺と言えども倒せてしまうということだ。

 

 

 

「……絶状態でズシを倒してしまうとは素晴らしい」

 

「そこにいるゴンも鍛えればこのくらいは出来るようになるよ。俺も天才だがあいつもかなりの素質の持ち主だ」

 

「貴方が天才なのはそうですが彼もですか……」

 

「一を知って十を知るなんてレベルじゃないぜ。おそらく念に関してのゴン以上の素質の持ち主は世界でも数人レベルだ。だからこそ俺じゃなくちゃんとしたところで修行を積ませたい」

 

「なるほど……わかりました。約束もありますしゴン君には伝えておきましょう」

 

「頼む」

 

 

 

 ゴンがウイングに弟子入りし、師事している間に俺はヒソカを探す。

 

「やあ♥️ 待っていたよ◇」

 

「試験以来だなヒスォイ=ドカドン」

 

「♠️」

 

 ヒソカが無言で俺にトランプを投げ、俺はそれを掴みとる。

 

「だから放出系かお前は?」

 

「僕のトランプは口を閉ざす為にある♣︎」

 

 どこの理不尽教師だそれは。

 

「トランプ云々はともかく、ゴンがお前の事を探していたぜ? お前を倒したいって言ってな」

 

「そりゃ楽しみ◇」

 

「……俺にやったように無理やり弟子入りさせないのか?」

 

「君だからやったんだよ♥️」

 

「キメェ」

 

「♠️」

 

「だから放出系か!」

 

 再び投げてきたのでそれを手に持っていたトランプで相殺する。全く短気は損気と言うのに。

 

 

 

「やだな♣️︎ 僕なりの挨拶だよ◇」

 

「そうかい。それでヒソカ、兄貴とはまた仕事で縁があるのか?」

 

「ないよ◇ でもどうしてそんなことを聞くのさ♣︎」

 

「ウチの兄貴達に俺の監視を頼まれている可能性があるんじゃねえかと思ってな」

 

「確かにあり得るね♥️ でも残念ながら外れ◇」

 

「そうかい。それじゃ俺と闘いに来たって訳か?」

 

「勿論それもあるよ♠️ でもその前に前菜を食べたくてね♥️」

 

「前菜ってゴンのことか?」

 

「その通りさ♣︎ 勿論君はメイン料理だよ♥️」

 

「なら何故あいつに口を挟んだり手を加えたりしない?」

 

「普段僕は相手がどんなに素質があろうも手を加えず熟成するのを待つ主義でね◇ でも君は例外♥️ 生涯でただ一人君は僕が手を加えて熟成させたいと思えてしまう程に素質があった♣️︎ それだけのことさ♠️」

 

 

 

 ネテロといい、こいつといい、俺の素質を高く買っているな。確かに俺は元自宅警備員分だけ人生経験があるとはいえ、あくまでプラスされたのは自宅警備員でしかないはずなんだがな。

 

 もしかして前世で念とかに目覚めていたら世界最高峰の使い手になっていたのか? あるいは前世の分だけ掛け算になっているとか……それはそれでショックだがゴンさんを見ているとそうとしか考えられないんだよな。あの強さに届く念能力ってどうしろってんだ。少なくともキルアとしての人生12年間で出した答えは未解決だ。

 

 相性の良さでねじ伏せることと強さは等しくない。念の運用次第では勝利するかもしれないが、ハメ技に近く汎用性がなくなる可能性が高く汎用性のない念能力などクソでしかない。

 

 

 

「なるほどな。確かに言えている。しかしあのハゲ忍者は無視してよかったのか? ゴン以上の素質の持ち主だろうが」

 

 

 

 ハゲ忍者──ハンゾーは原作でもこの世界でもゴン以上の念の素質を秘めている。事実試験では俺がダントツ抜けていたのかあるいは接戦だったのかはわからないが念の素質に関してはトップクラスで、奴が原作の主人公だったら間違いなくゴンが噛ませキャラになっていたであろう強さを秘めている……というか強さ自体も原作初期のキルアよりも上だし。選挙編あたりだと念とかを考慮したらもっと差をつけられたと予測出来、下手したらイルミやヒソカを超えていた可能性も否定出来ない。

 

 だからそれだけに謎だ。そんな逸材を逃すほどヒソカがバカとは思えない。もしかしたらヒソカが手がつけられないほど強いのか、それとも熟成する(成長が限界まで迎える)まで我慢しているだけなのか……後者だな。

 

 

 

「彼とも約束しているのさ♣️︎ 君が自分自身の全盛期を迎えたと思った時、殺しに来るようにってね♥️」

 

「なんだそりゃ」

 

 確かに成人していないからまだ成長するとは思うがそんな約束を果たすだろうか? 俺は少なくとも真正面からやりたくない。むしろ毒で弱った所で──それだ。

 

「ヒソカ、ところで腹減ってないか? こいつをやろう」

 

 俺が取り出したのは念能力で作り出した弁当だ。ただし前回のとは違って毒入りの弁当だ。変化系の念能力はこういった既存している物に毒とか属性を付与することも得意だ。水見式で水に味が出来るのと同じようなものだな。

 

「うん♠️ いらない♥️」

 

「ああっ、なんてことをしやがる!?」

 

 それを受けとるとともに投げ捨てて弁当を台無しにするヒソカに俺は抗議した。

 

「だってそれ、毒でしょ♣︎」

 

「確かに毒だが、時と場合によっては薬にもなるんだぜ」

 

「でも毒でしょ♣️︎ 露骨過ぎるね◇ でもそこが可愛いんだけどね♥️」

 

 そう言ってヒソカが俺の背後に回り込み後ろに立つ。某13な殺し屋なら「俺の後ろに立つな!」と言って暴力に走るだろうが! 

 

「離れろっ鬱陶しい!」

 

「連れないな♥️ それはそうといつ200階に勝ち上がってくるんだい♣︎」

 

「ゴンが念能力の発を開発するまでだ」

 

「そんなに待てないよ♠️」

 

 ヒソカがそういうとトランプを取り出し俺に投げつける。

 

「ったく、本当に放出系じゃないだろうな? それにゴンの素質を甘く見すぎだ。奴なら一週間もあれば発の開発も終わる」

 

「それもそうだね◇ じゃあ一週間後にまた会おう♣︎」

 

 そういってヒソカが立ち去り、原作でゴンやキルアが無理やり念能力を開花したことを思い出した俺は早くも後悔した。まじでどーしよ。




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