マイスのファーム~アーランドの農夫~【公開再開】   作:小実

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3年目:マイス「冒険の前に一悶着…!?」

 

 

 冒険者制度の見直しの一環として、実際に採取地をまわって色々と確認したりしているクーデリア

 

 その仕事の際の護衛として、僕もついていっているわけだけど……もう大半の採取地を調べてまわることが出来ている。おそらくは、あと2回ぐらいの冒険で この大陸の採取地を踏破できるだろう

 

 そして、今日からまた護衛として冒険に付き合う予定になっている

 今回の最終目的地は、アーランドの街から見てちょうど北方向にある『黄昏の玉座』。……なんだけど、道の都合や、他にも寄って調査したい採取地があるらしいので、少しだけ東方向へとそれてから『黄昏の玉座』へと行くことになってる

 

 

 

――――――――――――

 

***冒険者ギルド***

 

 

 

 村のことを色々と他の人に頼んで、食料などの用意も終えた僕は、今回は『冒険者ギルド』までクーデリアを迎えに行った

 

「おまたせ!クーデリア。そっちの準備は出来てるかな?」

 

 僕は、そう冒険者ギルドの受付の外側にいるクーデリアに声をかけた

 すると、カウンターの内側…いつもクーデリアがいる位置にいる女性のほうを向いていたクーデリアが振り返ってきた

 

「ええ、問題無いわ。…それじゃあ、あたしが留守の間 頼んだわよ」

 

 カウンターの内側にいる女性は、クーデリアの言葉に頷いた

 

 

 それを「よろしい」と見たクーデリアは、続いて向かって左側のカウンターのほうへと目を向ける

 

「あんたもよ。あたしが居ないからって、仕事サボるんじゃないわよ」

 

「は、はいぃ~、クーデリア先輩」

 

 少しビクッ!?としながらも、ちゃんと返事をするフィリーさん

 そんなフィリーさんに、僕は笑いかける。

 

「帰ってきた時には、何かお土産(みやげ)を持ってくるよ!」

 

「本当ぅ…!あ、でも……うん、ありがとう……」

 

 ……あれ?

 最初は喜んだ感じがしたけど、なんだか後半は少し微妙な反応になった気が……。どうしたんだろう?

 

「あ、あのね、マイス君。私、お土産よりも……ね?」

 

「……? 何かあるの?」

 

 

 

「モフモフを……モフモフを要求します…!」

 

 

「えっ、あ、うん」

 

「やったー!」

 

 ピョンピョンと跳ねるフィリーさんをカウンター越しに見ながら、僕は何とも言えない気持ちになる。

 

 ……うん。いや、確かに昔からフィリーさんはモフモフ…特に金のモコモコ状態の僕をモフモフするのが好きだったけど……。で、フィリーさんって仕事が休みの時はウチに来て、そのたび毎回欠かさずモフモフしていくんだ

 

 なのに、今回、わざわざこうやって宣言して許可を取るってことは……もしかして!いつも以上にモフモフされるってこと!?

 そんな状況を想像して……ブルリッと身を震わせてしまう

 

 

 

 と、とりあえず、喜んでいるフィリーさんに一言「それじゃあ、行ってくるよ!」と言って、クーデリアと『冒険者ギルド』を後にした

 

 そして、街の外へと出るための門へと向かう途中、クーデリアが……

 

「モフモフねぇ……高いか安いかわからない お土産ね」

 

「あははは…、精神的には大ダメージかな?」

 

 僕はそう言うことしか出来なかった

 

 

――――――――――――

 

 

 そうして、門の近くまでたどりついたんだけど……

 

「……なんだか騒がしいわね」

 

「そうだね。少し前、来る時に僕が通った時はそんなことは無かったんだけど…」

 

「何かあったのかしら?」

 

 少し心配になって、早足気味に門へと向かって行って、途中である事に気がつく。クーデリアのほうにチラリと目を向けてみると、クーデリアもこっちを見てきてたから、きっと同じことを思ったんだと思う

 

「…ねぇ、マイス?あたし、なんだかこの声聞き覚えがあるんだけど」

 

「やっぱり…?そうなると間違いないかなぁ…」

 

 そう言い合いながらついた、騒ぎの大元

 そこには予想していた通りの人たちがいた

 

 

 

 

「今でも怖がっているじゃないか!この間だって……」

 

「あ、あれはいきなりだったからですよ! もう、そんな根に持たなくてもいいじゃないですか!」

 

「根に持っているのはそっちだろう! 昔の金の話などを今更ぐちぐちと……」

 

「ぐちぐちなんて言ってません! ちょっと思い出話しただけじゃないですかー!」

 

 

「あああっ、ケンカはダメですよ!?二人とも…」

 

 何やら言い合いをしているロロナとステルクさん。そのそばでオロオロしながらも、健気に何とか仲裁しようとするトトリちゃん

 

 

「どうしようか?」

 

「放っておいてもいいんじゃないかしら?……でもまあ、とりあえずトトリは放っておけないわね。流石にかわいそうだわ」

 

 そう言うクーデリアは、やっぱりどうにも乗り気ではない感じだけど……まあいいか 

 とりあえずは提案通り、トトリちゃんのほうへと行こう

 

 

 

「この際だから言わせてもらうがな、君は普段から……!」

 

「ステルクさんに言われたくないです!だいたいステルクさんは……!」

 

 そう言い合う二人をスルーしてトトリちゃんのほうへ……

 ……こんな二人を見て、「偉大な錬金術士」と「国内屈指の実力者」だと思える人がいるかなぁ……?

 

 

 当然と言えば当然だけど、ケンカをしていて周りが目に入っていない二人とは違って、トトリちゃんは 近づいてくる僕らにすぐに気づいた。そして目で「助けてくださいー!」と訴えかけてきた

 

 そんなトトリちゃんの手をクーデリアが引いて、二人から離れさせた。二人はそれに気がつく素振りも無い

 

「大丈夫?トトリちゃん」

 

「いったいどうしたの……って言っても、大体想像はつくんだけど」

 

「私が「昔は一緒によく冒険してたんですか?」って聞いて、昔のことを話してくれ出したと思ったら、なんでか先生たち二人でケンカしだしちゃって……」

 

 トトリちゃんの言うことを聞いて、「はぁ、やっぱり…」とため息をつくクーデリア。僕も「あははは…」と苦笑いをしてしまう

 

 

「あの二人、あんな感じになると かなりの時間あのままだからね……どうしようか?」

 

 僕はそうクーデリアとトトリちゃんに聞く

 ……というのも、僕は昔…王国時代に、ステルクさんがドラゴンからやられたケガから復帰した後の 初めての冒険に付き合った時に似たような経験があったから、あの二人のケンカは長引くだろうことを知っていた

 

 あの時は……僕が一人で採取地に行ってモンスターを追い払ったりしたんだっけ?

 しかも、その間の時間はかなりあったはずなんだけど、僕がまた二人のもとに戻るまでの時間、僕がいなくなったことに全然気づかなかったんだよね、たしか…。

 

 

「……もう、あの二人を置いて、あたしたちの冒険についてくる?」

 

「えっ、あー……うーん…?」

 

 クーデリアの提案に、トトリは少し悩みだし……

 未だに言い争いをしているロロナとステルクさんを改めて見て、「どうしよう…」と本気で悩みだしてしまった……

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