暗闇と優しさとファミリアと   作:久幻月

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仕事が変わって新人研修中に妄想してたものを投下。
一発ネタである。


一話

 見ないでください。触れないでください。きっと壊れてしまう。きっと殺してしまう。だから、お願いですから……。

 

 

 

 

 

 宝樹を守るモンスター、グリーンドラゴン。かの強者は24階層のとある場所に存在し、その樹を守る存在。そのドロップ品と樹を宝石を取りにきたロキファミリアの少数精鋭できたメンバーは、その強者の通常とは違う様子に遠目ながらに気づき、疑問を抱いた。

 

-おびえている?-

 

 と。何かがおかしい、注意して行こう。そう言って進み始めた団長を追いかけるように進み、もう戦闘区域に入ったというのに動かない強者(グリーンドラゴン)の姿を近づき見て驚く。

 

 足がない。

 

 レベル4にも匹敵するといわれる、かの強者が蹲り大切そうに舐めるのは樹の根、回復効果もあるのか知り得ないが、それを弱弱しくも必死に舐める強者はあまりにも惨めに見えた。

 一行がそんな驚くべき光景を呆然と見つめる中、ついに耐え切れなくなったとでも言うかのように、尻尾からの灰化が一気に進み、巨大な魔石が落ちる音が響いた。

 

「いったいどういうことだ…」

 

 そんな風にエルフの女性が呟くが、ファミリア一の頭脳と知識を持つ彼女が理解できないことを、ほかの者が理解できるはずはなかった。

 

「ちょっとあれ!」

 

 そんな中何かに気づいたように大声を上げるアマゾネスの少女。なにか?とパーティーの目がその魔石の、さらに奥の樹の陰に向けられれば、そこにあるのは巨大な魔石の数々と一人(うずくま)るように倒れている幼い少年の姿だった。

 こんなところになぜ少年が?

 なぜドラゴンは少年を襲わなかったのか?

 それともドラゴンに傷を与えていたのはこの少年?

 様々な考えが渦巻く中、一目散に動いたのは発端の少女だった。倒れて蹲る少年の下へ。突然の出来事に、動くに動けないパーティーをすり抜けて、少年を抱き起こそうとしたときだった。

 

「触らないでっ!」

 

 たった一言、その言葉とともに放たれた、殺気とも呼べない陳腐なもの、しかしその中に含まれる死を感じる悪感。レベル3を超えた者しかいないパーティー全員が何かを感じた。

 触れてはいけない。

 触れればかの強者と同じになる。と、確証もなくそう感じた。

 

「逃げなさいティオナ!」

 

 そう叫んだ姉は悪くない、本能がそうさせたのだから。だけど、それを感じてもティオナは引けなかった。

 だって、

 

「泣いてるんだよ!?助けなきゃ!」

 

 ()れないでって叫びながら両目を閉じて涙を流す少年を見てどうしようもなく何かをくずぶられた。

 

「ティオナ!」

 

 それでも触れようと手を伸ばしてしまう。怯えるように見えてなくとも身を強張らせる少年に触れようと。

 しかし、それでも震えながらも触れようとする手を止めたのは姉でもなく、ましては少年でもなく、エルフの女性だった。

 

「何で止めるの!?リヴェリア!」

「お前にはまだ早い、ティオナ」

 

 そう言い、震えるティオナの手を優しく引かせる。

 

「大丈夫だ、お前に私は殺せない」

 

 そう言い、少年を抱き寄せる。優しく、壊れ物にでも触れるかのように。

 そんな状況についていけないのはティオナを含めレベル3以下の者たちだけだった。そして当の少年も自身への理解が追いついていなかった。

 

 なんで?どうして?おかしい、どうしてこの人は、この人たちは死なないの?肉片と化さないの?

 

 いつの間にか近づいていた少年に手を握られ、大男に頭を撫でられている状況に、思考がぐるぐると駆け回り、終ぞ閉じろと命じられていた目を開けてしまう。

 

「なんで…」

 

 リヴェリアの腕の中で少年は目を開け、壊れ物を触れるかのように開いた手でリヴェリアの頬に手を触れた少年の目は、青と蒼をかき混ぜたような、鈍い光を放つ魔眼だった。

 

 

 

 

 

 

「サクヤ!……あれ?」

 

 勢いよく開けられた扉の先は、綺麗にたとまれた布団と質素な生活品だけだった。それを確認したアマゾネスの双子の妹は後ろついて来ている姉に確認する。

 

「あっれー?今日はいるはずだよね?て言うか、久しぶりに帰ってきたお姉ちゃんに会わずにどっかに行くなんてひどいと思わない?ねーティオネ!」

 

 ぶーっとぶーたれている妹をため息混じりに見つつ思う、どーせ母親一号(ロキ)のところか、母親二号(リヴェリア)か、姉一号(アイズ)、あとは父親一号(ガレス)兄一号二号(フィン&ベート)か……はたまたあのいけ好かない女神の所…?と考え、多い選択肢をぶんぶんと頭を振り消す。

 

「多すぎ…」

「ん?何か言った?」

 

 なんでもない。と返し、ふと思い出す。

 

「そー言えば、さっきあんたに引きずられて来る途中に中庭でいい物見たって女性団員が言ってたっけ…それってアイズとの」

 

 言い終わる前に、ばたんと扉の閉まる音だけが鳴る。そこには妹の姿はなかった。

 

「はや…、ま、いっか私も団長のところにいーこうっと」

 

 そう言いティオネはその部屋を後にする。

 

 誰もいなくなった部屋の机に大切そうに布が掛けられた写真たてが一つ。

 そんな写真たてへ開いた窓が運んでくるのは中庭から聞こえる楽しそうな声と、暖かな風。それは一瞬の力となって布をはがしてしまう。

 

 そこに写っているのは、ロキに後ろから抱きしめられ、家族に囲まれるように写っている少年の姿。

 

 その瞳は包帯に巻かれながらも、きっと幸せそうに笑っているのがわかるぐらい、幸せそうな少年の笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サクヤ・ロキ。これはとあるファミリアに救われた少年のお話。




魔眼=直死
でも型月と性能は一緒だけど型月とは関係ナス
 
そって考えたものをまとめて書いてみたけど、みじか!?内容薄!?
まっしゃーなしだわーとか勝手に納得する自分。
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