キャラのほうはよくわかりませんが、水着には歓喜しました
……実はまだ、一周目も終わってないんです……DLC解禁までには一回クリアしたいです
***ロロナのアトリエ***
「うう……んっ…?」
あれ?ここは……先生のアトリエのソファー?
上半身を起き上げて、そのままソファーに座る
……うーん?いつの間にか寝ちゃってたのかな?
「あー、トトリちゃん起きた?」
「先生? ええっと……おはようございます?」
トコトコと歩いてきたロロナ先生が「はい!お水」と、わたしにコップに入った水を渡してきた
「ありがとうございます」
「どういたしましてー!」
先生はそう言ってわたしの隣に座った
「心配したんだよ? 冒険者ギルドでトトリちゃんが倒れたーって聞いて、ビックリしちゃた」
「冒険者ギルドで……わたしが倒れた…?」
そういえばわたし、『冒険者ギルド』に冒険者免許のランクアップをしに行って……
………………
…………
……
あっ
「…………(ガクブル」
「ふぇ?水がこぼれ……わぁ!? ど、どうしたの!?」
手も震えて、持っていたコップの中の水が、ピチャピチャとはねてこぼれてしまってる……けど、震えを止めようと思っても、上手くいかない
結局、ロロナ先生がわたしの手の中からコップを取り上げて、とりあえずは落ち着いた……
「トトリちゃん、大丈夫!? な、なな何か痛いところとかあったり、気分が悪かったりするの!?」
「頭……とお腹が痛い気が……」
「お薬、用意しなきゃ!…いや、それとも病院!?」
「…そうだけど、そうじゃないです……」
これは病気とかそう言うのじゃなくて、もっとこう……精神的な何かのせいであって…
「その、ですね。少し……全然少しじゃないんですけど……悩み事があって…」
「悩み事?それならわたしに相談してよ! わたしはトトリちゃんの先生なんだから、遠慮しないで!さあ、さあ!」
いつも通りに元気な先生を見て、少し落ち着きを取り戻したところで、例の事を順序立てて説明していってみる
「悩み事っていうのは、わたしのお母さんの……お財布事情のことで……」
「トトリちゃんのお母さん……ギゼラさんの? そのお財布事情ってことはお金のこと?」
「ハイ…。それが、お母さんがマイスさんに借金をたくさんしてるらしくって…」
「え?マイス君に?」
ここでマイスさんの名前が出たことが予想外だったのか、ロロナ先生は少し驚いて……そして、眉をハノ字に、口をへの字に曲げて「うーん…」と悩み込んだ
「ギゼラさんのことは、マイス君から色々聞いたことはあるけど……お金のことは一回も聞いたこと無いよぉ? そのお話、何処で聞いたの?」
「クーデリアさんです…」
「くーちゃんから!?…ウソとかからかったりで言ったり……は、さすがにない、かな?」
「でも…」と先生はなんだか信じられないようで、首をかしげた
「その……実は、ちょっとだけ心当たりっていうか、似たようなことがあって……」
「なぁに?」
「『アランヤ村』にあるゲラルドさんのお店で聞いた話なんですけど……、お母さん、一度もお酒とかの代金を払ったことが無いらしくって」
「…………一度も?」
「はい、「払います」って言ったら「とても払える金額じゃないぞ」って……。一応ゲラルドさんは「土産話の代金だと割り切ってるから、気にしなくていいぞ」って言ってくれましたけど……」
そうは言ってくれたけど、ゲラルドさんのお店はあんまりお客さんが来ないから、お世辞にも儲かっているわけじゃなくって、罪悪感が……
わたしがこの間作った『アンチョビア』…『ビア』と『コヤシイワシ』で作ったお酒が人気が出て、ゲラルドさんのお店の儲けに繋がってくれれば……でも、アレ、生臭いだけで到底人気が出そうにないんだけど……って、作ったわたしがこんなこと言っていて良いのかな…?
「……そんなわけで、もしかしてお母さん『青の農村』でも似たようなことをやったんじゃないかなーって。それでマイスさんが代わりに払ったとか…」
わたしはそう思ったから、言ってみたんだけど……
でも、ロロナ先生は何故かさらに首をかしげてた
「ええっと、そういうことは無いと思うよ……たぶん」
「……? どうしてですか?」
「だって、マイス君言ってたもん「ギゼラさんイッパイ食べるから、めいいっぱい御馳走を用意するんだー」って。…そうしたら、ギゼラさんがお店で食べたりすることは無いと思うよ? それに、マイス君のおもてなしは凄いけど、それで代金を請求したりはしないんじゃないかな?……わたしなんかも、いつもおすそわけとかイッパイもらっちゃってるし」
ロロナ先生に言われて、わたしはふと思い出すことがあった
それは、まだロロナ先生が旅をしていて『アーランドの街』にいなかった頃。わたしとジーノくんで初めて『青の農村』のマイスさんの家にお邪魔した。あの時、突然家に来たわたしたちをマイスさんはお菓子や美味しいゴハンでもてなしてくれた。その上に泊まらせてくれて、翌日の朝ごはんも……
確かに、先生の言う通りで普段のマイスさんのことを考えると、ゲラルドさんのお店みたいな状況にはなりそうには思えない。……でも
「それじゃあ何でクーデリアさんはあんなことを?」
「うーん…、そればっかりはくーちゃんに直接聞いてみないとわからないかなー? …もしくはマイス君本人に」
「マイスさんに聞くのは、ちょっと気が引けるというか、何と言うか……」
コンコンコンッ
ふと、アトリエの玄関からノックの音が聞こえてきた
「あれ?お客さんかな? はーい、どうぞー」
そう言って先生はソファーから立ち上がって玄関のほうへと言った
「やぁ、久しぶりだね、ロロナ」
アトリエに入ってきた人は、わたしもちょっとだけ知っている人で、先生の知り合いらしい人……
「わぁあ!?タントさん!」
「あっ、トリスタンさん」
「「えっ?」」
わたしと先生が顔を見合わせる
「あれ?トトリちゃん、タントさんのこと知ってるの?」
「はい。前にアトリエの前で会って、ちょっとだけお話したことがあって……。あのー…先生?トリスタンさん、ですよね?」
そうわたしがいうと、先生じゃなくてトリスタンさんが笑いながら答えてきた
「いいんだよ。僕がロロナにそう呼んでくれるように言ってるんだ」
「というか、けっこう最近までタントさんが偽名だったって知らなくって。それに、もう「タントさん」で呼び慣れちゃってるから、逆に今から変えるっていうのも…」
「偽名って……。一体何が…?」
先生とトリスタンさんが知り合いだっていうことは知ってたけど……なんだか複雑そうだなぁ…。でも、仲が悪いってわけじゃなさそうだし……どういう関係なんだろう?
「タントさん、元気そうでよかったです!最近、前みたいに街中で見かけないからちょっと心配だったんですけど……お仕事、忙しかったんですか?」
「いやまあ、忙しくはあったけど……色々あったんだよ…あはははっ」
そう言うトリスタンさんは苦笑いをして明後日の方向を向いていた
……なんだか、髪の毛を指でクルクルしてるんだけど……それも凄く触ってる
「あっ、そうだ!タントさんなら何か知ってるかな?」
「えっ?トリスタンさんが?」
「うん!ギルドじゃないけど、一応くーちゃんと同じで国勤めだから」
国勤めって、確かに『冒険者ギルド』は国営だけど、ええ…そんな理由で大丈夫かな…? というか、トリスタンさんも国勤めなんだ…
ちょっと心配になってトリスタンさんを見ると「ん?どうかしたのかい?」と薄い笑みを浮かべて、軽く首をかしげてきた
そんなトリスタンさんに、ロロナ先生が話を切りだす
「さっきまでトトリちゃんと話してたこと……マイス君とギゼラさんのことで」
「……わぁお」
「……えっと…、トリスタンさん? なんだか今までで一番嫌そうな顔をしたような気がしたんですけど……」
「あははは……最終的には色々と助かったんだけど、その組み合わせには本当に頭を悩まされたからね」
そう言うトリスタンさんは、なんだかとても遠い目をしてた……
クーデリアさんの時といい……お母さんって本当にいろんな人に迷惑かけてるんじゃあ…?……今更、かな
「何から話せばいいのか……。そうだね、まず今現在ある、とある制度についてになるんだけど……」
「とある制度、ですか?」
「そう。国にとって大事なものが何かしらの被害を受けた時に使うための財源…積立金があるんだ。例えば自然災害。川が氾濫して橋が流されたり、落石で街道が塞がれたりした場合に、その復旧や被害への手当てに使える制度があるんだ」
トリスタンさんは「他にも、モンスターによるものや、冒険者による被害なんかも、その積立金からやりくりするんだ」と言って……
「って「冒険者」ですか?その……もしかしなくても、それって……」
「そう、その筆頭がギゼラっていう冒険者」
予想通りでした……。それも天災と同列扱い
「…で、その積立金の財源なんだけど、税金と寄付金で成り立ってるんだ。その寄付金……というか、この制度のそもそもの始まりがマイス…彼にあるんだ」
「マイス君に? どういうことですか?」
先生が首をかしげてますけど、わたしにはもう予想がついたっていうか……でも、そうであってほしくないという気持ちも……
「難しい取り決めなんかは省くけど、『冒険者ギルド』が出来るよりも前…、王国時代にマイスがギゼラって人の出した被害のお金を代わりに払ったことが何度かあって……で、共和国になってから制度を色々決めている時に、彼からの申し出もあってそのまま彼からのお金が使われるようになったんだ」
「ええっと……その、つまり……マイスさんがずっと被害のお金を立て替えてたってことですか…?」
「まぁ、そんなところだね。物事によっては一回で数十万なんて金額にもなるから、うちの親父なんかは色々と不満げにしてたけど、マイス本人からの申し出だからそう強く否定できなくて……って、どうしたんだい?」
「うぅ……うぷっ…」
な、なんだか涙がいっぱい溢れてきて……それに凄く頭が……いや、吐き気も……それにお腹もキリキリ……
「わぁあぁっ!? と、ととと、トトリちゃんの顔色が、それと涙で顔自体がすごいことになっちゃってるうぅ!?」
「ろりょなせんしぇー…」
一回で何十万ってこともあるって……それが何回もあったら、いったいお母さんはマイスさんに何十万……いや何百万コール借金してるんだろう…………あれ?わたしが凄く頑張ってお仕事しても、一生かかるんじゃ…?
わたしの手元には10万あるかないかで、おねえちゃんは働いてるけどゲラルドさんのお店だし…。お父さんは家にいるか釣りをしてるかで……あれ?…あれ?
「……ねぇ、ロロナ。彼女、何でこんなに…」
「そのですね……ギゼラさん、トトリちゃんのお母さんで…」
「あっ……」
……実際のところ、ロロナがタントさんの事をちゃんと知ったのって、いつ頃なんでしょうね?
『ロロナのアトリエ』のグッドのタントエンドなんかでは最後まで明かしませんけど、『トトリのアトリエ』のイベントでは「タントさん」呼びでも大臣だということは知ってたりしてるようで……
そのあたりを妄想しながら書きました。マイス君は関係無いので物語には関わりませんが、今回の話に限らず結構妄想はしてます