亀更新及び不定期更新な小説ですがこれからもよろしくお願いします。
前回のあらすじ
ゴン「ゴメン、ヒソカとの試合の日程勝手に決めちゃった」
キルア「仕方ねえな。俺も丁度その時期にビスケと試合することになったし修行厳しくしてやるよ。……でもちょっとカジノいってくるわ」
「すみません、もう勘弁してください」
しばらくコインを増やしまくっているとそうカジノの支配人が土下座してスロットを止めるように進言するが俺の答えは勿論決まっていた。
「やだね。こんな金づる逃すわけないだろ?」
「本当にお願いします! 何でもしますから!」
「カジノのオーナーを俺にすること、そしてその利益は俺に全部回すこと。それが出来るならいいぞ」
「無理です。どうかそれ以外の方法で!」
「何でもするって言っただろ? これくらいのことを聞けないなら俺も聞かないね」
そっぽを向いてスロットを再び回し続けると、カジノの支配人がスロットを途中で減速したり逆回転したりと目押しが役に立たないようにしてきた。
「ふーん、そういうことをするんだ」
おそらくだがこのカジノの支配人──というよりかスロットを操作しているのは念能力者だ。こうしてある条件下になるとスロットが逆回転を起こしたり減速したりして目押しを阻止させる。そうなると目押しだけでスロットをやっている人間はこのスロットの合わせることが出来なくなる。
そしてもう一つ、このスロットが良いタイミングで押すとわざとボタンの位置をズラしたりととにかくやりたい放題だ。
だがこれを解決する方法はいくらでもある。
「甘い、甘いぞ!」
誓約の関係上この場における念能力によるオーラ吸収は俺よりもカジノの方が上であり、下手にオーラを出そうものなら却って枯渇しかねない。だがこのスロットに関しては別だ。このスロットは電子式ではない至極真っ当なものである以上、このスロットの原理はおそらく車のギアと同じ原理で逆回転を起こしたり減速したりすることが出来る。つまり念能力に頼っているのはそのギアの切り替えのみでありスロットそのものが減速したり逆回転を起こしたりしている訳じゃない。となれば後は僅かに動くオーラを察知し、その運動を計算すれば──
「なっ、何故!? おいどういうことだ!?」
目押しをしていないけどスロットの絵柄を揃えることも出来るんだよな。このカジノの失敗は色々あるがイカサマだとバレないように手を加えすぎたことだ。
「所詮スロットはスロット。ある特定のパターンを読み込みさえすれば後は簡単だ」
そう吐き捨てると次々とスロットの口からコインを吐き出していき、カジノの支配人が遂に強制的にスロットを止めた。
「申し訳ありませんお客様。このスロットを含め多くのスロットが故障したようですので修理の方を実施します。その関係でスロットを当分ご使用になれません。修理が終わり次第カジノの前に張り紙で通達しますので本日のところはお帰り頂けるようお願いします」
「それじゃ別の賭博でも──」
「スロットを修理する関係上他のスタッフも総動員で出さなければなりませんので他の遊戯も出来ません。了承の方お願いします」
スタッフを総動員させる必要はあるのか? とツッコミたかったがスロットを修理する関係上と言っていることからスロットの中身だけじゃなくカジノの念能力も変えてイカサマをさせないようにするんだろう。
しかしどこからどう見てもイカサマではないだろうに。むしろ向こうがイカサマしてきたからこっちはそれを対処してきただけだ。
だがそれでも解せないのは制約と誓約を恐ろしく強くして俺の賭け金を強奪しないのかが気になる。
念能力というのは戦闘面では強化系が強いが、こういった場では特質系、操作系が輝き、具現化系もまあ使えないことはない。一番使えないのは放出系であり、せいぜいハゲ忍者のように幽体離脱してカードを覗く位しか役に立たない。あまりにもコストが高すぎる。
じゃあなんで特質系やそれに近い系統が強いのかというとぶっちゃけカジノのゲームはスロットやトランプ、ルーレットが中心であり、運が絡む。どんなに頭脳があっても運が無ければ勝てず、その運をどうにかしてしまうのが特質系だ。そしてその運を持ってもどうしようもない部分──スロットやルーレットは操作系や具現化系でどうとでもなる。変化系の能力は飽く迄もオーラの性質を変えることが出来るというだけであり、トランプの柄を変えることはできてもそれがバレる可能性が高く、スロットに至っては柄だけ変えても無駄になる。
このカジノで使えそうな系統は三つの系統以外に強化系も使える。主に頭脳を強化し相手の表情を読み取り、そこから答えを割り出すというものだがあまりにも脳筋過ぎる。あ? それを機械相手にナチュラルにやった俺に言われたくないって? 殺し屋としての顔の表情や手の動きを観察して隙を見せたら殺す、そんな訓練を受けたんだからこれくらいは出来て当たり前だ。多分これは原作のキルアでもやれそうだし。
そんなことを考えながらゴンを相撲部屋的な意味で可愛がり、カジノが開く時間帯になりそちらへと向かうとカジノが再開されていた。
「一日二日でどうにかなるものなのか?」
そう呟き、カジノに乗り込むと周囲がざわめき始め、いい笑顔をしたスタッフが俺にお辞儀をする。
「これはこれはようこそいらっしゃいましたお客様。お客様には専用のスロット、ポーカー、ブラックジャック、ルーレットがございますのでそちらの方ご使用下さい」
どうやら完全に目をつけられているようだ。まああんなことをすれば当たり前か。嫌な予感がして帰ろうとするも帰ろうとする気が消えてしまい、カジノでしばらく遊ぶことにする。
「やはりか」
嫌な予感がしていたが賭けるのを止めようと思えないのは念能力によるもの。一度カジノに入ったら賭けるまで止められない──そんな念能力だろうか? 原作のキルアが操作系の念能力で操られていたのは知っているが操作系の念能力を打ち破るにはそれ以上の念能力で操られるか強靱な精神力を持つ、除念するの三択しかない。元々パチンカスや競馬民だった俺は射幸心を満たす為にやっていたこともありこういった賭け事の誘惑に弱く、精神力が役に立つとは思えないし、念能力で操られている訳でもなければ除念を持っている訳では無いので実質的に破るのは無理だ。
そして試しにポーカーを選択してみたんだがポーカーの札はいずれもブタと不運が重なったとしか思えないレベルで運が悪く、このVIPルームは遊戯に関する運を落とされている。ここで損切りをしないのは
幸いにも遊戯を選ぶことは出来るようで別の遊戯へと急ぐ。そしてその瞬間、その次の客がポーカーで大当たりする。
「厄介過ぎるだろ」
そう呟くのには理由があり、精神状態を誘導する為の演出を見てしまったからだ。真偽はともかくあの演出を見ることで『もしあのままずっと席についていたら勝っていたんじゃないか?』という想像をしてしまい、次の遊戯に移動することを躊躇ってしまい、次に移動したとしてもそこから先で移動することを更に躊躇ってしまう。よくスポーツ漫画とかで足が動かない、鈍くなる表現に地面と足が鎖で結びつけられているような表現を出されるがあんな状態に陥る。
だが俺は転生者キルア・ゾルディック。何人たりとも俺の動きを止めることは出来ん!
「引かぬ、媚びぬ、省みぬ!」
目をつけていたスロットへと向かい、その台の前へと座る。そしてプレイするとスロットの目が揃う──ことはなかった。
「はーっ……やってくれたな」
VIPルームに招待した客のカジノ全体の賭博運を落とすらしい。あと一つ目が揃うところで動き、揃わない。ポーカや他の賭博も運を落とすようになっている。そうでなければスロットでこんなことはならない。俺対策に運を下げさせるなんて特質系を持ってくるなんて余程気に食わなかったらしいな。
一旦撤回するか? これだけ強い念能力である以上制約と誓約、どちらも相当強いものになっているはずだ。それにカジノってのはカモがいてこそ成立するものだから俺をカモるなら一日カジノの賭博運が悪くなるように設計しないと不合理極まりない。
しかしこのまま引き下がると言うかといえば全然違う。賭博の運がなくなったからといって賭博に勝てない訳じゃない。
俺は低ルートのルーレットであることを試した。
「4に1枚」
俺が試している方法、それは心鋼の強化だ。このカジノは凝や発を検知した場合その使用者のオーラを吸い取る力があるが一瞬だけならその負担は少ない。僅か一瞬で未来を読み取る力をさらに強力なものにする。
「16番、外れです」
だがピントが合わなかったのかあるいは一瞬だけしか未来を見なかったせいか外れてしまう。
心鋼は頭に凝を使って演算能力を高めて未来を予測するのだから特質系専用の発とは訳が違う。変化系特化の俺でも扱える応用の派生技だ。
もう一度心鋼を使って未来を予測するがやはり目眩をしてしまい、予測が出来なくなる。かなり徹底してやがるよこのカジノは。
「25に1枚」
「22番、外れです」
やはりというべきか予測とは違う結果になってしまうが、収穫がある。それは心鋼も鍛えられるということだ。俺が前世の漫画を参考にて派生技にした紙絵、心鋼、舞空、壁足は俺が独自に開発した念能力であるものの鍛えられるかどうかは不明だった。だがこのカジノは凝や発をした場合にオーラを吸収してしまう性質があり如何に効率よく凝をするかが求められる。使うオーラは少なくしかしその力は最大限に発揮する。それがこのカジノにおける心鋼を使い方であり、心鋼を鍛える最高の修行場所でもあったんだ。
「00に1枚」
「0番、外れです」
今度は一つ番号が違うだけでほぼ正解だ。
「5に1枚」
「5番、当たりです」
そしてついに的中し、次々と当てていくと今度はディーラーがイカサマをする未来が見えた。それを塗り替えるにはイカサマしても当てさせるのが正解だ。
「6、16、18、21、33に1枚ずつ」
「33番、当たりです」
磁石なりなんなりとある程度入る玉をズラすことは出来ても未来視してしまえばある程度は限られてくる。スロットの場合は当てても隣り合わせで当たるわけじゃないからズラされると当たらないがルーレットは俺の賭ける場所が決められるので心鋼さえ使えれば余裕で当てることは出来る。
「すみません、本当に勘弁してください」
それからレートを大きく変えてボロ儲けするとカジノの支配人が土下座してきた。まあ向こうがイカサマをしようと俺が勝ってしまうんだから仕方ない話ではあるんだがな。それにスロットよりも簡単な仕組みのルーレットに調整とかは必要ない。するとしたらそれこそイカサマを自ら認めるようなものだ。
「ま、今日は遅いしこの辺にしてやるよ」
「ありがとうございます!」
「これに懲りてイカサマは程々にしておきな」
俺がそう言うと支配人が焦るのが目に見える。心鋼鍛えるとこうなるのか。俺が開発した念能力とは言え不思議なもんなんだな。
まさかカジノで念能力を鍛えられるとは思わなかったが、金も念能力も儲けられていいこと尽くめだ。ゴンの修行ついでにカジノをハシゴするのもありかもしれない。
翌日
「お客様申し訳ありませんが本日は満員でして」
「VIPルームもないのか?」
「はい。大変申し訳ありませんが今日のところはお引き取りを」
少々やりすぎたみたいだ。まあカジノをぶっ潰す目的は果たせなかったが溜飲は下がったし、このカジノは出禁された以上仕方ない。他の念を鍛えておくか。
念能力の応用といえば周、隠、堅、円、硬、流があるがぶっちゃけ
じゃあ円に磨きをかけるかって? やらないとは言わないがそれよりももっとやるべきことがある。遠距離攻撃がない訳じゃないが俺の強みは近接戦闘に特化していて、その強みを活かすには俺が作った派生技の紙絵、心鋼、舞空、壁足を磨くことだ。
この四つの派生技は基本と応用の組み合わせで出来る。紙絵は絶と流、心鋼は凝、舞空と壁足は流と周、硬で出来る。
紙絵はどちらかというと防御・回避系の技術なんだがそれと似たような技はあっても良さそうなものだが何故か念能力ではなく通常の技術だ。何故念能力にないのかは念能力にしてしまうと色々不都合だったからだろうな。俺が知らないだけで念能力を封じ込める念能力もあるだろうし通常の技術に落とし込むことで優位に立つのが目的と考えればそれまで生まれなかったのかもしれない。
心鋼は未来視だから一見特質系に見えるが実際には違う。凝で脳の演算能力を高めて未来を予測するのが心鋼なだけであり、それを突き詰めると強化系になる。こうして考えると強化系ってやっぱりチートだな。俺のオーラ吸収が可愛く見えやがる。
舞空や壁足は一見すると他二つの派生技に比べて弱いが移動能力を二次元から三次元に変えることが出来るといえば強さがわかる。原作の新人狩りの三人のうち二人は原作キルアとゴンによって宙に放り出された途端無力化されている。つまり念能力者と言えども重力に逆らえず三次元を自由に動けないことがわかり、それのアドバンテージがあることは非常に有利だ。まあ飛んだり壁や水中の上に張り付いたりしたからといって弱い奴は弱いがそれでも戦術が大幅に強化されるから舞空や壁足が弱いということはない。少なくとも足場が不安定な場合は非常に便利だ。
……こうして考えると漫画とかで発想を得た俺の派生技って中々にぶっ飛んでやがるな。今のところ俺専用の念能力だがいずれ広まるだろうな。実際ゴンは紙絵を習得しかかっているし、これからのことを考えると派生技を磨いておく必要がますます出てきたが最初に派生技を使ったのは俺でありその鍛え方も開拓出来るのには違いないからそのアドバンテージを利用して逃げ切ってやる。
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尚、次回更新は未定です
第18話に置ける特質系獲得について
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